旅行先として不動の人気を誇る沖縄県。気軽に海外のような非日常を味わえるリゾート地として、常に旅行客で賑わっています。リッチやゴージャスな沖縄旅も魅力ですが、本記事では少しだけ視点を変え、沖縄に暮らす「ひと」に会いに行く旅をご提案。自然豊かな地を、伝統ある文化を残そうと、世界へ沖縄の魅力を発信するひとに「いま会いに行く」体験は、旅から帰ったあとの日々の暮らし、ひいては生き方に豊かな彩りを与えてくれることでしょう。

中部エリア:多様な文化発信の拠点で、いま会いに行く。

沖縄本島中部エリアでは、「港川ステイツサイドタウン」など沖縄の新たなおしゃれスポットとして注目を集めている浦添市と、中城湾(東海岸)に面し豊かな自然と歴史ある景観に恵まれた北中城村を巡ります。歴史を感じつつも、多彩な文化に触れる体験を味わってみましょう。

気軽に、手軽に、ビーチクリーン

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沖縄のビーチを楽しむのであれば、その美しさを守っていくことを観光客も一緒になって考えるフェーズに入っています。人と人とが繋がる、地球にやさしい観光アクティビティを提唱しているのが、沖縄県内外100箇所以上で活動の輪を広めている「プロジェクトマナティ」。こちらの団体が行っているビーチクリーンプロジェクトでは、予約をすれば観光客でも準備なし、片付けなしで手軽なクリーンアップ体験ができるとのこと。

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今回は、マナティとホスト&パートナーシップを結んでいる「隠れ家カフェ 清ちゃん」を訪ね、オーナーの黒島春奈さん(写真左)とマナティ創設者兼代表者である金城由希乃さん(写真右)にお話を聞きながら、ビーチクリーン活動を行ってみました。

沖縄県浦添市港川の閑静な住宅街にある「隠れ家カフェ清ちゃん」。一見民家と見間違うほど、その名に相応しいお店を構えています。「仕事や子育てに頑張っている人が、ゆったりくつろげる空間」を目指した、知る人ぞ知るカフェです。

店内にはオーナーの黒島さんが制作した美しい「シーグラスアート」が数多く飾られています。 黒島さんは何年も前からビーチクリーンを続け、そのときにゴミと一緒に拾ったシーグラスを使って作品を生み出すアーティストでもあります。

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料理はアジアンテイストなエスニックが中心。メイン料理は10種類の中から一品、またはハーフアンドハーフで二品まで選ぶことができ、ケーキや琉球紅茶なども味わうことができます。

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黒島さん「人間は自然の中に生かされているという感謝を忘れず、みんながそれぞれできることを少しずつ取り組んでいけば、自然を守ることができると思うんです。金城さんからマナティのシステムを聞いたときは素晴らしいなと思いました。自分が好きな場所に気軽に来て、ゴミを拾って気持ち良くなって帰る。無理することなく、できることからやっていく。それが、私たちがこれから自然に返し、次世代へと繋げていけることだと思います」

マナティ代表の金城由希乃さんは、沖縄県沖縄市出身。2017年に「サンゴにやさしい日焼け止め」の企画販売を開始。そのプロモーションを行なっているときに、プロジェクトマナティの構想が生まれました。

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金城さん「サンゴにやさしい日焼け止めを紹介しに西表島に行ったんです。すると、浜に無数の漂着ごみが流れ着いていて。でも、拾ったところで一体どこに持っていけば良いのかと。捨てるところがなかったら、拾えないじゃんという思いをしたことがきっかけです」

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2020年からプロジェクトをスタートし、現在では協力拠点が約100箇所。その活動はエシカルツーリズムや地方創生のモデルとして沖縄県内外へと広がっています。

金城さん「まずパートナーシップを結んでくれたお店には無料でバッグをレンタル。マナティの参加者は、好きな場所に行ってパートナーシップのお店からバッグを購入。ゴミを拾い終わったらお店の方にバッグごと渡せば完了です。その後、お店は地域のルールに則って処分してもらうというサイクルで動いています」

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隠れ家カフェ清ちゃん裏手にも綺麗なビーチがありますが、よく見るとところどころに漂流ゴミが。浜を歩きながら、目についたゴミを拾っていくだけで、意外とすぐにバッグが膨れていることに気が付きます。それだけ、各地で捨てられたゴミが海を漂い、何も関係のない美しいビーチに皺寄せが来ているということに気付かされます。

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地球を守るのは、人間が快適に住める地球環境を守るということ。そのためにサステナブルな活動は必要だと金城さんは言います。

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金城さん「やさしさが循環できる仕組みがあれば、自動的にどんどんやさしさがまわりまわっていく。それが、サステナブルの始まりだと思うんです。そんなイメージを持って活動し、沖縄だけでなく県外にも向けた取り組みを行っていきます。まだまだ、これからですね」

プロジェクトマナティ

住所沖縄県浦添市安波茶1丁目27-9 すえひろビル3階
webhttps://www.manatii.org

隠れ家カフェ清ちゃん

住所沖縄県浦添市港川543番地B-16
電話098-927-8398
営業時間11:00~17:00(L.O.16:00)
定休⽇日曜、最終月曜
参加費マナティバッグ 500円
ビーチクリーン、手作りケーキ、ドリンクセットプラン 2,000円(完全予約制、受付実施時間15:00〜17:00)

