旅行先として不動の人気を誇る沖縄県。気軽に海外のような非日常を味わえるリゾート地として、常に旅行客で賑わっています。リッチやゴージャスな沖縄旅も魅力ですが、本記事では少しだけ視点を変え、沖縄に暮らす「ひと」に会いに行く旅をご提案。自然豊かな地を、伝統ある文化を残そうと、世界へ沖縄の魅力を発信するひとに「いま会いに行く」体験は、旅から帰ったあとの日々の暮らし、ひいては生き方に豊かな彩りを与えてくれることでしょう。
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「いま会いに行く、沖縄」。北部から南部まで、“本物の自然と文化“を味わう旅

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※一部、撮影のためマスクを外しています。

北部エリア:神秘の森やんばるで、いま会いに行く。

沖縄本島北部でご紹介するのは、いにしえからの姿を保った大自然が魅力のエリア。本島北部にある国頭村、大宜味村、東村は「やんばる」と呼ばれ、そこには豊かな森が広がっており、2021年7月に世界自然遺産にも登録されるなど、注目を集めています。この貴重な大自然を五感で味わう非日常の体験を通して、自然環境へ想いを馳せてみてはどうでしょうか。

やんばるの森をめぐる、ネイチャーツアー

画像1: やんばるの森をめぐる、ネイチャーツアー

「やんばるの森ネイチャーガイドツアー」は、やんばる国立公園や世界自然遺産エリア付近を地元のベテランガイドがご案内する約2時間のバスツアーです。

画像2: やんばるの森をめぐる、ネイチャーツアー

バスは「道の駅 ゆいゆい国頭」からスタート。運行するのは、CO2排出ゼロのEV(電動)バス「やんばる黄金(くがに)号」。世界的にも貴重な亜熱帯の照葉樹林を未来へ残し、守っていけるように環境への影響を配慮したツアーを目指しています。

アーティスト「Pokke104」さんによる、やんばるの自然をイメージしたイラストのラッピングバスに乗って出発です。

画像3: やんばるの森をめぐる、ネイチャーツアー

ツアーのガイドをしていただいたのが、上開地(かみがいち)広美さん。千葉県出身の彼女ですが、やんばるの魅力に取り憑かれ国頭村へ移住し、敏腕ネイチャーガイドとして人気を博しています。

上開地さん「このツアーは始まって、2年目になります。森の奥の自然だけがすごいのではなくて、ひとの暮らしのすぐそばにやんばるという豊かな自然が広がっているんだということに多くの人に気づいてもらうためにガイドを行っています」

画像4: やんばるの森をめぐる、ネイチャーツアー

上開地さんにやんばるの自然と人々の暮らし、さらに歴史的背景の語りを聞きながら、バスは亜熱帯の森の奥へと入っていきます。走行していると、5つの標識が目に止まります。どれもが、やんばる固有の生き物たち。ガイド中は環境に配慮し、ロードキル(車両や道路による影響で野生動物が死亡すること)を起こさないよう細心の注意を払って時速20キロ以下にスピードを落として走行します。

画像5: やんばるの森をめぐる、ネイチャーツアー

林道の途中数カ所でバスを下車し、亜熱帯の森を間近で観察しながら散策したり、眺めの良い東屋でおやつ休憩をとったりと、ゆったり自然を楽しみながら学ぶことができます。

道中、偶然にも姿を見せてくれたのがキノボリトカゲの赤ちゃん。今年の夏後半から秋にかけて繁殖した子どもたち。目を凝らして見て、生き物たちとの出会いに感謝します。

画像6: やんばるの森をめぐる、ネイチャーツアー

森は、ヒカゲヘゴやイタジイが野放図に生い茂っていますが、絶滅の危機に瀕する種も含め1250種あまりの植物が自生し、太古から続く植物の楽園を築いています。実物で見ると、動植物たちが放つ生命の力強さに圧倒され、パワーを分けてもらえるはず。

やんばるの森は、日本の国土の0.1%の面積しかないのにもかかわらず、日本全体で確認されている生物の種類に対して鳥類では約半分。カエルでは約4分の1の種類という高い割合を占める動植物の種が生息・生育しているのだとか。

画像7: やんばるの森をめぐる、ネイチャーツアー

上開地さん「複雑な生態系をつくりあげているのが、やんばるの森なんですね。生物学的にまとまりのある森林が比較的健全な状態で残っています。 私は動植物全般が好き。特定の生き物だけが好きなのではなく、生態系がきちんと成り立っているというところに美しさを感じるんです。生き物たちが紡ぐ関わりが深ければ深いほど、すごいなと感動します」

※世界自然遺産登録地域での動植物の捕獲・採集・損傷は禁止されており、散策する際はマナー・ルールを守って楽しみましょう。

やんばるの森ネイチャーガイドツアー

参加費7,800円(4歳以上)
webhttps://www.japawalk.com/campaign/yambaru_kugani.html
※要事前予約

ネイチャーガイドと歩く森林公園ツアー

参加費1人5,500円〜(所要時間3時間程度・2人以上で催行)
webhttps://endemicgarden.jp/attraction/naturewalk/

やんばるの絶景を望む隠れ家喫茶

道の駅ゆいゆい国頭から車でおよそ10分、国頭村森林公園へと向かう丘の途中に「喫茶あがち森」はあります。「あがち」とはヤンバルクイナの方言名で「あわてんぼう」「せっかち」という意味。シークレットベースを彷彿とさせる山小屋風のお店は、なんとすべて店主の手作り。使える廃材や知り合いからもらった道具の再利用をベースにして、2022年にオープンしました。

