大分県中津市に広がる耶馬渓(やばけい)は、大分と福岡との県境を流れる山国川と、奇岩が織りなす見事な景勝地です。息をのむような美しさにひかれた古の人々は、この地で祈り、さまざまな営みを残してきました。日本遺産にも認定された渓谷美の絶景を味わいながら、歴史をも体感するアクティブなモデルコースをご紹介します。
画像1: 日本遺産・耶馬渓をアクティブにめぐる。山水の絶景と“時間の旅”モデルコース
画像: www.nippon-foundation.or.jp
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「日本遺産センター 耶馬渓風物館」でまずは情報収集

大分空港から車で約1時間。最初に訪れたのは「日本遺産センター 耶馬渓風物館」です。日本遺産センターは、文化庁が認めた「日本遺産」を紹介する拠点施設。耶馬渓は「やばけい遊覧〜大地に描いた山水絵巻の道をゆく〜」という“ストーリー”の地に認定されており、同センターにはその情報が集約されていることから、旅の起点にもってこいなのです。

館内には日本遺産「やばけい遊覧」の構成ルートや観光スポットの情報について、写真などを交えて紹介しています。山国谷とよばれていた当地に、耶馬渓と名付けた江戸時代の儒学者・頼山陽にまつわる資料や、大正時代の鳥瞰図「天下無二耶馬全渓の交通図絵」など貴重な資料を間近に見ることができます。

日本遺産センター 耶馬渓風物館

住所大分県中津市本耶馬渓町曽木2193-1
電話0979-52-2002
営業時間9:00〜17:00
定休日12月29日〜1月3日
入館料無料
web日本遺産センター 耶馬渓風物館 公式サイト

廃線になった鉄道跡を自転車で走って感じる、100年前の歴史

耶馬渓に旧耶馬渓鉄道の廃線跡を活用した「メイプル耶馬サイクリングロード」があることは、サイクリストには有名。耶馬渓の渓谷美を肌で感じたいと、レンタサイクルを借りて周遊を楽しむことにしました。「道の駅耶馬トピア」で電動アシストの自転車を借り、ヘルメットをかぶって出発進行です。

画像: 自転車はロードバイク、お子様用自転車、チャイルドシート付き自転車、二人乗りのタンデム自転車などさまざまな種類があります

自転車はロードバイク、お子様用自転車、チャイルドシート付き自転車、二人乗りのタンデム自転車などさまざまな種類があります

旧耶馬渓鉄道は大正時代から昭和中期まで運用されていた鉄道です。終点は温泉の駅で、鉄道は観光客で賑わっていました。途中の羅漢寺駅は、文字通り羅漢寺へ参拝する人が乗り降りに利用した駅。ここで客馬車や人力車に乗り換えて、羅漢寺橋を渡り羅漢寺へと向かっていたそうで周辺には旅館が10軒以上もあったんだとか。昔のにぎわいを想像しながら走りました。

画像: 羅漢寺駅があった場所に設置されている看板

羅漢寺駅があった場所に設置されている看板

画像: 羅漢寺駅のすぐ近くにある羅漢寺橋

羅漢寺駅のすぐ近くにある羅漢寺橋

道の駅耶馬トピア(レンタサイクル)

住所大分県中津市本耶馬渓町曽木2193-1
電話0979-52-3030
営業時間土日祝10:00〜14:00(最終貸出13:00)
定休日月〜金曜
料金1,500円
web道の駅耶馬トピア レンタサイクル 公式サイト

冒険気分で古道を歩く。昔の人も見た絶景がここに

画像: 羅漢寺の一部として開かれた霊峰、古羅漢。写真は天上橋

羅漢寺の一部として開かれた霊峰、古羅漢。写真は天上橋

古羅漢(ふるらかん)は岩窟の寺院・羅漢寺の手前にある岩山のこと。古くから石仏や石塔が納められてきた祈りの地ですが、現在は探勝道として整備されています。駐車場から約10分で到着するとはいえ、角度の急な石段や、細い道などが続きます。少しだけ息を弾ませながら冒険気分で歩きました。

画像: 眼下にはのどかな景色が広がります

眼下にはのどかな景色が広がります

見どころは自然がつくりだした奇岩とここから見える絶景です。先には迫力のある天上橋が待ち構えるようにあり、ここからの景色がまた一興。心地よい風が吹き抜けます。眼下に見える畑は蕎麦畑で春と秋には白い花を咲かせるのだそうです。

ハシゴを登って鎖をもちながら歩くなどスリルも満点。非日常の体験がここにはありました。

画像: スリルのある探勝道。奥に見えるのは大正時代の画人が好んだといわれる草庵

スリルのある探勝道。奥に見えるのは大正時代の画人が好んだといわれる草庵

画像: 室町時代の作と伝わる磨崖仏、毘沙門天像を発見

室町時代の作と伝わる磨崖仏、毘沙門天像を発見

古羅漢

住所大分県中津市本耶馬渓町跡田
電話0979-52-2211 (中津市本耶馬渓支所地域振興課)
web古羅漢 公式サイト

喉ごし抜群!耶馬渓産の打ち立て蕎麦に舌鼓

山間部にある耶馬渓は冷涼な気候から古くからそばの栽培が盛んな土地。羅漢寺を訪れる修行僧も蕎麦を食べていたといわれます。

画像: 山かけそば(1,080円)と椎茸ごはん小(300円)

