2021年7月、世界遺産委員会により「奄美・沖縄」が世界自然遺産に認定されました。登録された地区の中から、今回は沖縄本島北部「国頭村、大宜味村、東村」3村、やんばるエリアを旅します。貴重な生物や亜熱帯に属する森林、絶景スポットをネイチャーガイドと巡りながら、沖縄の自然を堪能します。
画像1: ネイチャーガイドとまわる深い森と青い海 沖縄やんばる1泊2日

西村 愛

2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎 (実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典 (PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。 サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。

画像2: ネイチャーガイドとまわる深い森と青い海 沖縄やんばる1泊2日

健康長寿のおすそ分け。「笑味(えみ)の店」の長寿弁当

那覇空港から名護を経由し、さらに北上すると到着する大宜味村は、1993年に「長寿日本一」宣言を行い、年齢に関わらず村民が楽しく元気に暮らし、誰もが憧れる「健康長寿」を実践する村です。
ここには、島野菜(沖縄伝統野菜)をふんだんに使い昔のままの調理法を用いて作られる料理を食べられるお店があります。
県内でも、小さな子どもたちのいる家庭の食卓にのぼらなくなった旬の島野菜は、今では簡単には手に入らない貴重な食材です。昔は各家庭の畑で作られていた島野菜は、野菜というよりもどちらかというと薬草に近く、季節ごとにそれらを食べることで自然にからだを養生し、整え、健やかな毎日をおくる糧となっていました。
大宜味村の「笑味の店」は、健康的な沖縄料理を食べられる店として、北部の代表的な飲食店のひとつとなっています。
今回は、テイクアウトができる「長寿弁当」を予約しておきました。
地元のいろいろな人たちによってつくられた貴重な食材を使い、昔ながらの味わいを大事に、少量多品目のおかずが詰め込まれています。すべてが手作りで、素材の風味をひとつひとつからちゃんと感じられます。店前の「笑味の畑」でとれた新鮮な野菜やパパイヤなどの食材も使われます。目の前の海で揚がったかたくちいわし、村特産品のシークヮーサーを使ったアンダギー、大宜味村発祥の伝統食であるインガナ(ニガナ)の白和え「インガナズネー」など、初めての味もありました。

想像よりも量が多いのですが、あっさりとした薄味、野菜が多いことや少しずついろいろなものが食べられることもあり、最後までおいしくいただきました。ひと口ひと口味わいながら、見たことがない野菜や食べたことがない料理を楽しむことができます。
大宜味村の農家や漁師、みんなの力を結集して「長寿弁当」はできています。笑味の店から発信される“古き良き沖縄の姿”や、村の豊かな自然、家庭の温かさを思い出させるような優しい味に癒されて、元気のおすそ分けをいただきました。

笑味の店

住所沖縄県国頭郡大宜味村大兼久61
電話0980-44-3220
営業時間9:00~17:00(テイクアウト)
11:30~17:00(店内飲食 L.O.16:00)
定休日火曜日、水曜日、木曜日
※食事・弁当は前日までの要予約
URLhttps://eminomise.com/

崖上から見下ろすサンゴ礁の海「茅打バンタ」

今回の旅では、沖縄北部地域の世界自然遺産エリアを取り巻く大自然を満喫する旅。
ランチを終えてまず合流したのは、ホールアース自然学校沖縄校 がじゅまる自然学校代表の小林 政文さん。主に北部・名護市を活躍の場にしながら、沖縄の自然を通して文化や歴史、時事に至るまで、様々な沖縄を広く伝えているベテランガイドです。沖縄を通して自然の大切さを伝え、自然を愛し、意識し、保全するといった経験から“沖縄を感じるきっかけ”を作ってもらえるような体験内容を目指しています。
今回は様々な場所で、沖縄の自然の楽しみ方を教えてもらうため、同行していただきました。

まずは、国頭村にある茅打バンタへ。
高さ約80mあるという断崖絶壁。断崖の上は園地として整備されています。東屋があるので休憩することもできますし、絶景を楽しむことも。
沖縄北端地域は海から山が近いのが特徴で、この茅打バンタからも緑濃い森とエメラルドグリーンの海が両方見渡せます。眼下には「宜名真漁港」、また、北部の美しい海の中のサンゴ礁も透けて見通せる絶好のロケーションです。

ここで小林さんは、海の中に泳ぐウミガメを発見!
さすがの洞察力におどろきました。
また、その場に咲く草木についても、いろいろと教えていただきました。
本州にはいない様々な生き物や、亜熱帯特有の植物など、注意しながら見ると本当にその多様性に気づかされます。雄大な景色を見に、ぜひ立ち寄っていただきたいスポットです。

