日本には、一度は訪れたい絶景が数多くあります。その中でも、古くから日本を代表する景勝地として親しまれてきたのが、宮城県の「松島」、京都府の「天橋立」、広島県の「宮島」の3カ所からなる「日本三景」。
この記事では、全国を知り尽くしたJALスタッフとOnTrip JAL編集部が、日本三景の見どころをご紹介。日本三景と称されるようになった背景にも触れながら、その土地ならではの楽しみ方もお届けします。

日本三景とは?

「日本三景」とは、宮城県の「松島」、京都府の「天橋立」、広島県の「宮島」の3つの景勝地を指します。いずれも海と自然が織りなす美しい景観で知られ、古くから日本を代表する景勝地として多くの人々に親しまれてきました。

それぞれ異なる歴史や文化、景色を持ち、遊覧船や展望台、島歩きなど楽しみ方もさまざま。何度訪れても新しい発見があることから、日本人の旅の憧れとして受け継がれています。

日本三景は誰が、いつ決めた?

日本三景の始まりは、江戸時代初期までさかのぼります。1643年、全国を巡った儒学者・林春斎(林鵞峰)が著した『日本国事跡考』の中で、松島・天橋立・宮島を「三処奇観(さんしょきかん)」と紹介したことがきっかけといわれています。

その後、この3カ所は「日本三景」として広く知られるようになり、今も日本を代表する景勝地として多くの人を魅了しています。また、林春斎の誕生日である7月21日は「日本三景の日」に制定されています。

参考:日本三景観光連絡協議会「日本三景とは」

なぜ松島・天橋立・宮島が日本三景に?

実は、松島・天橋立・宮島が選ばれた理由について、林春斎自身は詳しく記しておらず、明確な基準は今も伝わっていません。ただ、3カ所に共通しているのは、海と自然が織りなす景色を楽しめること。また、いずれも古くから名勝として親しまれ、歴史や文化と深く結び付いてきた場所であることも共通しています。こうした自然と人の営みが調和した景観が、今も多くの旅人を惹きつけているのです。

日本三景はどこ?所在地やアクセス、見どころを一覧で紹介

日本三景は、宮城県の「松島」、京都府の「天橋立」、広島県の「宮島」の3カ所。それぞれ異なる地域にあり、景色はもちろん、楽しみ方もさまざまです。

まずは所在地やアクセス、見どころを一覧でチェックして、気になる場所を見つけてみましょう。

日本三景所在地空港からのアクセス見どころ
松島宮城県松島町仙台空港から
JR仙台駅経由で約1時間30分
260余りの島々が浮かぶ
多島海の絶景
天橋立京都府宮津市大阪国際空港(伊丹)から
高速バスで約2時間10分
約3.6km続く砂州と松並木
宮島広島県廿日市市広島空港から
高速バスと連絡船で約1時間30分
海に浮かぶ嚴島神社の大鳥居

【宮城県】松島|260余りの島々が織りなす多島美

画像1: 写真提供:宮城県観光戦略課

写真提供:宮城県観光戦略課

「松島」を象徴する絶景といえば、松島湾に浮かぶ260余りの島々。大小さまざまな島と松の緑、穏やかな海が織りなす景色は、晴れでも雨でも風情を感じる美しさ。江戸時代には松尾芭蕉をはじめ、多くの文人墨客がこの景色に魅了されてきました。

一方で、美しい景色だけではなく、古くから「奥州の霊場」と称される“信仰の地”として発展してきた歴史もあります。中世には修行僧の憧れの地でもあったそうで、現在も「瑞巌寺」や「五大堂」など、歴史を感じられる寺社が点在しています。

松島を訪れたら、まず体験したいのが遊覧船。松島湾を一周するコースと塩釜〜松島間を周遊するコースがあり、船上から眺める島々は陸上とはまた違った表情を見せてくれます。天気の良い日はデッキに出て、海風を感じながら景色を眺めるのもおすすめです。