山かけそば(1,080円)と椎茸ごはん小(300円)

「道の駅 耶馬トピア」内のレストラン「石臼亭洞門そば」では耶馬渓産の蕎麦を敷地内の工房にある石臼で挽き、打ち立ての蕎麦を味わわせてくれます。つなぎが二割入った二八蕎麦のほか、焙煎した蕎麦粉を使った十割蕎麦にも特定のファンがいるそう。この日は地元でとれた粘りのある自然薯をのせた山かけそばをいただきました。打ち立ての蕎麦の香りとイリコや昆布、カツオの出汁が香る味わい深いスープに箸が止まりませんでした。

画像: 喉ごし抜群!耶馬渓産の打ち立て蕎麦に舌鼓

石臼亭洞門そば(耶馬トピア)

住所大分県中津市本耶馬渓町曽木2193-1
電話0979-52-3030
営業時間食事11:00〜14:00(オーダーストップ)
定休日木曜(祝日は営業)
web石臼亭洞門そば 公式サイト

屏風のような岩壁と、江戸時代の手掘りの隧道

画像: 中津出身の福澤諭吉がこの景勝地を守るために私財を投じた話も伝えられている

中津出身の福澤諭吉がこの景勝地を守るために私財を投じた話も伝えられている

次に向かったのは耶馬渓の代表的な名所である、「競秀峰(きょうしゅうほう)」「青の洞門」です。競秀峰とは山国川沿いに約1kmにわたって続く岩峰群のこと。対岸から仰ぎ見るとまさに山水画の世界のようです。迫力のある岩山と、それらを覆うかのように茂る木々とのコントラストに自然の不思議さを感じずにいられません。

画像: 禅海和尚の像。諸国巡礼中に耶馬渓に立ち寄ったとされる

禅海和尚の像。諸国巡礼中に耶馬渓に立ち寄ったとされる

競秀峰の岩肌にじっと目を凝らしてみると、道らしきものが見えました。実は競秀峰は羅漢寺へ向かう、険しい修験道だったところ。競秀峰の裾野につくられた景勝・青の洞門は、断崖絶壁を渡りきれず川に落下する人々を不憫に思った禅海和尚が江戸時代に掘ったトンネルです。今もノミと槌の跡を目にすることができます。

画像: 青の洞門

青の洞門

画像: 屏風のような岩壁と、江戸時代の手掘りの隧道

競秀峰・青の洞門

住所大分県中津市本耶馬渓町曽木
電話0979-52-2211 (中津市本耶馬渓支所地域振興課)
web競秀峰 公式サイト青の洞門 公式サイト
青の洞門 公式サイト

渓谷美に溶け込んだ、レトロかわいい石橋で写真をパチリ

画像1: 渓谷美に溶け込んだ、レトロかわいい石橋で写真をパチリ

山国川が流れる中津市・耶馬渓は、大正時代に架けられたレトロな石橋に多く出合えるところ。競秀峰と青の洞門から車ですぐのところにあるのが「耶馬渓橋」です。長崎でよく見られる石積みの工法を採用していることからオランダ橋ともよばれます。

画像2: 渓谷美に溶け込んだ、レトロかわいい石橋で写真をパチリ

耶馬渓橋は日本全国に現存する石橋の長さランキングにおいて、最長とされる長さ約116mの石橋です。二つの地域を結ぶ生活道路として今も活用されており、車も通るなど100年前のものとは思えないほど立派です。旅の記念に、石橋の前で記念写真をパチリ。年月を重ねてきた石橋が、変わらない周囲の自然に溶け込んでいるようでした。

画像3: 渓谷美に溶け込んだ、レトロかわいい石橋で写真をパチリ

耶馬渓橋

住所大分県中津市本耶馬渓町曽木
電話0979-52-2211 (中津市本耶馬渓支所地域振興課)
web耶馬渓橋 公式サイト

旅の最後に中津名物のからあげをゲット

観光を楽しんだあとは、小腹を満たしに行きましょう。

画像: 骨付き(ブツ切)100g300円

骨付き(ブツ切)100g300円

中津をめぐっているとあちこちで見かけるからあげの看板。中津は全国的に有名なからあげの聖地です。その火付け役ともいえるのが「元祖中津からあげ もり山」。おいしさを競う大会で最高位を得て、一気に中津からあげの名を広めました。もり山のからあげの味は塩が基本。ここに自家栽培のニンニクを使ったタレを絡めています。味付けはさほど濃くないので、鶏肉の旨みがしっかりあり、肉は歯ごたえ抜群。使う鶏肉は九州産のもの。骨つき、骨なしなどいろいろあります。旅の締めくくりにぴったりのグルメに出合えました。

画像: 旅の最後に中津名物のからあげをゲット

元祖中津からあげ もり山 万田本店

住所大分県中津市大字万田566-5
電話0979-24-2222
営業時間11:00〜20:00
定休日なし
web元祖中津からあげ もり山 公式サイト

山水画のような絶景と、時をめぐる旅へ

文化庁の日本遺産に認定された耶馬渓は、山水画のような世界が次から次へと待ち受けている、まるで絵巻のようなところでした。同じようにこの渓谷美に魅了された人々の息づかいも感じられ、何百年、何千年もの時をまたぐ“時間の旅”を体験したかのようでした。

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