公共交通機関を使って巡る街歩き。歴史や文化に触れながらその街を楽しむ旅をお送りしていきます。3回目の旅となりました今回は、神無月である10月を「神在月(かみありづき)」と呼ぶなど、古くからの風習や神事を大切にする島根県。今回の旅は歴史深い出雲地方です。国宝・松江城とその城下町の風景、また出雲大社とその参道を巡ります。島根半島の最東端にも足を伸ばしますよ!
加えて、「だけじゃない島根」と題して観光大使の私が、島根の新たな食スポットや名物を紹介していきます。
画像1: 出雲空港から行く1泊2日 松江・出雲の旅(前編)

西村 愛

2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎 (実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典 (PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。 サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。

画像2: 出雲空港から行く1泊2日 松江・出雲の旅(前編)

松江城からその周辺は歩いて観光できます。松江藩に関する歴史的なスポットや美術館、また抹茶を楽しめるカフェなど、城下町の良さを感じることが出来ます。多くの文化が残った松江を体感できる、魅力的なエリアです。

松江城からの立ち寄りスポット「城山稲荷神社」

松江城の混雑から逃れるようにやってきたのは城山稲荷神社。赤い鳥居をくぐるとタイムスリップしたかのように、古い灯篭や石畳が続く風情ある神社です。

ここは小泉八雲・ラフカディオ・ハーンに縁がある神社です。八雲は日本に来て間もない頃、教師として松江に住み、結婚しています。八雲はこの神社を大変好み、散歩しに訪れてはお気に入りの石狐を愛でていました。

この神社では船神事「ホーランエンヤ」があります。10年毎に行われ、1週間かけて隣町まで船を行き来させるのですが、それはそれは艶やかに装飾された船が何艘も浮かぶ、大変雄壮な神事です。次回は平成31年5月です。

また、ここには美少年伝説が残っています。江戸時代初期、松江藩主であった松平直政の夢の中に一人の美少年が現れ、「城内に住む場所を作っていただければお家の守護(火事守り)を末代までしましょう。」と言ったのだとか。それをきっかけに直政公は信州松本から稲荷神を勧請し、ここに神社を創建しました。松江ではそれから神社のお札を火災除けとして、台所などに貼る習慣が出来ました。

なお、この神社へ行ったからと行ってイケメンに出会えるというわけではありませんので、クレームは受付致しかねます(笑)

お堀と松の風景が心和む美しい塩見縄手にある「小泉八雲記念館」

お堀や武家屋敷が並ぶエリアで、中級武士の家々が並んでいた道沿いを「塩見縄手」と呼びます。建物はもともとの武家屋敷だった雰囲気をそのままに現在は美術館や記念館、お店などに生まれ変わっています。

この周辺施設は松江城と併せ、様々な共通入場チケットや割引券が販売されているので上手にまわるとお得です。また「しまねカードアプリ」というアプリをダウンロードしておくと、各施設でのプレゼントや割引がありますよ。

塩見縄手では小泉八雲記念館を見学。最近リニューアルしてとても見やすい展示になりました。
「怪談」を書いたラフカディオ・ハーン(後の小泉八雲)は英語教師として日本に来日した際、最初に住んだ町が松江でした。翌年には松江の士族の娘小泉セツと結婚し、現在の塩見縄手で空き家になっていた家で新婚生活を送ります。

その後熊本や東京に移り住み、日本に帰化した際、セツの苗字である小泉と、出雲地方の枕詞としてよく使われる「八雲立つ」から自分の名前を取り、小泉八雲として東京で余生を過ごします。
八雲の生い立ちから半生、日本の文化を外国人の感覚で捉え描いた作品、八雲と家族の生活がわかるものなど、貴重な資料が展示されています。

松江歴史館で現代の名工が作る和菓子と抹茶を楽しむ「喫茶きはる」

お堀沿いの塩見縄手を散策していると出会うのが「ぐるっと松江堀川めぐり」の船。川から眺める景色はまた格別です。

さて、やってきたのは松江歴史館。ここは、2011年「松江開府400年祭」に合わせてオープンしました。松江の歴史や祭りなどを展示し、企画展なども行われています。ここの素晴らしいところは、美しいお庭が見える無料休憩所があるところ!飲食の持ち込みはできませんが、観光に疲れた時に立ち寄れる、松江城のお隣の施設なのです。

松江は茶の湯の文化が盛んな街。全国的にも茶道教室が多いことでも知られています。松江歴史館の中にある喫茶きはるでは美味しいお抹茶と和菓子をいただくことが出来ます。堅苦しいお作法は抜きにして、手入れされた庭を眺めながら可愛いお菓子と美味しいお茶を純粋に楽しめる喫茶室です。

このお茶文化を庶民に広めた松江のお殿様「松平治郷(はるさと)」は号を「不昧(ふまい)」と言い、松江では不昧公と呼ばれ今でも親しまれています。不昧公が行っていた流儀は現在も不昧流という流派として受け継がれている他、不昧が作らせた和菓子や不昧公好みの茶室など、松江には不昧公が残した数々のお茶にまつわる風習や文化が残っています。

毎年10月に開催される松江城大茶会は、多くの人たちで賑わいます。来年には不昧公200年祭(没後200年祭)が計画されており、ますます松江のお茶文化が盛り上がりそうですよ。

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。
よろしければ、アンケートにご協力ください。

This article is a sponsored article by
''.