全体を見渡したいなら、「西行戻しの松公園」へ。高台から松島湾を一望できる人気の展望スポットで、春には多くの桜が咲き、島々との美しい景観を楽しめます。

画像2: 写真提供:宮城県観光戦略課

写真提供:宮城県観光戦略課

そして旅の締めくくりは、新鮮な海の幸を。「松島さかな市場」に併設された「焼がきハウス」では、焼がきの食べ放題が通年楽しめます。

画像: iStock.com/PHOTON09

iStock.com/PHOTON09

遊覧船で景色を眺め、歴史ある寺社を歩き、旬の海鮮を味わう。そんな松島らしい一日を満喫してみてはいかがでしょうか。

JALスタッフに聞いた松島の魅力

  • 「いつも遊覧船に乗って風景を楽しみます。『五大堂』で歴史を感じ、塩釜で海鮮や笹かまを食べると満喫できます!」(営業スタッフ)
  • 「いろいろな角度から楽しめるのが松島の魅力! 遊覧船に乗るといった定番の楽しみ方だけでなく、奥松島エリアまで足を延ばし、『大高森』の展望台から松島湾を見渡すのもおすすめです」(営業スタッフ)
  • 「松島の魅力は、遊覧船での多島美観賞と新鮮な牡蠣料理! 牡蠣は生・蒸し・フライで楽しめ、食べ放題も人気。『牡蠣ノ屋フライ亭』の爆弾カキフライも名物で、松島塩レモンサワーとの相性が抜群です!」(企画営業スタッフ)

あわせて回りたい!松島の観光スポット

  • 瑞巌寺(ずいがんじ)
    伊達政宗が再興した、松島を代表する禅宗寺院。国宝の本堂や庫裡、参道の洞窟遺跡群など、松島が信仰の地として歩んできた歴史に触れられます。
  • 円通院(えんつういん)
    瑞巌寺の西隣にある、伊達忠宗の次男、光宗の霊廟。苔が美しい境内や数珠作り体験もあります。
  • 福浦島(ふくうらじま)
    松島海岸の東に浮かぶ小さな島。朱塗りの福浦橋を渡ると、赤松や杉などが茂る遊歩道が続き、海辺の自然を感じながら散策できます。

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【京都府】天橋立|空へ架かる橋のような砂州

画像1: 写真提供:天橋立観光協会

写真提供:天橋立観光協会

京都府宮津市にある「天橋立」は、宮津湾と内海の阿蘇海を隔てる全長約3.6kmの砂州に約6,70本の松が生い茂る、日本でも珍しい景観です。空へ向かって伸びるように見えるその姿から、「天に架かる橋」にたとえられ、古くから多くの人々を魅了してきました。

百人一首にも「大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみもみず 天橋立」と詠まれ、その名を耳にしたことがある方も多いはず。長い歴史の中で、歌人や画家など多くの文化人にも愛されてきた風景です。

天橋立を訪れたら、ぜひ楽しみたいのが展望台からの眺め。傘松公園から望む「昇龍観」、天橋立ビューランドからの「飛龍観」をはじめ、「雪舟観」「一字観」とあわせて“四大観”と呼ばれる眺望が知られています。

なかでも股のぞきで景色を眺めると、砂州が空へ伸びる龍のようにも見え、天橋立ならではの楽しみ方として親しまれています。

画像2: 写真提供:天橋立観光協会

写真提供:天橋立観光協会

景色を眺めるだけでなく、松並木を駆け抜けるレンタサイクルや、海の上から天橋立を望むSUP・シーカヤック、遊覧船など、楽しみ方はさまざま。片道だけレンタサイクルを利用し、帰りは観光船でゆったり戻ることもできます。

夏には「宮津燈籠流し花火大会」や砂浜のライトアップが行われるなど、季節ごとに異なる表情に出合えるのも天橋立の魅力です。

JALスタッフに聞いた天橋立の魅力

  • 「まずはリフトで『天橋立ビューランド』へ登り、股のぞきで龍が舞うような『飛龍観』を眺めるのがいちおし。絶景を堪能したあとは、『智恵の餅』を味わうのが定番コースです!」(客室乗務員)
  • 「『見る』だけでなく『渡れる』日本三景! 絶景を遠くから眺めるだけでなく、実際に歩いたり自転車で渡ったりできるところが好きです」(営業スタッフ)
  • 「『廻旋橋』や『天橋立』の散歩のほか、夏の海水浴も人気があります!」(営業スタッフ)

