東京や大阪から3時間程度のフライトでアクセスできる台北。交通網も発達していて国内旅行感覚で楽しめる、どの世代にもおすすめの旅先です。気軽に足を運びやすいため、台北旅行は二度目、三度目……という方もいるでしょう。もう定番スポットは行き尽くしたという方にご提案したいのが、お茶文化を楽しむ「猫空(マオコン)」への旅。台北中心部からMRT(地下鉄)とロープウェイで約1時間。半日のショートトリップで行くお茶の里をご紹介します。

台北市内にある木柵鉄観音の里「猫空」

台湾茶の歴史は諸説ありますが、18世紀末に中国の商人が茶の苗木を持ち込んだのが起源と言われています。その後、中国とは地形や気候が異なる台湾の地で独自に発展。現在では「台湾茶」としてのブランドを確立し、世界に広く知られています。

台湾茶といえば、阿里山など標高の高い山地で栽培される高山茶や、紅茶に近い味わいで人気の東方美人茶などが日本でもよく知られており、産地に出向かなくても街の茶芸館などで気軽に楽しむことができます。

画像: 台北市の木柵地区の茶畑

台北市の木柵地区の茶畑

実は台北市内にも、木柵(モクサク)地区という有名なお茶の栽培地があります。その中心である猫空(マオコン)は、週末になるとお茶を飲みながらおしゃべりを楽しむ台北っ子で賑わうお茶の里です。

画像: 木柵地区で作られる鉄観音茶

木柵地区で作られる鉄観音茶

木柵地区で作られるお茶は、昔ながらの鉄観音製法によって作られる発酵・焙煎の強い鉄観音茶(烏龍茶)です。猫空には茶芸館が数多くあり、この地区で作られた鉄観音茶をはじめ、さまざまな種類の台湾茶を提供しています。

台北中心部から好アクセス!猫空への行き方

お茶の里というと、公共交通機関ではアクセスできない自然豊かな郊外にあり、観光客にはハードルが高いイメージがありますが、猫空は台北中心部からMRTとロープウェイ(又はバス)を使って約1時間でアクセスできる場所にあります。

台北旅ではお馴染み、チャージ式の交通カード「悠遊カード(EASY CARD)」を使って、特急電車の予約などもなしに辿り着けるので、言葉の心配もなく、気軽に旅の上級者のようなショートトリップが体験できます。

画像: いくつもの谷を越える猫空ロープウェイ

いくつもの谷を越える猫空ロープウェイ

MRTに乗って目指すは、「動物園駅」。駅に到着したら、5分ほど歩いてロープウェイ乗り場へ。猫空へはロープウェイでいくつかの谷を越えて向かうので、30分ほどかけて約4kmの空中散歩を楽しみます。

画像: 台北中心部から好アクセス!猫空への行き方

ロープウェイには通常のキャビンと、床がスケルトンになっているクリスタルキャビンがあります。特にクリスタルキャビンは人気があり、動物園駅発の往路では行列になっていることが多いですが、復路の猫空駅からはすんなりと乗れることが多いので、乗車したい方は帰りにチャレンジしてみるといいでしょう。

画像: ロープウェイ猫空駅

ロープウェイ猫空駅

ロープウェイ猫空駅の周辺には、いくつもの茶芸館やカフェ、茶畑、散策路があります。茶芸館は、台北101や茶畑を見渡せるものなど趣向もさまざま。道沿いに控えめな看板だけが掲げられていて、森の中に小径が続いているようなお店も。お気に入りの一軒を見つけて台湾茶を楽しみましょう。

隠れ家のような茶芸館でお茶文化を楽しむ

ロープウェイ猫空駅から散策を楽しみながら徒歩で約25分(バスなら10分弱)。茶畑が広がり樹々が生い茂る森の中に、何かの物語に出てきそうな趣の茶芸館が現れます。

画像: 表通りから奥まった茶芸館も多くあります

表通りから奥まった茶芸館も多くあります

「邀月」とは、“月を招く”という意味。風情ある時間を過ごせそうな予感がするアプローチを歩きます。

画像: 森の中に佇む「邀月茶坊」

森の中に佇む「邀月茶坊」

「邀月茶坊」は年中無休24時間営業の茶芸館。ロープウェイやバスは24時間営業ではないので、夜中にここでお茶を楽しむのはもっぱら台北っ子。月を眺めながら夜遅くまでおしゃべりとお茶を楽しむ光景が目に浮かぶようです。

