工場見学は、一見、子ども向けと思うかもしれませんが、じつは大人も心躍るスポットが多数存在。ふだんはなかなか見られない“ものづくり”の現場に触れられる貴重な機会です。中でも東京都内では、暮らしに関わる物事の裏側を学べるものから、おいしい体験ができるものまで、幅広いジャンルの工場見学を楽しめます。そんな施設を巡り、大人の好奇心と知識欲をくすぐる東京旅はいかがでしょうか?
画像1: 大人の好奇心と知識欲を満たす!東京都内の人気工場見学12選

〈試飲・試食も楽しい! 食品系の工場見学〉

プレミアムな一杯も“フリーウェイ”なサントリーの「天然水のビール工場」

画像: プレミアムな一杯も“フリーウェイ”なサントリーの「天然水のビール工場」

「ザ・プレミアム・モルツ」などで知られるサントリーは府中市にビール工場があり、見学ツアーやセミナーを行っています。プランは数種あり、「ガイドツアー」は年末年始と工場休業日を除く毎日開催しているうえ、試飲が無料で楽しめるのも魅力。京王線・JR南武線の「分倍河原駅」からシャトルバスが出ているので、アクセスも至便です。

「ガイドツアー」はまず、麦芽、ホップ、天然水といったビールの原料をパネルや映像なども使ってガイドさんが解説。その後、巨大な仕込釜を見学したり、実際に貯酒工程で使われていたタンクの中を通ったり、環境活動に関する紹介があったり。ラストは、注ぎのプロによる「ザ・プレミアム・モルツ」が楽しめます。より充実した有料のプランもあるので、ビール好きの人はぜひこちらも。

サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野

住所東京都府中市矢崎町3-1
開催日時webで要確認
見学料無料。有料プランもあり
申し込み方法webなどから要予約
webhttps://www.suntory.co.jp/factory/musashino/
電話042-360-9591

飲食店でVR体験するサントリーの「ファクトリー・トレック!」

画像: 飲食店でVR体験するサントリーの「ファクトリー・トレック!」

前述した府中の工場見学の他にも、サントリーでは都内の飲食店を会場にしたユニークな工場見学体験も開催。それが、特別なVR双眼鏡を活用し、食べたり飲んだりして楽しめるイベント「ファクトリー・トレック!」です。

工場は「〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野コース」のほか、ウイスキーで有名な「白州蒸溜所コース」と「山崎蒸溜所コース」も。当日は知識豊富なトレッキングガイドがVRに映し出される工場の映像に合わせて解説し、合間で対象のお酒を飲んだりおつまみを食べたり、フードペアリングを楽しめます。一風変わったスタイルの工場見学は、仲間との会話のネタにもなるでしょう。

ファクトリー・トレック!

開催日時webで要確認
見学料有料。料金は内容によって異なる
申し込み方法webから要予約
webhttps://www.suntory.co.jp/factory/factorytrek/

世界標準のおいしさの秘密もわかる「コカ・コーラ」の多摩工場

画像: 世界標準のおいしさの秘密もわかる「コカ・コーラ」の多摩工場

世界中で愛される「コカ・コーラ」。その歴史をはじめ、コーヒーの「ジョージア」や炭酸飲料「ファンタ」など、コカ・コーラ社製品の製造工程を学べるのが「コカ・コーラ ボトラーズジャパン多摩工場」です。

場所は東久留米市にあり、西武池袋線「東久留米駅」や「清瀬駅」からバスで行くのがおすすめ。内容は映像上映、製造工程見学、展示体験で構成され、「コカ・コーラ」が世界のどこの国でも同じ味が楽しめる理由を知れたり、体験ブースではクイズコーナーや歴代のCMを閲覧できる展示があったり。試飲やお土産付きで、満足できること間違いなしです。秘密を知ったうえで飲むと、馴染みあるあのドリンクがよりおいしく感じるでしょう。

コカ・コーラ ボトラーズジャパン多摩工場見学

住所東京都東久留米市野火止1-2-9
開催日時平日(工場休業日を除く)。10:00〜、15:00~の2回
見学料無料
申し込み方法40名以下はweb予約、41名以上は電話予約
webhttps://www.ccbji.co.jp/plant/tama.php
電話042-471-0463

