コロナ禍でも欠かせないライフラインとしての飛行機
JALでは、世界で新型コロナウイルスの感染が広がり始めた2月から国際線の減便や運休措置を行ってきました。国内線も同様に減便を進め、緊急事態宣言の発令からは通常時の2~3割まで便数を減らして運航しています。
「お客さまのご移動が大幅に制限されるなか、運航をやめてしまうという選択肢もあります。しかし、医療従事者の方々や、さまざまなご事情で航空利用を必要とされるお客さまもいらっしゃいます。そういった方々のライフラインとして、運航を維持することが私たちの責務であると認識しています。一部減便・運休によりご迷惑をおかけしますが、今後も各路線の状況を踏まえながら、可能な限り運航を継続していまいります」
こう語るのが、新型コロナウイルス対策の指揮を執る、路線事業戦略部の古川兼嗣です。JALグループ便をご利用されるお客さまの不安を少しでも取り除き、安心と安全を提供することが、今私たちに求められているのです。
ライフラインをつなぐために、空港内から機内まで感染対策を徹底しています
まず、基本的な感染対策を徹底しています。たとえば、チェックインカウンターや保安検査場、搭乗ゲートまでの要所ごとに消毒液を置き、地上係員はマスクを着用しています。
さらに、商品サービス企画本部で各部門との調整を行う山本崇嗣は、こう続けます。
山本「国内の緊急事態宣言より前に入国制限が実施された経緯もあり、国際線では先行してさまざまな対策を打ち出しています。国内線では、搭乗されるお客さまが大きく減少してきたなかで、ゴールデンウィーク前から、より効果のある追加の対策を打ち出しています」
機内でもソーシャルディスタンシング対応を行っています
現在、清掃業務においては、清掃スタッフが機内を隅々まで消毒しています。また機内では、客室乗務員はマスクと手袋の着用を徹底しています。そして機内アナウンスでご協力をお願いしているほか、お食事やおしぼりの提供方法にも工夫を凝らしています。
山本「お客さまからいただく多くの声の中からも課題を見つけています。たとえば『共用の部品に触りたくない』『機内はガラガラなのに、横に人が座っている』といったお客さまの声から、実際に対策を実現しています」
JALが採用する飛行機の機内の空気は、常に機外から新しい空気を取り入れ、約2~3分ですべて入れ替わる仕組みになっています。また全機に高性能空気フィルター※を搭載しています(詳しくはこちらの記事をご覧下さい)。しかし今回はそれに加えてお客さまの安全をより考慮し、お客さま同士の空間を広くとっていただけるよう、6月末まで一部の座席を指定対象外にしました。
【対象期間】
国内線:2020年4月29日(水)~2020年6月30日(火)
国際線:2020年5月10日(日)~2020年6月30日(火)
2020年6月30日をもって終了させていただきます。
古川「世界各地の航空会社がさまざまな対応をしているなかで、特に進んだ取り組みをしている欧米のエアラインを参考にしています。4月後半からは、機内でできる限りお客さま同士の空間を広くとっていただけるよう、販売座席に制限をかける対策を講じています。機内でのソーシャルディスタンシング対応を厳格に実施している航空会社はほとんどありません。
しかし当社では、たとえばボーイング737は165人乗りですが、販売座席数を約100席に制限するなど、徹底した取り組みを行っています。すでにご予約いただいているお客さまには個別にお願いし、座席を通路側に変更するといったご協力をいただいています。ご不便をおかけすることもありますが、それでもお客さまに、少しでも安心してご利用いただくための環境を整えたいという想いで実施しています」
対策はスピードを優先し、お客さまと一緒に安全な環境をつくります
こういった運用変更は、通常期であれば、各部門が連携しながらじっくり時間を掛けて慎重に準備します。しかし今回は異例の対応をとっています。
古川「目の前に危機があるなかで、悠長なことはいっていられません。開始までは短期間で入念な検討を行いつつ、開始後に発生する課題に対し、その都度解決策を考えながら進めていこうという発想で、早期に導入しました。まずは安全最優先です。スピードを第一に、覚悟をもって取り組んでいます」
これらの対策の一つひとつは、すべてJALだけでできるものではありません。安心と安全は、お客さまと一緒になって築いていくものだと考えています。
旅の力で日本中が笑顔になる日を夢見て。今やらなければいけないことに全力で取り組みます
このような安全対策のみならず、医療物資の緊急輸送など、JALはコロナウィルス感染拡大防止に向けた支援活動を行ってきました。
古川「感染拡大が落ち着いたとしても、今後も衛生面への対応は不可欠であると認識しています。JALグループとしてできること、やらなければいけないことはまだまだあると感じています。当面はご不便をおかけする場面もありますが、お客さまと一緒に、これからも飛行機を安心してご利用いただき、再び旅の力で日本全国を元気にできような環境を作っていきたいと考えています」
山本「特に今飛行機に乗ってくださるお客さまには、さまざまなご事情があると感じています。飛行機での移動を必要とされている状況下で、どのように安心・安全を提供できるかが一番大事です。スピード感を重視していますが、お客さまが現在なにに不安を覚えて、どういったお考えを抱いているのかについても常に思いを巡らせながら、検討を重ねています」
新型コロナウイルス感染症の影響は日常生活に及び、自由にご旅行や出張に出かけられない日々が続いています。そんななかにあって、安全安心をお届けするためにJALとしてできることはないかを常に模索しながら、これからも対策を徹底していきます。そして、再び多くのお客さまを空港・機内でお迎えできる日が来ることを心待ちにしております。
※High-Efficiency Particulate Air (HEPA) Filter 、0.3μmのサイズの粒子に関して99.97%以上の粒子を捕集
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