「ミシュランガイド」で世界一星の数が多い都市・東京。美食レストランが多いだけでなく、食のジャンルが多彩なのも魅力のひとつです。そのため、本場の料理をそのまま楽しめるお店も豊富。
そこでこの記事では、多国籍グルメマニアの「おぐグルメ」さん監修のもと、珍しい多国籍料理の名店をピックアップ。国ごとの文化や歴史などの背景にも触れながらイチオシメニューを紹介し、まだ見ぬ多国籍グルメの魅力を伝えます。
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案内人:おぐグルメ

ブログ「東京グルメで世界一周」を発信。初の海外旅行を経験した後に海外の現地グルメに魅せられ、いまや渡航先は70カ国を超える。2014年から国内外の食べ歩きとブログをはじめ、これまで3,000軒以上の店舗開拓と、110カ国のグルメを掲載。2024年には電子書籍「東京グルメで世界一周 世界100カ国の料理」を上梓し、TVやラジオなどさまざまなメディアでも案内人として活躍している。
公式ブログ:東京グルメで世界一周
X:@ogu_gourmet

【アジア】知っているようで知らない料理に出合える

日本はアジアの一国であり、地理的にも文化的にも他のアジア諸国と近い関係にあります。とはいえ、まだまだ知らない料理にたくさん出合えるのが東京です。中には東京でも専門店が数軒しかないという国もあり、食文化の奥深さに驚かされることでしょう。

【カンボジア】現地の名店出身シェフが手がける料理の数々「バイヨン」

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最寄りの都営大江戸線「牛込神楽坂駅」から徒歩約5分。「飯田橋駅」からもアクセスしやすい立地にあり、店名は現地アンコール遺跡群のひとつ「バイヨン寺院」が由来です。

オープンは2012年。当時のオーナーからスカウトされたシェフのレスマイさんは、首都プノンペンで愛された高級レストラン「ロムデン」出身で、若手への講師役も担っていたほどの腕利きです。現在はオーナーシェフとして、多彩なカンボジア料理を提供しています。

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おすすめは2品あり、ひとつが「アモック」というカンボジアの代表的な料理。

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ココナッツのまろやかな甘みやレモングラスの爽やかな香りが効いていて、カレーのようなソースの中に、ふんわりホロッとやわらかい白身魚が入っています。辛さはなく、なによりココナッツの南国調な風味がたまりません。ライス付きなのも嬉しい。

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もうひとつは、種を取り除いたカボチャにプリンを詰めて丸ごと蒸した「カボチャプリン」です。輪切りにされたカボチャの上に大きなバニラアイスがのったルックスからして印象的で、素材本来の甘みと、プリンやバニラのクリーミーな甘さがマッチ。欧米のカボチャプリンよりもやさしい味で、期待をいい意味で裏切ってくれるデザートです。

バイヨン

住所東京都新宿区袋町26-4
電話03-5261-3534
営業時間11:30~14:30、17:30~22:30
定休日月曜
webバイヨン 公式サイ ト

【チベット】23区唯一! やさしい味わいや独自の食感を楽しめる「タシデレ」

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都営新宿線「曙橋駅」から徒歩3分の場所にあり、JRでも「市ケ谷駅」「四ツ谷駅」から徒歩圏内。チベット人オーナーが2015年にオープンした、東京23区唯一の珍しいチベットレストランです。

チベット料理は塩ベースで、スパイスや野菜などをふんだんに使ったやさしい味わいが特徴。同国のソウルフード「モモ(チベット餃子)」をはじめ、滋養たっぷりのメニューを、無数のタルチョ(チベット仏教の祈りの旗)に彩られた空間で味わえます。

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イチオシは「テントゥク」というチベット式のすいとんです。日本のすいとんのほか、中国にも似たような料理はありますが、テントゥクはチベットならではの野菜たっぷりで具だくさんなところがポイント。

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器いっぱいに野菜と豚肉が入っていて、そこに平べったくツルンとした食感の生地が絶妙。ちぎって煮込んだ麺なので、独特のひねりや弾力がたまらなくおいしい。スパイスは適度に効きながらも辛くなく、体の芯からポカポカする、温もりにあふれた一皿です。

タシデレ

住所東京都新宿区四谷坂町12-18 四谷坂町永谷マンション 1F
電話03-6457-7255
営業時間平日11:00~15:00、17:00~22:00、土・日・祝日11:00~22:00(ともにL.O.21:30)
定休日なし
webタシデレ 公式サイト