あわせて回りたい!天橋立の観光スポット

  • 天橋立ビューランド
    文珠山の山上にある展望施設。リフトやモノレールで登ると、天橋立が、龍が天へ舞い上がるように見える「飛龍観」を楽しめます。
  • 傘松公園(かさまつこうえん)
    「股のぞき」発祥の地として知られる展望所。天橋立が天に昇る龍のように見える「昇龍観」として知られています。
  • 智恩寺(ちおんじ)
    「三人寄れば文殊の知恵」の文殊菩薩を祀るお寺。天橋立散策の前後に立ち寄りやすく、知恵を授かる寺として親しまれています。

【広島県】宮島|海に浮かぶ大鳥居と神の島

画像: ⒸShintani

ⒸShintani

広島県廿日市市にある「宮島」は、古くから島そのものが神として信仰され、「神の島」として大切に守られてきました。瀬戸内海の豊かな自然が今も残り、島全体が厳かな空気に包まれています。

宮島を訪れたら、まず見ておきたいのが世界遺産・嚴島神社と海に浮かぶ大鳥居。海を敷地の一部として造られた独創的な社殿は、1996年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。

潮の満ち引きによって景色が大きく変わるのも特徴で、満潮時(潮位250cmを上回る場合)には社殿が海に浮かんでいるように見え、干潮時(潮位100cmを下回る)には大鳥居のすぐ近くまで歩いて行くことができます。訪れる時間を決める際は、宮島観光協会が公開している年間潮汐表をチェックしておくと安心です。

時間に余裕があれば、島の中央にそびえる霊山・弥山へ足を延ばすのもおすすめ。ロープウェーと散策を組み合わせながら、弥山神社や展望台を巡ることができます。山頂までは短時間でも2時間ほどかかるため、ゆとりを持ったスケジュールがおすすめです。

散策の合間には、「表参道商店街」で宮島グルメも楽しみたいところ。

焼きたての牡蠣やあなごめし、もみじ饅頭など名物が並び、お店を巡りながら少しずつ味わうのも宮島ならではの過ごし方です。

JALスタッフに聞いた宮島の魅力

  • 「宮島は日帰りで訪れる方が多いと思いますが、ぜひ島内に滞在して、朝晩の静かな嚴島神社を参拝されることをおすすめします。島内散策に疲れた時は、静かにゆっくりと過ごすことができる豊国神社(千畳閣)が穴場スポットとしておすすめです」(営業スタッフ)
  • 「大鳥居は海とのコントラストが綺麗! ぜひ記念写真を撮ってくださいね。早朝など人が少ない時間帯に訪問すると、神秘的な時間を過ごせます」(営業スタッフ)
  • 「満潮と干潮によって景色がまったく異なります。干潮時は、大鳥居まで歩いていけば行くほどその大きさに圧倒されました。一度行ったら忘れられない景色が待っています!」(OnTrip JAL編集部)

あわせて回りたい!宮島の観光スポット

  • 宝物館
    嚴島神社に伝わる宝物の一部を展示する施設。国宝・重要文化財を含む貴重な品々を通して、宮島に受け継がれてきた信仰や文化に触れられます。
  • 大聖院
    嚴島神社から歩いて立ち寄れる、宮島を代表する寺院のひとつ。境内にはさまざまなお堂が点在しています。
  • 宮島水族館(みやじマリン)
    瀬戸内海を中心に380種・15,000点以上の生きものを展示する水族館。「いやし」と「ふれあい」をテーマに、海の生きものを身近に感じられます。

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あなたにおすすめの日本三景は?

日本三景は、どれも一度は訪れたい名景ですが、その魅力はそれぞれ異なります。絶景を眺めるだけでなく、歴史に触れたり、アクティビティを楽しんだり、ご当地グルメを味わったり…と、旅の楽しみ方もさまざま。自分の旅のスタイルに合う場所を見つけてみましょう。

絶景を眺めながらゆったり過ごしたいなら「松島」

時間を気にせず、絶景の中でリフレッシュしたいなら「松島」へ。遊覧船に乗れば、260余りの島々が点在する松島湾を海の上からゆったり眺めることができます。松島湾は波が比較的穏やかなため、デッキに出て海風を感じながら景色を楽しめるのも魅力。

