今回協力してくれたのはJAL客室乗務員のお二人
今回、初めての海外旅行へ持っていく必需品や便利グッズ、旅先で使えるティップスをたくさん教えてくれたのは、JALの客室乗務員である青木さん(写真左)と宮下さん(写真右)。一般的な持ち物から、「これは絶対持っていく!」というこだわりの旅行グッズまで、外せないものを紹介してもらいました。
旅のプロ直伝、初めての海外旅行の持ち物リスト
JAL国際線のエコノミークラスの場合、無料でお預かりできる手荷物の重さは23kg以下。帰りのお土産のぶんを考えて、余裕を残しておくことをおすすめしますが、それでもいろいろ持っていけてしまう量のため、初めての海外旅行でしたら、あれこれと悩んでしまうことでしょう。取捨選択も楽しい旅の醍醐味ですが、「これは押さえておくべき!」という鉄板アイテムを部門別にご提案します。
絶対にお忘れなく。旅の「必需品」部門
必需品は何度もチェックして、漏れがないようにしましょう。パスポートは海外では身分証明の代わり。財布や貴重品とセットで持ち歩くことをおすすめします。
パスポート | 期限の確認をくれぐれもお忘れなく。 |
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ビザ | 渡航先によっては事前申請が必要です。事前に確認しておきましょう。 |
携帯電話 | 海外でも役立つマストアイテムです。 |
クレジットカード | 可能であれば銘柄の違うカードを2枚以上持っておくと安心です。 紛失時もカードデスクに連絡すれば、悪用される心配もなく、後日再発行可能です。 |
現金 | 外貨だけでなく、日本円も持っていきましょう。 なにかあったときのための緊急用に、どうかお忘れなく。 |
パスポートのコピー | 街歩きのとき、できるだけ原本はホテルのセキュリティボックスに。 コピーを念のために持っていくといいでしょう。 |
eチケット控え | 航空券発行の際に必要となるケースもあります。 あらかじめ準備しておきましょう。 |
バウチャー(ホテルやツアー)控え | 入国時や緊急の際に持っておくと安心。 アメリカなどに入国するとき、保安官の対応で説明が必要になることがありますが、これを見せれば大丈夫です。 |
海外旅行保険の書類 | 非常事態の際にもすぐに確認できるので安心です。 |
乗務にあたっては、滞在先でのステイがあるケースもあります。私たちも楽しみで、滞在先では乗務員みんなで食事に行ったり、空いた時間を休日のように楽しんだりすることもあります。これらのアイテムは、私たちにとっても必需品なのです。
たとえばヨーロッパやアメリカへの乗務は中一日が休日となります。これらのアイテムも大切ですが、健康な体と楽しむ気持ちも、大事な“必需品”ですよ!
あると便利!「機内持ち込みグッズ」部門
機内へ持ち込むバッグはトートバッグ程度でも十分です。必需品と、機内で快適に過ごすためのグッズをまとめましょう。
歯ブラシ、歯磨き粉 | 機内では食後にお休みを取る方が多いため、 これらがあるとすっきり眠りにつけます。 |
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マスク | 地上に比べて機内は乾燥しています。喉を守るために、あると便利です。 |
ハンドクリーム、 顔用保湿スプレー | こちらも乾燥対策。 機内に持ち込むときは100mlを超えないものを選びましょう。 |
ウェットティッシュ | おしぼりはお配りしますが、あると便利なのがウェットティッシュ。 滞在先でも重宝するはずです。 |
眼鏡 | コンタクトの方はぜひ。 長いフライトではコンタクトを外して、眼鏡で過ごすとラクです。 |
筆記用具 | 着陸前に入国書類を書きます。 機内搭載のペンは限りがあるため、お持ちになることをおすすめします。 |
カーディガンなど 軽いアウター | 機内は地上より寒いケースが大半なので上に羽織れるものがあると安心。窓側だととくに必要です。滞在先でも使えるので、持っておくといいでしょう。 |
使い捨てスリッパ | 機内では足がむくみがちです。 靴を脱いでリラックスするのに、定番のアイテムです。 |
