WOWPASSとは
「WOWPASS(ワウパス)」は、2022年7月に韓国でサービスを開始した、外国人観光客専用のカード&モバイルアプリサービス。プリペイドカード、両替機能、Tmoney(韓国の交通系ICカード)の3つの機能がついたオールインワンカードで、WOWPASSが1枚あれば支払いも移動もスムーズになると、その手軽さや利便性の高さが話題になっています。
WOWPASSの画期的なポイントは、「専用のWOWPASS機械で外貨の両替、お金のチャージができる」という点です。つまり、街中で両替所を探したり、駅で電車の切符を買ったりする必要がなくなり、カード1枚でキャッシュレスに旅することができます。また、WOWPASSを使って円からウォンに両替すると、両替手数料などが発生せず、通常のレートよりおトクに両替できることも魅力です。
さらに、プリペイドカードとTmoneyの残金や利用履歴は、専用アプリから確認もでき、カード内に残ったお金は、ウォン現金で払い戻すことも可能。便利な機能が満載です。
仁川空港・金浦空港でも発行可能!WOWPASSが作れる場所は?
まず、WOWPASSを手に入れるためには、韓国内に設置されている無人両替機「WOWPASS機械」での発行が必要です。
WOWPASS機械は韓国国内の180カ所以上に設置されていて、仁川空港や金浦空港、済州空港にもあるので、韓国到着後すぐに両替が可能です。
ただし、仁川空港のみ現金両替、残高の現金引き出しに対応していないためご注意ください。仁川空港の機械は発行条件なども異なっているため、後ほどご説明します。
ソウル市内であれば、明洞(ミョンドン)や、弘大(ホンデ)入口、江南(カンナム)、高速ターミナルなどの有名観光地や主要駅を中心に、多くのホテルにも設置されています。今後も設置場所を拡大していく予定とのことなので、ますます利便性が増すでしょう。設置場所は、アプリからも確認することができます。
2024年7月現在、ソウル以外の地方都市でも釜山(プサン)や大邱(テグ)、江原道(カンウォンド)、大田(テジョン)、水原(スウォン)、済州島(チェジュド)に設置されています。
WOWPASSの発行の仕方
WOWPASSの発行方法を実際の画面を用いてご説明します。WOWPASS機械は日本語も対応しているので、操作は簡単。事前にアプリのダウンロード(iPhone/Android)やパスポートを準備しておくとスムーズです。
〈WOWPASS発行の流れ〉
- WOWPASS機械を探す
- 日本語を選択
- 「WOWPASSカード」を選択
- 「新規カードを発行」を選択
- チャージする現金で「日本円」を選択
- パスポートをスキャンする
- 「メンバーシップ入会費」を支払う
- 日本円を投入する
- Tmoney(交通系ICカード)にチャージするための現金を引き出す※WOWPASSアプリがある場合は現金不要です
- 「カード発行」を選択
- 「カードの有効化」をする
まず、WOWPASS機械を探します。設置場所はWOWPASSの公式アプリやwebサイトやアプリから探せます。
両替機は英語、日本語、中国語(2種類)、韓国語に対応。日本語を選択して次の画面に進みます。
次の画面では、WOWPASSカードを発行するか、両替をするかの2択が出てくるので、ここで「WOWPASS カード」を選びます。
なお、「両替」を選ぶと日本円をウォンに替えられるので、現金を持っておきたい人はカード発行後に利用すると良いでしょう。
WOWPASSについての説明画面が出てきたら内容を確認し、問題がなければ、「始める」ボタンを押します。
次に、どのサービスを使うかの選択画面で、「新規カードの発行」を選び、その次に「このまま発行」を選びます。WOWPASSアプリやネットで事前予約をしている場合は右の「引き換えコード発行」を選択してください。
発行済みのカードの場合は、「チャージ(円などの現金のみ対応)」「引き出し(ウォンでの引き出し)」「カードの再発行」を利用できます。
チャージする現金の種類と、レートが表示されるので、日本円を選択します。この日のレートは「100円→964.5ウォン」。元レートは下に表示されており、取材時は「949.79ウォン」なので、14.71(約1.4円)ウォンおトクに。
この案内のあとに、パスポートのスキャンがあるので、パスポートの準備をしておきましょう。
パスポートのスキャンが終わったら、「メンバーシップ入会費」5,000ウォン(約500円)を請求されます。これはカード発行費用のようなもので、一度支払えば、その後かかることはありません。問題なければ「すべて同意する」ボタンを押してください。
次にいよいよ円をカードにチャージしますが、注意事項が出てきますので必ず確認してください。特に重要なのは、「Tmoney(交通費決済)に使う金額は別途現金でチャージが必要」という部分です。WOWPASSとTmoneyの残高は別の扱いで、1つのカードで、2回に分けてチャージする必要があります。問題がなければ、「はい」を押してください。
そして、日本円の投入に移ります。使えるのは、一万円、五千円、千円の紙幣のみとなっています。
チャージする現金を1枚ずつ投入していきます。投入した分だけチャージされるシステムで、おつりは返ってきませんのでご注意ください。なお、カードに入れられる限度額は最大100万ウォン(約11万円)です。
