機内でお客さまに召し上がっていただくワインのラインナップは、機内食同様、世界中のエアラインが特に力を入れている“サービスの顔”です。JALファーストクラスでは、最上級の食事とともに世界各国から厳選されたワインセレクションをご用意しています。数ある銘柄のなかから“JALのワイン”はどのようにして選ばれるのか、年に一度開催される選考会の様子から、そのこだわりをお伝えします。

1000本以上のなかから選ばれる、JALらしいワイン

JALが機内などでご提供しているワインのセレクトは、2人の世界的に有名な日本人ワイン識者に監修を依頼しています。

画像: マスター・オブ・ワイン 大橋健一さん

マスター・オブ・ワイン 大橋健一さん

世界最難関のワイン学位と称されるマスター・オブ・ワインの称号を日本在住の日本人として唯一保有する大橋健一さんと、日本初のワインテイスター、ワインディレクターとしてワインの本質を伝えている大越基裕さんです。

画像: ワインテイスター・ソムリエ 大越基裕さん(左)

ワインテイスター・ソムリエ 大越基裕さん(左)

JALがご提供するワインすべてに関わっていただいていますが、なかでも最も厳しい審査を経て選ばれるのが、ファーストクラスのセレクションです。

「毎年夏頃から来年度の選定に向けて、コンセプトの確認やワインのカテゴリーごとの変更点を私たち開発部で話し合います。それを踏まえ、9月に書類選考を実施して、10月にファーストクラス、ビジネスクラスの順に2次選考を行うという流れになります」(商品・サービス企画本部 開発部 機内食オペレーション室 企画グループ 渡邉健太)

画像: 商品・サービス企画本部 開発部 機内食オペレーション室 企画グループ 渡邉健太

商品・サービス企画本部 開発部 機内食オペレーション室 企画グループ 渡邉健太

機内食のメニューやセレクトの方針などを踏まえ、開発部が決めたコンセプトに沿ったワインを世界中から探してくるのが、調達本部という部署の役割です。

「開発部が設定した大枠だけでなく、大橋さんや大越さんがどういった銘柄に注目されているのかイメージしながら、国内のインポーターさんや卸業者さん、あるいはワイナリーから、できるだけ多くの銘柄を提案していただきます。その会社の数は70社以上、国内ワインですと50社くらいになります。集まるワインは書類選考の段階で1000本以上になるので、かなりの数といえますね」(調達本部 総合調達部 客室・ラウンジサービスグループ 栗坂道郎)

画像: 調達本部 総合調達部 客室・ラウンジサービスグループ 栗坂道郎

調達本部 総合調達部 客室・ラウンジサービスグループ 栗坂道郎

書類選考で絞られるのは、ブドウの品種や味わいのタイプによって分けられた6カテゴリーで、各8銘柄前後。その時点で、相当数がふるいにかけられます。そしてこの日の2次選考会で実際にテイスティングしながら、採用する銘柄を決めていきます。試飲者として参加するのは、JALワインアドバイザーの大橋さん、大越さんをはじめ、開発部、調達本部、客室乗務員に対するマニュアルを作成する客室品質企画部など計10名。

それぞれの手元に採点シートが配られ、シャルドネ、ライトボディ(白)、ミディアムボディ(白)、国産ワイン(白)、ピノ・ノワール、シャンパンの計6つのカテゴリーで、Aターム(2020年3~8月)とBターム(2020年9月~2021年2月)に提供するワインを1銘柄ずつ選定していきます。

画像: 1000本以上のなかから選ばれる、JALらしいワイン

テイスティングの時間は、1カテゴリーにつき約10分。早速、参加者の前にグラスの並んだトレイが置かれ、シャルドネ8銘柄のテイスティングが始まりました。

ワールドワイドなセレクトで、クオリティをより重視

画像1: ワールドワイドなセレクトで、クオリティをより重視

ワインを選ぶ際、まず産地を確認する人も多いと思いますが、JALでは、有名ワインもセレクションに加える一方、同じ価格帯でよりおいしいワインも積極的に選んでいます。

「世界中のワインに視野を広げて選ぶスタイルを取っています。大橋さんや私が関わる以前は、どちらかというと伝統的なフランスワインに力を入れていたようですが、最近はヨーロッパ産のワインが高騰傾向にあるのです。そのため、近年評価が上がっているヨーロッパなど以外で造られた新世界と呼ばれるワインを選ぶ機会が増えています」(大越さん)