ネックピロー | 座った姿勢でお休みいただくため、楽な姿勢が取れます。 とくに首が痛くなる方などは必需品です。 |
ノイズキャンセリングイヤホン | 預け入れ手荷物として受託不可なのがワイヤレスイヤホン。 ノイズキャンセリング機能があれば、睡眠時にもエンジンの音が気になりません。 |
飴 | 離着陸時の気圧の変化で、耳が痛くなることも。 備えておくと安心です。 |
ホットアイマスク | フライト中、仮眠前に目を温めるとリラックスできます。 |
ミニクリアファイル | バウチャー類や旅行中のレシートなどの保管に便利です。 |
チャック付き プラスチック袋 | 化粧品やガジェットなどを小分けにして持ち運びます。 大小サイズを用意しておくと、いろいろ使えて便利です。 |
海外にプライベートで行くときは、機内ではメイクをせずに過ごすのですが、保湿グッズは必ず持っていきます。機内は乾燥することもありますから、スキンケアはお忘れなく。
私も保湿スプレーは持っていきます。保湿ができて香りもよく、リフレッシュできるものを選ぶようにしています。客室乗務員同士でおすすめ商品の情報交換もよくしています。
日本で揃えておくのがおすすめ。「洗面用具・日用品」部門
海外のホテルはアメニティが揃っていないケースも。シャンプーやコンディショナーを持っておくと安心です。
シャンプー、コンディショナー、ボディーソープ | 海外のホテルには備え付けられていない場合があるので、持っていくことをおすすめします。 |
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ヘアオイル | 水質の違う海外では、シャンプー後に髪がきしむことも。 個包装になっているものを持っておくと便利です。 |
歯ブラシ、歯磨き粉 | こちらも、海外のホテルには備え付けられていない場合があるので、日本からの持参がおすすめです。 |
メイク落とし、洗顔料 | 海外のものは日本人の肌に合わないことも。 いつも使っているものを持っていきましょう。 |
スキンケア用品 | 小分けのボトルに移し替えると、荷物を減らすことができます。 |
くし | 海外のホテルには用意がない場合や、小さめのコームしかないことも。 ご自宅から使い慣れたものをお持ちいただくのが安心です。 |
ティッシュ、 トイレットペーパー | 海外のトイレには備え付けられていないこともあります。 また日本ほど手軽に手に入らないため、品質のいい日本製を持っておくといいでしょう。 |
パジャマ | 海外のホテルには、ガウンしかないことも。 ホテルで快適に過ごすためのリラクシングウェアを用意しておくといいでしょう。 |
ビーチサンダル | スリッパとしても、お風呂あがりなどでも使えます。 また床の衛生面が気になるとき、そのままシャワーを浴びることもできます。 |
常備薬 | 日本語の通じない海外で、薬の調達は一苦労。 体調が悪くなったときのため、揃えておくのが大切です。 |
雨具 | 日本のように、ビニール傘がどこでも買える国はまれ。 雨が降った際に折り畳み傘やレインコートがあると便利です。 |
帽子、日傘、サングラス | 日本に比べて紫外線の強い場所もあります。 普段使わない方も、持っていくことをおすすめします。 |
紙コップ、カトラリー類 | ホテルで飲み物を飲むとき、現地のスーパーで購入したものを食べるときに便利です。 コンビニなどで売っている使い捨てのものがおすすめです。 |
私たちも、洗顔やシャンプー、スキンケアグッズは使い慣れたものを持っていきます。渡航先で調達することもありますが、海外のものは香りが強かったり、肌に合わなかったりすることも多いのでお持ちいただくと安心です。
おすすめなのが、このようにポーションタイプで小分けになるもの。他にも、持ち運べる美顔ローラーも愛用しています。
ステイが快適になる!「便利グッズ・電子機器」部門
多様なシーンで役に立つ便利グッズや、今や必需品に近い電子機器。旅行をさらに快適にしたいならぜひ参考にしてみてください。
