【2025】京都・桜の名所20選。定番から穴場まで、お花見で春爛漫な絶景を楽しもう

定番のお花見スポット

平野神社：多彩な品種の桜を長く楽しめる

平安貴族も愛したという、京都屈指の桜の名所「平野神社」。生命力を高める象徴として平安時代から植樹されはじめ、今では「魁（さきがけ）桜」「寝覚（ねざめ）桜」「平野妹背（ひらのいもせ）桜」「手弱女（たおやめ）桜」「突羽根（つくばね）桜」といったさまざまな品種の桜が約60種類400本も植えられています。

品種によって咲く時期が異なるため、3月上旬から4月下旬まで約2カ月にわたり桜を観賞することができるのも平野神社の桜の特徴です。

3月下旬から4月中旬頃にはライトアップが行われるほか、毎年4月10日には「桜花祭」というお祭りも開催され、多くの花見客で盛り上がりを見せます。

平野神社

嵐山：桜色に染まる京都随一の観光地

京都を代表する風光明媚な観光スポット「嵐山」でも美しい桜を見ることができます。

必ず押さえておきたいのは、渡月橋がかかる桂川沿いの桜。この一帯には約1,500本の桜が咲き誇り、人々を魅了しています。特に桂川の中州にある中ノ島公園から見える桜越しの渡月橋は風情たっぷりで、まるで平安時代にタイムスリップしたかのよう。

嵐山では渡月橋周辺以外にもあちこちで桜が見られるので、京グルメを食べ歩きしながら桜を愛でるのもおすすめです。

嵐山

清水寺：京都の代名詞の桜は夜が狙い目

京都といえば「清水寺」は外せません。清水寺は紅葉の名所として名高い寺院ですが、桜の美しさにも定評があります。

広大な敷地には山桜やソメイヨシノなど、約1,500本もの桜が植えられており、「清水の舞台」で有名な本堂（舞台）をはじめとした堂宇と桜との見事な競演は見ものです。

2025年3月25日（火）～4月3日（木）の「春の夜間特別拝観」では、桜がライトアップされ、幻想的な雰囲気に様変わり。昼間は混雑必至の清水寺ですが、夜であればしっとりと桜を鑑賞できるでしょう。

清水寺

醍醐寺：豊臣秀吉も愛でた桜

「花の醍醐」とも呼ばれる「醍醐寺」も京都の桜を語るうえで欠かせないスポットのひとつです。

かつて豊臣秀吉が「醍醐の花見」を行ったという醍醐寺の境内には、シダレザクラやソメイヨシノ、山桜、八重桜など、約700本もの桜が花を咲かせます。

多種多様な桜を楽しむことができる醍醐寺ですが、三宝院の太閤シダレザクラと、霊宝館前の参道を彩る桜のトンネルは必見。秀吉も愛した桜で春の訪れを感じてみては。

醍醐寺

円山公園：夜桜といえばここ。祇園シダレザクラは必見

京都の鉄板お花見スポットといえば、ここも外せません。

京都で最も古い公園として明治19（1886）年に開園した「円山公園」は、地元で長年愛される桜の名所。春になるとソメイヨシノや山桜など、約650本の桜が咲き揃います。

公園のシンボルとして園内中央に鎮座する樹高12mの大きなシダレザクラは、圧倒的な存在感。夜はライトアップされ、ひときわ妖艶な姿になることから「祇園の夜桜」の愛称で親しまれています。

円山公園

平安神宮：桜×音楽の競演

京都の春を彩る風物詩として「平安神宮」で毎年4月に行われるコンサートがあります。その名も「平安神宮 桜音夜（さくらおとよ）～紅しだれコンサート2025～」。このコンサートは、谷崎潤一郎の『細雪』にも登場した平安神宮・神苑に咲く紅シダレザクラを眺めながら、音楽を楽しめるというもの。

コンサート会場には客席を設けておらず、ライトアップされた神苑を散策しながら音楽に耳を傾けます。平安京を思わせる優雅な空間で、目でも耳でも春を感じてみては。

平安神宮

蹴上インクライン：写真映え間違いなし！ 線路と桜が作り出す絶景

「蹴上インクライン」では、線路×桜の絶景を見ることができます。元々は蹴上船溜（けあげふなだまり）から南禅寺船溜（なんぜんじふなだまり）までの斜面に舟を往復させるために敷設された傾斜鉄道でしたが、現在は使われていないため、線路内に入って撮影ができる写真映え必至のフォトスポットとして人気を集めています。

