また八女市の魅力は、お茶をはじめとして「香り」の要素なしには語れません。そんな体験をしてこそ感じられる魅力を知るために、「JALふるさと応援隊」で福岡出身の清水さんと上田さんと共に現場に赴きました。
八女市は、福岡空港から車や高速バスなどを利用して約1時間のところにあります。まろやかな甘みが特徴的な八女茶の産地であり、木目が美しい八女杉で有名な、豊かな自然に囲まれた町です。
さらに、江戸時代初期から続く城下町「八女福島」は、平成14年に国の伝統的建造物群保存地区に選定されました。白壁や格子戸などの美しい和風建築が印象的な町並みを歩けば、タイムスリップしたかのような気分に。古い建物をリノベーションしたホテルやショップは全国的に注目され、この町の歴史と文化を伝えています。
「茶寮 千代乃園」のランチ&八女茶スイーツで一息
福岡空港から車で向かったのは、農薬・化学肥料不使用のお茶が楽しめる「茶寮 千代乃園」。矢部川の渓流を眺めながらお茶の香り立つランチをいただきます。
まずは氷出しでじっくり煎れられた食前茶を味わいます。
清水さん「シェリーグラスでいただくなんてステキ。写真に収めたくなるような、美しい緑色ですね」
「茶寮 千代乃園」のお茶は、八女市・矢部村にある標高600mの雪ふる山で丁寧に栽培されているオーガニックのお茶です。お店では、口に広がる旨みと甘み、そしてその余韻が長く続く千代乃園の煎茶を、いちばん美味しい飲み方で楽しむことができます。
ランチプレートは、この土地で昔から食されている干しゼンマイや田舎コンニャクなど、おばあちゃんが手作りしたような懐かしい山菜料理が登場。3種のおにぎりは塩おむすび、白茶と梅の炊き込み御飯、そしてべにふうきのおにぎり。手作りの漬物も程よい塩加減です。
上田さん「べにふうきのお茶の粉末を炊き込んだおにぎりは、驚くほど香り豊か!」
清水さん「どれも味わい深く、体がよろこぶメニューですね。なにより、煎茶の旨みが存分に味わえます」
もちろん、スイーツにもお茶が使われています。程よい苦みがアクセントのパウンドケーキは、千代乃園特製の和紅茶とも相性ぴったりです。
お店の方からおすすめされたみつまめもペロリと完食。この地の風土を楽しむお料理を、お腹いっぱいいただきました。
茶寮 千代乃園
住所 | : | 福岡県八女市黒木町北大淵6338 |
---|---|---|
電話 | : | 0943-22-8552 |
営業時間 | : | 11:00~18:00(17:00ラストオーダー) |
定休⽇ | : | 火曜、水曜 |
web | : | https://chiyonoen.jp/saryo |
矢部川を望むコワーキングスペース「南仙荘」へ
矢部川沿いを15分ほど下っていくと、伝統的建造物群保存地区に選定されている八女市黒木地区に到着。昭和30年代に建てられた料亭がコワーキングスペースとして再利用されている「南仙荘」を訪れました。
趣ある館内へ足を踏み入れると、縁側から望む矢部川に目を奪われます。磨き上げられた床やテーブルに使用されている木材は、八女杉です。大広間には宴会用のステージがそのまま残され、プロジェクターやスクリーン、音響などが備えられていました。ほかにも個室利用できる8畳の和室があり、集中して仕事をすることが可能です。南仙荘は市が運営する施設。これだけの設備が整っていながら、使用料は無料です(要事前予約)。
清水さん「八女産の杉のいい香りがします。特注されたというテーブルは、手触りもとてもいいです」
上田さん「心が落ち着く香りで、仕事がはかどりそうです」
仕事が一区切りついたら、縁側から川を眺めたり、貸し出ししている自転車に乗って黒木の伝統的建造物エリアをサイクリングしたりするのもおすすめです。鯉が泳ぐ水路があり、初夏には藤の花も咲き誇るそう。矢部川沿いの遊歩道を散策すれば、冬は雪化粧、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉と、季節ごとの風景を楽しむことができます。
