世界最大級のカルデラ、千年の草原……。豊かな大地の恵みが息づく熊本の阿蘇市は、大自然のエネルギーをダイレクトに体感できる場所です。リモートワークがスタンダードになった昨今、そんな阿蘇市に家族で数日間滞在しワーケーションをしてみませんか? 日本が誇る自然と向き合うことで、親子で学んで遊んで記憶に残る旅となるでしょう。阿蘇のエネルギーを体感できるアクティビティの魅力をお伝えしながら、快適なワークスポットもご紹介します。

世界最大級のカルデラの中にあるきわめて稀な高原都市

画像: 世界最大級のカルデラの中にあるきわめて稀な高原都市

阿蘇市へのアクセスは、上益城郡益城町にある「阿蘇くまもと空港」から車で約50分。公共交通機関を使う場合は、空港からバスで阿蘇市内の「宮地駅前」まで1時間弱。市内にはバスが運行しており、初めて訪れる人でも観光しやすいエリアです。

阿蘇市は独自の地形が有名で、阿蘇五岳(根子岳、高岳、中岳、杵島岳、烏帽子岳)を中心とする世界最大級のカルデラ(火山活動で形成された大きなくぼ地)の中にあります。そして山々に大草原が広がるダイナミックな風景は、訪れる人を飽きさせません。また、市役所が標高522.8メートルの場所にある高原都市というのも特徴ですが、カルデラ内に市街地が発展した例は世界的に珍しいといわれています。

歴史は非常に古く、神武天皇(初代天皇)は肥後国(現在の熊本)平定のために孫の健磐龍命(たけいわたつのみこと)を派遣。やがて健磐龍命は阿蘇で阿蘇都媛命(あそつひめ)と結婚し、ふたりの間に生まれた速瓶玉命(はやみかたまのみこと)が、崇神天皇(第10代天皇)の時代に初代阿蘇国造(地方を治める官職の一種)に任命されたと伝えられています。

日の出も日没も絵になる。阿蘇の自然を体感するアクティビティ

独自の自然環境に恵まれた阿蘇市には、全国的にも珍しいアクティビティがたくさん。ファミリーワーケーションに来たなら、阿蘇ならではの遊んで学べる観光がおすすめです。自然を生かした体験や、歴史を感じるスポットめぐりなど、家族で楽しみたいアクティビティを紹介します。

稀有な自然と日の出を上空から堪能「熱気球体験」

水生動植物が多く生息し野鳥の群れもやってくる、自然観察や環境学習の場である「ふれあい水辺公園」。ここで早朝に行われているアクティビティが「熱気球体験」です。ロープで係留された熱気球は、高さ約40メートルまで上昇。子どもと一緒でも体験しやすいでしょう。

早朝に行われる理由は、最も風が穏やかな時間のため中止になる確率が低いから。また、美しい日の出を見られるのも早朝ならではの特権です。

搭乗時間はひとり約5分で、中学生以上2,200円、小学生1,100円。乗り心地はふわっとしていて、振動を感じるヘリコプターやロープウェイなどとは異なるやさしい浮遊感。バーナーが炎を放出しているとき以外は音も静かで、澄んだ空気とともに癒されます。

気球に乗ったことがない人は多いはず。阿蘇市を旅するなら試したいアクティビティといえるでしょう。雄大なカルデラ地形を上空から観察する、そんなとっておきの学び体験を。

熱気球体験(阿蘇ネイチャーランド)

住所熊本県阿蘇市小里(ふれあい水辺公園)
電話0967-32-4196
定休日木曜
webhttp://www.aso.ne.jp/~natureland/

まるで海外映画の世界!「サンセット・フルムーンホースライディング」

阿蘇市の草原を満喫するなら、「サンセット・フルムーンホースライディング」はいかがでしょう。こちらは日没の時間に開催されるアクティビティで、牧野(ぼくや)や草原の地平線に沈む夕陽や外輪山(がいりんざん。カルデラの縁にあたる山)からのぼる月を眺めながら、ゆっくりとした時間を馬上で過ごせます。