蹴上インクライン

山科疏水：運河沿いに咲く桜と菜の花

京都と滋賀の琵琶湖を結ぶ人工運河「山科疏水（やましなそすい）」沿いには、約410本（東山自然緑地を除く）の桜とともにかわいらしい菜の花が咲きこぼれます。

疏水沿いには約4kmにわたって散歩道が設けられているため、春の陽気に誘われながらのんびりお花見するもよし、観光船「びわ湖疏水船」に乗って水上から桜と菜の花の絶景を楽しむのもよいでしょう。

山科疏水

京都御苑：宮家や公家ゆかりの桜に出合う

京都御所の周りを取り囲む外周約4km、約65ヘクタールにおよぶ広大な公園「京都御苑」も春になると桜色に染まります。

江戸時代には宮家や公家の邸宅が集まっていたこともあり、天皇や公家ゆかりの桜に出合えるのも楽しみのひとつ。中立売御門の近くある「車還桜（くるまがえしさくら）」は、あまりの美しさに後水尾天皇がお車を引き返させたことからその名が付いたそう。

ほかにも空を覆うように枝が横に伸びる「糸桜」や、凛とした姿が美しい「出水のしだれ桜」など、さまざまな種類の桜が出迎えてくれます。

京都御苑

東寺：夕闇に浮かび上がる優美なシダレザクラと五重塔

五重塔と桜の華麗なコラボレーションが見られる「東寺」。五重塔を背景に咲く八重シダレザクラは弘法大師の「不二の教え」から「不二桜」と名付けられ、気品あふれる姿で見る者の目をくぎ付けにしています。

樹高13m、枝張り10mにもおよぶ圧倒的な佇まいは、五重塔にも負けない迫力です。夜は期間限定でライトアップも実施。五重塔と桜が池に映る風情あふれる光景を目に焼き付けてみては。

東寺

二条城：煌びやかにライトアップ

徳川家康が造営し、幕末には徳川慶喜が大政奉還の意思を表明したことで有名な世界遺産「二条城」では、2025年3月14日（金）から「二条城桜まつり2025」を開催。城内にはソメイヨシノや山桜、シダレザクラ、里桜と、早咲きから遅咲きまで50品種、約300本の桜があり、約1カ月にわたり桜が観賞できます。

2025年3月14日（金）～4月13日（日）は、城内をライトアップすると同時に内堀では狩野派の障壁画をモチーフに豪華絢爛なプロジェクションマッピングを実施。ほかにはない桜とアートの融合を堪能しては。

二条城

梅小路公園：花見に、レジャーに。地元で愛される自然豊かな公園

市民の憩いの場として親しまれている京都駅西側に位置する「梅小路公園」は、桜を眺めながらピクニックをするのに絶好のスポット。26品種、約130本の桜に囲まれながら、家族や友人とともに和やかなひとときを過ごせます。

京都駅からすぐのアクセスしやすい立地も人気の理由です。京都水族館や京都鉄道博物館も併設されているので、一緒にレジャーを楽しむのもおすすめです。

梅小路公園

穴場のお花見スポット

京都府立植物園：旬の草花が観賞できる人気スポット

まず紹介する穴場のお花見スポットは、日本最古の公立植物園として知られる「京都府立植物園」。お花見というと、公園や神社仏閣を思い浮かべがちですが、植物園も桜の宝庫。チューリップなど、ほかの植物と一緒に春ならではの鮮やかな光景を楽しめます。

「京都府立植物園」に咲く桜は約180品種500本と種類も多いため、長期間にわたって桜を愛でることができます。

2025年3月25日（火）から4月6日（日）までは、夜間にライトアップを実施予定です。

京都府立植物園

哲学の道：春爛漫の桜並木をのんびりお散歩

「日本の道100選」にも選定されている「哲学の道」も隠れた桜の名所。

哲学の道は若王子神社から銀閣寺まで約2kmにわたり続く散策路で、20世紀初頭に哲学者の西田幾多郎氏が毎朝物思いにふけながらこの道を歩いたことからこの名が付いたといわれています。

