海外旅行の準備に欠かせない「電子渡航認証システム」の申請。最近では、アメリカや韓国をはじめ、複数の国で事前申請が必須となっています。意外に知られていませんが、忘れると航空機への搭乗や入国を拒否されることも。行き先によっては大切な準備のひとつですので、事前のお手続きをお忘れなく! 海外旅行の前におさらいしておきましょう。

電子渡航認証システムとは?

画像: iStock/Nikada
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電子渡航認証システムは、旅行者が目的国に入国する前に、事前にオンラインで申請し、渡航の適格性を確認するためのシステムです。2009年にアメリカで導入されたESTAをはじめ、現在では多くの国々がこのシステムを採用しています。ビザと異なり、一部を除いて入国者全員が取得する必要があります(有効なビザをすでに持っている場合は不要)。

申請する内容は国によって異なりますが、パスポートに記載されている基本情報に加え、犯罪歴や伝染病の病歴、過去の渡航先、連絡先などが求められます。これらの情報をもとに安全な入国者であるかが判断されます。申請内容に問題がある場合や特定の条件を満たさない場合は、電子渡航認証ではなくビザが必要になるケースもあります。

安全性強化を目的に、電子渡航認証システムを導入する国が増えている

近年、アメリカのほかにも電子渡航認証システムが必要な国が増えており、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、韓国などでも導入が進んでいます。これは、テロや不法滞在などのリスクを未然に防ぐためなど、主に安全性強化が目的となっています。

【電子渡航認証システムの申請方法】オンライン申請が基本、認証取得は数分〜数日かかる

申請は一般的に、公式サイトからオンラインで申請と支払いを行い、認証結果をEメールで受け取るという流れ。簡単に行えますが、申請が通るまでにかかる時間はわずか数分から数日程度まで幅があり、出発3日前までに取得が必要な国も。入力ミスや書類不足といった不備によって申請にさらに時間がかかったり、取得できずにビザが必要になったりするケースなども考えると、できるだけ早く申請するのが安心です。

楽しい旅をスムーズにスタートするためにも、確実に申請しておきましょう。日本語でサポートを行う申請代行業者もありますので、手続きが難しく感じる方や忙しい方は利用するのもひとつの手です。

【電子渡航認証が必要な国一覧】申請方法と必要書類まとめ

ここからは、電子渡航認証制度をすでに導入している各国の、申請方法や必要書類、費用など、申請に必要な情報をまとめてお伝えします。

●アメリカ:ESTA申請ガイド

 

名称ESTA
対象90日以内の滞在(一般的な観光旅行や短期のビジネス)
有効期間2年間(パスポートの残り有効期限が2年未満の場合は期限日まで)/
渡航回数制限なし
手続き方法オンライン
必要書類パスポート(滞在期間まで有効なICチップ搭載のもの)、クレジットカードまたはデビットカード、Eメールアドレス
費用40USドル
申請にかかる期間最大3日程度
申請期限出発72時間前まで
申請サイトhttps://esta.cbp.dhs.gov/
アプリiPhoneAndroid
JAL ABChttps://www.jal.co.jp/jp/ja/inter/option/visa/esta/ (申請代行/有料)

一度認証を受けると2年間有効ですが、パスポート情報が変更になった場合はもちろん、申請時の回答内容に変更が生じた場合も再度、申請が必要となります。申請内容には、滞在先のホテルの情報や勤務先情報などを英語で入力する必要があるので、事前に用意しておくとスムーズです。JALのグループ会社「JAL ABC」でも申請の代行を行っています。

画像: iStock/okimo
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●カナダ:eTA申請ガイド

 

名称eTA
対象6カ月以内の滞在(一般的な観光旅行やビジネス)
有効期間5年間もしくはパスポート有効期限の前日まで/渡航回数制限なし
手続き方法オンライン
必要書類パスポート、クレジットカード、Eメールアドレス
費用7カナダドル
申請にかかる期間1時間から1日程度
申請期限渡航時まで(通常は申請から最短1時間で取得。ただし審査に24時間以上を要する場合もあるため早めの申請が望ましい)
申請サイトhttps://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/services/visit-canada/eta.html
eTAヘルプガイド
(日本語/公式)
https://www.canada.ca/content/dam/ircc/migration/ircc/english/pdf/eta/japanese.pdf

他の電子渡航認証に比べて有効期間が長いカナダのeTA。手持ちのパスポートの有効期限も考慮して申請すると長く使えます。なお、悪質な偽装サイトが多いため、大使館では公式サイトからの申請を推奨。日本語のヘルプガイドもあります。

画像: iStock/MartinM303
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●イギリス:ETA申請ガイド

 

名称ETA
対象6カ月以内の滞在(一般的な観光旅行や短期のビジネス)
有効期間2年間/渡航回数制限なし
手続き方法オンライン
必要書類パスポート、カード(クレジットカード、デビットカード、Apple Pay、Google Pay)、Eメールアドレス
費用16ポンド
申請にかかる期間3営業日以内
申請期限出発72時間前まで
申請サイトhttps://www.gov.uk/eta/apply
アプリiPhoneAndroid

