大分空港から車で約1時間10分、大分県の北西端に位置する中津市。戦国時代、黒田官兵衛が築いた風情あふれる城下町や、屈指の景観美を誇る耶馬渓(やばけい)の渓谷など、歴史や自然を満喫できる観光スポットのひとつです。
そんな中津の旅で忘れてはならないグルメが「中津からあげ」。中津市には、至るところにからあげ専門店やテイクアウト店が点在しており、その数の多さは「コンビニよりからあげ屋のほうが多い街」といわれるほどです。本記事では、大分を代表するソウルフード・中津からあげのオススメ店を厳選して紹介します。

※価格は税込み表記です

大分県中津市で愛される「中津からあげ」とは?

中津からあげは、醤油または塩味をベースに、ニンニクやショウガをはじめ10種類以上のスパイスを使ったタレでしっかりと味付けされているのが特徴で、お店それぞれにタレの調合や漬け込み加減、揚げ時間など独自のこだわりがあり、味の個性も食感もさまざまです。

また作り置きはせず、注文を受けてから揚げるお店がほとんどで、できたてアツアツはもちろん、下味が効いているので冷めてもおいしいのもポイント。

ちなみに中津の人たちは、からあげを自宅で作るよりもテイクアウト店で買って食べることのほうが多いとのこと。家庭によってはキロ単位で購入するほど世代を超えて愛され、親しまれています。

そんな中津からあげの専門店が、市内には至るところに。大定番から近年注目を集めているお店まで、厳選してご紹介します。

発祥店や個性派も!中津市にあるオススメ9店

まずは発祥から!老舗「総本家もり山 三光本店」

画像1: まずは発祥から!老舗「総本家もり山 三光本店」
画像2: まずは発祥から!老舗「総本家もり山 三光本店」

1970年創業の「中津からあげ発祥の店」として知られるお店です。創業当時から変わらない秘伝のニンニクダレは、塩をベースに国産ニンニクのみを使うなど、素材選びからこだわっています。

また、「古すぎても新しすぎてもいけない」という揚げ油は、継ぎ足しながら、一番おいしく揚がる状態をキープするために試行錯誤を重ねているのだとか。

画像: 左から「砂ズリ」(100g 248円)、「骨なしモモ肉」(100g 270円)

左から「砂ズリ」(100g 248円)、「骨なしモモ肉」(100g 270円)

食べやすい「骨なし」は定番の人気メニューですが、店を切り盛りする2代目店主の森山さんのオススメは、骨の部分の肉ほど旨みがあるという「骨付き」。またコリコリとした歯ごたえのある食感の「砂ズリ」は、からあげと一緒に注文する人が多いお酒にぴったりなメニューです。

中津からあげ 総本家もり山 三光本店

住所大分県中津市三光原口653
電話0979-43-2056
営業時間10:00~19:00
定休⽇なし

地元の人々がリピートする濃いめテイスト「からいち 中津総本店」

画像1: 「骨なしミックス」(100g 270円)

「骨なしミックス」(100g 270円)

画像: 地元の人々がリピートする濃いめテイスト「からいち 中津総本店」

中津城にも近く、城下町散策の途中に立ち寄れる「からいち」。「中津の人は濃いめの味付けが好きなんですよ」と語る店主の井上さんが丹精込めて揚げるからあげは、地元の人たちの好みに合わせた、濃い口の醤油ベース。

ニンニクや数種類のスパイスのほか、優しい味に仕上がるようにと、キビ砂糖も加えた醤油ダレに一晩漬け込んでいるので、ジューシーな旨みがたっぷり。ごはんのおかずとしてはもちろん、ちょっとしたおもてなしの日の一品として、地元の人たちがリピートするのも納得です。

画像: 「やげんなんこつ」(100g 300円)

「やげんなんこつ」(100g 300円)

また、鶏の鎖骨部分の肉を使った「やげんなんこつ」はコリコリとした食感で、ビールとの相性もバッチリなので、おつまみメニューにオススメ。

中津からあげ からいち 中津総本店

住所大分県中津市古魚町1645
電話0979-24-3663
営業時間平日 11:00~19:30
日曜・祝日 11:00~19:00
定休⽇不定休

熟成ダレで“3O(スリーオー)”と呼ばれる「あげ処 ぶんごや」

画像1: 熟成ダレで“3O(スリーオー)”と呼ばれる「あげ処 ぶんごや」
画像2: 熟成ダレで“3O(スリーオー)”と呼ばれる「あげ処 ぶんごや」

「ぶんごや」のからあげのおいしさの秘密は、「秘伝のタレ」にあります。

地元・中津のお醤油屋さんに、からあげのためだけにつくってもらうという醤油をはじめ、ニンニクやショウガなど厳選した調味料を混ぜ合わせたタレは、1カ月間寝かせてから使用。新鮮な国産鶏肉に熟成されたタレの旨みがしみ込んだからあげの、濃厚な旨みと肉の柔らかさは格別です。

