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そんな東松島市を、客室乗務員でJALふるさとアンバサダーとして活動する髙瀨さんと共にめぐりましょう。「東松島市には何度か訪れていますが、今回の体験はすべて初めてなので楽しみです」。そう話す彼女と一緒に、1泊2日の東松島旅へ出かけます。
※撮影時のみマスクを外しています
〈1日目〉
東松島の真髄に出合えるアンテナショップ
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仙台空港から車で北上すること約40分。最初に訪れたのは、東松島の名産品が揃う「東松島あんてなしょっぷ まちんど」です。震災後、矢本地区商店街での営業を経て2018年、JR矢本駅前に移転となりました。Wi-Fi完備の休憩スペースがあり、地域のフリーペーパーや観光パンフレットも置いてあるため、現地での作戦会議にもうってつけ。
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店内でひときわ目を引くブルーの一角は、ブルーインパルスのグッズコーナー。東松島は航空自衛隊 松島基地があり、ブルーインパルスの本拠地でもあるのです。タイミングがよければ、市内の上空で飛行訓練を見られるかもしれません。
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東松島の名産品といえば、海苔。ミネラル豊富な海域と昭和初期から続く伝統の養殖技術が育む海苔は、厚みがあり香り高く、皇室へ献上した実績があるほど。生産者や浜によっても味わいが異なるので、食べ比べしてみるのもおすすめです。
同店ではさまざまな生産者の海苔を販売。さらに、海苔パウダーを練り込んだ名物「のりうどん」や海苔スイーツなど、ユニークなラインナップが並びます。
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「飲む地産地消」をコンセプトに、地場のフルーツや野菜をスムージー、ソフトクリームで楽しめるドリンクスタンドも併設。イチゴ、トマト、メロン、シャインマスカットなど、そのとき旬の素材を使い、作りたてを提供してくれます。
ピューレ状のトマトをトッピングした「トマトソフト」(税込350円)は、濃厚なソフトクリームとトマトの酸味が好相性。
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名物や気になるスポットの情報も入手したところで、「いちごスムージー」(税込400円)をテイクアウトして海へと向かいます。カップに貼られたブルーインパルスのステッカーは、飲み終わったらスマートフォンやノートに貼り替えて、旅のお守りに。
東松島あんてなしょっぷ まちんど
住所 | : | 宮城県東松島市矢本河戸342-2 ゆぷと1F |
---|---|---|
電話 | : | 0225-83-3391 |
営業時間 | : | 10:00~18:00 |
定休日 | : | 不定休 |
web | : | https://www.machindo-higamatsu.com https://www.instagram.com/machindo_higamatsu/ |
馬に乗って海辺を闊歩する。非日常のリゾート体験
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東松島は陸続きで行ける宮戸島があり、ちょっと車を走らせれば海が見える、宮城県でも有数のビーチタウン。旅するうえで絶対はずせない海を存分に楽しむため、とっておきの体験をしにやってきました。
待ち合わせ場所のビーチに現れたのは、「美馬森 八丸牧場(みまもり はちまるぼくじょう)」の皆さんと美しい馬たち。乗馬をしながら海辺散策ができる、「オーシャンライディング」を体験させてもらいます。
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まずは、馬の世界の流儀でご挨拶を。馬の鼻先に手の甲を差し出し、タッチしてもらえたら、「触っていいよ」の合図。首をさすってコミュニケーションをとります。
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乗せてもらったのは、メスのラムちゃん。インストラクターが馬をハンドリングしてくれるので、髙瀨さんのようなビギナーも安心です。心地いい潮風に吹かれながら、砂浜をゆったりと散策。8月限定で、海の中にジャブジャブ入っていくお楽しみタイムも。
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乗馬のポイントは、リラックスした状態で重心を下ろし、馬と呼吸を合わせること。ときどきたてがみを撫でたり、声をかけたり。そんなふれあいを通して、次第にラムちゃんと心が通じ合っていくのを感じたという髙瀨さん。「心を込めて挨拶することの大切さを改めて教えてもらいました」。
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まるで映画のワンシーン。馬と海との一体感を味わい、心が浄化されるような時間でした。
美馬森 八丸牧場
実施場所 | : | 東松島市内の海岸(時期や天候によって変動) |
---|---|---|
実施期間 | : | 5月上旬~9月上旬 |
