
西村 愛
2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎 (実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典 (PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。 サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。
菊池で一番の人気の場所と言えば「菊池渓谷」。いくつもの滝や巨木などの見どころのある渓谷が、市内から車でたった30分ほどで到着する手軽な場所にあるのです。
大自然の山道と岩場を歩きますが、整備がしっかりしていて老若男女が楽しめる自然満喫スポットです。
菊池渓谷までは予約制「観光あいのりタクシー」で!市街地から30分の渓谷を目指す。
レンタカーを使わない私のようなトラベラーには、菊池市内の主要観光地まで迎えに来てくれて、そこから菊池渓谷まで連れて行ってくれる「観光あいのりタクシー」がとっても便利!土・日・祝日とゴールデンウィーク(年末年始除く)に運行しているので日程を合わせてぜひ使いたいところです。
スタート地点には出店やお土産屋さんもあります。
ここで川魚のヤマメを40年焼き続けているというおじさんの絶妙な塩振り具合に負けて、ひとつ購入。魚の肝はきれいにしてあって全部食べられます。ほかにも焼き鳥やいきなり団子など、小腹を満たしてくれるグルメもいっぱいです。
大人気スポットである「菊池渓谷」へ行きました。ちょうど紅葉の最後の時期で多くの人で賑わっていました。ここまでは「菊池観光あいのりタクシー」で!通常タクシーなら片道4000円くらいかかるところ、900円で行けちゃいます。土日祝GWの運行、要予約です。
朱色の橋を渡って早速渓谷散策と行きたいところですが…。
その前に菊池渓谷グルメ!いきなり団子はお芋の美味しさがポイントですね。ほくほくアツアツ。
川沿いで食べるヤマメの味とは?ここで40年ヤマメを焼き続けているというおじさんの絶妙塩加減。確かにおいしい、ふわふわの焼き具合。
ほかにも焼き鳥。
とうもろこしなど、じゃんじゃん売れていく…!
幾重にも重なる滝と敷きもみじの競演、菊池渓谷散策
遊歩道を使い渓谷沿いの山道を進みます。途中、要所要所で河原へ降りることもできますが湿気が多いため滑りやすい場所もいくつかあります。
まず見えたのは「掛幕の滝」。赤い橋の上から見えますが水の美しいこと!清らかに澄んでいて水量も多く見応えがありました。
「黎明の滝」から「紅葉ヶ瀬」までの間、落ち葉、苔、樹木が一斉に迫ってくるようなスケール感。原生林の中をのんびりと歩けるので、お年寄りもお子様連れも方も多くいらっしゃっていました。空気も澄んで水もきれいで、これ以上ないほどの癒しが降り注いでくるようでした。
さて今度こそ渓谷の絶景を楽しみに。滝巡りスタートです。
菊池渓谷は川沿いになだらかに続く遊歩道が整備されています。比較的歩きやすいですが雨や湿気があるので落ち葉などで滑りやすいこともあります。

苔や小さな植物が共生する豊かな森。
小さな滝がいくつも見られ、森も深くなっていきます。感動の青さ!
巨木もたくさん見られます。この森はほぼ手つかずの原生林なので、木々のパワーが違います。
紅葉はすっかり終わり散りきっていましたが、それもまた美しい。苔がびっしりと生えた石の上に降りかかる落ち葉の間を清らかな水が流れていきます。
最初の大きな滝に到着。入り口からすぐでした。丸い岩の間をすり抜ける水が迫力ある「黎明の滝」。奥に拡がる森も大自然の世界観を感じさせます。
岩場に降りてみました。とにかく水がきれいです。夏は避暑地になりそうですね。
ゴロゴロと転がっている大石は、かつての阿蘇山の巨大噴火によって飛んできたものなのだそうです。それらがまた芸術的な景観を生み出しています。
清らかな流れと苔むした岩の調和を感じながら、次の滝へと向かいます。
この日は海外からのお客様も多く、ここが熊本県を代表する観光地であることを物語るような人出でした。
そしてここは、私が最も気に入ったかもしれない滝。「紅葉ヶ瀬」。すんごいきれい。水のきれいさやばめです。
この写真の通り、どこまでも青い水が迎えてくれます。渓谷の壁にあたる部分はマグマの冷却によって柱の形が作られる「柱状節理」が見られます。
360度どこを見ても人工的なものがない、自然に囲まれた空間。何時間でもここにいられそうです。
ダイナミックな滝、神秘的な景色が盛りだくさん。天狗滝から広河原まで。
さて引き続き菊池渓谷をまわります。ここの渓谷はなんといっても水が青い。夏は涼しく、冬は冷たい。そして水温は年間を通して14℃なのだそう。鬱蒼とした森を歩く時は平場よりも一枚羽織るものがあるとよいかもしれません。
水と景観、そして森林浴を楽しみながらの往復2キロは平坦な山道といった感じです。菊池渓谷は阿蘇山の外輪山に位置し、筆舌に尽くしがたいほどに澄み渡った伏流水、阿蘇の恵みを受けています。
歩みを進めるごと次々と新しい景観が展開していき、見応え十分な観光地です。こんなにも気軽に癒しの森を体験できるのは、全国探してもそうそうないと思います。「日本の滝百選」、「名水百選」、「水源の森百選」などにも選ばれています。
まだまだ見所が終わらない菊池渓谷。ここが環境美化のための100円を払うだけで楽しめるなんて、すごすぎませんか!?
天然のウォータースライダーのような滝「四十三万滝」。ただ水温は14℃となかなかの冷たさです。水辺まで降りる道は結構足場が悪かったです。気を付けましょう。
この岩も噴火で飛んできたの…?と思わせられるような風景。菊池は阿蘇の外輪山に位置していることから、湧水がこれでもかというくらいに豊富です。水道水も地下水なほど。その水源にあたるのがこの菊池渓谷なのですね。
自然に作り出された侘びの世界に浸れます。
そしていよいよ折り返しも近くなってきました。神が宿ったような不思議な木です。
岩を上からがっちり掴み大地まで根を這わせ、こんなに大きく成長するとは…。
「広河原」へと到着。名前の通り大きく平たい滝が流れています。
水神さんにもお参りして帰りました。
菊池渓谷に来た人は「観光のついで?」と思うほどに軽装でした。お年寄りからお子様まで、気軽に立ち寄れるスポットであることは間違いないです。しかし平場よりも気温が低いのと、河原へ行くには少し足元が危ない場所があります。ケガをしないために歩きやすい靴、防寒着はあると良いと思います。
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