【中華】トレンドの旗手によるおトクで至福な朝食「香福味坊」

画像: 【中華】トレンドの旗手によるおトクで至福な朝食「香福味坊」

「秋葉原駅」から徒歩1分の場所で、朝7時から翌朝5時まで営業している中国料理店が「香福味坊(コウフクアジボウ)」。近年話題のガチ中華(中国人店主による本場式中華料理店)の元祖といわれる「味坊」というグループが手がけています。都内に13店舗以上展開するほか福岡や静岡にも店を構え、それぞれ羊、鍋、湖南料理、点心などテーマ別に出店しているのが魅力です。

2022年にオープンした「香福味坊」は、厨房の広さや席数の多さも特徴。豊富なメニューと名物の羊の丸焼き、そして早餐(ザオツァン・中国式の朝食)が充実している点も見逃せません。早餐は御徒町にある系列店「老酒舗(ロウシュホ)」にもありますが、セットでよりおトクなのが「香福味坊」です。

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おすすめは朝食です。今年ゴールデンウィークに北京に立ち寄り、地元の朝食を味わったのですが、まさにそのまま再現されていると感じました。ポイントは、おかゆ、豆乳、サラダ、漬物がセルフサービスの食べ放題であること。これらが揚げパンと茶葉煮味付け玉子のセットで、たった500円で味わえます。

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揚げパンはしっかりサイズなうえ、カラッと揚がっていて時間が経ってもペタッとならず、豆乳との相性も抜群。ちなみに800円のセットなら、海老蒸し餃子、肉焼売、目玉焼き、ワンタンスープ、釜焼き鴨、チャーシュー&腸詰の盛り合わせが付いていて、豪華でおトクですよ。

香福味坊

住所東京都千代田区神田佐久間町1-21 B1F
電話03-3527-1658
営業時間7:00~10:00、11:00~翌5:00
定休日なし
web味坊 公式サイト

【ヨーロッパ・中東】乳製品やハーブなどを駆使した美食がズラリ

古代からあまたの大帝国が栄え、歴史の中でさまざまな食文化が育まれてきたヨーロッパと中東。山海の恵みに加え、乳製品、フルーツ、ハーブ、スパイスなども効果的に活用する料理が特徴といえるでしょう。ここではあまり知られていない美食を中心に紹介します。

【北欧】国内1%のアイスランドラムステーキに感動「アルトゴット」

画像: 【北欧】国内1%のアイスランドラムステーキに感動「アルトゴット」

吉祥寺駅から徒歩8分。店主の矢口シェフは、20歳で吉祥寺の北欧料理店「ガムラスタン」に入門。26歳でスウェーデンへ渡り腕を磨き、欧州各地での修業を経て再び「ガムラスタン」へ。その後オーナーの移住を機に、2022年に自身の店「アルトゴット」をオープンしました。

料理はスウェーデンを軸に、ノルウェーやデンマークの食材やレシピも随所に取り入れています。現地の伝統メニューを土台とした、北欧の美食が真骨頂です。

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スウェーデン料理も絶品ですが、個人的な推しはアイスランド産のラム肉ロースト。日本に輸入されるラムの中で、同国産のラムは1%しかなく、その希少なお肉をアイスランドラム協会認定店として提供しているのがポイントです。

その味は、僕が実際にアイスランドで食べたおいしさとまったく同じ。骨付きロース肉のステーキとなっていて、グイッと弾力を感じる上質な食感と、ジューシーな脂の甘みが特徴で、サッと消えていく繊細な脂の肉汁はラムならではかなと思います! そこに、赤ワインとオレンジのソースが、ほんのり甘酸っぱいコクのアクセントを演出します。

アルトゴット

住所東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-1 2F
電話0422-21-2338
営業時間11:30~14:45(L.O.14:00)、17:30~21:30(料理L.O.20:30、ドリンクL.O.21:00)
定休日月・木曜(祝日の場合営業/振替休あり)
webアルトゴット 公式サイト

【クロアチア】パプリカソースが決め手のラザニア風料理は必食「ドブロ」

画像: 【クロアチア】パプリカソースが決め手のラザニア風料理は必食「ドブロ」

南東ヨーロッパに位置するクロアチア。日本では、サッカーの強豪国としても有名です。アドリア海に面した美しい景観や、ドゥブロヴニクなど魅力的な世界遺産が多く、治安のよさから旅行先としても人気です。

