秋田空港から車で約2時間、青森空港からは約1時間30分。「秋田犬のふるさと」として知られる大館市は、秋田県北部の山間地に位置し、「日本三大樹氷」のひとつを有する北秋田市に隣接しています。両市とも冬は厳しい寒さに見舞われますが、雪が降るからこその自然の恵みと、暮らしの中で育まれた温かさを体感できる土地でもあります。400年以上続くといわれる「大館アメッコ市」が開催された2月、隠れた魅力を見つけに、JALふるさと応援隊の星野さんと木村さんが秋田県を訪れました。

〈北秋田市〉

日本三大樹氷のひとつを体感しに「森吉山」へ

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旅はお隣の北秋田市へ。大館市街からは車で約1時間10分の場所に「森吉山阿仁スキー場」があります。

森吉山は、青森県の八甲田山、山形県の蔵王とともにブランド化に取り組む「日本三大樹氷」のひとつを有しています。

日本海の海水が蒸発し、マイナス30度でも凍らない雲粒が強い風に乗って、「アオモリトドマツ」に衝突。その衝撃で一瞬にして氷になることが繰り返され、大きく成長したものが樹氷です。気温はもちろん、表面にトゲがたくさんあるアオモリトドマツの葉が氷を留め、もこもこと大きく育っていくのだそう。

画像2: 日本三大樹氷のひとつを体感しに「森吉山」へ

アオモリトドマツが多く植生する「樹氷平」があるのは、標高1,200メートル。森吉山阿仁スキー場の駐車場からすぐそばの「ゴンドラ山麓駅」から、ゴンドラに乗って約20分で「ゴンドラ山頂駅」へ、そこから5分ほど歩くと到着します。

画像3: 日本三大樹氷のひとつを体感しに「森吉山」へ

少し坂道がありますが、ゴンドラ山頂駅でストックや長靴を無料で貸し出してくれるので安心です。スキーやスノーボードで滑らずとも、歩いて樹氷のすぐそばまで行くことができます。

また、ゴンドラ山頂駅には樹氷ができる仕組みや鑑賞コースを紹介してくれる樹氷案内人がいるのもうれしいポイント。

星野さんと木村さんは自然が生み出す幻想的な風景に思わず息を呑んだ様子。ガイドさんの楽しいお話を聞きながら、いくつかの条件が揃わなければ見ることができない貴重な景色を、何枚も写真に収めていました。

画像4: 日本三大樹氷のひとつを体感しに「森吉山」へ

「ゴンドラ山麓駅舎」では、スキーウェアのレンタルもしているので、手ぶらで訪れても樹氷を楽しむことができます。また、マタギが暮らす北秋田市ならではのオリジナルグッズや、森吉山阿仁スキー場にも秋田犬がいることから、オリジナルパッケージのブレンドコーヒー(400円)も販売しています。

画像5: 日本三大樹氷のひとつを体感しに「森吉山」へ
画像6: 日本三大樹氷のひとつを体感しに「森吉山」へ

上質なパウダースノーでも知られる森吉山阿仁スキー場。天気が良い日は秋田県南の名峰「鳥海山」が見えることもあるとか。「緩やかで視界も広く開けていて、今度は滑りに来たいです」と星野さんと木村さんも話していました。

樹氷を観られるのは、例年1~3月上旬。冬だけに見ることができる、特別な景色です。

森吉山阿仁スキー場

住所秋田県北秋田市阿仁鍵ノ滝79-5
電話0186-82-3311
営業時間ゴンドラ 9:00~16:00(上り最終15:00、下り最終15:30)
定休⽇季節により異なる
webhttp://www.aniski.jp/

「伊勢堂岱遺跡」周辺でスイーツを発掘!?

画像1: 「伊勢堂岱遺跡」周辺でスイーツを発掘!?