エコバッグ | 街角で見つけたお土産をたくさん買ってしまうことも。 そんなとき、小さくたためるエコバッグがあると便利です。 |
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ビニール袋 | 汚れてしまった衣類を収納するなど、何枚かあると便利です。 また海外のホテルの客室にあるゴミ箱は、インナーにゴミ袋がついていないことが大半。濡れたゴミを捨てるときにも役立ちます。 |
ポータブル充電器 | 観光中など、スマホに頼ることが多い海外旅行。 残りの充電を気にせず使うために、1つあると便利です。充電をお忘れなく。 |
首から提げるタイプの小さめのバッグ | パスポートやクレジットカードなど、洋服の下に首からかけておくと、防犯対策になります。 |
折り畳み式ケトル | あわせてスティック状のコーヒーやカップスープを持っていけば、滞在先でも楽しめます。 |
折り畳みの靴やバッグ | 折り畳めるものは重宝します。 貴重なトランクの収納スペースを圧迫しないですみます。 |
ワードローブに吊せる衣料品オーガナイザー | あらかじめ洋服や下着などを入れておき、そのままホテルのワードローブにかけられる便利グッズ。ロングステイにも重宝します。 |
ゴルフボール | 客室乗務員の必携品。乗務後は足のむくみがひどくなるため、 シャワー後に髪の毛を乾かしながら足の裏をゴロゴロとマッサージします。 |
ポータブル足湯 | 持ち運び式の足湯。普段より歩くことの多い海外旅行で、 足の疲れを取るのに役立つアイテムです。 |
トラベルシーツ | 元々はキャンプや登山用のもの。ホテルの衛生面が気になった場合でも、これを使えば熟睡しやすくなります。 |
変換プラグ | コンセントは国によって形状が違います。 日本から持ち込んだ家電や電子機器を使うためのマストアイテムです。 |
エコバッグは現地調達も楽しいですよ。パリのスーパーにあるエコバッグがかわいくておすすめで、2ユーロ程度で買えます。
私のイチ押しは吊せる衣料用オーガナイザーです。コンパクトに持ち運びでき、到着/出発時の慌ただしい時間が効率的になります。
【番外編】海外へ持っていけばよかった…となりがちな名品
今までご紹介してきたものはもちろん、初めての海外旅行では見落としがちなアイテムがある! とお二人が教えてくれたのが「日本食」。客室乗務員も、滞在先に持ち込むことが多いのだとか。
フリーズドライのお味噌汁やカリカリの梅ぼし、茎わかめなどがおすすめです。チャックで閉められるものや個包装のものを選ぶといいですよ。日本のものを食べると、私たちも安心するんです。
お味噌汁や茎わかめは持込NGの国がないんですね。持参した紙コップや折り畳み式ケトルを駆使して、故郷の味を楽しんでください。
これを知っておくと安心。旅マエの豆知識もご紹介
さて、このように海外旅行に持っていくといいものはたくさんありますが、それだけではないとお二人は言います。ここからは、初めての海外旅行先で安心して過ごせるよう、Q&A形式で教えてもらった旅のティップスをまとめました。
【お金について】お金の両替は事前にしておくべき? 現金は必要?
A:初めてなら、あらかじめ両替をしておくと安心です。
初めての海外なら、事前に両替しておくことをおすすめします。現地で両替したほうがレートがいいことも多いのですが、時間が取られるほか、慣れない手続きに緊張してしまうことも。また全額を現地の通貨にしてしまうのは避けましょう。帰国時に使える現金がないと困ってしまいます。
A:どこの国であっても、現金を持参したほうがベター。
クレジットカード決済は世界中で発達していますが、「現金も大切」です。
とくに東南アジアの国々では屋台文化が発達しているため、原則的にキャッシュのみでクレジットカードが使えないケースが多いので、現金を持ち歩くことをおすすめします。またクレジットカードにおいても、可能なら複数ブランドのカードを持っておきたいところ。日本ではVISAやMaster、JCBなどが普及していますが、海外ではブランドによって使えないお店があるので注意が必要です。
【防犯について】トラブルに巻き込まれないための対策はある?
