(岩手)遠野 受け継がれるもの
遠野市は岩手県南東部の内陸に位置し、江戸時代より遠野南部氏の城下町として、内陸と沿岸を結ぶ交通の要衝として栄えました。「遠野」と聞くと「遠野物語」を連想する方、多いのではないでしょうか。遠野物語は民俗学者の柳田 國男が、明治43年(1910年)に発表した遠野地方に伝わる伝承や逸話、民話などを記した説話集ですが、物語のもととなった同地方の伝承や逸話、民話を柳田に語り聞かせたのが、遠野土淵村出身の、佐々木 喜善(ささき きぜん)でした。柳田國男は知っていても、佐々木 喜善を知る方は多くないのではないでしょうか。遠野土淵村の裕福な農家に生まれた佐々木 喜善は、祖父などからさまざまな伝承や民話を...