旅を愛する人、旅に慣れている人には、自分にとっての旅の必需品がきっとあるはず。ときには直前に慌ただしくパッキングしてしまうこともあるけれど、改めて旅の持ち物をじっくり見直してみると、旅がもっと楽しく、心地良いものになるかもしれません。
この記事では、モデルの小谷実由さん、ファッションデザイナーの苅田梨都子さん、グラフィックデザイナーの脇田あすかさんの「旅の持ち物」をご紹介します。旅が好きな三人が、「旅の必需品」や「旅先の街歩きで使いたいもの」など、それぞれの視点で選びました。

モデル・小谷実由さんの旅の持ち物

画像1: 旅を愛するモデル、デザイナーたちが選ぶ。「おすすめの旅の持ち物」

小谷実由さん

1991年東京生まれ。14歳からモデルとして活動を始める。自分の好きなものを発信することが誰かの日々の小さなきっかけになることを願いながら、エッセイの執筆、ブランドとのコラボレーションなどにも取り組む。猫と純喫茶が好き。通称・おみゆ。
Instagram:@omiyuno
X(旧Twitter):@omiyuno

旅先で気付いたことを書くためのノート、身だしなみを整える最低限のアイテム

画像: 旅先で気付いたことを書くためのノート、身だしなみを整える最低限のアイテム

1.オリジナルトートバッグ
旅先で立ち寄ったお店で買ったオリジナルトートバッグ。バッグはサイズや種類違いでいくつか持っていきますが、その土地でゲットしたものをすぐ使いたいタイプ。その土地に少し染まった気になれます。

2.スカーフ
移動やお店で寒いときには防寒として。日差しが強いときには日除けとしても大活躍。バッグにリボン結びにして飾りにもできるし、くるくるとコンパクトに丸めて収納もできるので場所を取らず便利。

3.ノート
いつもとは違う場所を歩いたり、文化に触れたりすることが多いので何か思いついたり気付いたりすることも頻繁にある。スマホにメモも手軽でいいですが、その土地で自分の手で書くことも特別。

4.サングラス
日差しが強いとき、日傘を使うと手が塞がってしまって写真を撮ったりすることが億劫になってしまうので、できるだけ手ぶらでいたい。そんなときに前述のスカーフとこのサングラスでUV対策。

5.コンパクトタイプの鏡
身だしなみを整える最低限のアイテムその1。たくさん食べ歩きをした後などに口に食べ残しがついていないかチェック必須です。

6.ポケットティッシュ
トイレに紙がなかったり、手を拭いたり、飲み物をうっかりこぼしてしまったり、何かと持っていると安心なアイテム。シンガポールでまとめ買いした可愛いパッケージのお気に入りティッシュ。

7.カメラ
旅は記憶に残しておきたい光景が目の前に多く現れます。スマホだと無意識に何も考えずに撮ってしまいそうになるけど、カメラを構えるという行為があるだけで、撮りたいものを考えて撮るという気持ちでシャッターが押せる気がしています。

8.櫛
身だしなみを整える最低限アイテムその2。長時間いろんなところを回り、たくさん歩いていると疲れて髪もボサボサに。トイレに行くたびにサッと梳かして整えると気持ちもリセットされます。

9.お財布
旅は普段のお財布は使わずに別のお財布にします。そのときに使う最低限のクレジットカードや小銭とお札が見やすいように、大きめの小銭入れやポーチをよく使います。

10.飴
ホテルのエアコンや乗り物の移動などで喉がカサカサになりがちなので、いつも常備しています。旅している土地の飴を選んで買うのも好き。

11.ハンドローション
レコードや古道具屋さんなどでいろんなものを触りながら見るとき、外で食べ歩きをするときなどに手を清潔にするのに便利。

12.固形のスティックタイプの日焼け止め
しっかり塗りこんでいても、一日中外にいると汗をかいたりして塗り直しが必須。液体タイプだと重かったり塗った後の手のベタつきなどが気になったりしますが、こちらだと軽量だし、手軽にサッと塗れるので便利。

普段だったらあまり選ばないけれど、台湾の土地の雰囲気に合わせて手に取った紫のバッグ

先日台湾に行ったのですが、台湾のお店で買ったトートを早速旅で使いました。普段はこんな鮮やかな紫のバッグを選ぶことはあまりないのですが、土地の雰囲気に気分が乗って手に取ることができました。持ってきていたスカーフとの組み合わせもお気に入り。