今回は2万円分をチャージ。ウォン換算したチャージ金額(19万2894ウォン)が表示され、ここからメンバーシップ入会費の5,000ウォンを引いた「18万7894ウォン」がチャージされます。
チャージ金額に問題がなければ、「カード発行」ボタンを押します。
次の画面で、現金引き出しの有無を聞かれます。画面の注意書きにもあるように、Tmoneyとして使うためにはウォン現金でのチャージが必要です。ただし、2024年10月から、WOWPASSアプリがあればWOWPASSの残高からTmoneyチャージができるようになり、ウォン現金を引き出す必要がなくなりました。ウォン現金が不要な人は「いいえ(カードだけ受け取る)」を選択し、アプリからチャージをしてください。WOWPASSからTmoneyのチャージに関しては後述しています。
ここからは、「はい(カード・現金を一緒に受け取る)」を選択した場合の画面の説明をします。Tmoneyチャージのためのウォン現金が必要な方は、一部を現金で引き出しておくのをおすすめします。また、TmoneyはこのWOWPASS機械ではチャージできず、駅の券売機や、コンビニでのチャージが必要なので、要注意です。
引き出せるのは、1万ウォンから5万ウォンまで1万ウォン刻み。今回は、3万ウォン(約3,000円)分を現金で引き出すことにしました。
確認画面が出るので、問題がなければ「続行」ボタンを押し、現金が引き出されるのを待ちましょう。
現金を引き出したら、次にWOWPASSカードの有効化の手続きに移ります。
機械から発行されたカードを受け取り、画面の案内に従って有効化をします。この作業をしないとカードが使えないため、忘れずに行ってください。
カードを封筒から出し、「カードを差し込む」という指示通りに進みます。
カードを奥まで差し込み、しばらく待ち、「カードを抜く」という画面がアクティブになったら、有効化の完了です。
これで有効化が完了し、「WOWPASS」カードがプリペイドカードなどとして利用できるようになりました!
ここまでの作業時間は大体10分。特に戸惑うことなく簡単に発行することができました。
あると便利!WOWPASSアプリのおすすめ機能
ここまで、カード発行方法についてお伝えしましたが、WOWPASSを活用するためには、専用アプリのダウンロードもマスト。2024年10月に、WOWPASSには便利な機能が追加されたので、アプリの便利さもご紹介します。
【2024年10月更新】WOWPASS残高からTmoneyへのチャージが可能
WOWPASSアプリを利用して、WOWPASS残高からTmoneyにチャージができるようになりました。これによって、駅の券売機を探す手間が省かれ、キャッシュレス派の人は現金を用意する必要がなくなりました。
「WOWPASSでチャージする」をタップし、WOWPASSの残高からチャージをしてください。Tmoneyの履歴もアプリで確認できるようになりました。
ただし、TmoneyからWOWPASSへのチャージはできないので、その前提で使う分だけチャージすることをおすすめします。
※「Galaxy」以外のAndroid機種へのチャージは不可。iPhoneはiPhone7(ios13)以降であれば利用可能です
WOWPASS同士の送金が可能
WOWPASSアプリがあれば、ユーザー間で送金ができます。例えば、複数人で食事をして代表者が立て替えた場合、その場ですぐ送金OK。他にも、韓国旅行に行く友人に、買ってきて欲しいお土産代を日本から送金するといった活用方法も。ますます便利にバージョンアップしています。
なお、アプリでの送金は、1回あたり1ウォン単位の少額から10万ウォンまで対応。1日最大10回まで送金できます。送金に手数料などがかからないのもメリットです。
SIMが付いた「WOWPASS空港セット」やネット販売でスムーズ受け取り
WOWPASSアプリから事前に予約しておくことで、WOWPASS、Tmoney、SIMがすべて空港のカウンターで揃うサービス「WOWPASS空港セット」も利用できます。
このWOWPASS空港セットを活用することで、仁川空港のSK TelecomカウンターでWOWPASSが受け取れるほか、韓国国内で利用できるSIMもまとめて手配できるようになりました。
仁川空港のほかにも、金浦空港や釜山金海空港、釜山港、済州空港、大邱空港のSK Telecomカウンターでも受け取りが可能です。
空港で受け取るWOWPASSには、Tmoney残高に1万ウォンが事前チャージされているので、わざわざ駅の券売機でTmoneyをチャージする必要がなく、すぐに地下鉄などで利用できます。しかし、WOWPASS自体にはお金がチャージされていないため、WOWPASS機械、またはアプリから日本のクレジットカードを使ってチャージする必要があります。
さらに、WOWPASS空港セットでは、WOWPASSとSIMを別々に購入するよりも安く購入できるというのも魅力です。通常、WOWPASSを機械で発行すると、発行手数料に5,000ウォンがかかりますが、WOWPASS空港セットで購入した場合は20%オフの4,000ウォンで購入が可能。SIMもUSIMとeSIMの両方が通常価格より10%オフで購入できます。
さらに現在はAmazonでもWOWPASSが販売されています。渡韓前に日本でカードを受け取ることができ、WOWPASS機械の発行の列に並ぶ必要もありません。アプリを使うとクレジットカードからチャージができるので、完全キャッシュレス派の人にもおすすめです。
WOWPASSはどこで使える?
