シンガポールの昔を感じて、カラフルな長屋風の店舗住宅へ
ショップハウスとは、1階が店舗、2~3階が住居となった店舗住宅のこと。隣同士で壁を共用し、それが連なり長屋のようになっています。1階部分に幅約5フィート(約152cm)の共有廊下が続いているので、通称「ファイブ フット ウェイ(Five-foot way)」とも。アーケードになった長い廊下は、南国の熱い陽射しや大雨のスコールをさえぎる役目も果たしています。
ショップハウスが登場したのは1800年代半ば。当初は中国沿岸部からの移民が多く暮らすシンプルな建物でした。海洋貿易の拠点として発展していたシンガポールでは富裕層も増え、彼らはヨーロッパの装飾様式を取り入れるなど、自らのショップハウスを美しく飾り立てるようになったのです。
特に、マレー半島近辺に定住した中華系やインド系などの移民家系に伝わる独特の生活文化は華やかで美しく、彼らの色鮮やかなショップハウスは「プラナカンハウス」と呼ばれています。
下町エリアの「ペタイン ロード」にある洋菓子のように華麗なショップハウス
下町エリアの繁華街・ジャラン ベサール地区の「ペタイン ロード(Petain Road)」に、まるでデコレーションケーキのように華麗な装飾が施されたショップハウスがあります。
アイボリー色のショップハウスの正面を彩るレトロおしゃれな窓や色ガラス、柱を飾る優雅なレリーフ、花模様のタイルで埋め尽くされた壁。初めて見た際、誰もがその華麗さにため息が出るでしょう。
ここを訪れたら、軒先であるファイブ フット ウェイで佇んでみましょう。少し埃っぽさもありますが、郷愁感の方がずっと上回ります。
淡いピンクや緑や青といったプラナカンカラーの壁と、白黒の床タイルとのコントラストが、まるで古い映画のワンシーンのようで美しいフォトスポット。
柱や窓枠には花や鳥などの中華装飾もあり、建てられた1930年代当時の、東洋と西洋の文化が融合した装飾様式を見ることができます。
ショップハウスから2分ほど歩くと、商店や飲食店が並ぶ「ジャラン ベサール通り(Jalan Besar)」に出ます。下町のこの辺りも、豪華なショップハウスや花柄のタイルが突然現れ、発見が楽しいエリア。
通り沿いには食堂も多いので、ローカルグルメもぜひ。
ペタイン ロードのショップハウス(Shophouses at Petain Road)
アクセス | : | 地下鉄(MRT)Farrer Park駅下車 徒歩8分、Jalan Besar駅下車 徒歩13分 |
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高級住宅街「カトン地区」のパステルカラーが可愛すぎるショップハウス
シンガポールの東海岸、住宅地の「カトン地区」に、大人気のパステルカラーのショップハウスがあります。
目指すは、目抜き通りの「ジョー チアット ロード(Joo Chiat Road)」と交わる「クーン セン ロード(Koon Seng Road)」。
通称プラナカンハウスと呼ばれるカラフルなショップハウスが目に飛び込んできて、テンションは一気にアップ! ここでは誰もがモデルポーズです。
周辺もやはりきれいな色合いのショップハウスが並んでいます。カトン地区には昔からプラナカンの人が多く住み、彼ら独特の色合いで彩られた小ぶりなショップハウスがたくさんあるのです。
目抜き通りであるジョー チアット ロードにもショップハウスが並びます。個性的な食堂やカフェ、ショップが軒を連ね、のぞくのも楽しい散策。
おすすめは1920年代のショップハウスにある人気焙煎コーヒー店「Common Man Coffee Roasters」。街中に比べたらのんびりしたこのエリアで、おいしいコーヒーと食事も楽しんでみてはいかがでしょうか。
カトンのプラナカンハウス(Peranakan Houses in Katong)
アクセス | : | 33番バスAfter Koon Seng Road下車徒歩2分 |
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Common Man Coffee Roasters Joo Chiat Road
住所 | : | 185 Joo Chiat Road, Singapore 427456 |
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web | : | Common Man Coffee Roasters 公式サイト(外国語サイト) |
異国情緒あふれる布問屋街「アラブ ストリート」の極彩色ショップハウス
シンガポールの中でも異国情緒漂う色鮮やかな界隈「カンポン グラム(Kampong Gelam)」。英国統治時代の19世紀にマレー系やアラブ系のコミュニティとなり、今も彼らの文化を色濃く感じる地区です。
中でも昔からの布問屋が集まる「アラブ ストリート(Arab Street)」は極彩色のショップハウスが並び、目に眩しいほど。
ビビッドカラーのショップハウスは、東南アジアのバティックや花模様のインド綿を扱うマレー系の店、中東っぽい色彩の布やエキゾチックな雑貨を山積み陳列したアラブ系の店など。国際色豊かで活気に満ちたアラブ ストリートでは、買い物熱も高まります。
視線を上げれば、軒を連ねる極彩色のショップハウスの向こうに、斬新な設計の高層ビルが見え、シンガポールの新旧を感じられるエリア。
シンガポール最大のサルタンモスクがある観光スポットでもあり、マレー料理や中東料理のレストランをはじめ、カフェやジェラートなどグルメも盛りだくさん。
このアラブストリートの一本横の路地「ハジ レーン(Haji Lane)」は若者に人気の雑貨店や個性的なアパレルショップがひしめき、さながら裏原宿のような雰囲気でいつも大賑わい。周辺にあるカラフルな壁アートはどこも人気のフォトスポットです。
アラブ ストリート周辺のショップハウス
アクセス | : | 地下鉄(MRT)Bugis駅下車 徒歩8分 |
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最先端シティのシンガポールとはひと味違う、昔ながらのレトロなショップハウスを紹介しました。とはいえ豪華絢爛、可愛いパステル調、エキゾチックな極彩色など、千差万別で個性たっぷり。この記事で紹介した以外のショップハウスもSNS映えするところばかりなので、ぜひカメラ片手にあなたのイチオシを見つけてください。
取材・写真:ナガオヤヨイ
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