東北の最大都市といえば、宮城県の仙台市。この地を築いた伊達政宗公と伊達家にまつわる史跡や寺社の多い観光都市でもあり、県内には日本三景のひとつに数えられる松島や、蔵王の御釡など絶景スポットもあまた。そして、近海の魚介類や牛タンをはじめとする美食の宝庫としての魅力も見逃せません。
画像1: 仙台朝市商店街の魅力を解剖。多彩なグルメを食べ歩き&お土産で楽しもう

本記事では、そんな仙台の台所である仙台朝市(仙台朝市商店街)の魅力をご紹介します。アクセスは、仙台空港からJR仙台駅まで最速約17分。西口を出て、徒歩5分ほどで着くアクセスのよさも魅力です。

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※ “歩き食べ”はお控えください。マナーを守りながら観光やグルメを楽しみましょう。
※価格は税込み表記です。

仙台朝市とは?

1945(昭和20)年の終戦後、空襲で焼け野原となった仙台駅前にできた露店商の集まり、通称「青空市場」が起源とされる市場。1970年ごろまでは路地売りでしたが、1985(昭和60)年には「仙台朝市通り商店街連合会」が発足し、1992(平成4)年には「仙台朝市商店街振興組合」へ発展し、今に至ります。

画像1: 仙台朝市とは?
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お店によるものの朝8時から17時まで営業しており、日曜・祝日が市場の休業日。東北の最大都市である仙台には各地から山海の恵みが集まり、鮮魚店や青果店、惣菜店にベーカリーやカフェなどさまざまなお店が並び、古くから“仙台の台所”として親しまれています。

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市民はもちろん、飲食店を営むプロも訪れる品質の高さと安さも人気の理由で、国内外の観光客でも連日大にぎわい。ここでは約60軒あるさまざまなお店の中から、おすすめのグルメスポットを中心に仙台朝市の魅力をお伝えしましょう。

鮮度抜群のおトクな海の幸をその場で味わえる「浜伸」

仙台駅を背にして、商店街の右側にある大きな建物が「新仙台駅前ビル」。特に鮮魚店が多いエリアとなっていて、中でもおすすめしたいのが「浜伸 渡邊商店」です。

画像1: 鮮度抜群のおトクな海の幸をその場で味わえる「浜伸」

宮城を代表する海産物として有名なカキ、ホヤ、アワビをはじめ、季節によってはガゼウニ(バフンウニの別称)や、“幻”“日本一”と称される、閖上(ゆりあげ)の赤貝が並ぶことも。そのほか、タコ、ワカメ、ヒジキ、海苔は一年を通して宮城産となり、もちろん塩釜や桂島といった近くの漁港からも毎日のように新鮮な魚介類が届きます。

画像2: 鮮度抜群のおトクな海の幸をその場で味わえる「浜伸」
画像3: 鮮度抜群のおトクな海の幸をその場で味わえる「浜伸」
画像4: 鮮度抜群のおトクな海の幸をその場で味わえる「浜伸」

なお、市場のいくつかのお店には立ち食いスペースが設けられており、同店にも常設。そこでこの日は、最も旬な時季を迎えた「活ホタテ」(756円)と、塩釜港から届いた本マグロの大トロ(650円/3切れ)、そして超特大の「殻カキ」(540円)をいただきました。

画像5: 鮮度抜群のおトクな海の幸をその場で味わえる「浜伸」
画像6: 鮮度抜群のおトクな海の幸をその場で味わえる「浜伸」

どれも、仙台の市場ならではといえる、ピチピチの鮮度と濃厚な味わいが感動的。マグロやサーモンといった鮮魚の多くはサクの状態で販売されていますが、希望を伝えれば好みの量に切ってもらえるうれしいサービスも。宮城が誇る絶品な海の幸をおトクに満喫したいときは、ここに来れば間違いありません。

浜伸 渡邊商店

住所宮城県仙台市青葉区中央3-8-5 新仙台駅前ビル1階
電話022-222-2048
営業時間8:00~17:00
定休日日曜・祝日
web浜伸 渡邊商店(仙台朝市商店街 公式サイト)

からだにやさしく味は個性的なベーカリー「マルモ」

「新仙台駅前ビル」と道を挟んで向かいにあるのが「仙台朝市ビル」で、こちらにも生花や乾物など多彩なお店がずらり。その奥で異彩を放つ、隠れ家チックなベーカリーが「マルモ」です。