歴史ある寺社を巡ったり、新鮮な海の幸を味わったりと、一日をのんびり過ごしたい旅にぴったりです。

大自然を満喫しながらアクティブに過ごしたいなら「天橋立」

絶景を眺めるだけでなく、体を動かしながら旅を楽しみたいなら「天橋立」がおすすめ。約3.6km続く砂州は徒歩でも散策できますが、レンタサイクルを利用すれば、松並木の中を風を感じながら爽快に駆け抜けられます。

また、SUPやシーカヤック、滝行、ヨガなど大自然を生かしたアクティビティも充実! 景色を眺めるだけでは終わらない、思い出に残る一日を過ごせます。

歴史や文化、グルメを満喫したいなら「宮島」

一日かけて歩きながら、歴史や文化、グルメを楽しみたいなら「宮島」へ。世界遺産・嚴島神社をはじめ、古くから「神の島」として受け継がれてきた歴史や信仰に触れられる場所が点在し、島全体にどこか厳かな空気が流れています。

表参道商店街で広島名物を味わったり、少し足を延ばして弥山を歩いたり。見どころがコンパクトにまとまっているので、日帰りでも大満足の旅になるでしょう。

日本三景を満喫するための旅のTips

日本三景は、それぞれ異なる景色や歴史を楽しめるだけでなく、訪れる季節や時間帯、過ごし方によって印象も大きく変わります。せっかく訪れるなら、その土地ならではの魅力を存分に味わいたいもの。ここでは、旅をより充実させるためのTipsをご紹介します。

季節や時間帯によって異なる表情を楽しもう

日本三景は、訪れる季節や時間帯によって景色の印象が大きく変わります。同じ場所でも春夏秋冬それぞれに異なる魅力があり、一度訪れただけでは味わい尽くせないのも、日本三景の面白さです。

例えば「松島」なら、春は島々と桜が織りなす華やかな景色、秋は紅葉、冬は旬を迎える牡蠣と落ち着いた雰囲気を楽しめます。夏は遊覧船や海鮮を満喫できる一方で、多くの観光客でにぎわうため、混雑を避けたい方は春や冬を選ぶのもおすすめです。

JALスタッフ&OnTrip JAL編集部がおすすめする時間帯は?

  • 松島
    「松島の景色を眺めるのにおすすめの時間帯は、平日の午前8時前後や午後4時以降。人が少ないので狙い目です!お店巡りや遊覧船を楽しむなら、午前10時から午後3時ごろがおすすめです」(企画営業スタッフ)
  • 天橋立
    「散策が気持ちいい、朝がおすすめです!ウエルネス旅にもぴったりです」(営業スタッフ)
  • 宮島
    「午後からとても混雑するので、スムーズに過ごすなら午前中がおすすめ。早めに嚴島神社を散策して、あとは食べ歩きなどを楽しむのがいいですよ」(OnTrip JAL編集部)

移動時間も含めて、ゆとりのある旅程を立てよう

日本三景は、景色を眺めるだけでなく、周辺を散策しながら楽しみたい場所ばかり。そのため、思っている以上に時間がかかることも少なくありません。

例えば「宮島」の場合、嚴島神社を参拝するだけであれば比較的短時間で巡れますが、宮島水族館や弥山、表参道商店街まで足を延ばすと、半日ほどかけてゆっくり楽しむ旅になります。現地で慌てないためにも、あらかじめ訪れたい場所を決めておくと、景色や食事をより満喫しながら巡ることができます。

絶景は“見る”だけでなく“体験”して楽しもう

日本三景の魅力は、美しい景色を眺めるだけではありません。その土地ならではの体験を取り入れることで、旅の思い出はさらに深まります。

例えば「天橋立」なら、展望台から全景を眺めたあと、レンタサイクルで松並木を駆け抜けたり、SUPやシーカヤックで海の上から天橋立を眺めたり。陸と海、異なる視点から景色を楽しむことで、同じ天橋立でも違った表情に出合えます。

日本三景を訪ねて、日本ならではの風景に出合おう

日本三景は、それぞれ異なる景色や歴史、文化を持ちながら、今も多くの人を魅了し続けています。遊覧船で景色を眺めたり、展望台から見渡したり、その土地ならではの体験を楽しんだりと、旅の楽しみ方もさまざま。次の旅では、日本を代表する三つの景色を訪ねて、その魅力を自分の目で確かめてみませんか?

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