四方八方を海に囲まれた島国・日本には、大小問わずさまざまな離島が存在します。青々とした空や海、希少な生きものたちが出迎えてくれる島旅には、わくわくするような発見がいっぱい。そんな、“好奇心をくすぐる旅”を提案するのは、JALふるさとアンバサダー・奄美群島担当の川澄さんです。

この記事で紹介するのは、8つの島からなる奄美群島(鹿児島県)を巡る周遊旅。各島の特徴を踏まえた見所を、2記事にわたって紹介します。

まだ見ぬ風景に出会える奄美群島

鹿児島の南方380~580kmの海上に点在する、「奄美大島(あまみおおしま)」「加計呂麻島(かけろまじま)」「請島(うけしま)」「与路島(よろじま)」「喜界島(きかいじま)」「徳之島(とくのしま)」「沖永良部島(おきのえらぶ)」「与論島(よろんとう)」の8つの島の総称「奄美群島」。亜熱帯気候によって育まれた森林や目を見張るほどに碧く光る海など、多様な自然が評価され、2017年には国内34カ所目となる国立公園に指定されました。

画像: まだ見ぬ風景に出会える奄美群島

もちろん、自然だけではなく、土壌や文化も島によって異なるのが奄美群島の魅力。この記事では、日本で2番目に広いといわれるマングローブ林を有す「奄美大島」、貴重な国産ゴマの産地「喜界島」、まるで映画のワンシーンのようなビーチが広がる「与論島」を紹介します。

自然の宝庫に心奪われる「奄美大島」

鹿児島市から南へ約380kmに位置し、2021年には世界自然遺産に登録された「奄美大島」。最大の魅力は、何といってもその自然美にあります。約200万年前、ユーラシア大陸とつながっていた奄美大島には、動物や植物の固有種(特定の地域や国にのみ生息している生物のこと)が今でも多数生息していて、ここでしか出会えない景色がたくさん待っているのです。

特に忘れてはならないのが、奄美大島の代名詞「マングローブ」。マングローブとは海水と淡水が混じり合う場所に生息する植物の総称で、地球温暖化の抑制や防災など、さまざまな役割を果たすことでも注目されています。

画像1: 自然の宝庫に心奪われる「奄美大島」

中でも、町全体の94%を山林が占める住用(すみよう)町にあるマングローブは、沖縄西表島に継ぐ国内2番目の広さ。アカヒゲやルリカケスなど国の天然記念物に指定された鳥が多く見られるほか、頭上ギリギリまで迫るマングローブのトンネルをカヌーで進むアドベンチャーなツーリングも体験できます。

画像2: 自然の宝庫に心奪われる「奄美大島」

このほかにも、ゴルフやトレッキング、パラグライダーやシュノーケリングなど、景観美を生かしたアクティビティが豊富。温暖な気候の中で、身も心も開放的になって自然に包まれてみてはいかがでしょうか。

また、絶滅危惧種である「アマミノクロウサギ」や「オオトラツグミ」といった珍しい動物たちに出会えるのも、奄美大島ならでは。夜行性のアマミノクロウサギを高確率で観察できるナイトツアーなら、このほかにも貴重な動植物を間近で見られるかもしれません。

画像3: 自然の宝庫に心奪われる「奄美大島」

雄大な自然に包まれた奄美大島は、海の幸や山の幸といったグルメも充実しています。イチオシは、ほぐした鶏肉やパパイヤの漬物、刻んだ柑橘類の皮などをごはんの上にのせ、熱々の鶏ガラスープをかけて食べる郷土料理「鶏飯(けいはん)」です。体の奥深くまでじんわりと染み渡る、滋味深い味わいがたまりません。

日常では得られない興奮を、ぜひ奄美大島で体感してください。

世界でも稀有な成り立ちを持つ「喜界島」

日本最大級の蝶・オオゴマダラや、5月と11月に見ることができる“渡り蝶”のアサギマダラが舞う「喜界島」。特筆すべきは、サンゴ礁が隆起してできあがった島だということです。さかのぼること10万年以上前。地殻変動により海底が隆起し、浅い海となったところにサンゴが住み着き、やがてサンゴ礁を形成したのが喜界島の始まりだといわれています。

