※オーストラリアでは2023年3月現在、病院などの一部の施設を除き屋内でもマスク着用の義務はありません。
※営業時間や価格は2023年3月現在のものです。
※価格は税込み表記です。
取材・撮影:MAIKO 協力:柳沢有紀夫
シドニーから約2時間で、雄大な自然あふれる国立公園へ
ブルーマウンテンズの正式名称は「Greater Blue Mountains(グレーター・ブルーマウンテンズ地域)」。ブルーマウンテンズ国立公園を含む、原生林に覆われた100万ヘクタールに及ぶ広大なエリア一帯を指し、世界自然遺産に登録されています。
そんな雄大な自然を誇るブルーマウンテンズへのアクセスは、大都会シドニーから電車で約2時間(1時間に1~2本)。シドニーから日帰り観光も可能ですが、ゆっくり1~2泊して数日滞在するのがおすすめです。
その名のとおり「山」の集まるエリアなので、天気が急変することもあります。晴れの日でも念のため雨具や羽織るものを持って出かけましょう。そして動きやすい服と靴は必須です。
ブルーマウンテンズ・オリジナルマップ
記事中でご紹介するスポットにピンを立てた、OnTrip JALオリジナルマップです。
一生モノの感動体験1:
絶景、絶叫、ロマンチック。感動山盛りの「シーニックワールド」
ブルーマウンテンズで最も栄えている街が、電車の駅もある「カトゥーンバ」。まずはここのおすすめスポットを紹介します。
絶対に外せないのは、ブルーマウンテンズを代表する観光スポット「Scenic World(シーニックワールド)」です。 カトゥーンバ駅からは商店街と住宅街を歩いて約30分。686番、686G番の公共バスや「Blue Mountains Explorer Bus(ブルーマウンテンズ エクスプローラーバス)」という観光バスを使って行くこともできます。
シーニックワールドはブルーマウンテンズの絶景をいろいろな角度、方法で楽しめるスポット。なんと乗り物だけでも4つもあるのです。
まず初めに体験したアトラクションが、「Scenic Cableway(シーニック・ケーブルウェイ)」。
この日は土曜日だったのでたくさんの人で賑わっていました。1台に84人までが乗車できるそう。四方がガラス張りになっているので、間近に迫りくるブルーマウンテンズの森林を眺めることができます。
案内してくれたスタッフのBenさんによると、夏と冬が特におすすめの季節だそう。冬は雪が降ることもありとても寒くなりますが、夏とは一味違った景色を楽しめるようです。
シーニック・ケーブルウェイは全長510メートル、「Jamison Valley(ジャミソン渓谷)」が広がる渓谷を渡っていきます。見晴らしが良く、ブルーマウンテンズで最も有名な奇岩「Three sisters(スリーシスターズ)」、それに「Orphan Rock(オーファンロック)」や「Mt Solitary(ソリタリー山)」を見渡せます。砂岩の絶壁を横目に、世界遺産の圧倒的なパワーを感じました。
写真で見てもこの美しさ! 実際に見ると息をのむほど美しく圧巻です。
ところで「ブルーマウンテンズ」と呼ばれるゆえんをご存じですか? 実はコアラの食べものとしても有名な「ユーカリ」に秘密が隠されています。
ブルーマウンテンズは90種類以上のユーカリが広範囲に生い茂っている珍しい地域。そのユーカリの木々から放出された大量の油が気化すると、空気中の粒子や水蒸気と混じり合います。そこに太陽光が当たることで独特な青い靄が生み出され、山全体が青く見えることに由来しているそう。幻想的ですよね!
ロープウェイで谷底に下ってくると、ジャミソン渓谷の中へ。うっそうと茂る木々の中に終点があります。
駅を出たら、すぐに「ウォークウェイ」つまり遊歩道がスタート。10分のショートコース、30分のミドルコース、50分のロングコースがあります。
ブルーマウンテンズには90種類以上のユーカリを初め、130種類以上の地域固有の植物が自生しているといわれています。1億9000万年前から 1億3500万年前 までのジュラ紀から残る動植物も存在するそうで、まさに映画『ジュラシックパーク』を彷彿させる太古の雰囲気!
