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JUL 17 2025

愛知ディープ探訪 ~八丁味噌と家康の面影が息づく岡崎を巡る

愛知県・三河地方に位置する岡崎市は、徳川家康の生誕地として名高く、東海三県(愛知・岐阜・三重)に根づく「八丁味噌」文化が色濃く息づくまち。今回の旅では、家康ゆかりの史跡を巡り、八丁味噌の味噌蔵を見学。味噌カツや味噌煮込みなどの地元グルメも堪能しました。さらに郊外の奥殿陣屋では、喧騒を離れた静かなひとときを過ごし、岡崎の奥深い魅力に触れる旅となりました。
画像: 愛知ディープ探訪 ~八丁味噌と家康の面影が息づく岡崎を巡る

西村 愛
2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎(実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典(PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。

家康を育んだまち岡崎、ビスタラインに導かれ武将の“はじまり”を感じる旅

昨今の歴史ブームの中、徳川家康と聞いて“岡崎”を思い浮かべる人もいるでしょう。この地は、天下人・家康の「はじまりの場所」。彼の生涯を語るうえで欠かせない“原点”です。
家康は1542年、三河国・岡崎城で誕生。戦国の世に生まれ、波乱の幼少期を経て天下統一を果たす道のりは、岡崎から始まりました。江戸に拠点を移した後も、岡崎への思いは生涯消えることがなかったと伝えられています。

まずは岡崎城が建つ岡崎城公園へ。ここは、市民の憩いの場であり、家康の面影が随所に残る歴史公園です。公園内には家康にちなんだ見どころが多く、開運スポットとしても知られています。
岡崎城内は整備が行き届き、年齢を問わず快適に見学できるのも魅力。風格を残しながら、誰にとってもやさしいつくりで、岡崎の歴史や文化にふれることができます。
この岡崎城は、別名「龍城」とも呼ばれています。名の由来は、“龍”にまつわる多くの伝説。そのひとつは、最初にこの地に城を築こうとしたとき、古井戸に棲む龍が現れ「龍神である自分を祀るように」と告げて、井戸から噴き出した水を浴びて姿を消した、という伝説。また、家康が誕生した夜に、城の上に黒雲が渦巻き、風を呼んで黄金の龍が現れたと伝わります。龍は岡崎を守る象徴とされ、市章も宝珠を握る龍の爪がデザインされています。
城内の東照宮「龍城神社」では、拝殿天井に注目を。そこには全長4メートル、幅2.5メートルの木彫りの龍が堂々と姿を現しています。職人の技が細部にまで宿る迫力ある彫刻は、まさにこの地を見守る守護神のよう。龍のまち・岡崎にお参りし、縁起にあやかってみてはいかがでしょうか。
公園内でひと休みしたいときは、食事処の「いちかわ」へ。家康をモチーフにした抹茶パフェは、兜型クッキーが目を引くご当地スイーツ。戦国のロマンを味わう、家康ゆかりのひと品です。

岡崎観光で外せない「大樹寺」は、松平家四代・松平親忠が建立した徳川家の菩提寺。桶狭間の戦いで敗れ、命からがら岡崎に戻った家康は、この寺で自害を決意しますが、住職の言葉に救われ、思いとどまったと伝えられています。
その後、家康の九男、尾張名古屋初代藩主の德川義直が、父をしのんで等身大の位牌を寄進。今では初代家康から十四代家茂まで、歴代将軍の位牌がずらりと並ぶ宝物館(有料)は必見です。家康が運命に立ち向かう決意を固めた地として、心に残る場所です。

さて、題名にもある「ビスタライン」とは、大樹寺から岡崎城へ約3km続く直線の眺望のこと。家光の代、大樹寺の伽藍を整備する際、本堂・山門・総門の中心に岡崎城が望めるよう設計されたのが始まりです。家康ゆかりの景観として、今も大切に守られています。

歴史と現代がやさしく溶け合う岡崎のまちを、家康ゆかりの地をたどりながら、ぜひ歩いて感じてみてください。

岡崎城公園

住所愛知県岡崎市康生町561-1
電話0564-22-2122
営業時間9:00~17:00(最終入館:16:30)
定休日年末(12月29日~12月31日)
URLhttps://okazaki-kanko.jp/okazaki-park/feature/okazakijo/top

龍城神社

住所愛知県岡崎市康生町561
電話0564-21-5517
URLhttps://www.tatsukijinja.or.jp/

岡崎公園 隠居曲輪 いちかわ

住所愛知県岡崎市康生町561-1
電話0564-22-2479
営業時間平日 11:00~15:00/土・日・祝 11:00~16:00
定休日水曜日
URLhttps://okazaki-ichikawa.jp/

大樹寺

住所愛知県岡崎市鴨田町広元5-1
電話0564-21-3917
URLhttps://daijuji.jp/

巨大な木桶が語る、八丁味噌四百年の物語

岡崎の町を歩いていると、ふと香ばしい香りに足を止めたくなることがあります。漂ってくるのは、三河の風土が育んだ伝統の味「八丁味噌」です。
八丁味噌は岡崎市八丁町で造られています。名前の由来は、岡崎城から西へ八丁(約870メートル)離れた「八丁村」で作られたことによります。
矢作川と菅生川(乙川)に挟まれた八丁村は、水運の要所として栄えました。湿度が高く、味噌の長期熟成に適した環境で塩も手に入りやすかったため、味噌づくりに最適な土地でした。川を使った舟運によって、原料や製品の輸送も盛んに行われていました。

この地では江戸時代から続く2つの老舗味噌蔵が今も伝統製法を守り続けており、大豆と塩だけを使い、木桶で二夏二冬(2年以上)じっくりと熟成させる独特の味わいが特徴です。
味噌蔵のひとつ「カクキュー」の見学に行ってきました。見学は、当日予約なしで参加することができます(団体の場合は要予約)。
「カクキュー」の創業は江戸時代初期。今も昔ながらの製法で仕込み、石積みで重しをして熟成が行われます。円錐状に積み上げた川石が味噌に均等な圧力をかけることで、ゆっくりと時間をかけて熟成が進んでいきます。
また、今や希少となった木桶を使うのも特徴のひとつで、桶内部に住み着いた微生物たちが穏やかな発酵を促し、複雑でまろやかな旨みを与えます。
見学では、八丁味噌の歴史や製造工程、職人の使う道具などについて、ガイドの説明を交えて学ぶことができます。最後には、八丁味噌を使った味噌汁やこんにゃく田楽の試食も。
敷地内にある飲食店「岡崎カクキュー八丁村」では、味噌煮込みうどんや味噌カツなどのメニューを楽しめる他、売店ではカクキューの味噌を使ったおみやげも購入可能。味噌パウダーを使ったソフトクリームは、クリーミーさの中にしっかりと味噌の風味が感じられる、ここならではのユニークなスイーツでした。
そんな八丁味噌をじっくり味わいたくて、グルメ巡りに出かけることにしました。その様子は、次の章でご紹介します。

カクキュー八丁味噌(八丁味噌の郷)

住所愛知県岡崎市八丁町69
電話0564-21-1355
営業時間10:00~16:00(見学) 9:00~17:00(売店)
見学スタート時間(平日)毎時00分(土日祝)毎時00分・30分
※12:30の回は当日店頭でお確かめください。
◎お盆と年末年始のご見学はホームページのお知らせをご覧ください。
定休日12月31日、1月1日、1月2日
URLhttps://www.kakukyu.jp/

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

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