オーストラリア最大の都市でニューサウスウェールズ州の州都でもあるシドニー。そこから車で2時間北上すると、ワインで有名な田舎まち「ハンターバレー」にたどりつきます。美しい自然あふれるこの地の魅力は、その恵みを受けたおいしい食事からも感じられるでしょう。そんな自然と美食の旅を、シドニー在住の日本人ライターがガイドします。

おすすめショップ&レストラン

おいしいお酒があるところには、美味なる料理が集うもの。もちろんハンターバレーも例外ではありません! おすすめグルメスポットを4カ所、ご紹介します。

ワインと言えばチーズ!「ザ ハンターバレースメリーチーズ」

2004年創業の「The Hunter Valley Smelly Cheese Shop(ザ ハンターバレースメリーチーズショップ)」。ワイナリーやショップ・レストランが立ち並ぶRoche Estate Complex(ロッシュステートコンプレックス)という商業施設の一角にあります。

画像1: ワインと言えばチーズ!「ザ ハンターバレースメリーチーズ」

Smelly Cheese(臭いチーズ)というインパクト大なネーミングのお店ですが、どれほどの匂いがするのでしょうか。

画像2: ワインと言えばチーズ!「ザ ハンターバレースメリーチーズ」

広い店内には、数えきれないほどのチーズが所せましと並んでいます。思ったほど強烈な匂いではなく、楽しめるレベルです。

こちらのお店では地元ハンターバレーで製造された最上級チーズのみならず、厳選した輸入品も扱っているそう。

画像3: ワインと言えばチーズ!「ザ ハンターバレースメリーチーズ」

ハンターバレーのワイナリーで手に取った、お気に入りの赤ワインに合うブルーチーズを見つけてみるのも面白そう。

画像4: ワインと言えばチーズ!「ザ ハンターバレースメリーチーズ」

チーズプラッター(25豪ドル)もたくさん置いてありました。ピクニック用にちょうど良いサイズ。

画像5: ワインと言えばチーズ!「ザ ハンターバレースメリーチーズ」

そしてハンバーガーや朝食、コーヒーなどをテイクアウトできるコーナーも。中でもベイクドチーズケーキ(スライス・ホール)は人気なようなので、立ち寄った際には試してみてください。

画像6: ワインと言えばチーズ!「ザ ハンターバレースメリーチーズ」

「Hunter Valley Gelato Company(ハンターバレージェラートカンパニー)」のつくりたてのジェラートやソルベもあります。その数、30種類以上!

The Hunter Valley Smelly Cheese Shop(ザ ハンターバレースメリーチーズショップ)

住所Roche Estate Complex, 2144 Broke Road, Pokolbin New South Wales 2230 Australia
電話+61-2-4998-6713
メールinfo@smellycheese.net.au
営業日日・月曜 10:00~17:00 / 金・土曜 10~17:30
webhttps://www.smellycheese.net.au/

美しい景色の中、ワインと料理のペアリングを堪能「エスカビンバジェン」

ワイナリーめぐりの記事で一番初めにご紹介した5つ星ワイナリー「ビンバジェン」に併設されているレストランが、人気ファインダイニング「Esca Bimbadgen(エスカビンバジェン)」。レストラン全体がゴージャスでお洒落な空間。オーストラリアのワイナリーレストランとして、トップレベルとの呼び声が高く、2018年に「ベストツーリズムレストラン賞」も獲った実力派です。

画像1: 美しい景色の中、ワインと料理のペアリングを堪能「エスカビンバジェン」

なんと言ってもガラス張りの店内から見えるこの絶景!

ランチはもちろん、ロマンチックで大人な雰囲気のディナーもおすすめ。徐々に日が落ちてゆく幻想的な景色が広がります。

画像2: 美しい景色の中、ワインと料理のペアリングを堪能「エスカビンバジェン」

せっかくなので、5品のコースメニューがこのワイナリーのワインとそれぞれペアリングされた「Signature experience(シグネチャーエクスペリエンス)」を選びました(一人160豪ドル。※日曜はサービス料10%追加、祝日は20%追加)。

画像3: 美しい景色の中、ワインと料理のペアリングを堪能「エスカビンバジェン」

食前にまずサーブされたのは「Sparkling Cuvee NV(キュヴェ ノン・ヴィンテージ)」というスパークリングワイン。

画像4: 美しい景色の中、ワインと料理のペアリングを堪能「エスカビンバジェン」

ステンレスのタンクで冷やし発酵させたワインは、少し苦みがありつつ、フルーティーで爽やか。

画像5: 美しい景色の中、ワインと料理のペアリングを堪能「エスカビンバジェン」

フォカッチャには自家製のバターとワインソルトを。赤ワインのかすかな風味が加わることでフォカッチャが上品な逸品に。

画像6: 美しい景色の中、ワインと料理のペアリングを堪能「エスカビンバジェン」

次のワインは「2018 Fiano(フィアーノ)」。セーラードアでは売り切れていました。フローラル・ハチミツ・柑橘系の甘い香りに、カルダモンのようなスパイスがキリっと引き締めます。