画像2: ワールドワイドなセレクトで、クオリティをより重視

もうひとつ注目すべき新しい点として、2020年のオリンピックイヤーを見据え、日本のワインも積極的にラインナップに加えていきます。

「私がワインに関わるようになって25年ほど経つのですが、ここ10年で日本のワインのクオリティはかなり上がってきています。ですから自信を持ってお勧めするという意味では、機が熟したといえるでしょう。機内でご提供するワインを通して、新しい味わいとの出会っていただければと思っています」(大越さん)

地上と機上とで大きく異なるワインの選び方

ひとつのカテゴリーのテイスティングが終わると、大橋さん、大越さんの採点をベースに集計が行われ、その都度、結果が発表されます。産地や品種、味わいのバランスなども考慮して、上位2銘柄を春夏のAタームと秋冬のBタームに振り分けていきます。

画像: 地上と機上とで大きく異なるワインの選び方

「どんなタイプをいつ飲みたいか、季節感が判断材料になるのはもちろんですが、今回テイスティングしたワインを実際にご提供するのは、Bタームだとほぼ1年先になります。ですから、現状の味をその時期まで保てるようなワインでないと、選定した意味がなくなってしまいます。半年くらいで味がピークに達しそうなものや、1年は待ちたくないようなものは、味わい的にはBタームに合っていたとしても、Aタームにすることもあります。そのワインを最もおいしい状態で飲んでいただくために、季節と熟成状態のふたつの観点から選んでいくのです」(大越さん)

プロフェッショナルならではの繊細な判断といえますが、機内という特殊な環境でご提供するには、さらに細かいところにまで気を配らなければいけません。

「当然ながら、地上と機上とでは環境が大きく変わってきます。具体的には気圧の影響でどうしても味わいが引き締まってしまい本来の良さが感じにくくなってしまうので、より香りが親しみやすく、芳醇に感じられる状態のものが、機内or空の上ではおいしく味わえることが多いと思います。ですから点数が高くても少々硬さを感じるような銘柄は、あえて選ばない場合もあります。またワインの香りには、私たちが“探しに”いかないと見つからないようなタイプと、逆に向こうからどんどん香ってくるタイプの2種類があるのですが、機内で楽しむのであれば、後者のほうがよりわかりやすいでしょう。そういった点も常に念頭に置きながら、評価していく必要があるのです」(大越さん)

サービス視点でも、自信を持っておすすめできる1本を

2次選考に残っていた銘柄には、コルクを蝋で覆ったワックスキャップを採用しているものがありました。少々特殊なこのワインの開け方について、大越さんが客室品質企画部にレクチャーする場面も。

画像1: サービス視点でも、自信を持っておすすめできる1本を

「最終的に機内でサービスする客室乗務員が扱いづらいワインだと、たとえ評価が高くても即決できない場合があります。ワインアドバイザーのおふたりはもちろん、各部署の意見を聞きながら、総合的な視点で見極めていくことが、私たち開発部の重要な役割といえます」(渡邉)

そして、晴れて選定されたワインを安定してご提供できるかどうかは、調達本部の腕にかかっています。

画像2: サービス視点でも、自信を持っておすすめできる1本を

「あらかじめ本数を決めて取り引きをするのですが、想定していた本数を上回る人気が出るケースもあります。採用されたワインは、すぐに実際の購入に関わる交渉に入っていきますが、最終的にはやはり本数の調整が一番難しいところかもしれません」(栗坂)

おいしいワインの橋渡しだけではない、新たな楽しみ方をご提案

こうして厳選された、こだわりの詰まったワイン。これらには、JALらしさといえる魅力が備わっています。

画像: 2019年9月〜2020年2月のファーストクラスワインセレクション。

2019年9月〜2020年2月のファーストクラスワインセレクション。

「お客さまがご存じのワインを安心して飲むための橋渡しをするだけではなく、いつもとは違う楽しみ方や発見を通して世界観を広げていけることが、ワインの魅力のひとつです。そういった意味では、機上でも地上と変わらないおいしさを届けたいですし、そのためのバリエーションも豊富になっています。また私の場合はソムリエが本職なので、料理とワインのペアリングが得意な分野でもあります。ですからファーストクラスのシェフが作るお料理は、更新されるたびに試食をさせていただき、ワインセレクションのなかから魅力的なアプローチをご提案しています。世界でもトップクラスといえる機内食を楽しむお手伝いをしたいと常に考えています」(大越さん)

画像: おいしいワインの橋渡しだけではない、新たな楽しみ方をご提案

今回選定されたワインのご提供は、2020年3月から始まります。JALの新たな“機内サービスの顔”は着々とご提供の準備が進められています。はたしてどんなラインナップになっているのか、ぜひご期待ください。

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