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西村 愛
2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎 (実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典 (PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。 サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。
仙台ハシゴ酒!牛タン専門店「閣」、地元で大人気のおでん「こうぞう」。
仙台はグルメがすごい!…って言っても月並みにしか聞こえないのですが、やはり東北唯一の政令指定都市として、グルメに限らずショッピング、エンタメ、プロスポーツまでなんでもそろう街、仙台。
駅周辺には有り余るほどの飲食店がありますが、さらに駅から離れても小さな横丁や人気のお店が点在していて観光客としてはなかなか見つけにくいもの。「牛タンのお店」と言っても数多ある中からどうやって探せばいいんだろう…。
そんな中、心強いのは地元民。感度の高い友達が教えてくれたのは「閣」の牛タンタタキ。ポン酢とネギで食べる極上牛タン。お店の歴史は30年、現在は二代目も厨房に立っています。色んな料理のひとつとして牛タンも出す牛タン居酒屋も増えていく昨今、「牛タン専門店」として長年やっているお店はやはり信頼がワンランク上がりますね。ここにも秋保ワイナリーのワインがあって、それはとてもとても美味しかったのでした…!
仙台ハシゴ酒を勧められ、お次に向かったのは人通り少ない道沿いの、見逃してしまいそうな小さな入口、「おでんこうぞう」。地元民でなければ絶対に見つけられない場所にあるのに、店内は大人気の混雑ぶり。あっさりとした出汁が決めてのおでんと、店主のご出身である福島の日本酒をいただきました。おしゃれな雰囲気で若い方が多く、夜遅くまでに賑わっていました。
本物のずんだの美味しさを求めて。餅専門店の風格アリ「村上屋餅店」。
仙台では家庭でもよく作られるという「ずんだ餅」。お土産になっていたりスイーツになっていたりドリンクになっていたりと、仙台ではそこここでずんだが私を誘惑してきます。しかし私は本物を食べたい。
ということで食べに行ったのが「村上屋餅店」。
ここはずんだの専門店というよりも餅屋さん。様々な和菓子も販売するお店です。
「三色餅」は鮮やかなずんだを真ん中に、左右を固めるのは黒ゴマとくるみ。こちらのずんだは少し粒感を残して滑らかにつぶしたスタイル。枝豆(茶豆)の香りが良く素材の特徴がしっかりと出ています。
なによりも餅が美味しい。とろりと溶けるタイプではなくしっかりと噛み応えのある強い餅。餅本来の甘みは強すぎずどこかあっさりしていて、お菓子に使われるのに適していると感じます。宮城県もち米「みやこがね」を使用しているとのことです。
売り切れになる日も多いということなので、早めの時間を狙っていってみてくださいね。
一日に1店舗で4,000本を売り切った仙台ソウルフード「ひょうたん揚げ」
仙台の中心地、アーケード「クリスロード」にある「阿部蒲鉾店 本店(以下、阿部かま)」。
「笹かまぼこ」や「チーズボール」が人気のこのお店が、あるきっかけで生み出した商品「ひょうたん揚げ」を食べにやってきました。
平べったいかまぼこに「笹かまぼこ」という名称を付けたのがここ阿部かま。老舗である阿部かまが1985年の「第一回仙台 青葉まつり」で初めて発売したのがひょうたん揚げの原点となった商品です。そこで大人気を博し、定番化されていきました。
ひょうたん揚げは串に刺したかまぼこを甘い生地で包んで揚げたもの。まあるいボールが2つ刺さった様子から命名された、手軽に食べられるおやつです。イメージとしてはアメリカンドックの、誰もが親しんだ“あの味”に近いもの。初めて食べる私でさえも、どこか懐かしさを感じました。
現在は店舗も増え、一日に販売する本数はもっと多いそうなのですが、たったひとつのお店で売上本数4,000本を記録したことも。お店で配合するソースはケチャップベースで、オリジナル(普通)と辛いタイプ。生地に甘みがあるので辛いタイプも人気なのだとか。
ひょうたん揚げが発売されてから30年以上が経ちます。30代前半の人にとっては生まれた時からある「当たり前」で、これからますます定番仙台名物になっていくのでしょう。
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