マヨネーズの“なるほど!”が楽しく学べる。キユーピーの「マヨテラス」

画像: マヨネーズの“なるほど!”が楽しく学べる。キユーピーの「マヨテラス」

日本で初めてマヨネーズの製造、販売をしたキユーピーは、見学施設「マヨテラス」でさまざまな体験を提供。場所は調布市仙川にあり、京王線「仙川駅」から徒歩7分とアクセスも至便です。

館内は数カ所のブースにわかれていて、たとえば「キユーピー ギャラリー」ではマヨネーズの歴史やキユーピーの事業内容を展示。「マヨネーズドーム」では、マヨネーズのおいしさの秘密や工夫などを、クイズを交えながらわかりやすく解説してくれます。そして「ファクトリーウォーク」ではマヨネーズの製造工程や品質管理などを学び、最後は「キユーピー キッチン」で料理のお話や試食が用意されています。特にマヨラーにはたまらない施設、要チェックです。

マヨテラス

住所東京都調布市仙川町2-5-7 仙川キユーポート
営業時間10:00~17:00(電話受付10:00~12:00/13:00~16:30)
定休日土・日曜・祝日、その他臨時休館日(土曜は臨時開館する場合あり)
見学料無料
申し込み方法webなどから要予約
電話03-5384-7770
webhttps://www.kewpie.co.jp/entertainment/mayoterrace/

「澤乃井」で知られる酒蔵の見学を大自然の恵みとともに

画像: 「澤乃井」で知られる酒蔵の見学を大自然の恵みとともに

銘酒・澤乃井などで知られる「小澤酒造」は、元禄15(1702)年創業という、現存する東京最古の造り酒屋。同蔵では酒蔵見学を実施しており、蔵の歴史や酒造りについて蔵人の案内で学べます。小澤酒造は青梅市にあり、最寄りのJR青梅線「沢井駅」から徒歩数分の場所に。奥多摩の大自然に囲まれたロケーションも、ここならではの魅力です。

敷地内には元禄蔵、明治蔵、平成蔵と時代ごとの3つの蔵があり、設備を見ながら米がどのような工程を経て日本酒になるのかを教えてもらえます。その中で重要なのが仕込み水であり、見学では秩父古生層の岩盤を掘った横井戸の湧き水も見られます。日本が誇る日本酒のこだわりを、その目で確かめてください。なお、敷地内には多摩川のほとりに広がる「清流ガーデン澤乃井園」があり、ここには売店のほかに有料の「きき酒処」も。約10種のお酒がラインナップされているので、気になる人は立ち寄ってみましょう。

小澤酒造

住所東京都青梅市沢井2-770
開催日時〈平日〉13:00〜、14:00〜の2回
〈土・日・祝日〉12:00〜、13:00〜、14:00〜の3回
休催日月曜(祝日の場合は翌火曜)
見学料無料。試飲(きき酒)は有料
申し込み方法電話で要予約
電話0428-78-8210
webhttp://www.sawanoi-sake.com/service/kengaku

ビーントゥバーを体験。ダンデライオンの「チョコレートファクトリーツアー」

画像: ビーントゥバーを体験。ダンデライオンの「チョコレートファクトリーツアー」

カカオ豆からチョコレートバーになるまで一貫して製造を行うBean to Bar(ビーントゥバー)。その一大ブランドである、サンフランシスコ発の「ダンデライオン・チョコレート」は「ワークショップ」と題してさまざまな見学体験を開催しています。

いくつかあるプランの中から「チョコレートファクトリーツアー」を簡単に紹介します。

こちらは、日本1号店である「ファクトリー&カフェ蔵前」のファクトリーを巡りながら、カカオ豆からチョコレートになるまでの全工程を、テイスティングを交えながら学べるクラス。チョコレート工場へ潜入できるだけでも心ときめきますが、ピュアなチョコレートが出来上がる様子を見られるのはまた貴重な体験。ドリンクチケット付きなので、ツアー後はドリンク片手に蔵前を散策するのもおすすめです。

ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前

住所東京都台東区蔵前4-14-6
開催日時webで要確認
見学料有料。料金は内容によって異なる
申し込み方法webなどから要予約
webhttps://dandelionchocolate.jp/#workshop
電話03-5833-7270

「深川ワイナリー東京」で都会にいながらワインの造り方を学ぶ

画像: 生果が入る季節には醸造体験も

生果が入る季節には醸造体験も

2016年に門前仲町で開業した「深川ワイナリー」。こちらはレストランを併設(しばらくは休止し、ボトル販売とテイスティングのみ)したワイン醸造所となっていて、毎週日曜には醸造所見学も実施しています。ワイナリーがあるのは江東区で、地下鉄「門前仲町駅」やJR京葉線「越中島駅」から徒歩数分。