四季折々に美しい哲学の道ですが、春には約400本のソメイヨシノが作り出す桜のトンネルが登場。近くには銀閣寺や南禅寺、平安神宮などの観光名所もあるので、あわせて訪れるのもよいかもしれません。

哲学の道

高台寺：枯山水庭園×プロジェクションマッピング×桜の荘厳コラボ

東山にある観桜の名所といえば「高台寺」。豊臣秀吉の正室・ねねが夫の菩提と自身の墓所として建立した禅寺。境内の南からは八坂の塔（法観寺）や京都タワーなど京都の街並みを一望できます。

方丈前庭「波心庭」に咲き誇るシダレザクラも見逃せません。砂紋が見事な枯山水庭園に淡い桜色のシャワーが降り注ぐ様子は実に見事。

2025年3月14日（金）～5月6日（火・祝）は夜間特別拝観期間。境内順路すべてをライトアップします。臥龍池の映り込みや波心庭でのプロジェクションマッピング、竹林など昼とは違った幻想的な空間を味わえます。

高台寺

祇園白川：京都らしさ満載。花街を彩る桜

街中でご飯を食べた後、お花見がしたくなったときにぜひ訪れたいのが「祇園白川」。祇園白川は、石畳に格子戸のお茶屋が立ち並ぶ白川南通り一帯のこと。

2025年3月28日（金）～4月6日（日）の間、夜は白川沿いの桜並木がライトアップされ、京都らしい風情ある街並みと桜が古都らしさを演出します。

近くにはお茶屋の建物を利用したバーやカフェなどもあるので、桜を見た後にゆっくり大人の時間を過ごすのもよいかもしれません。

祇園白川

伏見桃山城：写真映え必至の知る人ぞ知る桜の名所

京都の街中から少し足をのばして、酒処・伏見へ。十石船から宇治川派流沿いの桜と酒蔵の絶景を堪能した後に訪れたいのが、京都では数少ないお城と桜を楽しめる「伏見桃山城」です。

ここは地元の人がよく訪れる桜の名所で、天守閣周辺にはソメイヨシノや紅シダレザクラが艶やかに咲き乱れ、華やかな雰囲気に包まれます。街中のお花見スポットに比べて、混雑することなく、静かにお花見ができるでしょう。

伏見桃山城

仁和寺：江戸時代から親しまれる御室桜

遅咲きの桜が有名な「仁和寺」。春には境内全体が満開の桜やミツバツツジで彩られる仁和寺ですが、特に有名なのが「御室桜」と呼ばれる遅咲きの桜。御室桜はソメイヨシノが散る4月上旬～中旬に見頃を迎えます。

樹高が低いため、目の前で花を楽しめるのも御室桜が愛される理由のひとつ。桜の林の向こう側の五重塔が見え、京都らしさ満載の春の絶景を満喫できるのです。

仁和寺

大原野神社：たった3日しか開花しない幻の桜を愛でる

紫式部の氏神社として知られる「大原野神社」。「京春日」と呼ばれ、奈良の春日大社の第一の御分社ともされています。こちらにある「千眼桜」は1年に満開の時期がたった3日しかないことから、幻の桜と呼ばれています。例年の満開日は4月8日頃。

ソメイヨシノなどと比べると白っぽく可憐に咲く千眼桜。運よく満開を見ることができたら千の願いが叶うともいわれています。

大原野神社

妙心寺 退蔵院：禅寺に咲く見事なシダレザクラ

600年以上の歴史を持つ「妙心寺 退蔵院」。境内に約1,000坪ある池泉式回遊式庭園「余香苑」に咲き誇る紅シダレザクラは圧巻の美しさ。シダレザクラと石庭の見事なコントラストが楽しめます。毎年4月10日頃に見頃を迎えます。

2025年は4月4日（金）限定で夜間特別拝観が開かれます（退蔵院公式Webサイトより要事前予約）。昼間とは一味違う夜の紅シダレザクラをお楽しみください。

妙心寺 退蔵院

京都の桜を満喫するお花見マップ

春の京都で訪れたい定番＆穴場のお花見スポットをご紹介しました。紹介した以外にも、京都にはたくさんのお花見スポットがあります。春爛漫な絶景を巡って、お気に入りのお花見スポットを見つけてみてください。

初回投稿日：2024年3月1日
※2025年3月21日に一部内容を更新いたしました

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