
西村 愛
2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎 (実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典 (PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。 サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。

るーぷる仙台で主要観光地をまわる。仙台市内満喫の1日目。
「レンタカーを使わない」宮城の旅。それには、仙台中心部の市内のスポット16か所をつなぐ観光バスが便利です。
るーぷる仙台は仙台駅前を基点に20分ごとに走る循環バスで、一日乗車券を購入するとその日は何度でも乗り降り自由。ヨーロッパ風レトロなスタイルも可愛く、観光の足として大変重宝します。
最初に訪れたのは、土井晩翠の自宅があった場所に建てられた「晩翠草堂」。荒城の月の作詞家として有名ですね。年表などを観ながら詳しく説明が聴けます。
次は「瑞鳳殿」。仙台藩主伊達政宗以下、二代忠宗、三代綱宗の霊廟です。桃山風の建築様式を今に見ることができる、荘厳な中に華やかさのある建物が特徴です。

仙台駅前から観光地を網羅しながら市内を一周するシティループバス「るーぷる仙台」。一日乗車券で乗り倒します!
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運転手さんによっては簡単な観光案内もしてくださる方も。一日乗車券は3回乗車で元が取れますから、朝から使えば間違いなくお得です。
最初の降車は「晩翠草堂前」。土井晩翠の旧宅です。青葉通り沿いの、大都会のビルの谷間のような場所に突然現れる史跡で、詩人・英文学者であった土井晩翠の邸宅跡です。
晩翠は質屋を営む商家の生まれで、この家ももとは500坪もある豪邸でした。しかし、戦火により家はもとより蔵まで焼失。その後、晩翠を慕う友人や生徒から贈られたのが現在の晩翠草堂です。
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和風庭園には土井晩翠像。土井晩翠は東京帝国大学(現・東京大学)英文科へ進学。その後3年間のヨーロッパ留学を経て仙台へ戻ってきました。その時晩翠は34歳、80歳で亡くなるまで仙台で過ごしました。
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作詞を手掛けた「荒城の月(作曲:滝廉太郎)」はあまりにも有名。
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さて次のスポットは「瑞鳳殿」。雨が似合うアジサイがあちらこちらに咲いています。ここは、独眼竜で知られる仙台藩初代藩主伊達政宗の御霊が祀られる霊屋です。
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瑞鳳殿へと向かう参道は階段です。樹齢380年余ともいわれる杉の大木が左右に迎えてくれます。
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瑞鳳殿手前にあるのが「涅槃門」。ここからすでに風格が漂っています。雨がひどかった時間帯です…。
「来世」を意味する涅槃門をくぐり中へ入ると、いよいよ伊達政宗公の眠る墓所へと近づきます。
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石垣も大変趣があります。雨のおかげで風景が色濃くなり、より厳かな雰囲気に感じられました。
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瑞鳳殿。政宗公は数々の副葬品とともにここに葬られました。
昭和6(1931)年に国宝指定されましたが戦火により焼失し、その後再建されました。

派手な装飾で色鮮やかです。黒漆塗りに彩色が加わり、金の装飾があしらわれ、豪華絢爛といったところです。
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近づいて見ることが出来ます。瑞鳥や飛天、鳳凰などを立体的に形作った彫刻で飾られていて、まさに江戸初期廟建築の代表格です。

扉には大きく伊達家の家紋である「竹に雀」。この竹の葉の文様が、仙台名物「笹かまぼこ」になったともいわれています。
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屋根の上にある竜頭瓦は平成13(2001)年に復元されたもの。この写真の2体が阿・吽になっていることがお分かりでしょうか。
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当時の本物の竜頭瓦は戦火から焼け残り、松島町に保管されていたそうです。現在は瑞鳳殿のすぐ横に里帰りしています。