出向いた土地に、自分なりの姿勢で溶け込みたい

心配性なので、旅はいつにも増してあれもこれもと準備したくなりがち。でも、せっかくの旅先での散歩や買い物は身軽な状態で楽しみたい。普段はいつもメイクが崩れていないか気になってコスメをたくさん準備して出掛けてしまうけど、行く場所によってはナチュラルな飾らない自分でいるのもまぁいいかと思えることもあって、最低限の持ち物だけでいいやと肩の力が抜けるときもある。持ち合わせているものによって、その日の自分がどんな自分でいたいのかがわかってくるなと最近気付きました。それは、出向いた土地に自分なりの姿勢で溶け込みたいという気持ちの表れでもあるのかもしれません。

ファッションデザイナー・苅田梨都子さんの旅の持ち物

画像3: 旅を愛するモデル、デザイナーたちが選ぶ。「おすすめの旅の持ち物」

苅田梨都子さん

1993年岐阜県生まれ。母が和裁士で幼少期から手芸が趣味となる。
バンタンデザイン研究所卒業後、梨凛花を6年間手掛ける。
現在は自身の名を掲げたritsuko karitaとして衣類・ジュエリー・香水など幅広くデザインを手掛ける。
その他、Hanako web にて『苅田梨都子の東京アート訪問記』連載中。
洋画専門チャンネル『ザ・シネマメンバーズ』にてコラム連載中。
Instagram:@ritsuko627

絶対にタオルハンカチ派、サングラスをネックレスに引っ掛けて持ち歩く

画像: 絶対にタオルハンカチ派、サングラスをネックレスに引っ掛けて持ち歩く

1. 旅先で購入したトートバッグ
美術館や旅先ではトートバッグやグッズを購入することが多く、すぐ使用します。

2.愛用している財布
財布はお気に入りのものを1つ愛用し続けています。この財布はレザーに毛がついていて時々撫でることもあります。ぬいぐるみのような気持ちで持ち歩いていて、旅先でも安心感があります。

3.エッセイ本・巾着
旅先で美術館を訪れる予定があったので、展示に参加している方のエッセイを旅のお供に。ちょうど好きな方だったこともありますが、気持ちを高めるためにも目的に沿って選びました。本の表紙は取ってしまうタイプで、保護のためにいつも巾着に入れています。

4.ショルダーバッグ
最近購入したお気に入りのバッグ。コンパクトに見えてマチが広く、カメラや財布、日焼け止めなどある程度の量が入ります。両手が塞がらないようにショルダータイプを選びました。2wayで持ち方を変えられるところもお気に入りです。

5.ネックレス・サングラス
サングラスは最近、ファッションのポイントとしても使うことが多いです。サングラスチェーンではなくネックレスに引っ掛けアクセサリーのように身につけて。日差しが眩しいときにはすぐにサングラスを身につけられて便利です。

6.タオルハンカチ
わたしは絶対にタオルハンカチ派です。今回はコンパクトかつ持ち物や美術館にも合う柄を選びました。

7.ポーチ・ペン・充電器
スキンケア以外の持ち物は黒の小さなポーチに入れて。旅先で充電がなくなっても困らないようにと、ちょっとしたメモを取る用に念のため忍ばせて。

8.ミニノート・チケット・フライヤー
映画の半券や美術館のチケットはノートにまとめて貼っています。できるだけ持ち帰って後ほど軽くまとめる用に簡単なメモやチケットを保管しておきます。

9.巾着ポーチ・ハンドクリーム・リップ・かゆみ止め
よく使うものは巾着ポーチにまとめています。ハンドクリームは移動時間が長く気分転換にもなるので気に入った香りのものを。

10. ミラーレスカメラ
写真には写っていませんが、旅のお供としてミラーレスカメラをいつも携えています。コンパクトで軽く、Instagramなどの投稿にも使用しています。

11.お菓子
こちらも写真には写っていませんが、移動時間やちょっとした待ち時間にもお菓子は必須です。この日はグミやチョコを持ち歩きました。

箱根のポーラ美術館に日帰り旅行。2wayのショルダーバッグが便利

この日は箱根のポーラ美術館へ日帰り旅行。モノトーンな装いで、自身のブランドの服に合わせ黒のショルダーバッグを合わせました。室内の展示では肩に掛けて鑑賞しましたが、外の遊歩道ではお散歩気分で手に持ち散策しました。リュックほどアウトドア感がなく、かつ大容量のバッグはちょっとした旅のお供にぴったりです。

色合いやテイストをまとめ、自分自身をより高揚させる

いつも愛用している持ち物を中心に、本や服装は目的に合わせたテーマに揃えることで、よりその場所を楽しめるような気がしています。また、持ち物は多すぎず、化粧品などはミニマムにお気に入りのものだけ持ち歩くようにしています。「色合いやテイストをまとめ、自分自身をより高揚させる」をテーマに持ち物を準備しています。

服装は22SSコレクションで制作したブラウスと23AWの新作パンツのサンプルを合わせました。トップスは日本画からインスピレーションを受けて制作したブラウスに古着のレーストップスを重ねて着用。今回の展示内容が日本画であったため、テーマに合わせました。

