その島後を訪ねたのは、JALふるさと応援隊の近藤さん。旅の一番の目的は「隠岐島グルメ」です。日本海の魚介は、脂がのる冬こそが旬。冬ならではの楽しみ方に注目して、1泊2日の旅をレポートします。
※撮影時のみマスクを外しています
〈1日目〉
隠岐世界ジオパーク空港を出発
島後にある隠岐空港は島前を含めた隠岐諸島において唯一の空港で、出雲からと大阪(伊丹)からの便が、それぞれ1日1往復2便運航しています。
また、隠岐空港は「隠岐世界ジオパーク空港」の愛称で親しまれています。ジオパークとは、国際的に価値のある地質遺産を保全し、教育や持続可能な開発に取り組むエリア。日本には、日本ジオパーク委員会が認定した日本ジオパークが46地域(2022年1月時点)ありますが、隠岐地域は日本ジオパークのみならず、ユネスコが認定した「ユネスコ世界ジオパーク」でもあるのです。
空港前の通りには島の見どころが写真付きで紹介されていました。
隠岐の総社「玉若酢命神社」へ参拝
隠岐諸島には島前、島後を合わせて100を超える神社がありますが、「玉若酢命(たまわかすのみこと)神社」はそれらの神社の総社として鎮座しています。
鳥居をくぐり、参道を歩き進むと、1852(嘉永5)年に造営された随神門が建っています。その先の境内右手には、大きな枝を四方に伸ばす、樹齢約2000年といわれる八百杉(やおすぎ)が。冬の冷たい空気と静寂さと相まって、荘厳な雰囲気です。
主祭神は隠岐の開拓に関わったとされる玉若酢命。本殿の造営は1793(寛政5)年で、隠岐最古の神社といわれています。
毎年6月5日に神社で開かれる「御霊会風流(ごれえふりゅう)」では、島の8地区から集まった神馬が、鳥居から拝殿までの参道を一気に駆け上がる馬入れ神事が行われます。
本殿は隠岐造りといわれ、屋根は珍しい茅葺き。随神門や旧拝殿とともに国の重要文化財に指定されています。
境内には、玉若酢命神社の宮司を代々務める億岐(おき)家の住宅もあります。こちらも隠岐造りで、出入り口が3つに分かれているのが特徴。かつては用途によって使い分けされ、なかでもしめ縄が張られている表玄関は、今でも御霊会風流の際に各地区の神馬が訪れる場所。そのため、しめ縄も毎年6月5日に新しいものに張り替えるのだとか。
さらに、住居隣の宝物館には、かつて国造(くにのみやつこ)をしていたという億岐家が律令時代に朝廷より支給された「驛鈴」など、国指定の重要文化財3点が展示されています。1300年前の音色と詳しい説明を聞くことができる、他に類を見ない貴重な歴史資料です。
玉若酢命神社
住所 | : | 島根県隠岐郡隠岐の島町下西701 |
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電話 | : | 08512-2-7170(億岐家宝物館) |
営業時間 | : | 参拝自由 |
宝物館見学料 | : | 300円(9:00~16:00) |
web | : | https://www.kankou-shimane.com/destination/20319 |
「フィッシャーマンズ・ワーフ隠岐」で隠岐松葉ガニを堪能
ランチに訪れたのは、フェリーターミナルがある西郷港からすぐの「フィッシャーマンズ・ワーフ隠岐」。1階は魚介やおみやげ品の販売所で、2階がレストランです。隠岐で獲れた新鮮な魚介や隠岐牛を使ったメニューが味わえます。
料理を待つ間、テラスに出て、港の風景を眺めるのも楽しいもの。穏やかな島の風景が、慌ただしい日常を忘れさせてくれそうです。
隠岐の冬グルメの王様といえば、やはり隠岐松葉ガニ。12~2月の限定された期間に、隠岐の漁師のみに許された「かにかご漁」という独特の漁法で獲れる隠岐松葉ガニは、生きたままのカニを、ストレスを与えることなく無傷で水揚げするため、味の良さは抜群です。焼いたり鍋にしたり、カニみそを付けて味わったり、そのおいしさをコースで存分に満喫できます。