2025年1月から導入されたイギリスのETA。公式サイトまたはアプリから申請が可能です。申請にかかる期間が“3営業日以内”のため、申請するタイミングによっては少し時間がかかる可能性があります。余裕をもって申請しましょう。

画像: iStock/Elena Zolotova

iStock/Elena Zolotova

●オーストラリア:ETAS申請ガイド

 

名称ETAS
対象3カ月以内の滞在(一般的な観光旅行や短期のビジネス)
有効期間1年間(パスポートの残り有効期限が1年未満の場合は期限日まで)/渡航回数制限なし
手続き方法オンライン
必要書類パスポート、クレジットカード、Eメールアドレス
費用20オーストラリアドル
申請にかかる期間最大3日程度
申請期限出発72時間前まで
申請サイトhttps://www.eta.homeaffairs.gov.au/ETAS3/etas
アプリiPhoneAndroid
画像: iStock/africanpix
iStock/africanpix

ETASとは、オーストラリアへの入国ビザ・ETAを取得する電子渡航システム「Electronic Travel Authority System」を指します。アプリからの申請も可能です。

●ニュージーランド:NzeTA申請ガイド

 

名称NzeTA
対象3カ月以内の滞在(一般的な観光旅行や短期のビジネス)
有効期間2年間(パスポートの残り有効期限は3カ月以上)/渡航回数制限なし
手続き方法オンライン
必要書類パスポート、クレジットカード、Eメールアドレス
費用アプリからの申請17ニュージランドドル、ニュージーランド移民局公式サイトからの申請23ニュージランドドル
申請にかかる期間最大3日程度
申請期限出発72時間前まで
申請サイトhttps://nzeta.immigration.govt.nz/
アプリiPhoneAndroid

3カ月間以内のニュージーランドへの渡航には、NzeTAの申請が必要です。公式アプリからの方が公式サイトより安く申請ができます。また、NzeTAに加えて、観光保護・観光税として100ニュージランドドルも必要です。

画像: iStock/René Lorenz

iStock/René Lorenz

●スリランカ:ETA申請ガイド

 

名称ETA
対象30日または90日以内の滞在の2種類(いずれも一般的な観光旅行や短期のビジネス)
有効期間90日間/渡航回数2回まで
※但し、1回目の渡航から間が空いた際に無効になる場合があるため事前に要問い合わせ
手続き方法オンライン(30日のみ可能)/在日スリランカ大使館訪問(30日・90日いずれも可能)
必要書類パスポート(有効期限が6カ月以上先のもの)、顔写真の画像(訪問の場合はパスポートサイズの写真を2枚)、クレジットカード、往復航空券、宿泊地を証明できるもの
費用
(オンライン)
35USドル(30日)
※保護者同伴の12歳以下は無料、12歳以下のみで渡航の場合は通常料金(いずれも申請自体は必要)
費用
(大使館訪問)
[観光]4,000円(30日)/6,900円(90日)
[ビジネス]4,600円(30日)/12,000円(90日)
※保護者同伴の12歳以下は無料、12歳以下のみで渡航の場合は通常料金(いずれも申請自体は必要)
※現金のみ
申請にかかる期間2~4営業日
取得期限空港到着時まで
※現地の空港でも取得可能。費用等は現地での指示に従う
申請サイトhttp://www.eta.gov.lk/slvisa/
電話03-3440-6911

2025年10月15日から、「観光目的でスリランカに渡航するすべての外国人」が取得対象となるとの発表がありましたが、この措置は延期されています。 不明点がある場合は、申請サイトまたは電話でスリランカ大使館までお問い合わせください。いずれも日本語で対応してもらえます。

画像: iStock/surangaw
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●韓国:K-ETA申請ガイド

 

名称K-ETA
有効期間2年間(パスポートの残り有効期限が2年未満の場合は期限日まで)/渡航回数制限なし
手続き方法オンライン
必要書類パスポート(滞在期間まで有効なICチップ搭載のもの)、クレジットカードまたはデビットカード、顔写真のイメージファイル
費用10,000ウォン
申請にかかる期間30分~24時間
申請期限出発24時間前まで
申請サイトhttps://www.k-eta.go.kr/portal/apply/index.do

2022年11月から90日以内の観光などを目的とした短期滞在者向けに導入されたK-ETA。2025年12月現在、 日本人のK-ETA申請は免除されており、2026年12月31日まで免除期間の延長が発表されているため、申請は不要です。

画像: iStock/pius99
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2026年にはEU諸国で「ETIAS(事前渡航認証システム)」が順次導入される予定もあり、ますます広がりを見せる電子渡航認証制度。旅の欠かせない準備のひとつとして、覚えておきましょう! 最新の情報は各国の公式サイトなどで必ずご確認ください。

初回投稿日2022年4月18日
※2025年12月2日に一部内容を更新いたしました

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