羽田空港からのアクセスが良い蒲田は、ディープな街並みに個性的な飲食店がひしめき、散策するだけでワクワクする街です。そんな蒲田は“羽根つき餃子の聖地”としても知られているほど、数多くの中華料理店が並びます。そこで、グルメライターがおすすめする餃子の名店5軒を紹介。聖地巡りはここを押さえておけば間違いありません。
取材・文:中山秀明
画像1: 蒲田の羽根つき餃子を食べ歩き。御三家などおすすめ店をグルメライターが厳選!

羽根つき餃子が生まれた街・蒲田の“御三家”とは?

日本全国あちこちの中華料理店で見かける羽根つき餃子。インパクトのある見た目に加え、パリパリの羽根とジューシーな餡とのコントラストが楽しい一品です。実はこの羽根つき餃子は蒲田が発祥で、1983年創業の「你好」(ニイハオ)というお店で生まれたと言われています。

「你好」創業者の八木功さんが中国・大連の焼き肉饅頭をヒントに考案した羽根つき餃子は、お披露目とともにたちまち人気となりました。そして「你好」の成功を受けて、蒲田の街には羽根つき餃子を提供するお店が続々とオープン。しだいに餃子の街と呼ばれるようになったのです。

画像: 羽根つき餃子が生まれた街・蒲田の“御三家”とは?

ブームを生んだ「你好」と、八木さんの兄弟や親戚が経営する2店舗は通称“御三家”と呼ばれ、リーズナブルでおいしい庶民の味として、連日多くのお客さんが足を運びます。今回はそんな蒲田の餃子を語るうえで欠かせない御三家をはじめ、おすすめの全5店舗をピックアップしました。

【你好 本店】好バランスで優しい味わい。羽根つき餃子の元祖

まずは御三家筆頭の「你好」から。京急蒲田駅すぐの立地にある本店は、東京都内に11店舗を展開する「你好」の総本山です。2016年に改装され、外観・内観ともシックなカラーでまとめられてスタイリッシュ。テイクアウトの窓口もあります。

画像: 【你好 本店】好バランスで優しい味わい。羽根つき餃子の元祖

名物の「羽根付き焼餃子」(5個330円・税込)は仕込みから焼き上がりまで、機械を使わずすべて手作業で作られます。豚肉は赤身と脂身を7:3ほどの割合で使用。野菜はキャベツ、白菜、長ネギだけで、ニラとニンニクは使いません。パリッとした羽根とモチッとした薄皮の食感、そしてジューシーかつ優しい味わいは、唯一無二のバランス感です。

お店で元祖・羽根つき餃子の深い歴史を感じながら味わう時間は、格別です。

你好 本店

住所東京都大田区蒲田4-24-14
電話03-3735-6799
営業時間11:30~23:00
定休日不定休
webhttps://nihao.co.jp/

【金春 本館】ぷっくりとして満足度抜群。白菜ベースのもちもち餃子

羽根つき餃子御三家の2軒目が「金春」(コンパル)。京急蒲田駅すぐのアーケード商店街のなかにあり、きらびやかな外観が目を引きます。ここは上下階の入店口が独立した2フロア構成となっていて、1階は大衆的。2階は通常のテーブル席のほかに円卓や個室も備えた、本格中華料理店の設えとなっています。

画像: 【金春 本館】ぷっくりとして満足度抜群。白菜ベースのもちもち餃子

オーダーを受けてから皮に包んで焼き上げるもちもちの「羽付焼餃子」(6個330円・税込)は、餡が詰まってぷっくりとしたフォルムに、パリパリの羽根がびっしりと付いた一皿。具材にはこちらもニンニクは使わず、野菜はキャベツの代わりに白菜を使用することで、さっぱりとジューシーに。一方で、野菜にはネギ油を、豚挽き肉には紹興酒を合わせてコク深さをプラスしています。卓上の酢や醤油のほか、ニンニクがたっぷり入ったタレもあるのでお好みで“味変”を。

ちなみに蒲田の餃子御三家はすべて「你好」創業者の八木功さんの親戚が経営していますが、食材や味付けは異なります。3店舗をハシゴして、食べ比べてみるのも面白いでしょう。

金春 本館

住所東京都大田区蒲田4-5-6 プロスペリアルビル1F・2F
電話03-3737-5841
営業時間11:30~24:00(L.O.23:30)
定休日第1月曜、第2月曜、第3月曜、第4月曜
※第1〜4月曜の中で祭日があった場合は翌日の火曜も定休日になります
※12月のみ定休日なしで営業
webhttps://g642600.gorp.jp/

