2021年7月、世界遺産委員会により「奄美・沖縄」が世界自然遺産に認定されました。登録された地区の中から、今回は沖縄本島北部「国頭村、大宜味村、東村」3村、やんばるエリアを旅します。貴重な生物や亜熱帯に属する森林、絶景スポットをネイチャーガイドと巡りながら、沖縄の自然を堪能します。
画像1: ネイチャーガイドとまわる深い森と青い海 沖縄やんばる1泊2日

西村 愛

2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎 (実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典 (PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。 サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。

画像2: ネイチャーガイドとまわる深い森と青い海 沖縄やんばる1泊2日

沖縄北部みやげと世界自然遺産グッズが豊富「道の駅ゆいゆい国頭」

国道58号線沿いにある国頭村の道の駅は、三角屋根が目印。敷地内にはレストランやフードコート、周辺にはコンビニもあり、村内では賑やかなエリアです。北部の観光情報や世界自然遺産に関連するパンフレットや資料、地元のおみやげなどが並ぶ、比較的大きな道の駅です。
おみやげのアイテム数は約3,000。
ぷるん、もちっとした「くんじゃんナントゥ」は甘さ控えめの黒糖味。“ういろう”をもちもちさせたような食感で、最後に香る生姜がアクセント。
「からぎ茶」は国頭村で親しまれているお茶で、爽やかシナモンの香り。
他にも新鮮な地元の野菜やフルーツなども販売。冬の時期はタンカン、夏にはパイナップルやマンゴーも並びます。

2021年、世界自然遺産に登録されたのを機に、「世界自然遺産登録 特産品コーナー」も設置。関連したステッカーやTシャツなど、旅の記念になるものが揃います。
北部観光の際には必ず立ち寄りたい道の駅ですね。

道の駅ゆいゆい国頭

住所沖縄県国頭郡国頭村字奥間1605
電話0980-41-5555
営業時間9:00〜18:00

辺土名商店街で70年以上の歴史 宮里菓子店「クニガミドーナツ」

前で紹介した「道の駅ゆいゆい国頭」でも大人気という、クニガミドーナツ。このドーナツを製造しているお店は、道の駅から少し北へ移動した辺土名商店街の中にあります。
宮里さんご夫婦が営む和洋菓子の「宮里菓子店」。初代から受け継ぎもうすぐ50年という、地元で愛され続けているお店です。
人気のケーキはスポンジの中に生クリームとバナナを入れた「バナナボート」。他にも法事のお菓子や季節の行事に合わせた和菓子なども手掛ける、地元密着のお菓子屋さんです。

今から14~15年前、地元の食材を使って何か作れないかと商工会から持ち掛けられ、ドーナツを作ることになりました。考案したレシピを基に当初は町の3つのお店で作られていましたが、現在はここ、宮里菓子店だけで製造されています。

ドーナツは機械を使わず手作り。前の晩に仕込んだ生地を一度寝かせて、次の日の朝に揚げます。沖縄産全粒粉小麦やきび糖、タピオカ粉、地元の豆乳、そしてココナッツミルクを使います。卵や牛乳などの動物性を使わず、保存料も入っていないので、大人も子どもも安心して食べられますね。
フレーバーは5種類。プレーン、チョコと、地元の「タンカン」「パイナップル」「からぎ茶」があります。
お菓子屋さんとつながった「コーヒーの店M」で、おいしいコーヒーとともにドーナツを楽しむこともできます。

宮里菓子店

住所沖縄県国頭郡国頭村辺土名117
電話0980-41-2392
定休日月曜日

沖縄ネイチャーガイド推薦!花と池を眺めながら食べる牛そば「やまびこ」

「大石林山」のガイドである服部さんおすすめの飲食店が、定食や沖縄そばを食べられる「やまびこ」。
地元の人が通うお店で、手頃なお値段でお腹いっぱいになれるのが魅力です。
また、沖縄北部名物でもある「牛肉そば」もメニューにあります。
牛肉そばはもやしと牛肉を胡椒などのスパイスを加えて炒め、沖縄そばにたっぷり乗せた麺料理。炒めた牛肉のコクと旨味が、スープにこれでもかと溶け込んでいます。麺は名護の製麺所から取り寄せるしっかりと食べ応えある太麺。牛肉そばを初めて食べた私も、すっかりとりこになってしまいました。
もちろん正統派沖縄そばもあり、他にも人気の「焼肉定食」や「牛もやし定食」も人気です。

このお店の特徴は入店するまで気づかない、大きな庭園です。一歩お店へ入ると目の前に広がる花々は手入れが行き届いており、個人の趣味としては規模も大きく見応えがあります。大きな池には優雅に鯉が泳ぎ、蘭や観葉植物といった花木が一面に植えられた庭を見ながら食事をすることができます。
20年前にお店を開業した時につくった庭だということで、知られるようになった今では、植栽する花木をいただくことも多くなったそうです。

目にも鮮やかな庭園とおいしい牛そば、アットホームな雰囲気に癒しをもらえる心地よいランチタイムになりました。

やまびこ

住所沖縄県国頭郡国頭村辺土名1700-4
電話0980-41-5600
営業時間11:30~ 麺が無くなり次第終了
定休日年末年始

真冬でもできる川歩きとトレッキングで大自然と出会える「比地大滝」

沖縄本島で最も高い25.7mの落差を持つ「比地大滝」。
最終日、比地大滝のトレッキングツアーに参加しました。

このツアーでは、やんばるの森の動植物との出会い、道中では森の保全活動や外来種の駆除、自然保護に関するお話など、どの地域でもどの森林にでも共通する、自然とのかかわり方をたくさん教わりました。
このツアーのガイドをしていただいたのが、上開地 広美さん。千葉県出身で、国頭村へ移住し、やんばるのネイチャーガイドを務めています。

ツアーでは、温帯と熱帯の動植物どちらもが生息する、亜熱帯である沖縄の様々な生き物や植物を、トレッキングしながら楽しく伝えていただきました。小さな毛虫も「うつくしい」と感じるという上開地さんは、虫を毛嫌いするのではなく、その本質を知って愛情をもって接してほしいと訴えます。毛虫のほとんどに毒性はなく、自分たちを守るためにそれぞれが進化した姿であり、それはとてもいじらしく愛らしいと感じるそう。よく見てもらって知ってもらうことで、虫に対する意識が変わったという感想もたくさん届くということです。
人間の営みの中で動植物と共生していく方法、というのをみんなで考えていってほしいという願いを込めたツアーでした。

コースは、川に沿って作られた遊歩道をのんびりと楽しみながらトレッキングできます。
途中、川の中をひざ下まで浸かりながらジャブジャブと渡るスリリングな経験、やんばる地域にしか分布しない貴重な固有種「ノグチゲラ(キツツキの一種)」との出会い、冬にしか見られない花や実などを観察し、形や香りを楽しむなど、五感をフル活用しながら大自然を満喫。たっぷりと時間をかけるからこそ、全身で自然を感じる“究極の非日常体験”ができました。
川を渡らないコースで、滝まで片道40分ほどで到着します。が、上開地さんのトレッキングツアーはその倍ほどの時間でゆっくりたっぷりと案内してもらえます。
滝の水量やその迫力はもちろんのこと、自然を正しく理解することで感じ方も大きく変わるという気付きが得られ、やんばるの自然を敬い、大切にしたいという想いを強くした体験でした。

上開地さんのツアーは「Endemic Garden H」から申し込むことができます。

比地大滝

住所沖縄県国頭郡国頭村比地781-1
電話0980-41-3636
URLhttps://hiji.yuiyui-k.jp/

Endemic Garden H

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