JALふるさとアンバサダー 〔鹿児島支店〕 吉村
こんにちは、鹿児島支店JALふるさとアンバサダーの吉村です。鹿児島といえば芋焼酎が有名かと思いますが、県内でも若年層の焼酎離れや「芋くさい」というイメージがまだ浸透していたりと、焼酎に縁がない方も多いと感じています。
ここ数年、そんな「芋くさい」概念を払拭する、フルーティーで香り豊かな商品が多くあることをご存知でしょうか?!鹿児島の焼酎蔵の多くが、普段焼酎を飲まない方に、どう手に取っていただけるかという視点で、試行錯誤されながら多様な焼酎造りに励まれています。
この記事を読み終わった後にはきっと、皆さまも鹿児島の焼酎に興味をもっているはず…!!
INDEX
1.鹿児島の焼酎について
2.3つの蔵元から厳選!フルーティーで新感覚な焼酎をご紹介
・「小鶴 the Banana」「小鶴 the Muscat」小正醸造株式会社
ソーダ割りで楽しむ「もはやバナナ!もはやマスカット!」な焼酎
・「知覧Tea酎」「知覧Tea酎ほうじ茶」(知覧醸造)
鹿児島の特産品、知覧茶の一番茶を使用した焼酎
・本格焼酎ベースのスピリッツ「NANAIRO -七色-」 LINK SPIRITS×若潮酒造
鹿児島出身の若き女性が開発した、淡いピンク色が特徴的な焼酎
3.「世界にたった一つだけのオリジナル!」焼酎ブレンド体験 若潮酒造
1.鹿児島の焼酎について
鹿児島県内には地域に根差した焼酎蔵が111蔵あり、銘柄数は2000以上あると言われています。それらの数は日本一を誇り、鹿児島は焼酎王国です。
しかし、人口減少や若者の焼酎離れ、さらには基腐病(もとぐされびょう)というサツマイモの茎や葉が枯れて腐ってしまう病気が蔓延し、焼酎業界は低迷の危機にさらされました。
そのような影響もあり、ここ数年は新たな原材料や造り方の開発によって、焼酎を普段飲まない若者や女性をターゲットに飲みやすいフルーティーで爽やかな香りの焼酎が造られる時代へと変わってきました。
また、ローカルな焼酎の飲み方であるお湯割りだけでなく「ソーダ割り」が流行り、それが受け入れられる風潮になったいま、鹿児島焼酎は革命期を迎えていると言えます。
2.3つの蔵元から厳選!
フルーティーで新感覚な焼酎をご紹介
「(右から)小鶴 the Banana・小鶴 the Muscat」小正醸造株式会社
まず初めにご紹介するのは、現在JAL国際線の限定路線で機内販売をしているジャパニーズウイスキー「嘉之助」の関連会社である小正醸造さんの「小鶴 the Banana」と「小鶴 the Muscat」です。バナナとマスカットの絵柄がとても目を引きますね!
「小鶴 the Banana」はISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)2021の焼酎部門でWゴールド及び最高賞のトロフィーを受賞。ソーヴィニヨンブラン由来の酵母と黄金千貫という鹿児島の焼酎造りに最も使われる芋を組み合わせ、バナナのような甘く柔らかな香りと、甘みと酸味のバランスが抜群な焼酎です。小正醸造の蔵長いわく、バナナのような果実の香りを楽しめるソーダ割りもおすすめですが、三ツ矢サイダーやトニック割りもオススメとのこと!
「小鶴 the Muscat」は、通常収穫後2日以内の新鮮なさつまいもを加工するのが良しとされていたのを、10日〜14日間ほど熟成させることにより、マスカットのような香りがあらわれフルーティーな味わいを楽しめる焼酎です。気温で熟成スピードも変わってしまうので、この熟成の頃合いを見るのがとても難しいようです。ベストなタイミングを見極めるのは職人の腕の見せどころです。
小正醸造では蔵見学が可能です。焼酎の製造過程に沿ってどのように味わいや香りの変化がなされていくのかを丁寧に教えてくださいました。
味わいを左右するのが麹で、香りを左右するのが酵母だそうです。だから原料のサツマイモや、麹、酵母、また蒸留器などの機械の違い、そして111蔵それぞれの個性が加わり多種多様な焼酎が造られているのだと学び、改めて焼酎の世界の奥深さを感じました。
〔お問い合わせ先〕小正醸造株式会社
住所 | : | 鹿児島県日置市日吉町日置3309 |
---|---|---|
電話 | : | 099-292-3535 |
web | : | 小正醸造株式会社 公式サイト |
定休日 | : | 土日・祝日・GW・お盆・年末年始休暇 |
「知覧Tea酎」「知覧Tea酎ほうじ茶」(知覧醸造)
次は、鹿児島の特産品「緑茶」と「芋焼酎」の魅力を融合させた新たな味わいが楽しめる知覧醸造さんの「知覧Tea酎」と「知覧Tea酎ほうじ茶」です。
知覧醸造さんはなんと、焼酎の蔵元でありながらお茶農家も営む、鹿児島で唯一の蔵元です。
こちらの焼酎の一番のこだわりは、その年の新芽から採った貴重な一番茶を使用していること。普通の焼酎をお茶で割る飲み方「緑茶割り」とはうまみとお茶の香りが各段に違い、今までにない新感覚な焼酎に衝撃を受けました!
