梅雨時の秋田県は、体にまとわりつく湿度とともに、どこかヒンヤリとした心地よさを感じます。秋田県、男鹿半島。三方を日本海に囲まれた緑豊かな半島は、カルデラを有する自然に恵まれた土地。なまはげや豪快な猟師料理といった独自の文化が育まれ、一種特有の雰囲気を形成しています。
400年の歴史を誇る男鹿の禅寺で、訪れる人をあじさいが出迎えます
足を向けたのが、開びゃく400年を迎える曹洞宗の禅寺・雲昌寺です。副住職をつとめる古仲宗雲(こなか しゅううん)さんが、約20年前に境内に咲く1株のあじさいに心を奪われ、そこから枝分けを始めたといいます。今や2000株以上。満開の時期には一面を青色に染め上げます。
誰が言ったかその景色は、いつしか「極楽“青”土」と評されるように。四脚門の山門をくぐれば、幻想的な景色が広がります。禅宗様式の本堂に向かい、なだらかに傾斜して広がる境内にあわせて、起伏をなぞるように青色の絨毯が広がっています。
散策をするうちに迷い込んだ竹林の小径。涼しげな海風が頬をくすぐります。
手水鉢には色鮮やかなあじさいが浮かべられています。なんとも涼しげな演出がそこかしこに。
あじさいをモチーフにしたオリジナル御朱印帳(4,500円・税込)や御朱印(500円)、すべて絵柄の違う御守り(1,200円)、あじさいのプリザーブドフラワーを挟んだ肌守り(1,200円)など、オリジナルのお土産も魅力です。
酷暑を乗り切り、健気に咲く花の美しさに、心奪われて
ところどころに宮城県の工房で作られためんこい地蔵が訪れる人を柔和な表情で迎えてくれます。あじさいの手入れはすべて古仲さんおひとりでやっています。早朝に訪れたこの日も、ハサミを片手にていねいに剪定をされていました。
「昨年(2023年)の秋田は、8月に全国でももっとも平均気温が高く、その猛暑の影響で今はだいぶ花付きが悪いんです。例年の6割程度でしょうか」
ひと株から分けられた雲昌寺のあじさいは、いわばすべてきょうだい。100年に一度という酷暑を団結して乗り切り、健気に咲く花の美しさに凜とした力強さを感じずにはいられません。訪れた人に勇気をもたらす景色が、梅雨空の男鹿の港町に広がっています。
雲昌寺
住所 | : | 秋田県男鹿市北浦北浦字北浦57 |
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電話 | : | 0185-24-2100(男鹿市観光協会) |
あじさい観覧期間 | : | 2024年6月8日(土)~7月15日(月・祝) |
拝観時間 | : | 9:00〜17:00(最終入場16:30) |
あじさい期間拝観料 | : | 600円 ※6月22・23日、29・30日、7月6・7日は800円 |
web | : | 雲昌寺のあじさい 公式サイト(秋田県男鹿市公認観光情報サイト 男鹿なび) |
あわせて訪れたい景勝地
「八望台」
かつて高松宮殿下がご訪問された際に命名された、男鹿半島でも有名な景勝地です。東に一ノ目潟、西に戸賀湾から二ノ目潟に加え、北に白神山地、奥羽山脈まで、雄大な景色が広がります。吹き寄せる磯風が心地よい穴場スポット。ここから望む夕日は絶景です。
八望台展望台
住所 | : | 秋田県男鹿市戸賀浜塩谷和山 |
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あわせて訪れたい文化施設
「なまはげ館」
「泣く子はいねがぁ!」。全国的に知られる男鹿半島の伝承・なまはげを知ることができる施設です。実際に使われていた150枚以上のなまはげ面がずらりと展示され、ムービーの上映や企画展コーナーも。アプリでなまはげに変身できる仕掛けもあります。
なまはげ館
住所 | : | 秋田県男鹿市北浦真山字水喰沢 |
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電話 | : | 0185-22-5050 |
開館時間 | : | 8:30~17:00 |
休館日 | : | 年中無休 |
入館料 | : | 小中高生330円、大学生以上660円 |
web | : | なまはげ館 公式サイト |
あわせて訪れたいお土産スポット
「道の駅おが オガーレ」
店内は大型スーパーのような豊富な品揃え、獲れたての新鮮な海の幸がたくさん並び、値段もリーズナブルです。その場で三枚おろしにしてくれるサービスも。ほかにも特産品やグッズや調味料など、お土産のバラエティも豊富。地方配送も受け付けています。
道の駅おが オガーレ
住所 | : | 秋田県男鹿市船川港船川字新浜町1-19 |
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電話 | : | 0185-47-7515 |
物産館営業時間 | : | 9:00~17:00 |
web | : | 道の駅おが 公式サイト |
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