新鮮なシーフードが豊富な国でもありますが、実は日本におけるクロアチア専門の料理店はほぼありません。そんな中、日本で唯一のクロアチアンレストランといわれるのが2003年開業の「ドブロ」です。東京メトロ「京橋駅」から徒歩2分、「東京駅」からも徒歩10分程度の場所にあり、1階はカジュアルな大皿のセットメニュー、2階ではコースメニューを提供。ランチも営業しています。

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クロアチアは、アドリア海を挟んでイタリアの対岸にあり、食文化的にもイタリアと近い国です。そこで僕がおすすめしたいのが、クロアチア風ラザニアの「シュトゥルクリ」。個人的にはイタリアのラザニアより生地に凝縮感があって、もちもちした弾力の強さを感じます。

味はラザニアとも、その原型ともいわれるギリシャのムサカとも別。あちらはトマトの酸味やチーズの濃厚なコクが印象的ですが、同店のシュトゥルクリはパプリカのクリームソースが味の決め手で、まろやかな甘さがおいしいです。また、平らなパスタの中にはフレッシュチーズが入っていて、ソースとの一体感もお見事。ぜひ、付け合わせのパンにもソースをディップして味わってください。

ドブロ

住所東京都中央区京橋2-6-14 日立第六ビル1F
電話03-5250-2055
営業時間11:30~14:30(L.O.13:30)、17:30~22:00(料理L.O.20:30、ドリンクL.O.21:30)
定休日月曜
webドブロ 公式サイト

【アラブ】スイーツも絶品。魅惑的な中東料理が目白押しな「パルミラ」

画像: 【アラブ】スイーツも絶品。魅惑的な中東料理が目白押しな「パルミラ」

池袋駅西口から徒歩8分ほどの場所にある「パルミラ」は、レバノン出身のシェフによるさまざまな本格アラビア料理を楽しめるレストランです。レバノンを中心に、シリアやサウジアラビア、エジプトなど中東の伝統料理が揃っています。

ケバブやファラーフェル(ファラフェル)といった日本で有名なメニューもあるほか、“世界一甘いお菓子”としてブームとなった「パグラワ(バクラヴァ)」は現地の有名菓子店「ハッラーブ」で修業したオーナーによる自家製で、スイーツも充実。シリアやエジプトの調度品が彩る空間で、異国気分を味わいましょう。

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イチオシは2品。ひとつは「カタヨフ」という予約限定のミニパンケーキです。通常の冷たい生タイプと揚げたタイプが選べます。おすすめの生カタヨフは、ふわっとやわらかい生地にミルクで作った湯葉とピスタチオがたっぷり入っていて、上品な甘みが口の中に広がります。

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揚げたほうはクルミやレーズン、ココナッツが包まれていて、サクッとしっとりした洋菓子系。

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そしてもう一皿のおすすめも予約限定で、「クーサ マフシ」というズッキーニの米詰めです。ソースをヨーグルトとトマトから選べ、おすすめは前者。中東には古くからヨーグルトをソースやドレッシングに使う料理が多く、酸味とコクを生かした味わいですごくおいしいんです。やわらかいズッキーニの中にひき肉とライスが隙間なく詰まっていて、ソースとも調和します。

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なお、今年の大阪・関西万博ではサウジアラビア館が話題になっていますが、そこで人気の「カプサ」という伝統的なアラビアンピラフは、同店でも食べられます。東京で現地出身のシェフが作るカプサは珍しいので、こちらも必食です。

アラビアンレストラン パルミラ

住所東京都豊島区池袋2-58-8 TOビル 2F
電話03-3981-8293
営業時間17:00~22:00(L.O.21:30)
定休日月曜
webパルミラ 公式サイト

【アフリカ】想像以上にやさしく親しみやすいテイストが特徴

アフリカからは、長年大使館で働いた腕利きシェフの店をピックアップ。比較的馴染みが薄いイメージのアフリカ料理ですが、一度食べてみると食べやすさに驚かされるはず。濃厚すぎず、辛さも控えめで、むしろやさしい味付けといえるでしょう。

【ケニア】ココナッツが決め手のチキンシチューが美味「マシューコウズ バッファローカフェ」

画像: 【ケニア】ココナッツが決め手のチキンシチューが美味「マシューコウズ バッファローカフェ」

ケニアから来日し、同国大使館で25年、アンゴラ大使館で3年働いたマシューコウさんが2015年に開業。場所は「五反田駅」または「大崎広小路駅」から徒歩約5分の場所にあります。