その後、隆起を繰り返して現在の形に落ち着いた喜界島は、10万年で200m、年間平均すると2mmのスピードでサンゴ礁が隆起し続けているそう。なんと、この速度は世界トップレベルで、学術的にも非常に貴重な島として、国内外の研究者たちが注目しているのです。

この島の全体を見渡せるのが、展望所の「テーバルバンタ」。地面ごと隆起した、世界でも類を見ない景観を、ぜひ目に焼き付けてください。

画像1: 世界でも稀有な成り立ちを持つ「喜界島」

そんな、サンゴ礁の隆起によって誕生した喜界島ならではの名産が、白ゴマ。サンゴ礁のアルカリ性土壌で育ったゴマは、他産地のものと比べてミネラル含有量が豊富で、小粒で香り高いのが特徴です。また、多品種と交配せず、在来種として無農薬・無化学肥料で今日まで栽培されてきた偉大な歴史も大きなポイント。

実は、国産ゴマの65%は喜界島で生産されていて、喜界島はまごうことなきゴマの生産量日本一を誇るのです。収穫時期である7月下旬から9月上旬には島のいたるところで収穫されたゴマ穂が並ぶ「セサミストリート」が出現するので、時期に合わせて来島するのもおすすめです。

画像2: 世界でも稀有な成り立ちを持つ「喜界島」

また、多くの観光客が訪れるのが、約2.5km続く「サトウキビ畑の一本道」。見渡す限り一面に広がるサトウキビ畑の中をのんびりと歩きながら、喜界島の景色と一体になった気分が味わえます。

別名「東シナ海へと続く道」とも呼ばれるこの場所は、フォトスポットとしても人気。このサトウキビ畑から作られる黒糖や黒糖焼酎は、島の特産品にもなっています。ぜひ、お土産選びの参考にしてみてください。

真っ白なビーチに満天の星……地上の楽園「与論島」

鹿児島県の最南端にある「与論島」は、島全体がサンゴ礁のリーフで囲まれていて、静かなリゾート地として人気の島です。特に、透明度の高い海に大小60もある真っ白なビーチは、ここが日本であることを忘れさせるほどの美しさ。見事なまでの海の青さは「ヨロンブルー」とも呼ばれ、観るものを圧倒します。

中でも、干潮時のみ沖合約1.5kmに出現する小さな砂浜「百合ヶ浜」は、島が誇る絶景スポットで、1日数時間しか見られないため「幻の砂浜」との異名も持っています。

潮位や風の影響から、時期によってはまったく出現しない日もあるため、お目にかかれたらスーパーラッキー。太陽の光を受けて海面が輝く様子はまるで宝石のようで、「百合ヶ浜で年齢の数だけ星砂を拾えば幸せになれる」という言い伝えまであるそうです。

また、百合ヶ浜はシュノーケリングのスポットとしても有名で、野生のウミガメに出会えることも。シーカヤックでの海上探検やグラスボートでの海中観察などにもおすすめの海です。

ほかにも、映画『めがね』の舞台になった寺崎海岸や、与論空港から徒歩で行ける「パラダイスビーチ」、潮干狩りができる「前浜海岸」など、さまざまな海岸が存在する与論島。小高い丘に建つ「サザンクロスセンター」の展望台からは、島々が360度見渡せるので、いかに与論島が海に囲まれているかを実感できます。

見どころは、海だけではありません。高い建物や山がない与論島は空を広々と見渡すことができるため、実は星空や天体の観測にうってつけ。さらに、島民が一丸となって街灯が空を照らさないように工夫を重ねているため、星が抜群に見えやすいのです。

加えて、ハブやイノシシなどの危険生物が少なく、年間平均気温は約22.9度と年中通して穏やかな気候のため、快適に天体観測を楽しむことができます。「星のソムリエ」と呼ばれる星空案内人によるガイドのもと、ぜひ星空ツアーを楽しんでください。

時間の流れに身を委ねてゆったりと自然に浸ったり、大自然を満喫できるマリンスポーツをとことん楽しんだりと、思い思いに過ごせるのも奄美群島の良さ。日常では味わうことがない世界をのぞいて、初めての景色に心躍らせ、自然のパワーを受け取りに。奄美群島へ、ぜひいらしてください!

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