そんな別府・由布院で、息をのむほど美しい景色、珍しいアクティビティ、特別感のあるグルメなど、ここでしか味わえない体験を満喫する旅はいかがでしょう。印象的な体験ばかりをピックアップした、2泊3日のプランを提案します。
〈2日目〉
朝もやに包まれる日の出前の特別な時間
2日目は由布院をくまなくたっぷり楽しむプランです。この日はいつもより早いスタート。外はまだ少し暗い日の出前に起き、「金鱗湖(きんりんこ)」へとやってきました。
金鱗湖は由布院駅から車で5分ほどと、歩いて出かけても便利な場所にある周囲400mほどの湖。湖の底からは清水が湧き、支流から温泉が流れ込んでいます。特に秋から冬にかけての早朝は、寒暖差の影響で湖面上に朝もやが立ちのぼり、幻想的な雰囲気に。
木々に包まれた金鱗湖はどこから見ても絵になり、川面に映る自然も美しく、うっとり。
散策路を歩いてみると、ひんやりと冷たい空気を感じました。そうこうしているうちに、太陽が山の端から顔を出し始め、少しずつ朝もやも見えなくなっていきます。刻々と変わる湖の景色は美しく、なんとも感動的で忘れがたい時間となりました。
金鱗湖
住所 | : | 大分県由布市湯布院町川上1561-1 |
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電話 | : | 0977-84-2446(由布市ツーリストインフォメーションセンター) |
web | : | https://yufu-tic.jp/shiori/444/ |
カッポカッポと音をたてる馬車に乗り、まちを散策
続いての目的は、JR由布院駅から出発する「観光辻馬車」です。
まずは馬にご挨拶。この日の担当は白毛のゆきちゃん。北海道出身で馬車を曳いて23年のベテランだそうです。
座席に乗り込んで、ゆらゆら揺られながら町内めぐり。町の中心部にある大きな鳥居をくぐって行くと、徐々に建物が少なくなり、のどかな風景が広がってきます。
カッポカッポと心地の良い足音を響かせながら、馬車は雄大な由布岳へと近づいていきます。散歩中の地元の方が「ゆきちゃん」と手を振る姿も見られました。
途中、1000年以上の歴史がある佛山寺や、宇奈岐日女(うなぎひめ)神社では馬車を下りて、旅の安全を祈願しました。
辻馬車は大地震があった四十数年前に観光客が激減した際、「由布院の元気を伝えたい」と始まったのだそう。御者がまちづくりにまつわる話をしてくれるのは、これが理由です。「(現在も開催されている中で)日本で一番古い映画祭は湯布院が始まり」「熊本地震や九州北部豪雨の復興のシンボルとして災害に見舞われても辻馬車は絶えず運行してきた」といったエピソードを聞いて、由布院の知られざる魅力が見えてきたのでした。
観光辻馬車
住所 | : | 大分県由布市湯布院町川北8−5 (受付:由布市ツーリストインフォメーションセンター) |
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電話 | : | 0977-84-2446(由布市ツーリストインフォメーションセンター) |
営業時間 | : | 9:30~16:00(日によって運行時間が異なります) |
定休⽇ | : | 天候や馬の体調により休みあり、1、2月は休み |
料金 | : | 1名2,200円、小学生以下1,650円 |
web | : | https://yufu-tic.jp/shiori/445/ |
1日3組限定のレストランで、サプライズなランチ
お昼は予約していたイタリアンレストランの「coji coji」でゆっくりとしたひとときを。
田んぼに囲まれた一軒家の外観は由布院の風景とマッチしています。
腕をふるうのはオーナーシェフの松永幸治さん。調理をひとりで切り盛りすることもあって、ランチ、ディナーともに1日3組限定です。
実はcoji cojiは、決まったメニューがないレストラン。予約時に予算と食材を電話で相談すると、シェフが大分の地の素材を使いながら、こちらの希望を形にしてくれる、というスタイルなのです。
この日は40種の野菜を使った前菜から始まり、茶碗蒸し、お寿司の形のお米のサラダ、パスタ、地元のブランド豚のステーキ、食後の飲み物まで全8品。
イタリアンと銘打ちながら、お寿司や中華素材のフカヒレが出てきて意表を突かれてばかり。その驚きは食感や味、見た目でも体感できます。「土地のものを出すのがイタリアン」というシェフの定義からすれば不思議はないとのこと。うれしいサプライズばかりのランチでした。
coji coji
住所 | : | 大分県由布市湯布院町川上2546-6 |
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電話 | : | 0977-75-9786 |
営業時間 | : | 12:00~15:00、18:00~24:00 |
定休⽇ | : | 日曜 |
料金 | : | ランチコース5,000円~、ディナー11,000円~ |
web | : | https://www.cojicoji.jp |
ひと目見た瞬間から魅了される美しいカヌレをお土産に
駅前通りに戻ってお土産選びへ。スイーツ店などが立ち並ぶ一角にある「CARANDONEL(カランドネル)」は、美しいカヌレを揃えた専門店です。
こちらのお店の母体は「由布院温泉 山荘わらび野」で、カヌレは宿のお着き菓子としても人気。専門家のもとで試作を重ね、外はカリカリ、中はしっとりの理想のカヌレができあがったそう。
注目したいのはやはり見た目で、抹茶のグリーンがきれいなJapanese Teaや、スパイスの赤い粒がのったMasara Chai、花が咲いたようなAppleなど、どれをお土産にしても喜ばれそう。デコレーションだけでなく、カヌレの生地自体からもフレーバーが感じられるようひと工夫あるのもこだわりです。
1個300円ほどとお財布にも優しく、いろいろな味を試したくなり、自分へのお土産もしっかり手に入れました。
CARANDONEL
住所 | : | 大分県由布市湯布院町川上2939-4 |
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電話 | : | 0977-75-9475 |
営業時間 | : | 11:00~17:00 |
定休⽇ | : | 水曜・木曜 |
web | : | https://carandonel.thebase.in |
由布岳を望む大露天風呂とほろ苦自家製プリンで大満足
車を5分ほど走らせて「山のホテル夢想園」へ向かいました。
畳にすると150畳ほどの広さにたとえられる広い露天風呂があり、立ち寄りで利用できます。由布岳の絶景をのぞみながら入るお風呂で極楽気分に。
開放感たっぷりの温泉と一緒に立ち寄ってほしいのが、本館にある喫茶店「Ban Ban」です。
懐かしい雰囲気のあるレトロかわいい内装と窓から見える由布岳に心がほっと落ち着きます。
こちらの名物の「夢想園自家製プリン」(440円)はカラメルのほろ苦さをしっかりきかせたプリン。大分県産の新鮮な卵を使っており、卵黄の風味が濃厚。ツルンとした喉ごしがたまりません。生産の関係から1日40個が限度とのことですが、閉店前に売切れることもあるという人気のプリンです。
これだけを食べにわざわざ足を運ぶ人もいるというのも納得のおいしさでした。ほかほかとあたたまった体に冷んやりしたプリンの組み合わせで贅沢な気分を味わいました。
山のホテル夢想園
住所 | : | 大分県由布市湯布院町川南1243 |
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電話 | : | 0977-84-2171 |
営業時間 | : | 日帰り入浴 10:00~14:30(最終受付14:00) 喫茶BANBAN 9:30~17:00(L.O.16:00) |
定休⽇ | : | 不定休 |
料金 | : | 日帰り入浴中学生以上1,000円、5~12歳700円 ほか |
web | : | https://www.musouen.co.jp |
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