料金 | : | 「オーシャンライディング」120分 平日19,800円、土日祝22,000 円 ※ともに税込・1名料金、2名以上で利用の場合 ※保険料、乗馬ヘルメット・ライフジャケットのレンタル料込み ※1週間前までに要予約 |
電話 | : | 090-9636-0325(受付時間10:00~16:00) |
web | : | https://mimamorijapan.com |
海を走る自転車で、日本三大渓を水上サイクリング
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続いてもう一つ、海でのアクティビティに挑戦します。その名も、「ウォーターサイクル」。自転車のようなペダルとハンドルが付いた乗り物を前に、「初めて見ました」と興味津々の髙瀨さんですが、それもそのはず。ヨーロッパで今人気のマリンスポーツで、国内で体験できる場所はまだ数カ所しかないそうです。
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自転車のように漕ぐことで、海上をスイスイ移動できる新感覚のアクティビティ。「自転車に乗れる人なら、誰でも乗りこなせますよ」と、ガイドしてくれた「KIBOTCHA(キボッチャ)」の笹川星さんが言う通り、髙瀨さんもすぐにコツを掴んで波に乗っていました。
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ウォーターサイクルに乗って、日本三大渓の一つに数えられる嵯峨渓(さがけい)を堪能できるのも、このアクティビティの魅力。遊覧船よりも近い距離で岩肌を見ることができます。荒波や雨風で削られた自然のアートは迫力満点!
KIBOTCHA
実施場所 | : | 室浜海岸 |
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実施期間 | : | 4月~10月 |
料金 | : | 「ウォーターサイクルで嵯峨渓遊覧」30分 税込3,300円~(1名料金、4名以上で利用の場合)※1週間前までに要予約 |
電話 | : | 0225-25-7319(受付時間10:00~17:00) |
web | : | https://kibotcha.com |
防災・SDGs意識が高まるサステナブルなステイ
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海遊びに興じた後は、「KIBOTCHA」のホームへ。こちらは2018年に誕生した、防災をテーマにした体験型宿泊施設。東日本大震災により被災し廃校になった旧野蒜(のびる)小学校をリノベーションした建物には、遊びながら防災を学べる体験ゾーンや宿泊ルーム、大浴場、レストランがあり、屋外エリアでは手ぶらでバーベキューやグランピングも楽しめます。
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海岸の砂が敷かれた屋外エリアは、森の中のビーチみたいな雰囲気。
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お待ちかねの夕食は、自家農園で農薬を使わずに栽培された野菜と、東松島や三陸の海でとれた魚介や肉でバーベキューです。
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素材のうまみをダイレクトに味わえるのはもちろん、電気やガスを使わない調理は災害時にも役立つ、というのが裏テーマ。ごはんは米のまま提供され、炭火で炊くところから始めます。
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海苔と並ぶ名産品の牡蠣は、プリップリで濃厚な味わいに感動!牡蠣は一般的に2年で出荷されますが、栄養豊富な海と生産者の努力によって、東松島の牡蠣はわずか1年で成長。その質の高さから、東松島は全国の養殖地へ種牡蠣を送り出す“牡蠣のふるさと”でもあるのです。
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バーベキューの炭は、牡蠣の養殖で発生した廃竹を利用してできたもの。使用後はさらに自家農園で活用するなど、地域の生産者と協力してサステナブルな取り組みにも力を入れています。
自分が今、食べているものがどのように作られているのか。自分にできることは何なのか。あれこれ思いをめぐらせる時間を過ごした髙瀨さん。おいしいものをおなかいっぱい食べられることに、改めて感謝したのでした。
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今夜の宿は、KIBOTCHA内のドーム型テントです。海の街ならではのアクティブな体験を通して、好奇心が目覚めると同時に、大切なことに気づかされた初日。安定感のあるドームテントの中は快適で、夜はぐっすり眠れました。
KIBOTCHA
住所 | : | 宮城県東松島市野蒜字亀岡80 |
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電話 | : | 0225-25-7319(受付時間10:00~17:00) |
定休日 | : | 火曜日(祝日・夏季は営業) |
料金 | : | 「BBQ&朝食付きグランピングドーム」税込22,000円(1名料金、2名以上で利用の場合) |
web | : | https://kibotcha.com |
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