八女市地域しごとづくり拠点施設「南仙荘」
住所 | : | 福岡県八女市黒木町今544 |
---|---|---|
電話 | : | 0943-24-8162(八女市役所企画部 定住対策課) |
利用料金 | : | 無料 |
営業時間 | : | 平日9:00~17:00 |
web | : | https://nansenso.com/ |
「八女中央大茶園」の展望所から望む八女の茶畑に感動
黒木町から車で約30分、美しい緑の絨毯が広がる「八女中央大茶園」の展望所に到着しました。ここからは、丘陵地に広がる約70ヘクタールもの広大な茶園が見渡せ、福岡ナンバーワンのお茶の生産地・八女市を実感することができます。天気がいい日は有明海や島原半島も遠くに望め、まさに圧巻の風景美です。
清水さん「ここは、1969年から1973年にかけて広大な山林を開発して作られた茶畑だそうです」
上田さん「いつまでも眺めていたい風景ですね。多くの方に訪れてほしい場所です」
この大茶園の風景をもっと楽しめるようにとオープンしたのが、「八女中央大茶園テラス」。展望所近くの高台に、広さ4.5m×9mの広々としたウッドテラスが設けられ、朝のヨガメディテーションなどヘルスツーリズムやその他のイベントに利用されているそう。
このダイナミックな風景を体感すれば、清々しい一日を過ごせそうです。
※詳しくは「NIPPONIA HOTEL 八女福島 商家町」にお問い合わせください。
八女中央大茶園 展望所
住所 | : | 住所 福岡県八女市本 |
---|
美しい佇まい「NIPPONIA HOTEL 八女福島 商家町」へ宿泊
お茶畑を見学した後は、宿泊地である城下町「八女福島」へ。
その土地の歴史的建造物を保存活用し、「なつかしく、あたらしい、日本に滞在する」宿泊施設を全国に展開する「NIPPONIA」。八女を代表する酒蔵「喜多屋」の分工場「福島酒造」の母屋と、「旧大坪茶舗」の建物をリノベーションした空間に宿泊できるのが、この「NIPPONIA HOTEL 八女福島 商家町」です。
清水さん「ホテル入り口の佇まいからステキです。引き戸のガラスに『福島酒造株式会社』とお店の名前をそのまま残しているとは驚きです。建物の歴史をそのまま私たちに伝えてくれています」
今回宿泊したのは酒造・喜多屋の母屋である「KITAYA BETTEI」。館内には3タイプの客室があり、その中の「GRAND ROOM」にチェックインしました。ちゃぶ台が置かれた和室のリビングルームと、縁側があるベッドルーム。縁側の一番奥にトイレがあるという、まさに日本古来の間取りを生かした趣ある客室になっています。
上田さん「懐かしい雰囲気だからでしょうか、とっても落ち着いて滞在できます。レストランやバーも併設されているので、この世界観を存分に楽しめます。もうひとつの客室棟、旧大坪茶舗『OTUBO TYAHO』のお部屋にもいつか泊まってみたいです」
NIPPONIA HOTEL 八女福島 商家町
住所 | : | 福岡県八女市本町204(KITAYA BETTEI) |
---|---|---|
電話 | : | 0120-210-289 (総合窓口11:00~20:00) |
web | : | https://www.yame-fukushimastay.com/ |
お茶の香り、杉の香り、古い町並みの香り。それぞれの香りが、八女市の印象として強く残りました。これらは土地の歴史を大切にし、現代に受け継いでいるからこそ感じられる魅力です。そしてそれが、訪れる私たちの心をじんわりと穏やかにしてくれます。喧騒から離れた場所で集中して仕事をし、心を落ち着かせて休む。八女市は、そんな「なごみ旅」を実現できる、おすすめの場所なのです。
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