機内で提供される温かいコンソメスープは、おかげさまで多くのお客さまからご好評いただいてきました。実は1954年の国際線就航時からの歴史を有し、時代に合わせて進化を重ねてきたもの。2026年にローソンの「からあげクン」「Lチキ」「Lから」とのコラボレーションを果たしたJAL伝統の味について、担当者の思いを交えてひもときます。
画像: コンソメスープがからあげクンに!「JALの味」に秘められた歴史と思い

1954年の国際線就航時、実は東京ステーションホテルが作っていました

JALのコンソメスープの歴史は、今から約70年前、1954年2月2日にまで遡ります。この日は、JALが日本において戦後初の国際線として東京―サンフランシスコ線の運航を開始した日。コンソメスープの誕生日は、日本の航空史に刻まれるマイルストーンなのです。

野口「当時の航空機(DC-6型機)は現在のように北米まで直行できる航続性能はなく、太平洋を横断するには、ウェーク島とホノルルの2カ所を経由して、31時間もかかる長い空の旅でした。またお客さまの大半は海外の方だったため、フランス料理を基本にしたメニューが一般的だったこと、そして機内は現在よりも寒さを感じやすかったようで、長旅に臨むお客さまに、『少しでも温まっていただき、リラックスしていただきたい』という思いから、温かいビーフコンソメスープの提供が始まったとされています」

当時の状況を知る社員はおらず、保管資料をひもといて語るのは、カスタマー・エクスペリエンス本部商品・サービス開発部の野口善之です。普段は機内食とラウンジの衛生管理をメインに担当し、国内外のフライトで提供されるお食事やお飲み物の安全性を監視する業務に携わっています。

画像: 1954年の国際線就航時、実は東京ステーションホテルが作っていました

野口「当時は現在のように機内食製造会社がまだ整備されていなかったため、羽田から出発する便に合わせて、東京駅にある東京ステーションホテルの厨房で作ったスープを魔法瓶に入れ、サンドイッチなどと一緒にスチュワーデスが機内まで運んで提供していました。まさに“日本の玄関口”の味が、日本の空の幕開けを支えていたのです」

その後、路線網の拡大とともに、機内食を専門に扱う製造工場が国内各地に立ち上がり、そこで作られた食事の搭載が始まります。こうしてビーフコンソメスープは徐々に「空の上の定番アイテム」としての地位を確立していきました。

高度1万メートルでも、きちんと「おいしい」と感じるための調整

機内で提供されるスープの味は、実は地上と全く同じではありません。高度1万メートルを飛ぶ機内は、気圧の関係から味覚が鈍くなるといわれています。しかし、単に味を濃くすれば良いというわけではないのが、開発の難しさなのです。

野口「味が濃すぎると後味が残り、召し上がったお客さまよりお水を求める声が増えてしまいます。結果として客室乗務員が対応に追われ、他のサービスへの影響も出てくるため、味のレベルを維持しながら、後味がスッキリするように、何回かマイナーチェンジを繰り返しながら現在に至っています」

また、機内食オペレーションサービスを担当し、食事やドリンクのメニュー選定にも携わる同部の片野慶は、近年の「空弁(そらべん)」の普及が、スープの存在価値をさらに高めていると指摘します。

画像: 高度1万メートルでも、きちんと「おいしい」と感じるための調整

片野「空港で購入されたお弁当を機内で召し上がるお客さまが増えています。温かいスープを一緒に楽しんでいただくことで、お食事全体の満足度を高めていただけます。客室乗務員も、お弁当を召し上がっているお客さまには積極的にスープをおすすめするようにしています」

2001年、絶体絶命の危機から生まれたオニオンコンソメスープ

現在JALの機内では、国内線においては昔から続くビーフコンソメ、国際線ではオニオンコンソメと、それぞれ味が違うスープを提供しています。後者のオニオンコンソメが登場したのは、2001年のことでした。

画像: オニオンコンソメ・ビーフコンソメ 4袋入り245円(税抜)、8袋入り385円(税抜)※メーカー希望小売価格

オニオンコンソメ・ビーフコンソメ 4袋入り245円(税抜)、8袋入り385円(税抜)※メーカー希望小売価格

野口「きっかけは、当時世界的な影響を及ぼしたBSE問題、いわゆる狂牛病でした。機内食でも牛肉由来の原料の使用に制限がかかり、ビーフコンソメスープの搭載を見合わせざるを得ない事態に陥ったのです。しかし、長年愛されてきた温かいスープのサービスを絶やすわけにはいきません」

