※価格は税込み表記です。
出島から北九州市までを結ぶ長崎街道が、日本遺産「シュガーロード」と名付けられたのは2020年のこと。この道を辿る旅路には、至るところにおいしいお菓子が作られていることに気が付くでしょう。それらはいわゆる和菓子とは少し趣の異なるものばかり。ヨーロッパからもたらされ、日本独自の進化を遂げたお菓子たち。
お馴染みのものから聞いたことのないものまで。シュガーロードの近くを通るなら、どうかお買い忘れのないよう。歴史的背景のあるお土産ばかりで、“土産話”にもなるのですから。
長崎県長崎市「カステラ」
長崎土産の定番カステラ。カステラの本家と呼ばれる福砂屋です
長崎のお菓子といえば、カステラをあげる方が多いかもしれません。その中でも 1624 年(寛永元年)創業で、約 400 年もの間カステラを作り続けている福砂屋はカステラの老舗です。創業以来手間を惜しまない手づくりによるこだわりの 製法を守り続けています。
しっとりと柔らか、濃厚な甘みとほどよいザラメの食感が口の中に広がります。こんなハイカラなお菓子を初めて口にした当時の日本人の、ほころぶ顔が目に浮かぶようです。変わらぬ定番は確かなおいしさで、今でも多くの人を笑顔にしています。
長崎本店ほか長崎県内各店舗、オンラインストアで購入可能
長崎県長崎市「ざぼん漬」
中国伝来の製法を今に伝えます。ほんのり苦く、大人のおいしさ
東南アジア原産のざぼんは、日本では長崎など九州南部で栽培されており、文旦(ぶんたん)とも呼ばれています。この柑橘の果皮を砂糖漬けにしたのが、長崎の郷土菓子であるざぼん漬。かつて唐から伝わった「蜜漬物」の技法を使い、砂糖で丁寧に煮詰めています。
ほんのりと苦みが感じられる上品な味わいは、クセになるような大人の味わい。シンプルながら華やかさを感じられ、お茶請けにぴったりです。
長崎空港ほかで購入可能
佐賀県小城市「逸口香(いっこうこう)」
素材にこだわった素朴なお菓子。そこにつまった職人技とこだわり
しっとりした食感を想像しますが、表面はパリッと、中は少しやわらかいクッキーのような珍しい食感。小麦の風味と黒糖餡が絶妙にマッチします。
そんな素朴なお菓子には、こだわりがつまっています。佐賀県産の小麦と麦芽の水飴で生地を練り、餡は沖縄県産の純黒砂糖と生姜。460度もの高熱でサッと焼き上げて仕上げます。シンプルながら職人の技が光るおいしさです。
小城市内本店ほかで購入可能
佐賀県小城市「小城羊羹(おぎようかん)」
シャリシャリにして中はしとり感たっぷり。古式ゆかしき製法は、伝統的な羊羹の新発見
九州の銘菓として古くから親しまれるのが、小城羊羹です。江戸時代から続く伝統製法で作られた羊羹は、ひと味違います。表面が砂糖でコーティングされており、独自のシャリシャリとした食感。しっとりやわらかい中身とのコントラストは、一般的な羊羹のそれとは趣を異にするもの。
伝統的な製法を今日に伝えるものでありながら、きっと多くの方々に新鮮な驚きをもたらしてくれることでしょう。
小城市内本店ほかで購入可能
福岡県飯塚市「名菓ひよ子」
「愛されるお菓子を作りたい」。110年の思いを今に伝える名菓
全国的な知名度を誇る名菓も、もとを辿ればシュガーロードの系譜に連なります。古くからお菓子作りが盛んだった筑豊飯塚は、炭鉱の町でもありました。ここで働く人々の活力のひとつが甘いお菓子。
明治30年に誕生した吉野堂の二代目店主・石坂茂氏が「もっと愛されるお菓子を作りたい」と考え、大正元年に発案したのが「名菓ひよ子」。立体的なひよこの造形は、丸や四角ばかりだった当時のお菓子文化に大きな影響を与えたとされます。以来110年、その愛らしい見た目とほっこりするおいしさは、九州土産として多くの人に親しまれています。
飯塚本店ほか福岡県内で購入可能
福岡県北九州市「金平糖」
戦国大名を魅了した高級砂糖菓子。一粒に秘められた歴史があります
砂糖の結晶をそのまま大きくしたような定番のお菓子は、ポルトガルから1546年にもたらされたといわれています。語源はポルトガル語で砂糖菓子を意味する「コンフェイト」。織田信長など、名だたる戦国大名を魅了したと伝わります。
明治期までは高級品として珍重され、いろは屋の金平糖は、彩りもさまざまで味も豊か。写真のこちらはほんのりいちごが香る上品な仕立てです。
井筒屋 小倉店ほかで購入可能
これらのお土産は、長い歴史を持ちながら、新鮮な驚きを感じられます
いずれの品も、少なくとも100年以上、なかには400年以上もの歴史を持つものもあります。これだけの由緒を持ちながら、今なお色あせない魅力的なお土産の数々には、新鮮な驚きが備わっていることに気づくことでしょう。ぜひ、シュガーロードの旅の思い出とともにお持ち帰りください。
※2023年8月8日に一部内容を修正いたしました。
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