画像7: 美しい景色の中、ワインと料理のペアリングを堪能「エスカビンバジェン」

ペアリングされるのはイタリア発祥のフレッシュチーズ、ブッラータ。甘酸っぱいネクタリン(桃の変種)とヘーゼルナッツの上にチーズがのった一品です。ネクタリンの甘みとクリーミーなフレッシュチーズの風味にナッツの歯ごたえが絶妙なアクセントをつけています。

画像8: 美しい景色の中、ワインと料理のペアリングを堪能「エスカビンバジェン」

メインの1品目はオーストラリアでよく食べられる「バラマンディ」という白身魚のムニエル。スズキに似たあっさりとした食感と味わいです。ふわふわで美味! ブロッコリー二というブロッコリーの一種のソテーも添えて。こちらにあわせるのはスモーキーな香りと味わいが特徴的なセミヨンのシグネチャーです。

画像9: 美しい景色の中、ワインと料理のペアリングを堪能「エスカビンバジェン」

メイン2品目は放し飼いで育てたチキンとニョッキのプレート。放し飼い肉ならではの濃厚な旨みに、燻しアーモンドにセージがアクセントを加えます。こちらにあわせるのはセラードアでも試飲したシャルドネ「2019 Palmers Lane Chardonnay(2019パルマーズレーンシャルドネ)」。

画像10: 美しい景色の中、ワインと料理のペアリングを堪能「エスカビンバジェン」

フレッシュなシトラスとピーチのような風味で、ステンレスタンクではなく木の樽の中で熟成させるのでスモーキーな香りと味わいも。レモンのような酸味もあり、チキンと相性抜群です。

画像11: 美しい景色の中、ワインと料理のペアリングを堪能「エスカビンバジェン」

最後の極めつきはデザートワイン。

画像12: 美しい景色の中、ワインと料理のペアリングを堪能「エスカビンバジェン」

「Fortified Verdelho NV(ヴェルデーリョ)」。焦がしキャラメルのような艶がある色味とバタースコッチが合わさった香りに、ハチミツ、トフィーキャンディーのようなまったりと甘い味わいです。

画像13: 美しい景色の中、ワインと料理のペアリングを堪能「エスカビンバジェン」

ペアリングされた芸術的なデザートプレートに思わずため息。バーナーで表面を焦がして温め、甘みを引きたてた柔らかなマンゴーに、ココナッツのソルベを添えた一品です。温かさと冷たさの融合がたまりません!

ハンターバレーの最高な体験の一つになること間違いなしです。記念日にもおすすめです。

Esca Bimbadgen(エスカビンバジェン)

住所790 McDonalds Rd, Pokolbin New South Wales 2320
電話+61-2-4998-4600
メールoffice@bimbadgen.com.au
営業時間〈ランチ〉水~土曜 12:00~
〈ディナー〉 金・土曜 18:00~
webhttps://www.bimbadgen.com.au/dining/

魚も肉も絶品のヨーロピアンビストロ「ミューズキッチン」

ランチに訪れたのは南フランスのプロバンス地方を彷彿とさせる白い建物が印象的な、ビストロ「Muse Kitchen(ミューズキッチン)」です。

画像1: 魚も肉も絶品のヨーロピアンビストロ「ミューズキッチン」

青空に緑が映えるこの素敵なガーデンテラスでお食事ができます。店内も風情があってどこの席に座るか迷ってしまいます。

画像2: 魚も肉も絶品のヨーロピアンビストロ「ミューズキッチン」

おすすめは3品のコースメニュー(一人110豪ドル。祝日と12名以上の予約は10%追加)。いずれも数種類ある前菜、メイン、デザートからお好きな品を選ぶことができます。同店ではハンターバレー産ワインの品ぞろえも豊富です。

画像3: 魚も肉も絶品のヨーロピアンビストロ「ミューズキッチン」

コースにはもれなくオードブル2品もついてきます。パンに添えられた芳醇な香りのトリュフバターの風味が食欲をそそります!