このあたりは雨が多いせいかシダや針葉樹が目立ちます。案内役のBenさんが教えてくれたのは、ブルーマウンテンズの固有種である「Lyrebird(ライアーバード)」という不思議な鳥の存在。「Songbird(ソングバード)」とも言われ、他の鳥の鳴き声やケーブルウェイの音、人間がつくり出した音(楽器など)を真似するそうです。シャイなのかあまり他の鳥と群れることはなく、孤高の存在だとか。大きなシダの木にいたりするそうです!
さて次はシーニックワールドで一番歴史のある乗り物であり、名物アトラクションでもある「Scenic Railway(シーニック・レイルウェイ)」という「トロッコ列車」です。
近くに来ると映画『インディ・ジョーンズ』のテーマ曲がかかります。洞窟の中のトロッコ列車のシーンが有名ですね! 上から下ることも(こちらの方がスリルあり)、下から上に登ることもできます。
「トロッコ列車」というと『インディ・ジョーンズ』のあのシーンのように右に左にうねうねと曲がって進むイメージがあると思いますが……この「シーニック・レイルウェイ」はスキーで言えば直滑降! 超急勾配な列車なのです。
通常は、52度の傾斜ですが、なんと調節をすると64度まで傾くそう。2013年に5代目となり、窓ガラス付きでモダンになりました。どれだけ急かは一目瞭然!
ジャミソン渓谷のジャングルの中を進んでいきます。
そこまでスピードは速くないのですが、自分で体を支えないと転がりそうな感覚に。まさに絶叫マシーン。前後の席からも悲鳴の大合唱です!
元々は、炭鉱から石炭を運ぶために作られたのが始まりで、1928~1945年にかけては平日に石炭を運び、1945年以降は週末には乗り物として一般利用されていたそうです。
さて、お次は地上270メートルを行く「Scenic Skyway(シーニック・スカイウェイ)」。1958年に運行を始めた、オーストラリアで最初にできたケーブルカーです。
取材時にちょうどシドニーで行われていたLGBTQIA+の祭典「Sydney World Pride 2023」にちなんで期間限定でレインボーにカラーリング。こちらも「シーニック・ケーブルウェイ」と同じく84人まで乗車できるそうです。
キャビンはこのように四方ガラス張りで、360度見渡すことができます。四方と思いきや、なんと床まで透明!
高所恐怖症の方はぞくぞくすること間違いなし。でもそのぶん見ごたえある景色を楽しめます。
この真っ青な空とブルーマウンテンズの青緑のカーペットが織りなすグラデーションは感動モノです。
シーニック・スカイウェイで向こう岸へ渡りました。
そこから徒歩1分のところにあるのが「CLIFF VIEW LOOKOUT(クリフビュールックアウト)」という展望スポットです。
壮大な眺め、まさに絶景という言葉がぴったりです。
雲が陰影を作る様も情緒があって美しいです。深緑に吸い込まれてしまいそうな不思議な感覚になります。
この展望スポットから片道5分弱の小道を歩いていきます。
すると、そこに現れたのは 「Katoomba Cascades(カトゥーンバカスケイズ)」という小ぶりな滝。
ちょっとした憩いの場という感じで、水遊びやピクニックができます。
ふたたびシーニック・スカイウェイで、出発地点へ戻ります。
そして最後に挑戦するのが「Beyond Skyway(ビヨンド・スカイウェイ)」。公開から1年ほどの、シーニックワールドの最新アトラクションです。
用意されているのは、命綱とヘルメット。いったいどんなアトラクションかというと、まさに「ビヨンド・スカイウェイ」。先ほど紹介したロープウェイ「シーニック・スカイウェイ」のキャビン(ゴンドラ)の屋根の「上」に乗車するのです。ケーブルカーの上に乗るアトラクションは世界初!
その屋根の上からの眺め。高いところはわりと平気なわたしもさすがに恐る恐る歩きます。スリル満点とはこういうことですね。
今回はロッククライミング歴のあるスタッフさんがアテンドしてくれました。ちなみに彼女は全く怖くないそう!
