北海道・北西部の留萌(るもい)エリアを、日本海に沿って約140kmにわたって結ぶ「オロロンライン・サイクルルート」は、サイクリストの聖地=宗谷岬に向かう憧れの広域サイクルルートとして、令和5年3月に誕生しました。増毛(ましけ)町から天塩(てしお)町まで8市町村を通り、海の向こうに天売(てうり)島や焼尻(やぎしり)島、利尻富士といった絶景が見られ、かつてニシンの千石場所として栄えた港まちの風情や歴史的建造物も堪能できる魅力的なルートなのです。
画像: 北海道・留萌の自然を感じながらダイナミックに駆け抜ける、オロロンライン・サイクルルート

このルートの一部を、JAL社員のデワルト・オイゲンさん、彩さん、ルカ君(2歳)の3人家族が体験しました。埼玉県在住のデワルトさん一家。ご夫婦はサイクリング歴が長く、北海道も何度か訪れたことがあるそうですが、北海道の海岸沿いを走るのは初めてのこと。「この日を家族で楽しみにしていました」(彩さん)と話します。

地域の魅力を再発見。ルートの点検会レポート

画像1: 地域の魅力を再発見。ルートの点検会レポート
画像2: 地域の魅力を再発見。ルートの点検会レポート

令和6年7月5日、ルートで経由する各市町村観光協会で構成された「オロロンライン・サイクルルート連絡会議」は、観光の本格シーズン到来を前にルート点検会を実施しました。同連絡会議はこれまで、道の駅でのサイクルラック設置、空気入れや修理道具の無料貸し出しなど、サイクリストの支援や受け入れ環境整備に取り組んできたといいます。

この日は約30人が4グループに分かれてガイドとともにルート上の約43kmを実走し、道路状況や施設の環境を確認しました。

画像3: 地域の魅力を再発見。ルートの点検会レポート
画像4: 地域の魅力を再発見。ルートの点検会レポート

オイゲンさんのロードバイクにチャイルドキャリアを取り付け、3人も出発。自転車が動き出すと心地よい風が吹き抜け、ルカ君もご機嫌です。チャイルドキャリアを見て「気持ちよさそう」「我が家も欲しくなった」と声を掛けられることも多いのだとか。

画像5: 地域の魅力を再発見。ルートの点検会レポート
画像6: 地域の魅力を再発見。ルートの点検会レポート

青い海を見ながら走る爽快感に、テンションが上がります。留萌~苫前(とままえ)間は勾配が少なく、サイクリング初心者も安心して走れます。

画像7: 地域の魅力を再発見。ルートの点検会レポート

視線の先に夫婦島の天売島・焼尻島が見えると、サイクリストから「いい眺め!」と感激の声。このあたりは冬になると極寒の地。吹雪でホワイトアウトになって全国ニュースになることも。海と空の青、波の白、山々と草花の緑……この3色を同時に見られるのは夏シーズンだけなのです。

画像8: 地域の魅力を再発見。ルートの点検会レポート
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「風がとても気持ちいいです。北海道はやはり湿度が低くて快適ですね」と彩さん。オイゲンさんも「信号がなく、止まらずに走れるのも素晴らしいです」とにっこり。

画像10: 地域の魅力を再発見。ルートの点検会レポート

コースの最後は上り坂。力を込めてペダルを漕ぐオイゲンさん。爽やかな風と揺れが心地よかったのか、ルカ君は途中からぐっすりです。彩さんは「波の音に涼しさを感じました。また来たいです」と笑顔で話してくれました。

画像11: 地域の魅力を再発見。ルートの点検会レポート
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ゴール後は参加者たちによる意見交換会を行いました。「景色がとても良い」「海が近いので気持ちよく走れる」とルートを絶賛する声が多く上がり、デワルトさん夫妻も「この景色はやはり貴重だと感じました」「関東に比べるとだいぶ過ごしやすかったです」とコメント。

オロロンライン・サイクルルート連絡会議の事務局長を務める佐藤太紀さん(留萌観光協会会長)は、「このエリアにはまだまだ多くの可能性があります。地元に住むわたしたち自身が地域の魅力を再発見しながら、継続的に改善してルートを育てていきたいです。サイクリストの皆さまには、夏だけしか見られない貴重な景色・環境を大いに楽しんでいただければ」と話してくれました。

異国を感じる稀有なロケーション。初心者も経験者も楽しめるコース

「オロロンライン・サイクルルート」は、道央~道北を結ぶ全長約140kmのロングルート。現地サイクリストにコースの魅力を尋ねると、「青い空と青い海、磯の香り、波しぶきを感じながら走れるのが醍醐味。天売島に焼尻島、暑寒別岳、利尻富士と景観が良く、初夏にはエゾカンゾウ(蝦夷萱草)の黄色の花が斜面を彩り、とてもきれいです」と教えてくれました。