料理はケニアのカンバ族に伝わる伝統食がメイン。揚げ物と煮物が中心のシンプルな家庭料理は体にやさしく、日本人の舌にも合う味わいです。

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アフリカは全体的にシチューのような料理がメインに多く、ケニアはそのうえで、トウモロコシやお米を主食に肉や魚を食べる国です。

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ここは日本唯一ともいわれるケニア料理店で、僕のおすすめは「チキン カランガ」。こちらもシチュー的な一皿ですが、やさしい味とココナッツの甘い風味がおいしさの秘訣です。

チキンはさっぱりで、プリッとした食感も美味。野菜は人参やグリーンピースがアクセントになっており、具だくさんかつヘルシー。スープもサラッっとしていてスパイスの香りもしっかり感じられる、それでいて辛さはマイルドで食べやすく仕上がっています。

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中にはライスが隠れていて、スープが染み込んだやさしい味わいと、上からたっぷり振りかけられた、ココナッツの甘くまろやかなフレーバーが幸せな気持ちにしてくれます。店主のマシューコウさんは大使館で働いていた実力派かつ、元オリンピックの陸上選手というすごい経歴の持ち主。タイミングが合えば、ぜひ話しかけてみてください!

マシューコウズ バッファローカフェ

住所東京都品川区西五反田2-30-10 セブンスターマンション第一 1F
電話03-6431-8324
営業時間11:00~22:00
定休日月・日曜
Instagram@masyukos_gotanda

【モロッコ】大使館出身シェフの独自な美食をリーズナブルに楽しめる「ライアンレストラン」

画像: 【モロッコ】大使館出身シェフの独自な美食をリーズナブルに楽しめる「ライアンレストラン」

モロッコ出身のハサンシェフが、2022年にオープン。お店は西武新宿線「上石神井駅」北口から徒歩5分ほどの場所にあります。

ハサンシェフは、母国のレストランやホテルでの修業を経て来日し、モロッコ大使館で4年、サウジアラビア大使館では15年も勤務したベテラン。同店はモロッコやアラビア、加えてスペイン料理も提供する、モロッコ&地中海料理がウリの店です。

おぐグルメさんおすすめフード

数少ないモロッコ料理店の中でもシェフのレベルが高く、なおかつアラビアや地中海料理も食べられるお店はここだけかもしれません。リーズナブルでボリューミーかつ、シェフも気さくでアットホームな雰囲気がお気に入りです。

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お店のイチオシ料理は「タジン鍋」。ラム肉、トマト、玉ねぎなどの具材にプルーンが入ったこちらのタジン鍋は、ラムの味わいとプルーンのフルーティーな甘味が見事に調和しています。ちなみに、プルーンが入っているのは珍しいそう。隠し味のシナモンもアクセントになっています。
水をほとんど使わず、具材からの水分が染み込んでコクと旨みたっぷり。お祝いなど特別な時に食べる料理だそうで、付け合わせのパンとの相性も抜群です。

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そのほか、「サリード」もおすすめ。エジプト発祥の「ファッタ(ナスとひき肉のヨーグルトソースがけ)」をモロッコ風に仕上げた一皿で、ヨーグルトのなめらかなテクスチャーが、マイルドなコクと酸味で全体を包み込みます。

そして中にはやわらかくなった平たいパンが隠れていて、麺をすするかのごとく軽やかに味わえます。また、モロッコらしくタジン鍋で調理されているので、こんがりとした香ばしさや、ふっくら蒸された旨みが引き立っている点も独自ですね。

ここにはギリシャのムサカをモロッコ風に仕立てた料理もあり、本場よりもやさしい風味がポイント。ギリシャのムサカは濃厚な味なので、ひと味違う味わいと出合えますよ。

ライアンレストラン

住所東京都練馬区上石神井2-21-14
電話080-4088-9295
営業時間11:00〜15:00、17:30~23:00 ※金曜はディナーのみ
定休日なし
Instagram@hassan_abu_zakaria

【北中南米】山海の幸を異文化の融合で進化させた料理が魅惑的

ラストは広大なアメリカ大陸から、南米の2国にフォーカス。どちらも雄大な自然に育まれた伝統の食文化に、他国のカルチャーが加わった料理が満載。とっておきのメニューをピックアップしました。