画像: まるで海外映画の世界!「サンセット・フルムーンホースライディング」

日本の乗馬は英国式が多いのですが、アクティビティを提供する「夢☆大地グリーンバレー」は米国ウエスタンスタイル。馬もカウボーイがまたがるアメリカンクォーターホースという品種で、競馬でおなじみのサラブレッドよりも気性が穏やかかつ、安定感のある乗り心地が特徴です。

まずはクラブハウス内で乗馬ガイドビデオを観るなどレクチャーを受け、その後は馬場内で実際に乗って基礎的なトレーニング。その後は牧場主の案内に従って約1時間、乗馬しながら大草原をめぐります。

上手に乗るには、手綱さばきや足のかかとを使ったノックのほか、うまく体重移動させることもコツ。自らの意思を、体を使って馬に伝えていくのです。列になってゆっくりと進むので、初めての人でも安心。まるで海外映画のような幻想的な風景にも癒され、気が付けばあっという間に時が過ぎていきます。

乗馬の様子はスタッフが撮影してプレゼント。体験乗馬は小学1年生くらいから可能で、引き馬は3歳から乗ることができます。それ以下の場合は応相談ですが、大人と2人乗りもできるので、子どもとの思い出作りにも最適。乗馬終了後は、クラブハウス内で飲み物を手に、牧場主が阿蘇で1000年以上続く牧野の歴史などを説明してくれます。阿蘇の壮大な高原と生き物のたくましさに触れる、非日常体験を楽しんでみませんか。

サンセット・フルムーンホースライディング(夢☆大地グリーンバレー)

住所熊本県阿蘇市湯浦1674-18
電話090-1773-3366
営業時間9:00~日没
定休日不定休
webhttp://www.gv-aso.com/

湧き出る自然の恵みをおすそ分け。「手野の名水」

阿蘇市は九州屈指の名水の里としても有名。その理由は、年間を通して雨量が多く、ミネラル豊富な土壌と噴火による玄武岩が、カルシウム・マグネシウム・バナジウムなどを天然水に染み込ませるから。そして市内には水の湧き出るスポットが無数にあり、なかでも有名なのが「手野の名水」です。

画像1: 湧き出る自然の恵みをおすそ分け。「手野の名水」
画像2: 湧き出る自然の恵みをおすそ分け。「手野の名水」

場所は北外輪山の麓にあり、巨大な岩の割れ目から水が豊富に湧き出ています。水温は約13度と、夏場には程よく冷たく、冬には少し温かく感じる程度。味はクセがなくすっきりとした軟水で、コーヒーやお茶を入れたりご飯を炊いたり、料理を作ったりするのにも適しているそう。近場はもちろん、遠方からも水を汲みに来る人が絶えない人気のスポット。訪れる際はぜひマイボトルを持参しましょう。天然水の清らかさを目と手と舌で楽しむことで、阿蘇の自然の恵みを体感してください。

手野の名水

住所熊本県阿蘇市一の宮町手野

ショッピングや食べ歩きも楽しめる「阿蘇内牧温泉街」

熊本屈指の温浴エリアである内牧(うちのまき)の中心地が、「阿蘇内牧温泉街」です。界隈には旅館のほか気軽に立ち寄れる温泉もあり、グルメスポットや土産店なども随所に。

グルメといえば、熊本名物「あか牛丼」の発祥店のひとつとして有名な、行列必至の人気店「いまきん食堂」はここにあります。また周辺の散策中に食べ歩くのであれば、「森本かしわ店」の唐揚げがいちおし。同店のほか、阿蘇市内にはご当地唐揚げを提供する店が点在しているので、食べ比べるのもおすすめです。ここでしか食べられない阿蘇グルメを堪能しましょう。

珍しい横参道や湧き水のせせらぎにも注目。「阿蘇神社」と「門前商店街散策」

約2300年の歴史を持つと伝えられる阿蘇神社も、阿蘇観光では外せません。前述した阿蘇の開拓祖である健磐龍命をはじめ、12の神々がまつられた由緒ある神社で、全国に約500社ある「阿蘇神社」の総本社としても知られています。

画像1: 珍しい横参道や湧き水のせせらぎにも注目。「阿蘇神社」と「門前商店街散策」

境内には願いごとを叶えてくれる「願かけの石」や縁結びにご利益がある「高砂の松」、西本清樹の歌碑があります。ただ、2016年の熊本地震によって境内の社殿ほぼすべてが甚大な被害を受け、現在は復旧工事が進行中。拝殿・翼廊は2021年の6月に復建が完了しましたが、ひと際高く荘厳で、日本三大楼門のひとつに数えられる楼門は現在も修理中。2023年12月に復建予定なので、参拝の際はぜひご奉賛を。