発行したWOWPASSが使える場所と使えない場所を簡単にご紹介します。
利用できる場所
基本的に、カードのICチップをリーダー機に挿入する決済方式であれば、WOWPASSの利用ができます。食堂、カフェ、タクシー、コスメショップ、ショッピングモール、免税店、整形外科や皮膚科などの病院、観光地、その他無人販売機での決済などが当てはまります。また、ソウル、釜山、済州島を含め、韓国のどこでも利用が可能です。
筆者の利用した感覚では、コンビニやスーパー、デパート、カフェなど、ほとんどのお店で利用することができました。特に何も伝えることなくカードを渡すと会計をしてくれるため、ノンストレスで使うことができ、とても便利なアイテムでした。
また、WOWPASSカードには特典があり、韓国各種ブランドや指定のカフェチェーン店などで決済すると、最大20%還元されるといったキャンペーンもあるので、ぜひ活用してください。
利用できない場所
一方、使えないのは、オンラインやスマホ決済、現金決済のみ可能な屋台や地下商店街などです。
屋台はキャッシュレス決済を入れているお店も増えていますが、やはり現金決済の方が多いようです。
ただ、韓国はキャッシュレス比率が95.3%(※)と世界有数のキャッシュレス大国。ほとんどの場所でクレジットカードが使えるため、WOWPASSカードでの決済も問題なく利用できます。
また、Tmoneyにチャージしている場合は、Tmoneyの決済が可能な場所で利用が可能です。
(※)参考:一般社団法人キャッシュレス推進協議会「キャッシュレス・ロードマップ2023」
WOWPASSのレートは?
WOWPASSのレートは、通常のレートよりもおトクになっています。円安でも、WOWPASSだけの優遇レートが適用されていたので、以下のようなレートになりました。
WOWPASSカード優遇レート | 100円→843ウォン |
---|---|
元レート | 100円→830ウォン |
微々たる優遇ではありますが、街中の両替所などを探す必要がない上に、無人機で簡単に両替できるのは大きなメリット。また、チャージ手数料もかからないことや、カード払いをした際の手数料などが発生しないのもWOWPASSならではのおトクさです。
アプリでもWOWPASSと通常のレートを確認することができます。
WOWPASSの注意点
WOWPASSを利用する際は、いくつか注意点があります。
アプリでしか使えない機能がある
先ほどお伝えしたアプリ間送金やTmoneyへの残高チャージといったWOWPASSの便利な機能は、すべてアプリがないと利用できません。
さらに、クレジットカードやモバイルペイ(Alipayなど)からWOWPASSへのチャージもアプリがないと行えません。
チャージしたお金とTmoneyの残高もアプリがあれば簡単に確認できます。また、カードを紛失した際の一時停止や再発行、カード残高から現金を引き出す際にもアプリでの操作が必要です。
アプリ利用が必要な理由には、キャッシュバックのキャンペーンなどのクーポンもアプリから取得できるといったメリットもあります。旅マエにダウンロードしておくと、よりスムーズです。
仁川空港のWOWPASS機械は利用条件が異なる ※2024年7月現在
仁川空港のWOWPASS機械は、仁川空港第1&第2ターミナルのA'REX改札内に設置されています。つまり、仁川空港でWOWPASS機械を利用するには、A'REXの乗車チケットで改札を通る必要があります。
また、仁川空港のみ現金両替、残高の現金引き出しが不可であることも注意点です。
さらに、仁川空港の機械でWOWPASSカードを作成した場合は、すでにTmoneyに1万ウォンチャージされた状態で発行されます。これは、改札内に機械があることと、ソウル駅での乗り換えをよりスムーズにするために、あらかじめTmoneyにチャージした状態にしているそうです。
Tmoneyのチャージは別途必要
WOWPASS発行手順の際にもご説明した通り、Tmoneyとして利用する際は、WOWPASSにチャージしている金額とは別途でチャージが必要です。
※「空港セット」と「仁川空港にある機械で発行したWOWPASS」には事前チャージされています。