画像2: 「骨なしミックス」(100g 270円)

「骨なしミックス」(100g 270円)

そのおいしさは、おやつ・おかず・おつまみといろんなシーンで食べられる「3O(スリーオー)」と呼ばれ、地元客はもちろん、県内外から足を運ぶ人も。

モモとムネ肉を食べ比べできる「骨なしミックス」のほか、歯ごたえのある親どりを使った「いなかどり」も人気です。

あげ処 ぶんごや

住所大分県中津市上宮永2丁目146-1
電話0979-64-6550
営業時間11:00~19:30
定休⽇月曜(月曜が祝日の場合は翌日)

骨付きで豪快!でも飽きのこない味わい「からあげの鳥しん」

画像1: 骨付きで豪快!でも飽きのこない味わい「からあげの鳥しん」
画像2: 骨付きで豪快!でも飽きのこない味わい「からあげの鳥しん」

「生まれ育った中津のからあげが大好き」と語るオーナー角さんの、からあげへの想いが伝わる味が魅力で、ファンの多い名店です。

味付けは10種類もの調味料やスパイスをバランスよく配合した自慢の醤油ダレ。鶏肉も目利きを重ねた九州産のみを使用し、揚げるタイミングや火力も何度も試して行きついたというこだわりよう。薄めの衣とジュワッとあふれる肉汁の飽きのこないおいしさでペロッと食べられます。

画像: 左から「ミックス」(200g 560円~、写真は400g)、「骨付きもも」(1本770円)

左から「ミックス」(200g 560円~、写真は400g)、「骨付きもも」(1本770円)

ムネ肉とモモ肉の「ミックス」が人気ですが、肉のジューシーな旨みを豪快に堪能できる「骨付きもも」もオススメ。店舗敷地内にあるアメリカンテイストのカフェのようなオシャレなイートインスペースで、ゆっくりと味わうこともできます。

からあげの鳥しん

住所大分県中津市宮夫218-1
電話0979-23-5232
営業時間11:00~19:00
定休⽇月曜(祝日の場合は営業翌日休み)

ブームの先駆け!塩味であっさりジューシー「もり山 万田本店」

画像1: ブームの先駆け!塩味であっさりジューシー「もり山 万田本店」
画像2: ブームの先駆け!塩味であっさりジューシー「もり山 万田本店」

2019年の「からあげグランプリ」でグランドチャンピオンを獲得した「もり山 万田本店」は、中津からあげブームの先駆けとなった人気店です。

味付けは化学調味料を使用せず、契約農家の国産ニンニクやショウガ、数種類の天然調味料を使用した塩ベースの「秘伝のニンニクダレ」で、九州産の鶏肉を漬け込んでいます。カリっと揚げた香ばしい衣のからあげは、あっさりとした塩味ながらもお肉はジューシーで、一度食べればクセになるおいしさです。

画像: 「骨付きからあげ」(100g 250円)

「骨付きからあげ」(100g 250円)

しっかりとした味付けですが、ニンニク独特の後味が残らないので揚げたてはもちろん、冷めてもおいしいのが魅力です。

中津からあげ もり山 万田本店

住所大分県中津市万田566-5
電話0979-24-2222
営業時間11:00~20:00
定休⽇不定休

冷めてからもおいしい!柔らかなムネが自慢の「舷喜屋(げんきや)」

画像1: 冷めてからもおいしい!柔らかなムネが自慢の「舷喜屋(げんきや)」
画像2: 冷めてからもおいしい!柔らかなムネが自慢の「舷喜屋(げんきや)」

「からあげグランプリ」でも数々の受賞歴をもち、県内外から、からあげファンが足を運ぶ実力派のお店。

地元産の醤油をはじめ、ニンニクやスパイス、さらにオーガニックハーブなどを加えた秘伝のタレに漬け込み、油に入れる直前に衣をつけてから揚げるからあげは、ニンニクの風味もほどよく味も濃すぎないので、パクパクと食べられます。

画像3: 「骨なしミックス」(100g 270円)

「骨なしミックス」(100g 270円)

研究に研究を重ね、ムネ肉特有のパサつき感が一切なく、しっとり柔らかな仕上がりの「ムネ」のからあげは、ヘルシーなのに肉汁あふれる味わいで、老若男女問わず愛されています。揚げたてもおいしいですが、時間が経っても柔らかいので、あえて冷めてから味わうのも楽しみ方のひとつです。