画像2: 珍しい横参道や湧き水のせせらぎにも注目。「阿蘇神社」と「門前商店街散策」
画像3: 珍しい横参道や湧き水のせせらぎにも注目。「阿蘇神社」と「門前商店街散策」

阿蘇神社は参道が横に伸びた、全国的にも珍しい横参道としても有名。そこから桜並木が続く門前商店街には至るところに湧き水が見られます。阿蘇の深い歴史に包まれながら、穏やかな水のせせらぎに耳を傾けてみては。

画像4: 珍しい横参道や湧き水のせせらぎにも注目。「阿蘇神社」と「門前商店街散策」
画像5: 珍しい横参道や湧き水のせせらぎにも注目。「阿蘇神社」と「門前商店街散策」

阿蘇神社

住所熊本県阿蘇市一の宮町宮地3083-1
電話0967-22-0064
営業時間9:00~17:00(御札所)
定休日無休
webhttp://asojinja.or.jp/

仕事もストレスフリーにこなせる。阿蘇市のワークスポット3選

ワーケーションで気になるのが、Wi-Fiや電源などが整えられた場所。阿蘇市でバケーション中に仕事でちょっとした作業や対応をしなければならないとき、ストレスフリーに仕事をこなせる場所も点在しています。ここからは、ホテルや公共施設など、おすすめのワークスポットを3カ所ご紹介します。

屋上露天風呂の絶景は必見!「阿蘇プラザホテル」

1961年創業の「阿蘇プラザホテル」は、内牧の中にある宿泊施設です。ワーケーション環境としては館内のどこからでも無料Wi-Fiが利用でき、コンセントも随所に配備。電源タップの貸し出しもしてくれます。

部屋やロビーをはじめ、露天風呂を含む大浴場から阿蘇五岳を眺められるロケーションも魅力。この開放的な雰囲気のなかで仕事をすれば、ふだんよりもはかどることでしょう。また、企業などの団体利用にも対応していて、数人で会議などを行いたい場合は宴会場やプロジェクターを貸し出してくれます。

画像: 屋上露天風呂の絶景は必見!「阿蘇プラザホテル」

「阿蘇プラザホテル」の泉質は含弱放射能(ナトリウム・カルシウム)硫酸塩泉。館内1階の大浴場にはサウナや日本庭園に囲まれた露天風呂があり、最上階の7階には大浴場のほかひのき造りの屋上露天風呂も。また、1階には新たにスポーツジムが新設され、宿泊者はここで各種のトレーニングができます。旅や仕事の合間に、体を動かしたリフレッシュができたりすることも同館の特徴といえるでしょう。

また、ホテルの隣には「Shop&Cafe Zen」が併設されていて、ここでも無料Wi-Fiやコンセントを完備。コーヒーブレイクを入れながらワーケーションをするのにもおすすめです。

阿蘇プラザホテル

住所熊本県阿蘇市内牧温泉1287
電話0967-32-0711
webhttps://asoplaza.co.jp/

入館無料の公共施設「阿蘇草原保全活動センター」

「阿蘇プラザホテル」から徒歩6~7分ほどの場所にあるのが「阿蘇草原保全活動センター」。ここは阿蘇の草原を知り、学ぶことができる場であり、草原をめぐるさまざまな活動を目的にした公共施設となっています。

2020年の末からワーケーション用のスペースが新設され、無料で利用できるのも魅力。設備としてはコンセントやWi-Fiが利用可能で、電源タップも貸し出してくれます。同施設でも、阿蘇五岳をはじめとする雄大な景色が目の前に。リラックスした気分で仕事に打ち込めることでしょう。

画像: 入館無料の公共施設「阿蘇草原保全活動センター」

市民でなくても気軽に利用できますが、ソーシャルディスタンス確保のため4席限定。事前に予約や確認をするのがおすすめです。なお、向かいには熊本を代表する牧場が運営する「ASO MILK FACTORY」があり、売店のほかレストランやカフェも充実。近場で食事や休憩をするなら立ち寄ってみましょう。