醸造所内にはブドウを搾るプレス機やタンク、樽などが並び、房から果汁にして発酵や熟成などを経てワインを造っていく工程を、写真と解説で教えてくれます。日本各地でもワイナリー見学はできますが、都内のこぢんまりとした施設だからこそ、より近い距離で臨場感のある見学を楽しめます。有料ですが、おトクな価格でワインのテイスティングを楽しめるので、見学後にいかがでしょうか。

深川ワイナリー東京

住所東京都江東区古石場1-4-10 高畠ビル 1階
開催日時土・日・祝日。14:00~、16:00~の2回
見学料無料。テイスティングは有料
申し込み方法SNSのDMや電話で要予約
電話03-5809-8058
webhttps://www.fukagawine.tokyo/

ウォーターサーバーやミネラルウォーターの世界に触れる「クリクラ工場見学ツアー」

画像: ウォーターサーバーやミネラルウォーターの世界に触れる「クリクラ工場見学ツアー」

ウォーターサーバーやボトルの配送集荷事業を展開するクリクラは、町田工場で「クリクラ工場見学」を開催。アクセスは小田急線「鶴川駅」からバスに乗り、「五反田」停車場を下車しすぐです。

その内容は、はじめに「クリクラ中央研究所」で微生物検査などの検査施設の見学を行ったあと、工場で原水からボトリングされるまでの製造工程の見学となります。また、施設内にある水ギャラリーでは、世界各国から集めた1,300本以上のミネラルウォーターのほか、35台以上のウォーターサーバーが常時展示。見学の最後には、原水とクリクラの違いを調べる簡単な実験ができ、お土産も付くという魅力的なプランとなっています。安全・安心な水を口にできている裏側にはこのような過程があるということを知ると、水のありがたみがより増すことでしょう。

クリクラ町田工場

住所東京都町田市小野路町1716-1
開催日時11:00~12:00、14:00~15:00の2回(水曜は午後の部のみ)
休催日日曜、年末年始、その他会社が指定する日
見学料無料
申し込み方法webなどから要予約
webhttps://www.crecla.jp/factory/machida/
電話0120-867-867

〈身近なモノの裏側が見られる! 工場見学〉

コックピットの模型や飛行機を間近で見られる「JAL工場見学~SKY MUSEUM~」

画像: コックピットの模型や飛行機を間近で見られる「JAL工場見学~SKY MUSEUM~」

JALにも工場見学があります。その名は「JAL工場見学~SKY MUSEUM~」。最寄りは東京モノレールの「新整備場駅」で、そこから徒歩2分ほどで到着します。

まずはミュージアム体験。ここではフライトを支えるスタッフの仕事やJALの史料展示など、各コーナーを自由に見学できます。ひと際目を引くのは、コックピットの実物大模型でしょう。操縦席に座ってスイッチなどに触れることもできます。

その次は格納庫に移動し、スタッフによるガイドのもと、実際の飛行機などを間近で見学。第2格納庫の片隅には、日本初のジェット旅客機「ダグラスDC-8(FUJI)号」の機首があるなど、貴重な展示も。空旅好きにはたまらない内容となっています。ここだけのオリジナルグッズを販売したミュージアムショップもあるので、見学の際はぜひ立ち寄ってみましょう。

JAL工場見学~SKY MUSEUM~

住所東京都大田区羽田空港3-5-1 JALメインテナンスセンター1
電話03-5460-3755(9:30~16:30)
開催日時9:30~11:20、10:45~12:35、14:45~16:35の3回
休催日水・金曜
見学料無料
申し込み方法webから要予約
webhttps://www.jal.com/ja/kengaku/

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ヤマトグループ最大級の物流施設「羽田クロノゲート」で“はこぶ”を学ぶ

画像: ヤマトグループ最大級の物流施設「羽田クロノゲート」で“はこぶ”を学ぶ

宅急便などを展開するヤマトグループ最大規模の物流施設「羽田クロノゲート」の見学コースでは、物流のしくみを体感しながら楽しく学ぶことができます。羽田空港からほど近い京急線「穴守稲荷駅」から徒歩約5分。見学エリアは6つのゾーンにわかれており、各所でスタッフが豊富な知識でさまざまな解説をしてくれます。