グラフィックデザイナー・脇田あすかさんの旅の持ち物

画像5: 旅を愛するモデル、デザイナーたちが選ぶ。「おすすめの旅の持ち物」

脇田あすかさん

グラフィックデザイナー・アートディレクター。1993年生まれ。東京藝術大学デザイン科大学院を修了後、コズフィッシュを経て独立。あらゆる文化に対してのデザインに携わりながら、豊かな生活をおくることにつとめる。
Instagram:@wakidaasuka

1枚持っていると重宝するスカーフ、香りにまつわるアイテム

1.和紙のバケットハット
帽子は旅行に必ず持ち歩きます。暑いときも寒いときもこれがあって良かった! と思う。この帽子は和紙が織り込まれており軽くて通気性も良く、折り畳んでもシワにならないので、とっても扱いやすいです。

2.普段のコスメ
旅に出るときこそ、素敵な自分でいたい。メイクを楽しみたいので(これだけは嵩張るのも我慢して)自宅で使っている化粧品をほぼそのまま持っていきます。ミニサイズが展開されているものはそれを旅行用に使ったり。

3.詰め替え容器
シャンプーやリンスも普段の愛用品を必ず持っていきます。さすがにそのまま持っていけないので詰め替え容器に入れますがそのときに便利なのが、シリコン性の容器。ぎゅっと絞れるので詰め替えたものを最後まで余すことなく使えます。

4.スカーフ
帽子と同じで、1枚持っていると重宝します。少し冷えるときに首元に巻いたり、スーツケースの持ち手に結んでおいて目印にしたりも。

5.ポーチの中の便利な小物たち
小さな手鏡は、出先でさっと日焼け止めやリップを塗りたいときに欠かせません。爪が弱くて割れやすいので、爪切りに不意のトラブルで何度助けられたことか……。また、矯正中なので持ち歩き用の歯間ブラシも大活躍。ブラシ部分に専用ケースがついているものは持ち運びにぴったり。

6.携帯充電器
荷物は減らしたいけれど、ないと不安……な充電器。小さなサイズでコードレスの携帯充電器があると安心。

7.香水
いつもと違う香りに身を包んで非日常を楽しんだり、はたまた毎日と同じ香りを纏わせて心を落ち着かせたり……香りにまつわるアイテムを持っていくと旅をより一層楽しめます。

8.サングラス/折り畳み眼鏡ケース
日中で歩くときはサングラスも必需品。眼鏡ケースは折りたたみ式のものを使っています。入れていないときはぺたんとたたむことができるので嵩張らないです。

9.薄手のワンピース
コンパクトにたためるワンピースは旅にぴったり。薄くてシワになりにくいものは、持ち運びに本当に助かります。写真の真っ赤なものは薄手なのにウールで手触りも良く、お気に入り。

10.小さなバッグ
旅の中で、ちょっと外へ出るようなときに1つあると便利。小さすぎず、飲み物も入るくらいのサイズ感がとっても使いやすいです。

札幌のモエレ沼公園を自転車で走るときに大活躍した、和紙のバケットハット

天気の良い初夏のある日、札幌のモエレ沼公園に伺いました。まだ肌寒いはずがこの日は例外的に暑いくらいで日差しも強く、帽子が大活躍。自転車を借りて、広大な園内の景色や心地良さを隅から隅まで満喫しました。

便利なだけでも嫌だし、お洒落なだけでも疲れちゃう

旅のパッキングをするとき、いつも真剣になります。まず天気予報をくまなく確認して、数日分の衣装を決める。暑さ・寒さに対応できるようなアイテムは必須。いつも使っているお気に入りのアイテムはなるべくそのままごそっと持っていくと、気分が良い。でも、どこからどこまでを持っていこうか。

なるべくストレスになりそうなことを排除しつつお気に入りの香りとアイテムを纏って、ご機嫌で素敵な自分としてその土地に立てるようにしたい。便利なだけでも嫌だし、お洒落なだけでも疲れちゃうので、自分で良いバランスを見極めます。そう、その計画もまた楽しいのです。

旅の準備をこだわると、旅を楽しむ選択肢がもっと広がる

普段の自分の心地良さを大事にしながら、その土地だからこそ新しいチャレンジができるようなアイテムも選んでみる。三者三様のこだわりが光りながらも、いつもの自分と、非日常の自分を行き来するようなセレクトが共通していました。

旅の準備から、旅はもう始まっています。みなさんは、次の旅に何を持っていきますか? この記事を通して、旅を楽しむ選択肢が広がりますように。

画像8: 旅を愛するモデル、デザイナーたちが選ぶ。「おすすめの旅の持ち物」

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