壮大な眺めに「ハワイの海岸を走っているみたい」と話すサイクリストもいるそう。留萌~苫前と遠別~天塩は平坦な道、苫前~羽幌と羽幌~初山別はアップダウンのある道と、変化に富んだコースでサイクリストの満足度が高いのも特徴です。

以下のリンクより、pdfのマップがご覧いただけます。
オロロンライン・サイクルルートMAP

「オロロンライン・サイクルルート」スポット紹介

オロロンライン・サイクルルートの中から、おすすめのビュースポットと休憩施設をピックアップしてご紹介します。

【道の駅「るもい」】観光コンシェルジュが常駐。こどもの遊び場も充実

画像1: 【道の駅「るもい」】観光コンシェルジュが常駐。こどもの遊び場も充実

ルートの発着点にあたる、道の駅「るもい」。船場公園には、約5,000平方メートルの広大な芝生広場、パークゴルフ場、1周500メートルのジョギングコースなどがあり、ライド前後でゆっくり滞在したいスポット。観光コンシェルジュが常駐していて、レンタサイクル対応や周辺の観光情報案内をしてくれるのもうれしいポイントです。

画像2: 【道の駅「るもい」】観光コンシェルジュが常駐。こどもの遊び場も充実
画像3: 【道の駅「るもい」】観光コンシェルジュが常駐。こどもの遊び場も充実

こどもと一緒に訪れたなら、屋内交流・遊戯施設「ちゃいるも」へ。遊戯ひろばには、複合遊具やクライミングウォールなどたっぷり体を動かせる「アクティブゾーン」と、創造力を養う遊具をそろえた「クリエイティブゾーン」があり、天気を気にせず親子で楽しく過ごせます。カフェやお土産売り場もあり、軽食やお買い物が楽しめます。

道の駅「るもい」

住所北海道留萌市船場町2-114
電話0164-43-1501(代表)
web道の駅「るもい」公式サイト

遊戯ひろば

営業時間平日 10:00~16:00、土日祝・夏休み・冬休みは入れ替え制のためWebサイトでご確認ください
対象小学生以下のお子さま(0~12歳)
料金こども1人につき100円で1時間30分利用可能。上限60人程度。
※小学生以下のこどもと一緒に抱っこ紐などで保護者と一緒に入場する0歳児は無料

【黄金岬】多くのサイクリストを虜にする夕陽の名所

画像1: 【黄金岬】多くのサイクリストを虜にする夕陽の名所

かつてニシンの見張り台で、岸をめがけて押し寄せるニシンの群れが黄金色に輝いて見えたことから、「黄金岬」と呼ばれるようになったそう。特に沖に沈む夕陽は圧巻で、日本の夕陽百選にも選ばれています。辺り一面を染める落陽の美しさはもちろん、岩のシルエットがまるで切り絵のように見え、唯一無二の景色に心が揺さぶられます。

画像2: 【黄金岬】多くのサイクリストを虜にする夕陽の名所

よく晴れた日は、海の向こうに暑寒別の山並みを眺望できます。荒々しい奇岩が連なる景観、岩に波が打ち付ける音に自然の威力を感じます。海面に太陽の光がキラキラ反射する様子も印象的。シーズン中は岩場で磯カニ釣りが楽しめます。

黄金岬海浜公園

住所北海道留萌市大町2
電話0164-43-6817
開設期間2024年は4月27日(土)~10月14日(月・祝)
web留萌観光協会 公式サイト(黄金岬海浜公園)

【ゆったりかん】憩いの宿で海と太陽を感じながら疲れを癒やす

画像: 【ゆったりかん】憩いの宿で海と太陽を感じながら疲れを癒やす

じっくりと体を休めたい人は宿泊施設「ゆったりかん」へ。大きな窓から明るい光が差し込むロビー、落ち着いた雰囲気の客室が日頃の疲れを癒やしてくれます。「光明石温泉」(人工温泉)は疲労回復や神経痛などに良いとされ、肌もつるつるになることから「活性の湯」と呼ばれているそう。1階のレストランでは、地元産の食材をふんだんに使った料理を提供しています。

ゆったりかん

住所北海道留萌郡小平町字小平
電話0164-56-9111
webゆったりかん 公式サイト

【道の駅「おびら鰊番屋」】ニシン御殿の栄華に思いを馳せながらひと休み。ニシングルメとお土産も

画像1: 【道の駅「おびら鰊番屋」】ニシン御殿の栄華に思いを馳せながらひと休み。ニシングルメとお土産も

小平町のランドマーク・道の駅「おびら鰊番屋(にしんばんや)」は、サイクリストの休憩に最適。トイレは24時間利用可能、観光交流センターのホールには大漁旗が壁一面に展示されていて、漁業のまちに来たことを実感します。畳の上でシューズを脱いでくつろげば、足のだるさも取れてすっきり。町の特産品なども販売しているので、お土産探しに覗いてみては。