画像: 隠れ家のような茶芸館でお茶文化を楽しむ

お店には屋内席のほか、自然の地形を活かした複数のエリアがあり、好みの席を選ぶことができます。もちろんおすすめは、森林浴や茶畑の眺めを楽しめる屋外席。冬にはビニールで覆われるので、寒さ対策も問題ありません。

猫空の茶芸館でのオーダー方法

邀月茶坊には日本語メニューが用意されており、詳細な注文方法が説明されているので戸惑うことはないでしょう。会計は茶葉の料金に加え、日本では馴染みがない“人数分のお湯の料金”が必要です(時間帯によって異なりますが、70~120ニュー台湾ドル/人 ※2023年12月12月時点で約320〜555円/人)。

席に着き、伝票に人数と希望の茶葉、料理の注文を書いたら、入口のカウンターで精算。しばらくするとテーブルにお茶のセットが運ばれてきます。茶葉は、ぜひこの地で栽培されている「木柵鉄観音」を。

画像: お茶のセット

お茶のセット

お湯は給湯スポットで汲み、テーブルのヒーターで常に高温を保ちます。お湯は何度汲んでも料金は変わりません。日本で親しまれる玉露や煎茶に熱湯はNGとされていますが、烏龍茶は熱湯で淹れたほうが芳しい香りを楽しめます。

木柵鉄観音の1煎目は特に香りが強く、2・3煎目はより豊かな味わいを楽しめるので、抽出回数ごとの香りや味の変化にも注目してみましょう。一度の茶葉で5煎ほど抽出できるので、人数にもよりますが、茶葉が余ることもしばしば。余った茶葉は、入っていた缶に入れて持ち帰ることができます。

画像1: 猫空の茶芸館でのオーダー方法

おいしい台湾茶を淹れる方法もメニューと一緒に渡されますので、説明に沿って淹れてみましょう。あらかじめ茶器にお湯を入れて、しっかりと温めておくことをおすすめします。

画像2: 猫空の茶芸館でのオーダー方法

木柵鉄観音は焙煎の香ばしく豊かな香りが長く続きます。香りの強い1煎目は、ぜひ聞香杯(右・香りを楽しむための茶器)で楽しんでください。

画像: 「茶油とたけのこの煮込み」

「茶油とたけのこの煮込み」

お茶だけではなく、お茶を使った料理も豊富。「茶油とたけのこの煮込み」は、ごま油のような香りで食欲が刺激される一品。その他、茶葉を使った玉子焼きや小籠包なども楽しめます。

いくらおいしいからといっても、お茶だけを5煎×2回、3回と楽しむのは大変です。猫空の茶芸館を楽しむなら、お茶だけでなく食事も一緒に楽しむつもりで訪れるといいでしょう。

画像3: 猫空の茶芸館でのオーダー方法

猫空からは台北市街地方面を一望できます。晴れた日もいいですが、曇りや霧雨でしっとりとお茶畑が潤う天気も、どこか非日常的な光景で魅力的です。地元の若者には、夜景を楽しめる時間帯が人気のようです。

旅の上級者気分が味わえる半日ショートトリップ

自然の中で台湾茶文化に触れることができる猫空。単なる観光スポットではなく、木柵鉄観音の栽培地でもあるので、本格的な茶芸館を満喫できます。何度目かの台北旅行には、よりディープな台北を堪能できるショートトリップをプラスしてみてはいかがでしょうか?

猫空ロープウェイ

運行時間平日 9:00~21:00
休日 9:00~22:00
運休日月曜(毎月第一月曜を除く、月曜が祝日の場合は運行)、12月31日
※その他不定期で運休の場合あり
webhttps://m.metro.taipei/gondola/jp.html

邀月茶坊

住所No.6, Ln. 40, Sec. 3, Zhinan Rd., Wenshan Dist., Taipei City 116
電話+886-2-2939-2025
営業時間24時間
定休日年中無休
webhttps://yytea.com.tw/

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