公共交通機関を使って巡る街歩き。歴史や文化に触れながらその街を楽しむ旅をお送りしていきます。3回目の旅となりました今回は、神無月である10月を「神在月(かみありづき)」と呼ぶなど、古くからの風習や神事を大切にする島根県。今回の旅は歴史深い出雲地方です。国宝・松江城とその城下町の風景、また出雲大社とその参道を巡ります。島根半島の最東端にも足を伸ばしますよ!
加えて、「だけじゃない島根」と題して観光大使の私が、島根の新たな食スポットや名物を紹介していきます。
画像1: 出雲空港から行く1泊2日 松江・出雲の旅(前編)

西村 愛

2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎 (実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典 (PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。 サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。

画像2: 出雲空港から行く1泊2日 松江・出雲の旅(前編)

松江駅までは空港から30分!松江城までの行き方を説明します

出雲空港へ向かったのは9月の頭。今年の気候は東京と真逆で、島根はとても暑かったのだそうです。しかしそれでも朝晩少し涼しくなってきた季節。青い空に実る稲穂!

空港がある斐川地区は平野が広がり田畑や花畑、季節には小麦などを育てる一大農業地です。
出雲空港は島根県の二大都市である松江市、出雲市まで共に約30分という好立地。まずは松江駅まで空港バスを使って移動です。

松江駅から松江城までは「ぐるっと松江レイクライン」バスが使えます。1回の乗車が200円、1日券乗り降り自由で500円。可愛いデザインで目立ちます。
でも今回私はお城まではタクシーで向かいました。松江城まで行ってしまえばその周辺は歩いて散策できるからです。タクシーも1000円でお釣りが来る距離です。
問題はレンタカーの皆様。土日の松江城周辺は駐車場が混みます。そんな時は松江城お隣の県庁に停めましょう。土日祝のみ観光客にも開放されていますよ!

国宝になった松江城、神社の蔵から見つかった祈祷札

松江城は2015年、天守が国宝に指定されました。天守は焼けたり壊されたりすることなく今の時代にまで残っている「現存12天守」のひとつです。明治時代の初頭、政府によって出された「廃城令」により、維持管理できなくなった日本中のお城が取り壊されることになりました。松江城も例にもれず廃城となり取り壊しが行われますが、そんな中、当時の金額で180円を政府に支払った地元民らのおかげで、天守だけを国から買い戻したのでした。松江城はこうして保存され、今も昔の姿を見ることが出来ます。

しかしそれだけでは国宝になることはできませんでした。松江城と共に訪れていただきたいのが松江城のすぐ隣にある「松江神社」です。薄緑色の洋館「興雲閣」と神社の間、奥まったところに見える蔵がまさに「国宝化」のポイントでした。この蔵の中から松江城の創建年が書かれた祈祷札が見つかり、慶長16年に城が完成したことが明らかに。これにより、国宝指定されることが決まったのです。

松江城に登ってみよう

松江城でまず圧巻なのは「石垣」。石垣職人であった穴太衆(あのうしゅう)が指導して、島根半島の海沿いの石を切り出して運んだことがわかっています。様々な工法があり、石垣の展示場のようです。その石垣の上にある復元された櫓などもカッコいいので必見です。

城内でとても大切なのは祈祷札がかけられていた場所、現存最大級のしゃちほこ、そして柱にある包板(つつみいた)、真田丸から授かった軍配など。眺めの良い最上階からは松江と宍道湖が一望できます。お殿様になった気分でぜひ盛り上がってください!

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