初めはへっぴり腰でしたが徐々に慣れてきます。怖さに打ち勝つと待っているご褒美。こんなに贅沢な景色をほぼ独り占めできるのです。
自然の偉大さ、威力を思い知ることができます。正真正銘、360度に広がる、何も遮るものがない景色。
圧巻としか言いようがありません。
夕暮れになると色が変わる「ジャミソン渓谷」の様子や、特等席で奇岩の「スリーシスターズ」、「Katoomba Falls(カトゥーンバ滝)」を見ることができます。
この日は、夕方大雨警報が出ていて、お天気が崩れてきそうな気配でした。このビヨンド・スカイウェイは安全に運行するために、天候によっては中止にすることもあるそうです。
雨には降られなかったものの、命綱がなければ吹き飛ばされそうな威力の風。スリリングさを増してくれます。
と、隣にいるスタッフさんがなにやら準備をしてくれています。
ノンアルコールのスパークリングワインです。
この素晴らしい景色に乾杯!
一生忘れられない体験となりました。カップルで体験するのもロマンチックかもしれませんね。ちなみに一度に4名まで体験可能で、運行は木~土曜の1日3回だけ。つまり1日最大12名のみ体験できる貴重なアトラクションなんです!
※他のアトラクションの営業終了後に実施、時期により異なる
絶景だけでなく、絶叫もあり、そしてロマンチックまであり! 「シーニックワールド」は、まさに「一生モノの感動体験」ができるスポットです。
Scenic World(シーニックワールド)
住所 | : | Corner Violet Street & Cliff Drive, Katoomba New South Wales 2780(1 Violet Street, Katoomba NSW 2780) |
---|---|---|
アクセス | : | Katoomba駅から徒歩35分。公共バス686番・686Gまたは、Blue Mountains Explorer Bus( https://www.explorerbus.com.au/ )で行くこともできます。 |
電話 | : | +61-2-4780-0200 |
Eメール | : | info@scenicworld.com.au |
営業時間 | : | 〈スクールホリデー以外〉平日10:00~16:00 /土・日 9:00~17:00 〈スクールホリデー中〉毎日 9:00~17:00 ※スクールホリデーとは、ニューサウスウェールズ州の公立小学校と高校の春夏秋冬休みで年によって異なる |
チケット | : | 〈Unlimited Discovery Pass〉大人50豪ドル ※Scenic Railway、Scenic Cable way、Scenic Walkway、Scenic Skyway、Gruffalo Spotters Trail乗り放題 〈Beyond Skyway Flexi〉大人369豪ドル ※1年の間に日付変更可能なBeyond Skyway乗車チケット |
web | : | https://www.scenicworld.com.au/ |
一生モノの感動体験2:
奇岩「スリーシスターズ」を間近に望む「エコーポイント」展望台
ブルーマウンテンズのもう一つの観光名所が「シーニックワールド」と同じカトゥーンバの街にある「Echo Point(エコーポイント)」という展望台。こちらもカトゥーンバ駅からは徒歩30分。バスなら686番で10分程度になります。
この日は曇り空でしたが、この霞んだ感じも妖艶な雰囲気でなかなか良いです。
そしてここから至近距離で見えるのが、ブルーマウンテンズで最も有名な奇岩「スリーシスターズ」です。
その名のとおり、3つの奇岩が仲良く並んでいます。
もちろん、壮大なパノラマビューも十分に楽しめます。
一生モノの感動体験3:
「柵なしの断崖絶壁」からの絶景「リンカーンズロック」
王道の「エコーポイント」とはまた一味違った絶景を楽しめる「穴場スポット」があります。それがカトゥーンバ駅から車で15~20分くらいの少し辺鄙な場所にある「LINCOLN’S ROCK(リンカーンズ ロック)」です。
「エコーポイント」からもハイキングで2時間半。絶景スポットをいくつか通過しながら行くこともできます。
高さ855メートルの巨大で平らな岩山の断崖絶壁。
柵もなく、特に「危険! 近づくな!」というような標識もなし。先ほど紹介したロープウェイの屋根の上よりもさらにスリリングかもしれません(くれぐれもご注意ください)。
足がすくみますがここから見る景色は格別です。歩きやすい靴で行かれることを推奨します。
ブルーマウンテンズの中でも、特にインパクト抜群のフォトジェニックな写真が撮れるおすすめスポットです。自分の特等席を見つけてみてください。
夕陽のスポットとしても知られており、日の入りの時刻をねらうのもおすすめです。
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