6つのゾーンにはそれぞれ、ヤマトグループの歴史を振り返ることができる展示「100THANKS」や、企業広告やCMなど展示や映像を通してさまざまな取り組みを紹介する「企画展示コーナー」、宅急便に込められた想いや仕組み・ビジョンを映像で紹介する「見学者ホール」、実際に荷物が目の前を流れる様子を見られる「見学者コリドー」、高い効率化と万全のセキュリティを司る「集中管理室」、物流が生み出す社会的な価値についてプロジェクションなどで知識を深める「展示ホール」があります。

見学後はオリジナルグッズのプレゼントがあり、かなり充実した内容。自分の手元に届く荷物の裏側には、あっと驚く仕組みがたくさんあることに気づくはずです。

「羽田クロノゲート」見学コース

住所東京都大田区羽田旭町11-1
開催日時火~日曜・祝日(webで要確認)
見学料無料
申し込み方法webなどから要予約
webhttps://www.yamato-hd.co.jp/facilities/haneda-chronogate/
電話03-6756-7180

1億円の重さを実感できるコーナーも。お札を刷る貴重な現場「国立印刷局」

画像: 1億円の重さを実感できるコーナーも。お札を刷る貴重な現場「国立印刷局」

日本銀行券(お札)や収入印紙など、公共性の高い印刷物を製造している国立印刷局は、都内では北区にある東京工場で見学を実施しています。他に小田原工場、静岡工場、彦根工場でも見学を実施しています。東京工場の最寄り駅は東京メトロ南北線の「西ケ原駅」で徒歩約1分。

見学内容は、国立印刷局の紹介から。映像を見ながら業務内容などを知ることができます。また、見学廊下からはお札を印刷する現場をガラス窓越しに見学が可能。その後は展示室へ移動し、お札の製造工程や偽造防止技術について、パネルや体験装置を使いながら、楽しく学べます。1億円の重さを実感しながら記念撮影できるコーナーもあるので、ぜひ体験を。お金の大切さを身をもって再認識するきっかけになるかもしれません。

国立印刷局東京工場

住所東京都北区西ケ原2-3-15
開催日時火・木曜。10:00~、13:40~の2回
見学料無料
申し込み方法webまたは電話から要予約
webhttps://www.npb.go.jp/ja/event/kengaku/tokyo.html
電話03-5567-1102

スキンケアのコツも学べる「ナチュラルファクトリー東京」工場見学ツアー

画像: スキンケアのコツも学べる「ナチュラルファクトリー東京」工場見学ツアー

「ママ&キッズ」などをはじめ、肌にやさしい低刺激スキンケア用品やコスメを扱うナチュラルサイエンスは、江東区にある自社工場「ナチュラルファクトリー東京」で見学会を実施。都営新宿線「西大島駅」から徒歩10分ほどの場所にあり、毎月1~2回程度、週末を中心に開催されています。

内容は、化粧品ができるまでの生産ラインの見学と、スキンケア体験の2本柱。生産ラインの見学では、赤ちゃんから使えるものだからこそ、衛生面や成分へ揺るぎないこだわりがあることを実感できるでしょう。スキンケア体験では、実際の製品に触れながらホームケアのコツなどを教えてもらえます。「桑の葉フローラ青汁」など自社製品を使ったドリンクも飲めるうえ、スキンケアミニセットや直営店での割引クーポンもあり。美容好きの友人と足を運ぶのも楽しいでしょう。

ナチュラルファクトリー東京 工場見学ツアー(ナチュラルサイエンス)

住所東京都江東区北砂3-4-27 ナチュラルファクトリー東京
開催日時毎月1~2回。10:30~12:00(会場10:00)
見学料大人800円、中高生400円、小学生200円、未就学児・1歳未満無料
※ロイヤルメンバーは会員を含む2名が無料
申し込み方法webから要予約(予約には会員登録が必要です)
webhttps://www.natural-s.jp/info/pr/factory-tour-tokyo/
電話0120-122-783

大人の好奇心や知識欲を刺激する、東京都内の工場見学スポットをご紹介しました。工場見学では日常的な商品やサービスの裏側にある、働く人の想いにも触れられます。体験することで、それらをより身近に感じられることでしょう。ぜひ本稿を参考に、都内の工場見学へ足を運んでください。

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