WOWPASSとTmoneyの残高はアプリから確認できます。上部の画面の場合、上がWOWPASSの残高、下はTmoneyの残高です。
現在は、WOWPASSの残高からカードに内蔵されているTmoneyにチャージできるようになったので、駅の券売機などでTmoneyにチャージする必要はありません。
チャージできる上限が決まっている
カードに入れられる限度額は最大100万ウォン(約11万円)です。1回の支払いが100万ウォンを超える買い物をする場合は、現金かクレジットカードの併用をおすすめします。
また、アプリからチャージする場合は、1回あたり20万ウォンまでですが、1日の上限は現金利用と同じです。
再発行には手数料が必要
WOWPASSは再発行が可能となっています。その際はカード再発行処理手数料が別途3,000ウォン必要ですが、残高は引き継がれます。
カードに有効期限がある
WOWPASSの有効期限は6年間です。またチャージした残高の有効期限は、最後のチャージ日またはカードの再発行日から6年となっています。例えば、カード自体の期限が切れてもカードを再発行すれば、残りの残高を使うことができます。
カード残高はウォンで返金される
カードの残高の引き出しは、WOWPASS機械から行うことができます。ただし、日本円ではなく、ウォンでの返却になるのでご注意ください。また残高の引き出しには1,000ウォンの手数料もかかり、1回の引き出し限度額は10万ウォンです。
また、仁川空港のWOWPASS機械は、残高引き出しの対応をしていないため、空港に到着する前に引き出すのをお忘れなく。
WOWPASSの利用をおすすめしたい人
1枚あると便利なWOWPASSの利用をおすすめしたい人をまとめました。
韓国旅行が初めての人
見慣れない海外のお金は、支払いに戸惑ったり、時間がかかったりすることもあるかもしれませんが、WOWPASSを使うとそのような心配がありません。さらに、カード1枚でプリペイドカードと交通カードになるため、各所での決済がスムーズになるのも利点です。
また、これまでは場所によってクレジットカードを出したり、Tmoneyカードを出したりしていましたが、それが1枚に集約されるので、初めての韓国旅行の際も効率的に観光できるでしょう。
韓国旅行に何度も行く可能性がある人
6年間の有効期限がありますが、一度チャージすればそのまま持ち続けられるので、何度も韓国旅行に行く可能性がある人向き。アプリで残高を見ることができ、次回の旅行の際にいくら残っているのかをすぐに確認できるのも便利な点です。
グループ旅行をする人
友人や家族との旅行の際には、それぞれ同じ金額の日本円を出し合って、1枚のWOWPASSにチャージしたら、共同財布の代わりに使うことができます。煩わしい割り勘の計算も必要なく、最終日には残高を引き出して全員で分配すればOK。
また、1人1枚作った場合も、WOWPASS間の送金機能を使うと、立て替えた金額分がその場で送金可能です。旅が終わってからまとめて精算……といった作業もなくなります。
クレジットカードを持っていない人
WOWPASSは現金をチャージするプリペイドカードなので、審査の必要がなく、クレジットカードを持っていない方や若年層にもおすすめ。さらに、アプリで残高を確認しながら買い物ができたり、使う予定の金額を決めてチャージしたりと無駄遣いの抑制もできます。
また、クレジットカードでの決済は手数料がかかることがありますが、WOWPASSは手数料がかからないのもメリットです。
韓国に行ったらWOWPASSを使ってみて!
WOWPASSを使うと、日本にいる時と同じような感覚で、買い物や移動ができるでしょう。使い方や知っておくと便利なポイントをおさえて、韓国旅を充実させるヒントにしてみてください。
WOWPASS
web | : | WOWPASS 公式サイト |
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: | @wowpass_jp |
初回投稿日:2023年4月14日
※2024年11月1日に一部内容を更新いたしました。
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