画像1: からだにやさしく味は個性的なベーカリー「マルモ」
画像2: からだにやさしく味は個性的なベーカリー「マルモ」

こちらは愛知出身の“もっさん”こと、岩間元孝さんのお店。岩間さんは美容師として地元で働いたのち、旅先で訪れた東北巡りの中で山形・蔵王に惹かれてベーカリー開業を決意。神奈川・鎌倉の人気店「パラダイス アレイ ブレッドカンパニー」で4カ月修業し、2010年の元旦に前身となる「マルモ」を蔵王温泉街にオープンしました。

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ここでもさまざまな出会いがあり、2019年に仙台朝市へ。隣には2018年オープンのロースタリーカフェ「110 COFFEE(イトーコーヒー)」があり、「マルモ」のパンはここでイートインできるのもポイントです。

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ライ麦以外は国産小麦を使い、自家培養の酵母を種に。無添加の素材を一つひとつ手で捏ね上げ、12時間以上の低温長時間発酵で生み出されるパンは、“場所が変われば家庭料理”であり、“罪悪感がない味を提供したい”という岩間さんのやさしさにあふれています。
おすすめは、一番人気の「シナモンロール」、“三方よし”の想いが込められた「ご機嫌クッキー」、基本的に注文を受けてから作る「サンドウィッチ」の自家製ハムサンドなど。

画像5: からだにやさしく味は個性的なベーカリー「マルモ」
画像6: からだにやさしく味は個性的なベーカリー「マルモ」

そのほか、もちもち食感の「85」(248円)、ピリッとしたアクセントが美味な「塩・胡椒フォカッチャ」(324円)、バターや卵を使わずに仕上げた「ビーガンブリオッシュ」(486円)なども絶品でした。ぜひ、お土産にもどうぞ。

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マルモ

住所宮城県仙台市青葉区中央4-3-28 仙台朝市ビル1階
電話050-7112-7863
営業時間パンが焼け次第(およそ8:00台)~17:00
定休⽇日曜、祝日(1~3月は日・月曜、祝日)
webマルモ 公式サイト

仙台名物「ずんだだんご」ならここ!「花笠だんご本舗」

仙台名物のひとつに、枝豆のあんで味わう和菓子「ずんだ」がありますが、仙台朝市で楽しむなら「花笠だんご本舗 おこわや」がおすすめです。創業は1973年。場所は「新仙台駅前ビル」と「仙台朝市ビル」のすぐ先です。

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だんごは多い日には400本が売れるという「ずんだ」のほか、「ごま」「しょうゆ」「こしあん」の全4種。1本150円で、ベースとなる米には粘り気の少ない宮城県産のひとめぼれが使われています。ずんだの原材料にも宮城県産の枝豆を用い、上白糖と塩によるシンプルな味付け。その分素材のうまみが豊かに感じられ、もちもちしただんごと、ずんだのホロッとしたつぶつぶ感とのメリハリも絶妙です。

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同店にはおにぎりやおこわも並び、これらはどれも1個170円。おにぎりは「みそ焼き」「しそ味噌」「高菜」「筋子」「鮭」「山菜のり」の6種類があって、午前中には売り切れるほどの人気。おこわは「山菜」「山菜のり」「赤飯」「ジャンボいなり」の4種で、こちらも14時過ぎには品薄となるのでお早めに。

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おにぎりには北海道産のゆめぴりか、おこわには宮城県産もち米のみやこがねを使い、それぞれの食感や味の特徴を生かすこだわりよう。だんごはおやつに、おにぎりやおこわはお弁当代わりに、という活用法もおすすめです。

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花笠だんご本舗 おこわや

住所宮城県仙台市青葉区中央4-3-27
電話022-261-7803
営業時間だんご 7:00~
おにぎり・おこわ 8:00~
※売り切れ次第営業終了
定休⽇不定休
web花笠だんご本舗 おこわや(仙台朝市商店街 公式サイト)

仙台グルメはもちろん地元の日常食も並ぶ「佐藤敬商店」

仙台朝市でお土産を探す際、ぜひ足を運ぶべきお店が「佐藤敬商店」。塩釜で練り物店を営んでいた先代が、1960年に仙台朝市で創業し今に至ります。祖業から続く練り物は種類豊富で、仙台名物の笹かまぼこはもちろん、おでん種などもずらり。

