寒い雪国の酒蔵で、世界を驚かせる情熱に出会いました
翌日、氷点下まで冷え込む横手の朝。白い吐息と、空から舞い散る雪が眼前に広がります。市内ではかまくらづくりが始まりました。「かまくら職人」と背に書かれたウィンドブレーカーをまとった方々が、重機とスコップを駆使して作り上げていきます。最初に円を描いたら雪を重ね、成形していきます。
こんな様子を少し見学するだけで、芯から体が冷えるのも雪国ならでは。体を温めるのにおちょこ一杯のお酒をいただくのも、大人に許された旅の贅沢といえるでしょう。地元の「浅舞酒造」を酒蔵見学に訪れました。小規模ながら、ヨーロッパを中心に評価が高まっている酒蔵です。
浅舞酒造は、横手盆地の酒米と、奥羽山脈から続く水脈からの透明度の高い湧き水を使った純米酒にこだわっているそう。手作業で無農薬栽培される「亀の尾」という特別な酒米を使います。
案内してくれたのは、インターンの大学生。横浜出身の中村さん(写真右奥)と、長崎出身の金巻さん(写真右手前)です。
創業から100年以上を数える、漆喰壁が特徴の蔵で、一連の酒造りの流れを見学。酒米を精米し、昔ながらの釜で蒸かします。麹をまぶし、温度管理された蔵で発酵。杜氏は泊まり込みで発酵の度合いを測るそうです。もろみなどをタンクでさらに発酵させ、布袋で搾り、酒粕と分離。火入れして瓶詰めします。
続いては、ラベル作りを体験。貼り付ける銘柄は、一番人気の「天の戸 美稲(うましね)」で、コクがあってお燗にも適した、お米の味わいが強い一本。甘くて飲みやすい印象です。
200年以上変わらない製法で作られる伝統工芸・十文字和紙に、思いおもいの文字やイラストを描き、貼り付けていきます。社会人の参加者は自分だけのお土産を手にし、満足気です。
浅舞酒造
住所 | : | 秋田県横手市平鹿町浅舞字浅舞388 |
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電話 | : | 0182-24-1030 |
営業時間 | : | 9:00~17:00 |
定休日 | : | 土日祝日 |
web | : | https://amanoto.co.jp/ |
雪のなかで火をくべて、素朴な横手グルメに舌つづみ
お昼は趣向を凝らした秋田の味覚を堪能します。「雄物川民家苑木戸五郎兵衛村」にある古民家でいただくのは、雪中バーベキュー。
黒毛和牛に野菜など、地元の食材が並びます。なかでも雪の下で甘みを増したニンジンは瑞々しく、「おいしい!」と感嘆の声が上がります。
囲炉裏の近くでいただくのは、腕によりを掛けた郷土料理の数々。ここでも漬け物は色とりどり。茄子の花寿司は華やかな見た目で、菊の花ともち米、茄子を重ねたもの。甘さのなかにピリリと辛子が利いています。
また、お赤飯は意外にも少し甘めの味付けで、これがもちもちの食感と実によく合うのです。こんにゃくとタラコを和えた「ホロホロ」は、お酒にもご飯にも合うシンプルで優秀なおかずといった印象。
納豆汁は、納豆をすりつぶして味噌で味付けしたお椀ものです。セリが食感と香りの絶妙なアクセントになっています。
パチパチと音を立てる炭火を囲んで、味噌きりたんぽをいただきます。
デザートは焼きりんごに焼きマシュマロ。彩り豊かな冬のご馳走を堪能します。
雄物川民家苑木戸五郎兵衛村
住所 | : | 秋田県横手市雄物川町沼館字高畑336 |
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電話 | : | 0182-22-5535(雄物川生涯学習センター) |
開村時間 | : | 9:00~21:00(民家の見学は9:00~16:30) |
入場料 | : | 無料 |
雪煙を巻き上げて、ダイナミックに雪遊び
お腹を満たしたら、前日の雪遊びの続きです。ベンチコートと長靴&軍手で防寒対策を万全に施し、「赤坂総合公園スノーパーク」へ。グリーンスタジアムよこてを有する赤坂総合公園の多目的運動広場が、冬期のみスノーパークになります。
市民に愛される雪遊びスポットで、しばしソリ滑りに興じてみましょう。パウダースノーの雪煙を巻き上げ、そこかしこに嬌声が響きます。
赤坂総合公園スノーパーク
住所 | : | 秋田県横手市赤坂大沼沢48 |
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電話 | : | 0182-35-8989 |
営業時間 | : | 10:00~16:00 |
web | : | https://www.city.yokote.lg.jp/kanko/1001534/1006430.html |
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