阿蘇草原保全活動センター

住所熊本県阿蘇市小里656
電話0967-32-0100
営業時間9:00~17:00
定休日年末年始
webhttp://aso-sougencenter.jp/

観光地にある瀟洒(しょうしゃ)なカフェ「草千里珈琲焙煎所」

阿蘇山中央火口丘の、烏帽子岳の北西方に広がる草原が「草千里ヶ浜(くさせんりがはま)」。78万5000平方メートルの大草原と、雨水が溜まってできたといわれる池とが織りなす美しい景色が魅力で、阿蘇を代表する観光地となっています。

画像1: 観光地にある瀟洒(しょうしゃ)なカフェ「草千里珈琲焙煎所」

駐車場一帯には「阿蘇火山博物館」という施設のほか土産店やレストランなどが併設。そのなかでもひと際異彩を放つカフェが、2021年秋にオープンした「草千里珈琲焙煎所」です。

同店は、熊本市内にあるロースタリー兼カフェ「珈琲回廊(コーヒーギャラリー)」がプロデュース。白と黒を基調としたスタイリッシュな空間のなかで、スペシャルティコーヒーを味わうことができます。コンセントはエントランス付近の半テラス席にあり、Wi-Fiは店内の全席で利用可能。

画像2: 観光地にある瀟洒(しょうしゃ)なカフェ「草千里珈琲焙煎所」

コーヒーは、現在日本に1台しかないといわれるオランダの「Kees van der Westen(キース・ファン・デル・ウェステン)」製エスプレッソマシンを使い、竹炭を混ぜた「チャコールラテ」(ホット/アイス600円)が名物です。ドライブの合間に作業できるカフェとして、ぜひ覚えておくといいでしょう。

画像3: 観光地にある瀟洒(しょうしゃ)なカフェ「草千里珈琲焙煎所」

草千里珈琲焙煎所

住所熊本県阿蘇市永草2391-15
電話0967-34-0131
営業時間平日 10:00~16:30(L.O.16:00)
土日 10:00~17:00(L.O.16:30)
※天候によっては閉店が早まる場合もございます
定休日不定休
webhttps://www.instagram.com/kusasenricoffeeroastery/

阿蘇市の移動には電気自動車の利用が便利でおトク

阿蘇観光の際に知っておきたいおトクなサービスが、阿蘇市と日産自動車の協業による電気自動車優遇サービスです。これは対象となる阿蘇市のホテルや観光スポットなどに、日産リーフの鍵を提示するとともに特典希望の旨を伝えると優遇されるというもの。

画像: 阿蘇市の移動には電気自動車の利用が便利でおトク

今回紹介したスポットのなかでは、「阿蘇プラザホテル」はウェルカムソフトドリンクがサービス。また「草千里ヶ浜」の草千里駐車場では、駐車料金が無料になります。夏は緑が鮮やかに輝き、冬は幻想的な白銀の世界に包まれる「草千里ヶ浜」は、ドライブにもおすすめのスポット。そのほか、全15のスポットが優遇対象となっています。詳細は下記URLをご覧ください。

対象スポットはこちら

画像: 【 #ブルースイッチ 】阿蘇の自然をEVドライブで満喫 youtu.be

【 #ブルースイッチ 】阿蘇の自然をEVドライブで満喫

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なお本サービスは、日産自動車が推進する日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」や、阿蘇市の観光や環境をよりよくするための「阿蘇をEVの聖地に!!プロジェクト」がベースにあります。レンタカーを利用する際、リストに日産リーフがあればぜひご活用を。

阿蘇市だから楽しいファミリーワーケーション

高原リゾートや観光地は全国にありますが、カルデラや草原がおりなす独特な大自然は阿蘇市ならでは。ダイナミックでどこか幻想的な風景はフォトジェニックでもあり、大人だけでなく子どもたちにも鮮烈な記憶を残してくれます。

独自の環境を生かした、遊んで学べるアクティビティが豊富。かつ温泉もグルメも、そしてワークに適したスポットも随所に。ファミリーワーケーションをするにはうってつけのエリアといえます。新しい旅のスタイルを取り入れて、家族との思い出を作りに阿蘇へ足を運んでみませんか。

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