画像1: やんばるの絶景を望む隠れ家喫茶

中に入ると、お洒落で居心地の良い空間が広がっています。木の温もり溢れる店内に入ってくるのは自然のBGM。心が洗われていくような気分になるでしょう。

画像2: やんばるの絶景を望む隠れ家喫茶

テラス席もあり、すぐ目の前には雄大なやんばるの森、その向こうに広がる美しい東シナ海のコントラストを贅沢に味わうことができます。朝にはノグチゲラなどの鳥たちが顔を出したりもするそう。

画像3: やんばるの絶景を望む隠れ家喫茶

そんな絶景を眺めながら味わえる食事は、店主オススメの「彩り野菜ピザセット(サラダ・スープ付)」。地産地消を目指し、なるべく地元の食材を使ったこだわりの一品です。

画像4: やんばるの絶景を望む隠れ家喫茶

「せっかくこの地へ訪れたのなら、思う存分このやんばるの自然を満喫してほしいですね」と話すのは、店主の平山さんご夫妻。

妻の奈美子さんはもともと東京生まれ。最初に沖縄に来たのが10年前。そこで夫の平山さんと出会い、南部、中部での暮らしを経て北部へと越してきました。

奈美子さん「この地は私にとって肌が合うというか(笑)。自分がこれまで暮らしていた南部や中部とは全然違う暮らしが待っていました。こんなに自然豊かな地があるんだと思い、すぐに大好きな地になりました。この場所だからできることを、考えながらお店を切り盛りしています。みなさん、やんばるの地に来られた際はぜひ一息つきにお立ち寄りください」

あがち森では、やんばるに生息する昆虫の観察会など不定期にミニイベントも開催しています。 詳しくはお店のInstagramをチェックしてみてください。

画像5: やんばるの絶景を望む隠れ家喫茶

喫茶あがち森

住所沖縄県国頭郡国頭村奥間2040-6
電話0980-41-2858
営業時間10:00〜17:00
定休⽇火・水曜
Instagramhttps://www.instagram.com/agachi_mui/

パイナップルの葉でアクセサリー作り

画像1: パイナップルの葉でアクセサリー作り

沖縄本島北部をメインに活動しているグループ「FOOD REBORN」(株式会社フードリボン)が主催しているのが、パイナップルの葉を使ったアクセサリー作り体験です。FOOD REBORNは、これまでは資源として考えられてこなかった身のまわりの素材に目を向け、人々にとっても地球にとっても持続可能な価値あるものを生み出すシステムを作り出し、次の世代へと繋いでいくことを目指しています。

画像2: パイナップルの葉でアクセサリー作り

体験講師を務めてくれたのは、繊維事業統括マネージャーの長谷場咲可さん。このアクセサリー作り体験イベントを始めて2年目になるそうです。着ているのは、自社のパイナップル繊維でできたオーバーサイズシャツ。

画像3: パイナップルの葉でアクセサリー作り

日本一の生産量を誇る、県を代表する果物のひとつがパイナップルです。パイナップルの葉は果実の2倍以上の量があると推計されるそうですが、じつはこれまで果実収穫後に残った葉は価値がないものとして、その9割以上が使い道がなく畑に廃棄されているのです。

長谷場さん「この廃棄されるだけの葉を、なんとか利用できないかと思っていて。果実を収穫後畑に残り廃棄されていた葉から高品質の衣料向けの天然繊維が抽出できたことで、ファッションをはじめとしたライフスタイル製品へと生まれ変わることが可能となりました。また、抽出の際に残される葉肉くずの部分も活用し、生分解性の樹脂に練り込んだストローやカトラリー、容器なども開発しました。畑の堆肥として活用することなども研究中です」

現在は、離島も含めた沖縄全土の生産農家との連携をし、協力農家から葉を買い取る仕組みを構築し、沖縄の新たな産業にするべく計画を進めているそうです。

アクセサリー作りの体験時間は約2時間。まずは、パイナップル農家さんのもとへ一緒に行き、新鮮な葉を調達するところから始まります。収穫を終えて作業場へと戻り、葉から繊維を取り出していきます。

画像4: パイナップルの葉でアクセサリー作り

皮剥きを使って、繊維に沿って葉の表面を削っていきます。「結構力がいりますが、新鮮なものだとやりやすいですよ」とのこと。

表面の皮を削り取ると、繊維が剥き出しになるのでそこから繊維だけを手で抜き取り、束にしていきます。

最後に、ある程度の量をまとめてキーチェーンやピアスなどの輪に通して縛れば、100%手作りのパイナップルリーフ・アクセサリーの完成。短時間で簡単に作れ、形に残る旅の思い出となります。

長谷場さん「パイナップルは余すことなく、大地に還る素材として活用できることを知ってほしいです」

そしてこのアクセサリー作り体験が、自然環境の問題についても考えを巡らせるきっかけになるかもしれません。

画像5: パイナップルの葉でアクセサリー作り

長谷場さん「大宜味村(おおぎみそん)のおじぃ、おばぁから教わった『かふうあらしみそーれ、とぅくとぅみそーれ』という言葉があります。“あなたに幸せが訪れるように、徳を積めるような良い行いをしましょう”という意味で、『情けは人の為ならず』という言葉に近いものです。天然繊維に関しても、子どもたちが過ごす未来に少しでも良いものを残していく、というよりこれ以上壊さないであげたい。大きな流れは止められなくても、引き延ばすことはできるはずです」

パイナップルの葉でアクセサリー作り体験

電話098-917-1830
webhttps://food-reborn.co.jp

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