画像1: 仙台グルメはもちろん地元の日常食も並ぶ「佐藤敬商店」
画像2: 仙台グルメはもちろん地元の日常食も並ぶ「佐藤敬商店」

また、三陸産の干物や紅鮭も人気で、店頭にはこれらの海産物も並びます。地元の郷土食としては、笹かまぼこのほかに「三角油揚げ」(150円)や「しそ巻きみそ」(3串で540円)などもあり、これらも常温で持ち帰れるのでお土産には最適です。

画像3: 仙台グルメはもちろん地元の日常食も並ぶ「佐藤敬商店」
画像4: 仙台グルメはもちろん地元の日常食も並ぶ「佐藤敬商店」

二代目店主の佐藤誠さんは「仙台朝市商店街振興組合」の理事長でもあり、仙台朝市ならではの魅力を聞いてみました。ひとつは、アクセスのよさ。そして、他県には出回らないような生鮮食品が豊富に集まり、お得な価格で気軽に食べられる点にあると言います。確かに、ここに来れば納得!

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早いお店は朝6時から営業をしているそうですが、各店がオープンして商品がひと通り出そろうのは9時ごろとのこと。また、もし混雑を避けたいなら品切れの店はありつつも、14時以降がおすすめだそうです。ぜひご参考に。

佐藤敬商店

住所宮城県仙台市青葉区中央3-8-5 新仙台駅前ビル1階
電話022-222-2026
営業時間9:00~17:00
定休⽇日曜、祝日
web佐藤敬商店(仙台朝市商店街 公式サイト)

【番外編】朝限定のあっさり系ラーメン「伊藤商店」

最後に紹介したいのが、仙台朝市商店街と同じ通りにあるラーメン店「伊藤商店 仙台朝市店」です。こちらは仙台市青葉区落合の本店を拠点に各地へ出店しており、いくつかの店舗では朝ラーメンを提供。仙台朝市店は朝7時から10時まで(通常ラーメンの提供は15時まで)食べられ、夜は17時から居酒屋「ぼんてん漁港 仙台朝市店」として営業しています。

画像1: 【番外編】朝限定のあっさり系ラーメン「伊藤商店」

朝ラーメンはシンプルな「朝のかけらーめん」(500円)と、具材がしっかりのった「朝ラー」(600円)の2種類。麺の量は通常メニューと同じ160gながら、おトクな価格で楽しめます。

画像2: 【番外編】朝限定のあっさり系ラーメン「伊藤商店」

注文したのは「朝ラー」。スープは豚骨を弱火で炊いた清湯(チンタン)に昆布やカツオ節のダシを合わせ、さらに玉ネギ、ゴボウ、ニンニク、ネギの頭などの野菜ダシを調合。かえしは薄口醤油をベースに煮干しをほんのり効かせており、複層的なうまみが感じられます。

画像3: 【番外編】朝限定のあっさり系ラーメン「伊藤商店」

麺は、朝ラーメン文化が根付く福島・喜多方のDNAを感じる、加水率が高めの平打ちタイプ。朝にうれしいやさしい味わいでありながら、スープは甘みやコクが豊かで、もっちりとした縮れ麺がよく合います。豚バラチャーシュー、ほうれん草、メンマ、のりなどのトッピングも好アクセントで、満足度の高い一杯。一日のパワーチャージにも最適でしょう。

画像4: 【番外編】朝限定のあっさり系ラーメン「伊藤商店」

同店ではこのあっさりスープが「金の中華そば」で、10時以降も750円から数種のバリエーションで提供。また、甘めのかえしと豚の背脂で濃厚に仕上げた「白の中華そば」も800円から用意されています。期間限定の「極にぼ味噌らーめん」(950円)や、「ミニカツ丼」(350円)などとのセット(1,050円~)もあるので、しっかり食べたい方はこちらもぜひ。

伊藤商店 仙台朝市店

住所宮城県仙台市青葉区中央4-3-25 前原ビル1階
電話022-738-9350
営業時間7:00~15:00
※朝ラーメンの提供は7:00~10:00
定休⽇水曜
web雲の上カンパニー 公式サイト

東北旅行の目的地に、ぜひ仙台朝市を

仙台朝市で営業する約60店舗の中には、この記事でご紹介した以外にも、揚げ物が名物の「齋藤惣菜店ころっけや」や、乾物店の「正海屋」、プロ御用達の調味料や冷凍食材がそろう「サトー商会 仙台朝市店」など人気店が集まっています。

商店街の通り自体はほんの数分で歩ける範囲ですが、素通りするにはもったいない実力派ばかり。東北旅行のひとつの目的地に、ぜひ仙台の朝市探訪も加えてみてはいかがでしょうか?

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