北秋田市は、2021年に世界文化遺産に登録された「伊勢堂岱遺跡」でも知られる土地です。

縄文時代後期前葉(約4,000年前)の遺跡で、これまでに4つの環状列石、配石遺構、掘立柱建物跡、土坑墓、柱穴、溝状遺構などが検出されています。

環状列石の下部には、死者を埋葬した土坑があり、祈りやマツリの道具が多く出土、ここでは祖先を崇拝するためのマツリが行われていたと考えられています。

画像: 出典:JOMON ARCHIVES

出典:JOMON ARCHIVES

環状列石の土坑墓から、完全な形に復元できる状態で出土したのが「板状土偶」。伊勢堂岱遺跡からは約200点の土偶が見つかっていますが、ほとんどが破片で、何らかの願いを込めて壊されたとも考えられています。この板状土偶をかたどったスイーツが、北秋田市内の飲食店で提供されている「発掘スイーツ」です。

JR鷹ノ巣駅/秋田内陸縦貫鉄道鷹巣駅に隣接する「北秋田市観光物産協会」のほか、おもに北秋田市内で配布されている「発掘スイーツマップ」に参加店の一覧が掲載されているので参考にして訪れてみてください。

北秋田市観光物産協会では「縄文チョコレート」(300円)も販売しています。

画像2: 「伊勢堂岱遺跡」周辺でスイーツを発掘!?
画像3: 「伊勢堂岱遺跡」周辺でスイーツを発掘!?

発掘スイーツマップに掲載の「レストラン 葡萄の樹」を、星野さんと木村さんも訪れてみました。「とうふハンバーグ定食」(1,000円)や「ナポリタン」(700円)など食事メニューも揃う、市内で30年以上続くまちの人気店です。

注文したのは、「縄文ホットケーキ」(500円)と「縄文クレープ」(400円)。クレープには板状土偶を模したマスコット「いせどうくん」型の寒天、ホットケーキには、北秋田市内の「白坂遺跡」から出土した縄文晩期の「笑う岩隅」型のチョコレートが添えられています。

画像4: 「伊勢堂岱遺跡」周辺でスイーツを発掘!?
画像5: 「伊勢堂岱遺跡」周辺でスイーツを発掘!?

発掘スイーツの参加店には共通の土偶型が配られていますが、どんなメニューを作るかは各店の自由。クッキーになったり、琥珀糖になったりと、店主のアイデアでさまざまな発掘スイーツが生まれています。

レストラン 葡萄の樹には、いせどうくん型のチョコレートが添えられた「縄文パフェ」(600円)もありました。参加店は全12店舗。地元に根差したお店を訪れるきっかけになりそうです。

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土偶にはどんな祈りが込められていたのか。これからの調査でこの土地で暮らしていた人たちの生活が浮かび上がってくるのが楽しみです。

※発掘スイーツは時期やタイミングにより提供する商品が異なる場合があります。予めご了承ください。

伊勢堂岱遺跡

住所秋田県北秋田市脇神伊勢堂岱
電話0186-84-8710(伊勢堂岱縄文館)
営業時間9:00~16:30(環状列石の石の保存のため、11月から4月中旬まで冬季閉鎖)
定休⽇月曜(月曜が祝日の場合は、翌平日)
webhttps://www.city.kitaakita.akita.jp/isedotai

北秋田市観光物産協会

住所秋田県北秋田市松葉町3-1
電話0186-62-1851
営業時間9:00~17:00
定休⽇12月29日~1月3日
webhttps://www.kitaakita-kankou.jp/imfomationcenter/

レストラン葡萄の樹

住所秋田県北秋田市花園町2-11
電話0186-62-3843
営業時間11:00~20:00、日曜・祝日~17:00
定休⽇不定休

大館市と北秋田市の冬の恵みと、暮らしの中で育まれてきた温かさを体感した星野さんと木村さん。自分たちの土地に誇りをもつ人たちの声も聞き、「大館市と北秋田市には、地域の皆さんが愛する、生活に根付いた魅力的な文化がたくさんあることを知りました。もっとたくさんの方に秋田県を訪れてもらいたいです」と話していました。

季節は冬から春へ。冬はもちろん、また違う表情を見せる秋田県に、次の季節も出かけたくなります。

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