【歓迎 本店】あふれ出る肉汁。インパクトのある技あり餃子

御三家の3軒目は「歓迎」(ホアンヨン)。お店はJR・東急線の蒲田駅から3分ほど歩いた、大田区の消費者生活センター1階にあります。広々とした店内ながら、常にお客さんで埋まっているほどの人気ぶり。

画像: 【歓迎 本店】あふれ出る肉汁。インパクトのある技あり餃子

「羽根つき焼き餃子」(5個300円・税込)は、豚バラや鶏の挽き肉と、白菜やニラなどさまざまな具材を餡に使用。さらには漢方薬で煮出したスープと生姜が混ぜ込んであり、インパクトのある味が特徴です。また、小籠包かと思うくらいあふれてくる肉汁もたまりません。ニンニクの効いた餃子ダレなどもありますが、餃子自体にしっかり味が付いているので、まずは何もつけずに食べてみましょう。

ちなみに御三家の3店舗はいずれも餃子専門店ではなく、大衆的な中華料理店。周辺には各支店も複数あり、餃子以外にもメニューが豊富にあるので、いろいろトライしてみては?

歓迎 本店

住所東京都大田区蒲田5-13-26 大田区立消費者生活センター1F
電話03-3730-7811
営業時間ランチ 11:30~14:00
ディナー 17:00~23:00(日曜のみ〜22:00)
定休日なし
webhttps://www.kangeigyoza.com/%E6%9C%AC%E5%BA%97/

【春香園 蒲田店】餡ぎっしりの羽根つき餃子と、多彩な餃子たち

「金春」創業者の息子さんが開業した、「春香園(シュンコウエン)蒲田店」も見逃せません。蒲田駅から徒歩3分の立地でアクセス至便。明るく広々とした店内にはテーブル席や円卓、TV付きの個室もあり、さまざまなシーンで利用できます。

画像: 【春香園 蒲田店】餡ぎっしりの羽根つき餃子と、多彩な餃子たち

「焼き餃子」(5個352円・税込)は、きれいな直線にカットされたきつね色の羽根と、丸っこいフォルムが印象的。丁寧に手作りされた皮の中には餡がずっしりと詰まっていて、「金春」の系譜を感じさせます。箸を入れると肉汁たっぷり。厳選食材を使用した餡には大変なこだわりがあり、キャベツや白菜の分量を季節ごとに変えているとのこと。餡に砂糖が加えられているのも特徴です。

また、同店では定番の焼き餃子と水餃子のほかにも「海老入り蒸し餃子」(605円・税込)など9種類の多彩な餃子がラインナップ。リピーター続出の餃子を多彩なバリエーションで楽しめます。

春香園 蒲田店

住所東京都大田区蒲田5-22-1
電話03-3733-7677
営業時間ランチ 11:00~14:00(料理L.O. 14:00、ドリンクL.O. 14:00)
ディナー 17:00~23:00(料理L.O. 22:30、ドリンクL.O. 22:30)
定休日不定休
webhttps://syunkouen.owst.jp/

【香楽園 蒲田西口店】肉のうまみが凝縮した、高コスパな羽根つき餃子

おすすめ餃子店のラストは、蒲田駅から徒歩1分の中国式居酒屋「香楽園(コウラクエン)
蒲田西口店」。こちらでは本場中国・大連出身のシェフによる、中国東北地方の料理も楽しめます。店内はナチュラル×深緑で落ち着きがあり、なおかつアットホームな雰囲気。肩肘張らずに楽しめる雰囲気になっています。

画像: 【香楽園 蒲田西口店】肉のうまみが凝縮した、高コスパな羽根つき餃子

毎日丁寧に仕込んでいるという「手作り焼き餃子」は、なんと5個で275円(税込)という破格のプライス。もっちりした食感の皮の中には、豊かな肉感の餡がしっかり。ダイレクトに感じられる肉のうまみと、野菜の甘みが凝縮された、コスパが優秀すぎる一皿です。

小ぶりで食べやすく、価格もリーズナブル。しかも朝まで営業している居酒屋でドリンクも豊富。ということで、ビールと餃子の黄金コンビをつい何度も繰り返してしまいそうですね。

香楽園 蒲田西口店

住所東京都大田区西蒲田7-29-3 第三久保井ビル1F
電話03-3733-0872
営業時間11:00~17:00、17:00~翌6:00
定休日なし

日本独自の発展を遂げた羽根つき餃子。今回ご紹介した蒲田のお店はどれもカジュアルながら、それぞれの歴史やストーリーを感じさてくれます。ご飯やビールの最高のお供として、気取らないメインディッシュとして。思いおもいの楽しみ方で、アツアツのできたてを“パリッ・ジュワー”とほおばってみてください!

※2022年9月7日に一部内容を更新いたしました

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