悪天候により、ゆっくり…というわけにはいきませんでしたが、伊達家の威風をしっかりと感じられる史跡でした。長い坂と階段があるので、歩きやすい靴でお参りすることをオススメします。
宮城県美術館併設のミュージアムカフェ「カフェモーツァルト フィガロ」。
瑞鳳殿ではかなり雨に降られてしまったので少し早めに切り上げて、るーぷる仙台でさらに旅を進めていきます。
宮城県美術館は仙台の大学や博物館などが多く集まる文教地区にあります。ここに併設するレストラン「フィガロ」は2011年にオープンしたお店。40年以上の歴史がある「カフェモーツァルト」が仙台市内に構える6店舗のうちのひとつです。美術館に入館しなくてもカフェとしての利用が可能です。
人気メニューは季節野菜のラザニアと、フルーツを花びらのように重ねたタルト。美術館のカフェらしく、特別展示の内容に合わせて考案された限定メニューなどもあって、美術鑑賞とグルメをセットで楽しむこともできそうです。
ソファ席やテラス席もあって旅の途中の休息にぴったりのカフェでした。
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2つのスポットをまわり、ちょうどランチタイム。瑞鳳殿前バス停から約15分、るーぷるに揺られてやってきたのは「宮城県美術館」。
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美術館に併設するミュージアムカフェ「カフェモーツァルト フィガロ」。
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カラフルな椅子がランダムに並べられた店内。おしゃれな空間で、窓からさす光で明るい雰囲気です。
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テラス席も楽しめます。デザイナーズチェアの「トムバック・チェア」がたくさん。「ワシリーチェア」もありました。
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オーダーは「季節野菜のラザニア」。パンとサラダ付。
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ベシャメルソースとミートソース、数種類のチーズ。それぞれの塩加減とバランス、旨味を重ねた一皿。
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最後までアツアツ。あっという間に完食しました!
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人気のスイーツはメロンを重ねたタルト。
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タルト生地を遥かにしのぐフルーツの高さ。ボリュームの面でも満足度高そうですね。フルーツは季節により変わります。
国宝・大崎八幡宮へ。るーぷる仙台の特典も受けられる!
るーぷる仙台でまわる4ヵ所目のスポットは「大崎八幡宮」。その歴史は平安時代に遡ります。
この地に八幡宮が建てられたのは慶長12年(1607年)のこと。安土桃山時代の建築及び意匠を今に残す社殿は、当時豊臣家に仕えていた一流工匠・絵師などによって装飾が施されました。絢爛豪華で威厳と風格に満ちていて、仙台藩伊達家の繁栄を感じさせます。
大崎八幡宮では、るーぷる仙台の一日乗車券を提示して、特典のポストカードをもらうことができました。
訪れた日は七夕祈願祭が行われていたため、拝殿前には笹と短冊によるアーチがかかっていました。さらさらと鳴る音に涼しさを覚え、また、まるで虹の下をくぐるような神秘的な体験を味わいました。
大崎八幡宮の御由緒や歴史については公式サイト( http://www.oosaki-hachiman.or.jp/ )でご確認ください。
美術館を後にし、るーぷる最後の立ち寄り地へ。国宝に指定される「大崎八幡宮」です。

二の鳥居をくぐると目のまえには大石段。98段とも100段とも言われる階段は創建当時のまま。

かなりきつい階段となります。雨の日は慎重に…。
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階段右手には三日月の灯篭がありました。

階段上にあるのは三の鳥居。ここにかかる扁額の「八」の文字は良く見ると向き合う鳩になっています。扁額の文字は仙台藩五代藩主伊達吉村公の揮毫だということです。
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国宝の社へ向かう手前にある長床。ここをくぐれば国宝の御社殿。
この季節は七夕祈願祭のための笹飾りがあり、美しいアーチを描いていました。

拝殿から石の間、そして本殿へとつながる権現造。社殿の左側から奥の本殿も見ることが出来ました。

黒漆塗りと極彩色の彫刻や飾り金具がふんだんに使われており、装飾技術の粋を集めた社殿です。ご利益は厄除け、必勝、安産、無病息災などなど様々。特に必勝祈願としては、サッカーのベガルタ仙台や野球の楽天イーグルスの選手も奉納祈願を行っているとのこと。

るーぷる仙台一日乗車券を見せると、ポストカードがいただける特典もあります。厳かな気持ちで訪れ、そして元気とパワーをもらって帰りたいですね。
後編はこちら
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