からあげ専門店 舷喜屋(げんきや)

住所大分県中津市金手35-2
電話0979-24-1933
営業時間11:00~21:00
定休⽇1月1日~3日

どこか懐かしい味わい。カリッとした食感も楽しい「チキンハウス 中津本店」

画像1: どこか懐かしい味わい。カリッとした食感も楽しい「チキンハウス 中津本店」
画像2: どこか懐かしい味わい。カリッとした食感も楽しい「チキンハウス 中津本店」

肉のさばき方をはじめ、醤油やみりん、酒、ニンニクなどでつくるタレの作り方まで、1989年の創業からのこだわりを守り続けています。

画像: 「骨なしモモ」(100g 280円)

「骨なしモモ」(100g 280円)

「肉の柔らかさと皮の香ばしさを出すには、揚げ方が大切」という店主・田中さんの熟練した腕前で揚げるからあげは、衣のカリッと感と肉の柔らかさがあいまって、クセになるおいしさ。シンプルでどこか懐かしさを感じるその味に魅了され、地元に住む人たちの中には3世代にわたって買い求める家庭もあるほど。

またランチ営業を行っており、店内でボリュームたっぷりの「からあげ定食」なども味わえるので、ランチスポットとして立ち寄ってみてもいいでしょう。

からあげ屋 チキンハウス 中津本店

住所大分県中津市中央町2-7-61
電話0979-22-6266
営業時間テイクアウト 10:00~19:30
ランチ 11:00~14:00
定休⽇水曜

大分の名産・かぼすを使った一品で注目の「諭吉のからあげ」

画像1: 大分の名産・かぼすを使った一品で注目の「諭吉のからあげ」
画像2: 大分の名産・かぼすを使った一品で注目の「諭吉のからあげ」

中津を代表する偉人「福沢諭吉」が描かれた看板が目印の「諭吉のからあげ」。こちらへ足を運んだら、ぜひ味わってほしいのが「かぼすからあげ」です。

醤油をベースに大分県の特産品であるカボスの果汁とオリジナルでつくっているという「カボスこしょう」と、数種類ものスパイスを混ぜ合わせたタレがおいしさのポイント。

さわやかなカボスの酸味とピリッとした辛みが効いた新感覚の味わいは、県外からの観光客はもちろん地元の人からの注文も多い、この店でしか味わえない一品です。

画像: 「かぼすからあげ」(100g 240円~)

「かぼすからあげ」(100g 240円~)

定番人気の骨なしからあげや砂ずりなども人気で、お酒のおつまみにぴったりのメニューが揃っています。

諭吉のからあげ 中津店

住所大分県中津市上宮永260-13
電話0979-41-2410
営業時間10:30~14:00、16:00~19:30
定休⽇火曜

食べづらさはご愛嬌!? V字型チキンの「中津 彩鶏々~イロトリドリ~」

画像1: 食べづらさはご愛嬌!? V字型チキンの「中津 彩鶏々~イロトリドリ~」
画像2: 食べづらさはご愛嬌!? V字型チキンの「中津 彩鶏々~イロトリドリ~」

中津駅から徒歩約3分と立ち寄りやすい場所にある「イロトリドリ」。生まれも育ちも中津っ子のオーナー小川さんが「何か自分の店だけのオリジナリティあるものを」と考えたのが、自らも「史上最高に食べづらいからあげ」と語る、看板メニューの「Vチキン」です。

画像: 左から「Vチキン」(100g 300円)、「金賞せせり」(100g 350円)

左から「Vチキン」(100g 300円)、「金賞せせり」(100g 350円)

鶏の鎖骨の付け根にあたる部位を使ったからあげは、その名のとおり「V」の形で確かに食べづらさはありますが、塩ベースであっさりながらもジューシーな味わいで、思わず2個、3個と食べてしまうほど夢中になるおいしさ。

また冷凍肉は一切使わず、質のよいせせりにこだわった「金賞せせり」も、「からあげグランプリ」で金賞を受賞した人気のメニューです。

中津 彩鶏々~イロトリドリ~

住所大分県中津市中殿485-1
電話0979-24-0073
営業時間11:00~19:30
定休⽇月曜

今や全国的にも有名な、中津を代表するグルメの「中津からあげは」は、中津市民の日々の食卓はもちろん、行事ごとの献立に欠かせない家庭の味です。

本記事でご紹介したのは数十店舗あるからあげ店のごく一部で、店舗ごとに素材選びから仕込みなど、まだまだ独自のこだわりや特色のあるお店がたくさんあります。

テイクアウトや専門店のほとんどが、グラム単位か金額単位で買うことができるので、いろんな味を食べ比べながら、中津の旅を楽しんでください。

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