ほかにも新鮮な海の幸がたっぷり味わえる海鮮丼をはじめ、隠岐の特産であるさざえの丼など、目移りしてしまうような魅力的なメニューが並びます。
近藤さん「特上海鮮丼は見た目も美しく華やかですね。いろいろな魚介の味が楽しめて、ボリュームも十分です」
食後は1階でおみやげ探しを。隠岐の特産品が並んでいるほか、旬の魚介や隠岐松葉ガニも購入できます。
フィッシャーマンズ・ワーフ隠岐
住所 | : | 島根県隠岐郡隠岐の島町中町目貫の四58-1 |
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電話 | : | 08512-2-6600 |
営業時間 | : | 1階売店 7:30~15:30、2階レストラン 11:00~14:00(L.O.13:30)、18:00~21:00(L.O.20:30) |
定休⽇ | : | 水曜 |
「隠岐モーモードーム」で伝統の牛突きを観戦
隠岐には「牛突き」という、約800年の歴史を持つ独自の伝統文化があります。その昔、隠岐へ配流となった後鳥羽上皇を慰めるために島民が始めたのが起源とされ、島の方々の「おもてなし精神」を表す大切な文化財として保存伝承されているのです。全国的にみても闘牛の伝統はわずかに残るのみで、今では貴重なものとなりました。
会場となるのは、「隠岐モーモードーム」。雄牛が互いにぶつかり合って強さを競います。本場所大会では勝敗がつくまで熱戦が続くそうですが、観光客向けに開催される観光牛突きでは勝負を付けることが許されていません。そのため、観光牛突きでは必ず引き分けになるのだとか。それでも雄牛たちが巨体を揺らしてぶつかり合うさまは迫力があります。
突き牛の入場です。相撲の土俵入りと同様、牛にもしこ名があり、のぼり旗と一緒に牛が入場すると、続いて化粧まわしが披露されます。
牛が互いに見合って取組が始まります。威勢の良い綱取りのかけ声に合わせて、牛と牛がぶつかり合います。
取組に出場する牛は2~6歳の雄牛。若さがあり勢いもある牛による闘いは迫力満点。
観戦後は記念撮影を。柵越しに牛と一緒に写ることも可能です。先ほどまでの勇猛な姿と違い、おとなしく従順な突き牛の姿に愛おしさを感じます。思わず「お疲れさまでした」と、声をかける近藤さんでした。
隠岐モーモードーム
住所 | : | 島根県隠岐郡隠岐の島町池田風呂前19-1 |
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電話 | : | 08512-2-0787(隠岐島町観光協会) |
営業時間 | : | 不定期開催(15名以上の予約で開催) |
観戦料 | : | 大人1,500円、小学生750円、幼児無料 |
web | : | https://oki-dougo.info/data01/room/broom/event_ushi2014.html |
突き牛とさんぽ体験
牛突きを観戦した後は、牛と散歩をする体験にチャレンジ。牛の大きさに少し圧倒されましたが、実際はまだ1歳3カ月の仔牛。それでいて体重はすでに500kgあるそうです。
散歩は2人1組で2本の手綱をそれぞれ持ち、牛を誘導しながら川沿いを歩きます。都万牛突き保存会員の牛飼、半田さんのサポートの下で体験しました。牛の歩みに合わせてゆっくり散歩する時間は、とても穏やかなひととき。約1時間かけて川沿いや海沿い、田園のそばなどを歩きました。
突き牛さんぽ
住所 | : | 島根県隠岐郡隠岐の島町都万 |
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電話 | : | 08512-2-7100(隠岐旅工舎) ※隠岐旅工舎のツアープランでのみ体験可 |
web | : | https://okitabi.jp/ |
※2023年3月13日に一部内容を更新しました。
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