茅内バンタ

住所沖縄県国頭郡国頭村宜名真
URLhttp://kunigami-kikakukanko.com/itiran/05.html

がじゅまる自然学校

住所沖縄県名護市真喜屋845
電話0980-58-1852
URLhttps://www.wens.gr.jp/gajumaru/index.html

亜熱帯の森で神秘的な体験を「大石林山」

次に向かったのは国立公園内にあり、切り立った石灰岩が、雨で浸食されてできた特殊な地形を持つスポット「大石林山」。
ごつごつとした岩山や奇岩が見られるだけでなく、鬱蒼とした森の中につくられた散策路を使ってまわることができ、初心者でも気軽にトレッキング体験ができます。
今回、ここでは前述の小林さんとともに、大石林山のスポットガイド服部 貴昭さんと一緒に地質や植生、展望台からの眺望などを見て回ります。

大石林山は、自然が作り出した造形美を見られる一方で、琉球神話の聖地としても知られています。神話の神・アマミキヨが最初に降り立ち、創造した「安須杜(アシムイ)」の地とされ、今でも山全体に60か所以上の御願所(拝所)が残っており、神秘的な雰囲気を漂わせています。

トレッキングコースは4つあり、そのうち3つA~Cは駐車場・受付からスタート地点の精気小屋までシャトルバスで送迎があります。「悟空岩」をはじめ、無数の石灰岩を見ることができ、美ら海展望台からの絶景などを楽しみました。途中の岩々には色んな名前が付けられており、マップを片手に宝探しのようにトレッキングするのも楽しいです。この日はお天気もよく、鹿児島最南端の与論島や沖永良部島も見えました。
コースはもともと、御願所へ行くための山道だった場所を散策できるように道としたもの。できるだけ自然を壊さず、かつ多くの人が訪れて沖縄の雄大な自然を感じられるようにと整備されています。ベビーカーや車いすなどでもまわれる「バリアフリーコース」も用意されています。
帰りはD・ガジュマル森林コースを歩き、沖縄最大級のガジュマルの木「御願ガジュマル」や、ソテツ群落などを見学し、全部で1時間半のトレッキングとなりました。
専門家とまわるガイドツアーは、前日17:00までの予約。
今回のガイドツアーの他に、スピリチュアルガイドツアーもあります。

大石林山

住所沖縄県国頭郡国頭村宜名真1241
電話0980-41-8117
営業時間9:30~17:30(最終受付16:30)
定休日年中無休

沖縄本島最北端を巡る「辺戸岬」「ヤンバルクイナ展望台」

沖縄本島最北の突端にあるのが「辺戸岬」。パノラマに広がる海の透明度は高く、太平洋と東シナ海がぶつかり合い白い波頭が立つワイルドな景色や、サンゴ礁の美しさが崖からでも十分堪能でき、沖縄の自然のパワーを間近に感じることができる景勝地です。

ここはかつてアメリカに統治されていた沖縄が、本土復帰を果たした際の記念石碑が建てられています。この地から見える鹿児島県の島々と沖縄本島の間には、国境があったということになります。強い想いを感じさせられる石碑に、改めて平和のありがたさを感じました。

辺戸岬を眺められる場所のひとつとして、ぜひおすすめしたいのが「ヤンバルクイナ展望台」。
辺戸岬からも山の上に大きなヤンバルクイナが見えるでしょう。
実は今、かなり話題のいわゆる“珍スポット”。あまりの巨大さに思わずだれもが笑顔になってしまう、そんな展望台です。
ガイドの小林さんによると、この地域にある「辺戸蔡温松並木保全公園」も見どころのひとつ。「沖縄に松?」と少々ふしぎに思ったのですが沖縄の歴史の中で、その地に必要かつ最適な植林を行った歴史上の人物、琉球国の政治家であった「蔡温」が植えた松だということです。
“やんばる”らしいキャッチーな展望台。この地域特有の飛べない鳥“ヤンバルクイナ”をモチーフにしたスポットなので、旅の想い出に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。なお、本物のヤンバルクイナは、同じく国頭村にある「ヤンバルクイナ生態展示学習施設 クイナの森」で見ることができます。

辺戸岬

住所沖縄県国頭郡国頭村辺戸
URLhttp://kunigami-kikakukanko.com/itiran/06.html

ヤンバルクイナ展望台

住所沖縄県国頭郡国頭村辺戸
電話0980-41-2101 (国頭村役場 企画商工観光課)

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