【パラグアイ】独創的なイタリア風カツのランチがおすすめ「アミーゴ」

画像: 【パラグアイ】独創的なイタリア風カツのランチがおすすめ「アミーゴ」

東京メトロ「赤坂駅」から徒歩1分の場所にある、東京唯一とも称されるパラグアイ料理店「アミーゴ」。パラグアイはブラジル、ボリビア、アルゼンチンに囲まれた内陸国であり、海産物が獲れない分、肉と野菜が食文化の中心です。

同店では、パラグアイのご馳走である自慢の「アサード(骨付き炭火焼きステーキ)」をはじめ、現地の家庭的なメニューがズラリ。ランチから営業し、夜はパーティー向けのコースも充実しているので、お肉好きの人を誘ってみては。

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シンプルな「アサード」も絶品ですが、イチオシは「ミラネサ ナポリターナ」というカツレツ。パラグアイにはイタリア移民の影響を受けた食文化もあり、ミラネッサはミラノ風という意味なんですね。つまり「コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ」のパラグアイ版です。

薄くのばしたカツレツで、本場ミラノではビーフですが、チキンも選べます。上にはナポリピッツァのように、チーズとトマトソースがのっていて好アクセント。サクサク軽やかな衣の食感と、牛肉の弾力と旨みをしっかりと楽しめる一皿です。

レストラン アミーゴ

住所東京都港区赤坂2-13-17 シントミ赤坂第2ビル 203
電話03-6441-2717
営業時間11:00~14:00(L.O.13:30)、17:00~24:00(L.O.23:30) ※ランチは平日のみ
定休日なし
webレストランアミーゴ 公式サイト

【ペルー】モダンに昇華した牛肉の国民食は感動の味わい「べポカ」

画像: 【ペルー】モダンに昇華した牛肉の国民食は感動の味わい「べポカ」

世界遺産としても有名な空中遺跡、マチュピチュがあるペルー。アンデス山脈、太平洋沿岸、アマゾンという多様な風土が生む豊かな食材や、インカ民族の食文化にスペインの支配、アフリカやアジアなどからの移民カルチャーが融合したフュージョン料理は年々注目の的に。

近年は、そのルーツを昇華させたトップシェフも台頭。2023年には「世界のベストレストラン50」でペルーのレストランが南米初の世界一に輝き、今や世界中の一流シェフやフーディーから最も注目される美食がペルー料理なのです。「原宿駅」竹下口から徒歩9分の場所にある「べポカ」も、ペルー出身のシェフがクリエイティブな一皿を提供するレストランとして、高い人気を誇っています。

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「ミシュランガイド東京」の、ビブグルマン常連店。現在はディナーのみで、コース主体のモダンなレストランです。

画像20: 東京都内で味の世界旅行! マニア厳選の珍しい多国籍グルメで初めての味と出合う

おすすめは「ロモ・サルタード」という、牛肉と野菜を炒めた国民食といえる一皿です。中華料理の影響を受けているといわれ、醤油と酢で味付けするのが特徴で、同店ではペルー産の醤油を使った甘みと深みが秀逸。

別皿でライスが付くのですが、このソースだけでも食べられるほど。まさに頬が落ちそうなくらい、食べる手が止まらないおいしさなんです。そのとき給仕の方に聞いたところ、「ロモ・サルタード」は日本料理でいう出汁にあたり、いわば店の実力をはかる料理らしいのですが、ペルー出身のお客さんも日本では同店が一番と称賛するおいしさとのこと。

画像21: 東京都内で味の世界旅行! マニア厳選の珍しい多国籍グルメで初めての味と出合う

ちなみにもう一品、ぜひシェフのスペシャリテである「セビーチェ」もご賞味を。セビーチェは2023年にユネスコの無形文化遺産に登録されたマリネのような料理。近年日本でも知られつつありますが、とにかく同店のセビーチェは圧倒的なおいしさです。鮮烈な酸味があるものの嫌味は皆無で、洗練された味わいが余韻まで長く続く感動は、ぜひ体験いただきたい。

ベポカ

住所東京都渋谷区神宮前2-17-6
電話03-6804-1377
営業時間平日18:00~23:00、土曜17:00~22:00
定休日日・月曜不定休
Instagram@bepocah

都内の珍しい多国籍料理で初めての味との出合いを楽しもう

「なかなか海外旅行に行けないけど、現地の料理だけでも味わいたい」「あの旅で食べた料理を久々に近場で味わいたい」という人は少なくないはず。また、さまざまなグルメ情報が飛び交う中で、珍しい料理を食べてみたいという好奇心をもっている人もいるでしょう。ぜひ、この記事を参考に未知なる味との素敵な出合いを。

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