暮らしの知恵を持ち帰る、プロに学ぶワークショップ

北中城村の丘の頂に、地球と人にやさしいサステナブルなホテルがあります。それが、「EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート」。自然を感じる癒し空間を作り上げ、非日常のリラクゼーションを日々の暮らしに活かしてもらう新たなリゾートスタイルを提案しています。

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館内にはお洒落なショップが併設。EMグループが手がけるウェルネスライフを支える、発酵食品や無添加石鹸といったこだわりのアイテムが並びます。ここで気になるのは、ホテルの名にもある「EM」という言葉。ホテル営業部の仲村聖子さんにお話を伺いました。

仲村さん「EMというのは、Effective(有用な)Microorganisms(微生物たち)の頭文字を取って通称『EM菌』と呼んでいます。乳酸菌を主とする微生物による発酵の力で、悪臭を消したり、土の微生物環境を整えたりすることで、土壌とそこで育つ作物を豊かにする。そうした、人と地球に快適な空間を生み出す善玉菌の集まりを指します。私たちのグループでは、この菌を用いた技術で『人を、地球を、ちょっと豊かに。』をスローガンに農業を土から支えています。そして、持続可能な農業の実現だけでなく、商材を開発してお客さまに利用してもらうことで、作る人や食べる人の健康と地球環境を考えてもらうきっかけ作りをしています」

現に同ホテルでは宿泊するだけでなく、持ち帰ることができるような暮らしの知恵をその道のプロから学ぶ、さまざまなワークショップが定期的に開催されています。自分が気になる学びを、宿泊しながら気軽に体験することができるのはとても魅力的です。

その中から「コーヒー体験 コーヒー×サステナブル~サステナブルコーヒーのすすめ~」と「ぬちぐすい(命の薬)料理 琉球料理伝承人から学ぶ元気食」のふたつのワークショップを体験。

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サステナブルコーヒーのワークショップで講師を務めたのは、(株)EM研究機構の小島可奈子さん。スクリーンやフリップボードを用いながら参加者にわかりやすく説明してくれるので、楽しくコーヒーの知識や持続可能な取り組みについて学ぶことができます。

小島さん「私たちは、コスタリカのコーヒー農家さんと契約をしています。コスタリカでは、国としてサステナブルを取り入れ、エコツーリズムなど観光業に関してもよく考えている。そこで、彼らの農園で出たコーヒーの葉、果実、茎などの残渣をEMで発酵させて堆肥を作り、土に戻したり、EMを灌漑(かんがい)や葉面散布にも使用したりし、害虫などの虫から植物を守っています」

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そうして、農園では循環型農業を実現し、その成果としてコーヒー豆の品質を高めることができているのだと小島さんは言います。

小島さん「これだけ農家さんが献身的に取り組んでいるのだったら、消費者である私たちもできることを学び取り組んだら良いんじゃないかと思っています。だからこそ私は、一杯のコーヒーから見えてくる事実や現状をお伝えし、サステナブルな、アップサイクルな環境保全への意識をもってもらえるように取り組んでいます」

コンビニに行けば、安くて一杯100円でコーヒーが飲める時代です。私たち消費者に取ったらコーヒーは安くて当たり前の感覚になっていますが、お話を聞くとそれが何を意味しているのか気付かされます。「適正な価格とは?」「私たちに何ができるのか?」。淹れてもらえる本物のコーヒーを味わいながら、そんなことを考えるきっかけになるはずです。

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続いて、琉球料理伝承人から学ぶ「ぬちぐすい(命の薬)」料理について。

同ホテルには、「和琉料理 結庵-ゆあん-」という、和食と琉球料理を上手く調和したレストランがあります。料理長は、沖縄の歴史や背景、行事食に器などに総合的な理解を深め、調理法や味を受け継ぐ「琉球料理伝承人」に認定されているとのことです。

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写真手前にあるのは右から、切りこんにゃく、沖縄県産の魚を使ったかまぼこ、厚揚げ、三枚肉(豚バラ肉)、乾燥椎茸。沖縄では、これら5つの食材を使った「いなむどぅち」という郷土料理があります。主に祝いの席で食べられ、琉球王朝時代の流れをくむ五段のお取持ちという供応料理の一の膳に出される祝い料理のひとつでもあるそうです。

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そして深皿に盛られたのが、豚足を煮付けにした「てぃびち」。沖縄県民のソウルフードということで人気も高い一品ですが、柔らかくなるまで煮込むのに4〜5時間を要するため、家庭料理というよりはお店で好まれる料理なのだそう。

沖縄には豚肉を使った料理が多く存在。戦後、人々の生活は貧しく豚肉は高級品だった時代、沖縄では特別な日などに豚一頭を親戚や身近な人と分け合う習慣がありました。そこで、豚の頭から足の先まで余すことなく調理し、効率よく栄養を摂るためにさまざまな豚肉料理が編み出されたといいます。

伝統的な琉球料理と和食が織りなすおいしさは、一品一品に沖縄と日本の深い繋がりを感じられることでしょう。お話を聞きつつ沖縄郷土料理の歴史に思いを馳せ、真心を込めた手料理を味わうひとときは、何ものにも変えられない体験です。

EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート

住所沖縄県中頭郡北中城村喜舎場1478
電話098-935-1500
webhttps://kurashinohakko.jp

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