画像4: 魚も肉も絶品のヨーロピアンビストロ「ミューズキッチン」

オードブル2品目はビーフの生肉を細かく刻んだタルタル。

画像5: 魚も肉も絶品のヨーロピアンビストロ「ミューズキッチン」

わたしが選んだ前菜は、大ぶりの新鮮なホタテのソテー。絶妙な焼き加減でうまみを凝縮させたホタテを、リッチでコクのあるクリーミーソースで。

画像6: 魚も肉も絶品のヨーロピアンビストロ「ミューズキッチン」

同伴者が選んだのは、なんとカンガルー肉のスモーク! オーストラリアで誰もが日常的に食べているとはまだ言えないのですが、赤身の肉で脂肪分は2%ほどとビーフよりも少なく味わいは濃厚。今注目の食材です。

画像7: 魚も肉も絶品のヨーロピアンビストロ「ミューズキッチン」

わたしのメインはコッド(マーレーコッド)という魚の蒸し焼き。「エスカ ビンバジェン」で紹介したバラマンディー同様スズキ目です。大きな焼き海老が大胆にあわせてあります。独特のスパイスが効いたカレー風味のチョリソーソースは、淡白な味わいのマーレーコッドはもちろん、風味豊かな海老とも相性抜群です。

画像8: 魚も肉も絶品のヨーロピアンビストロ「ミューズキッチン」

デザートはタルトタタン(フランスのアップルパイ風料理)のバニラアイス添え。加熱したアップルとバニラアイスの黄金コンビに、焦がしキャラメルソースの濃厚さが加わった素晴らしきハーモニー。

画像9: 魚も肉も絶品のヨーロピアンビストロ「ミューズキッチン」

同伴者はチーズプレート。かなり強い匂いのブルーチーズもあり、大人味の一皿です。

たっぷり2時間のランチ。前後に予定を詰めすぎずゆっくり堪能するのがおすすめです。

Muse Kitchen(ミューズキッチン)

住所Keith Tulloch Winery, Corner Hermitage & Deasys Roads, Pokolbin, New South Wales 2320
電話+61-2-4998-7899
メールbookings@musekitchen.com.au
ランチ時間水~日曜 12:00~17:00
ディナー時間土曜 18:00~22:30
webhttps://www.musekitchen.com.au/
※営業日が限られているのでwebより要予約

目を奪われるアートなチョコレート屋「ココアニブ」

最後を締めくくるのは「ミューズキッチン」の目の前にあるチョコレートショップ「Cocoa Nib(ココアニブ)」です。

画像1: 目を奪われるアートなチョコレート屋「ココアニブ」

ハンターバレー育ちのショコラティエ(チョコレート職人)、エイミーさんの手によって作り出されるカラフルなチョコレートは、独創的で芸術的。今まで見てきたどのチョコレートよりも見た目が美しいのです。

画像2: 目を奪われるアートなチョコレート屋「ココアニブ」

こぢんまりとした明るい店内で、ひと際輝いている粒チョコのショーケース。宝石店に来たのかと思うくらいつややかで美しい! ワクワクしないわけがありません。

画像3: 目を奪われるアートなチョコレート屋「ココアニブ」

高さは3センチほど。豪20セントコインの大きさの「型」に絵筆で模様を描き、そのあと溶けたチョコレートを流し込むという独特な手法で、一つ一つ丁寧に作り上げられています。

思わずいろいろな角度から写真を撮りたくなってしまいます。銀河系宇宙っぽいアートも。

画像4: 目を奪われるアートなチョコレート屋「ココアニブ」
画像5: 目を奪われるアートなチョコレート屋「ココアニブ」

多種多様なフレーバーの中から、悩みに悩んで選んだ5粒(1つ2.95豪ドル)。手前のブルーのチョコはなんと柚子チーズケーキ。奥の緑は、マンゴーココナッツ&マカデミア。見た目だけでなく味もユニークで、何層もの味わいが感じられる上質なチョコレートです。

画像6: 目を奪われるアートなチョコレート屋「ココアニブ」

そして、ぜひ試してほしいのが、店内のカフェスペースでいただけるちょっと変わった「ホットチョコレート」。直径4~5cmほどの丸いチョコレートと、牛乳瓶に入ったミルク多めのホットチョコレートがセットになっています。

画像7: 目を奪われるアートなチョコレート屋「ココアニブ」

ホットチョコレートをカップに注いでいくと、チョコ玉が徐々に溶けていき……中にはマシュマロが隠れていました! ちなみにココアにマシュマロをのせるのはオーストラリアでは超定番の楽しみ方です。

Cocoa Nib(ココアニブ)

住所989 Hermitage Road (Corner of Deasys Road), Pokolbin, New South Wales 2320
電話+61-2-4998-7350
営業時間水~土曜 10:00~17:00、日曜 10:00~17:30
webhttps://www.cocoanib.com.au/

「自然大国」オーストラリアならではの食材を活かした「美食の旅」が満喫できる、ハンターバレー。州都シドニーから少し足を延ばして、まだあまり知られていないニューサウスウェールズ州の魅力を、ぜひ味わってください。

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