画像2: 【道の駅「おびら鰊番屋」】ニシン御殿の栄華に思いを馳せながらひと休み。ニシングルメとお土産も

食料供給施設(レストラン)で名物のニシン料理を堪能しましょう。「にしん丼」(1,000円)は厚みのある鰊の甘露煮半身を2枚のせた味わい深い一品。「焼きにしん定食」(1,400円)や「にしんそば」(1,000円)もおすすめです。

画像3: 【道の駅「おびら鰊番屋」】ニシン御殿の栄華に思いを馳せながらひと休み。ニシングルメとお土産も

国の指定重要文化財「旧花田家番屋」は、道内で現存する番屋で最大規模。1905(明治38)年頃に建築され、全盛期は雇い人が200人を超えたという大ニシン漁家です。番屋の玄関には、「モッコ」と呼ばれる木製の道具を背負ってニシンを運ぶ女性の像があり、当時の様子を垣間見ることができます。

道の駅「おびら鰊番屋」

住所北海道留萌郡小平町鬼鹿広富
webおびら観光情報サイト(道の駅「おびら鰊番屋」)

観光交流センター

電話0164-56-1828
営業時間9:00~18:00
定休日年末年始

食材供給施設

電話0164-57-1411
営業時間5〜10月 売店9:00~17:00、レストラン11:00~15:30
11~4月 売店9:00~16:00、レストラン11:00~15:30
定休日月曜
※7月から8月第2月曜日まで無休、年末年始は休み。食材の状況によりレストランの閉店時間が早まることがあります

旧花田家番屋

電話0164-57-1411
営業時間5~10月 8:00~17:00
11~4月 9:00~16:00
定休日月曜
※6月第3月曜日~8月第2月曜日は無休

【ローソク岩】自然の力で変化してきた奇岩。ドラマチックなビュースポット

画像: 【ローソク岩】自然の力で変化してきた奇岩。ドラマチックなビュースポット

国道232号を北へ向かい、小平町から苫前町に入ってすぐのところに「ローソク岩」が見えます。駐車帯に自転車を停めて、しばし景観鑑賞タイムを設けましょう。以前はローソクのように縦に長い形をしていましたが、打ち寄せる波に削られ、少しずつ形を変えて現在のような形状になったそう。

昼間は青い海と白い波、キラキラ輝く水面の中で爽やかな印象を与えますが、夕暮れ時になると雰囲気が変わり、オレンジ色に染まった空とのコントラストがとてもドラマチック。観光客や写真愛好者らに人気のフォトスポットです。

ローソク岩

問い合わせ苫前町役場(電話:0164-64-2211)

【道の駅「風Wとままえ」】風と海が織りなす、最高のロケーション

画像1: 【道の駅「風Wとままえ」】風と海が織りなす、最高のロケーション

サイクリストの休憩にぴったりな、道の駅「風W(ふわっと)とままえ」。風力発電がまちのシンボルであることから生まれた「ふわっと=風W(Wは電力のワット)」というネーミングも、白くぽこぽことしたテント幕屋根もユニーク。宿泊施設を併設していて、キャビンタイプも含め全25室の客室があります。

画像2: 【道の駅「風Wとままえ」】風と海が織りなす、最高のロケーション

無加水・無加温(循環部分除く)の天然温泉でリラックス。体の芯から温まり、湯冷めしにくいとサイクリストたちにも評判だそう。屋外と屋内(吹抜け)の2種類ある露天風呂は、男女で日替わり。天売島と焼尻島を一望できる屋外露天風呂からの眺めは、ライド後の最大のご褒美です。入浴時間が取れない人には足湯もおすすめ。日本海を眺めながらリフレッシュできます。

画像3: 【道の駅「風Wとままえ」】風と海が織りなす、最高のロケーション
画像4: 【道の駅「風Wとままえ」】風と海が織りなす、最高のロケーション

2023年4月に売店(直売所)「よってけ屋」がオープン。注目はやはり地元産の水産品。冷凍コーナーにはエビやツブ貝、タコなど海の幸がずらりと並びます。甘くジューシーな「とままえメロン」をはじめ、スイートコーン、ミニトマトなどの農産品も。地方発送も可能です。

道の駅「風Wとままえ」

住所北海道苫前郡苫前町苫前119-1
電話0164-64-2810
webとままえ温泉ふわっと 公式サイト

北海道の自然をサイクリングの疾走感とともに味わえる、オロロンライン・サイクルルート。ルート上には「道の駅」など複数の立ち寄りスポットがあり、休憩場所やトイレの不安なく走行できるのも魅力です。ひとりでも仲間同士でもファミリーでも存分に楽しめるこのコースを、ぜひ訪れてみませんか。

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