A:備えあれば憂いなし。日本とは社会も環境も異なる海外では、防犯の観点も必要です。
まず観光の際は、両手が空いていることが大事です。斜めがけのバッグやバックパックなどを持ち歩きましょう。危険を感じたら、正面で抱えるように持つといいですよ。
またもしものために、トラブルに巻き込まれたときの連絡先などをプリントしたり、紙に書いて持ち歩くようにしたりすると安心です。スマホの情報だけでは、紛失時や充電が切れたときにわからなくなってしまいます。海外旅行のリスクヘッジはとても重要です。なにがあるかわからない前提で行動しましょう。
【ネット環境について】SIMカードやWi-Fiの準備はどうしたらいい?
A:やり方はさまざま。手続きを簡単にするのなら「ポケットWi-Fi」がおすすめです。
スマホの準備は主に2通りあります。1つ目はキャリアが用意する海外パケットサービスを利用する方法です。滞在期間に合わせて定額で通信できるというものです。2つ目が、海外接続専用のSIMカードを期間限定で契約する方法。近年はSIMカードを差し替える必要のないe-SIMも普及しています。
こういった手続きが苦手な方は、ポケットWi-Fiをレンタルするという方法もあります。日本の空港でレンタル品のピックアップ/返却ができることも多いためとても便利です。
(参考)
中国では政府の方針でLINEを使うことができません。どうしても滞在中に使いたい場合は「VPN」と呼ばれるネット接続サービスを使いましょう。ネット規制を回避して国外のサーバに接続することができます。
【アプリについて】事前に登録しておいたほうがいいサービスはある?
A:配車サービスや配達アプリを入れておくと、移動に困りません。
現地で利用できるデジタルサービスはいくつかあるので、事前にダウンロードしておきます。渡航先の国で地図やタクシーの配車が利用できるかを調べ、もし利用できない場合は代替サービスをダウンロードしておくとよさそうです。
また電車の乗り換えや地図を使うなら、Googleマップがわかりやすくおすすめ。的確にアシストしてくれます。ただ回線状況が悪かったり、パケットを使うことになったりしてしまうので、あらかじめスマホ本体に地図情報をダウンロードしておくことも検討してください。
そのほか、ホテル周辺に飲食店がないときや、疲れてホテルから出たくないときのために、Uber EatsやWaltも便利。日頃から使い慣れたサービスを入れておくといざというときに安心です。
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A:言語が心配なときは、翻訳アプリがマストです!
言語に自信がないときは、翻訳アプリを入れておくことをおすすめします。スマホに標準搭載されている「Google」等の翻訳機能でもOK。英語圏はともかく、ヨーロッパに行くとさまざまな言語があるので、レストランで困ってしまうときには、現地の言葉をカメラにかざすと自動で日本語訳してくれる機能にとても助けられます。
また慣れない海外では値段を見て判断できないケースも。そんなときに備えて、通貨計算アプリも入れておくと便利です。
初めての海外旅行は一生の思い出。思い切り楽しんでください
初めての海外旅行は、期待のみならず不安もあることでしょう。持ち物に関していえば、必要なものは空港や渡航先で購入できるケースもあります。パスポートやお金などの必需品はさておき、持ち物の大半は「ないと楽しめない」わけではありません。
初めての海外旅行なのですから、まずは楽しむことが一番大事。大切なのは、気分が上がることだと思います。
私たち客室乗務員は、実用性やコンパクトさも重視しますが、お客さまは必ずしもそうである必要はありません。これがあると安心するというもの、好きなものを持っていくことが一番ですよ!
今回の記事でご紹介した持ち物リストやティップスも参考にしながら、海外旅行へ向けて楽しく準備をしてみてはいかがでしょうか。
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