飲み方は、知覧Tea酎はお茶らしさを感じられるソーダ割り、水割り、ロックがおすすめ。赤色のパッケージの「知覧Tea酎ほうじ茶」は香ばしさがupするお湯割りがおすすめです。
「茶」の文字が目に飛び込んでくるこちらのパッケージ、実は知覧醸造の代表取締役 森暢さん自らがデザインに関わったそうです。よく見てみると「茶」の文字には、下からさつまいもと葉、蔵の屋根が描かれており、そして草冠のキラキラマークはお茶畑の霜を防ぐための防霜扇風機だそうです。確かに、知覧のお茶畑には扇風機がたくさん立っています!知覧のお茶畑と焼酎造りの2つがうまく表現されている素敵なロゴですね!
またボトルにかけてある水引はお茶の花をイメージしており、特産品の知覧茶もPRができるので、贈答用や鹿児島土産にピッタリです!
知覧醸造さんでも蔵元の見学ができます。運が良ければ実際に生産者の方が貯蔵している焼酎の品質を確認しているところに遭遇できるかも…?!
蔵に併設したショップがございますので、直接蔵で商品の購入もできます。
また、公式HPからも商品の購入オンラインショップページと蔵元見学の詳細をご覧いただけます。
〔お問い合わせ先〕知覧醸造株式会社
住所 | : | 鹿児島県南九州市知覧町塩屋24475 |
---|---|---|
電話 | : | 0993-85-3980 |
web | : | 知覧醸造株式会社 公式サイト |
蔵元見学 | : | 無料/要事前予約(電話予約のみ)/1~30名様程度 (実施時間 9:00~12:00/13:00~16:00) |
定休日 | : | 土曜、日曜、祝日 |
本格焼酎ベースのスピリッツ「NANAIRO -七色-」
LINK SPIRITS×若潮酒造
最後に変わり種としてご紹介する「NANAIRO‐七色‐」は、淡いピンク色でフルーティーな味わいが特徴的な、本格焼酎製法で作られたスピリッツです。
焼酎のご紹介と言いながらスピリッツと表記されている理由は、紫芋の天然色素で焼酎に色を付けているため、酒税法の関係でスピリッツ(蒸留酒)と分類されるからだそうです。(以下「焼酎」と表現)しかし中身は本格焼酎であるので、初めてこの焼酎に出会ったときは可愛らしい見た目と、花のような香り、甘みのある味わいに「本当にこれが焼酎?!」と驚いてしまいました。
この「NANAIRO‐七色‐」という商品は、「農業や蔵元にも光をあて、焼酎文化を広めたい」との思いで活動する鹿児島県出身の若き女性、LINK SPIRITS株式会社代表の冨永さんと、香りが良く個性的なフレーバー焼酎を多く製造する若潮酒造さんとの共同開発によって造られました。
焼酎に色をつけることは御法度という昔ながらの考えがあった中、わざわざ色をつけることを選んだ斬新な冨永さんのアイデアを若潮酒造さんが見事に形にした、両社の焼酎に対する熱い思いが詰まった焼酎です!
女性や若い方をターゲットにしており、桜のような淡いピンクの見た目とフローラルな香りがこだわりだそう。ペアリングには生ハムやチーズ、柑橘系などがよく、まるでスパークリングワインを飲んでいるような感覚に包まれる、そんな焼酎です。
瓶ごと冷蔵庫に入れて冷やして飲むパーシャルショット、ソーダ割り、トニック割りなどさまざまな飲み方で味わいや香りの変化を楽しめます。
公式オンラインショップや百貨店などで販売しています。大切な人へのギフトや特別な日の記念品としてもいかがでしょうか?
〔お問い合わせ先〕LINK SPIRITS
3.「世界にたった一つだけのオリジナル!」
焼酎ブレンド体験 若潮酒造
県内の酒蔵では蔵見学や試飲体験ができる場所は多くありますが、若潮酒造さんでは世界に一つだけのオリジナル焼酎のブレンド体験ができます。
「華やか」「芳醇」「おだやか」「すっきり」「炭酸割用」のそれぞれの特徴に優れた5種類の原酒の中から自分の好みに合うよう自由にブレンドが可能。焼酎のラベルも好きなデザインから選ぶことができ、シールを貼ってオリジナルボトル制作を楽しむことができます。また車でお越しの方やお子さまでも、試飲をしないで香水のように香りでブレンドする体験ができます。
香りとブレンド割合の書かれたサンプル表を参考に、私も体験させていただきました。どのような味わいと香りに仕上がるかを想像しながら作り上げていく時間はとても楽しく、自分への嬉しいお土産となりました!
その他、蔵見学や直売所もあり、若潮酒造さんの個性と魅力ある焼酎に出会うことができますのでぜひお越しください!
蔵見学・焼酎ブレンド・直売所の詳細はこちらから
https://wakashio.com/distillery-tour
〔お問い合わせ先〕若潮酒造株式会社
住所 | : | 鹿児島県志布志市志布志町安楽215 |
---|---|---|
電話 | : | 099-472-1185 |
web | : | 若潮酒造株式会社 公式サイト |
営業時間 | : | 8:30~16:00 |
定休日 | : | 日曜・祝日・土曜日は不定休 |
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
今回の取材を通し、時代の流れを読み、現状にとどまらずより多くの人に焼酎を飲んでもらいたいとそれぞれの個性を出しながら奮闘する蔵元があることを知りました。すべての蔵元に尊敬の念を抱くとともに地元の特産品として誇りに思います。
ぜひ県内外の若い世代の方や、もともと焼酎を飲む選択肢のない方たちに、今回ご紹介したような新しくフルーティーで飲みやすい焼酎を一度試していただきたいです。そしてそのきっかけで奥深い鹿児島焼酎の世界の入口に足を踏み入れ、さらに昔ながらの焼酎の良さも知っていただけると嬉しいです。
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