そこで野口を含む開発チームは、ビーフに代わる新しいスープの検討を開始しました。候補に挙がったのは、コーンスープ、ポタージュ、中華スープなど多岐にわたりました。しかし、「機内での作業性」という壁が立ちはだかります。

野口「機内では限られた時間内に、一度に大量のスープを作る必要があります。ピッチャーに粉末とお湯を注いで作る際、粉末が瞬時に溶けることが条件でした。さらに、その注ぎ口には細かいスリットが入っています。コーンスープやポタージュのようなとろみのあるものや、具材のある中華スープは、このスリットに詰まってしまい、スムーズに提供できないことがわかりました」

画像: 2001年、絶体絶命の危機から生まれたオニオンコンソメスープ

溶けやすさ、詰まりにくさ、そして機内という特殊な環境下で最もおいしく感じられる味であること。厳しい条件をクリアし、最終的に選ばれたのが、玉ねぎの甘みを活かしたオニオンコンソメスープでした。当時この開発に携わった野口は、「ゼロから開発したオニオンコンソメスープには、生みの親のひとりとしての思い入れもひとしおです」と振り返ります。

「飲む」から「食べる」へ。ローソンとの異色コラボレーション

JAL伝統のオニオンコンソメスープは、2026年、大きなトピックを迎えます。コンビニエンスストア大手・ローソンの看板商品のひとつである「からあげクン」「Lチキ」「Lから」とのコラボレーションです。空の移動を担うJALと、日々の生活を支えるコンビニエンスストアのローソンがタッグを組んだ背景を、ローソンの開発担当者はこう語ります。

画像: 「からあげクン オニオンコンソメスープ味」298円/「Lチキ オニオンコンソメスープ味」259円/「Lから オニオンコンソメスープ味」4個入り298円。※2月24日発売

「からあげクン オニオンコンソメスープ味」298円/「Lチキ オニオンコンソメスープ味」259円/「Lから オニオンコンソメスープ味」4個入り298円。※2月24日発売

ローソン開発担当「からあげクン、Lチキ、Lからはローソンのフライドフーズでも支持が高い商品です。『日常のちょっとした幸せ』をお届けしたいという共通の思いがあったため、JALのオニオンコンソメスープとコラボが実現しました」

開発において最も苦労したのは、スープの「飲む」味わいを、チキンという「食べる」形で再現することでした。

画像1: 「飲む」から「食べる」へ。ローソンとの異色コラボレーション

ローソン開発担当「オニオンコンソメスープの『飲む』味わいを、『食べる』商品で再現するにあたり、鶏肉のうまみと野菜の甘み・風味のバランスを取ることが特に難しいポイントでした。オニオンコンソメスープならではの深みのある味わいと、お肉のおいしさを両立させるため、何度も試作を重ねて細かな調整を行いました」

具体的には、からあげクンでは鶏肉のうまみに負けない玉ねぎの甘みとコンソメの風味を強調し、LチキやLからでは鼻から抜ける香りとブイヨン感を意識した味付けが施されました。

画像2: 「飲む」から「食べる」へ。ローソンとの異色コラボレーション

実際に完成品を試食した片野は、「幼い頃からなじみのあるあのからあげクンが、JALのコンソメスープ味になったことに感激しました」と、その再現性の高さに驚いたといいます。

画像3: 「飲む」から「食べる」へ。ローソンとの異色コラボレーション

ちなみに、なぜ歴史のある「ビーフコンソメ」ではなく「オニオンコンソメ」が選ばれたのかというと、「チキンなのにビーフ味というのは矛盾が生じてしまうので」と、片野は笑います。このコラボ期間中、普段は国際線でしか飲めないオニオンコンソメスープを、期間限定で国内線の機内でもお楽しみいただけます。

画像: 「Uchi Café白くま風プレミアムロールケーキ」268円。※全国で各地域にちなんだ8つの味が2月24日発売

「Uchi Café白くま風プレミアムロールケーキ」268円。※全国で各地域にちなんだ8つの味が2月24日発売

ほかにも、機内で提供するJALオリジナルドリンク・スカイタイム味のコロロ(グミ)や、客室乗務員が開発に携わったご当地味のロールケーキがローソンで限定発売されます。

旅の記憶をご自宅の食卓に。アレンジで広がるスープの可能性

JALのコンソメスープは、機内やローソンの店頭だけでなく、ご自宅でも楽しむことができます。空港の「JAL PLAZA」や、JALの公式ショッピングサイト「JAL Mall」などで購入可能です。そして実はこのスープ、単に飲むだけでなく、料理の万能調味料としても非常に優秀です。

野口「スープ以外の活用方法として、アヒージョのベースにしたり、フライドポテトにまぶしたり、新しい発見があるはずです」

1954年の初就航から70年。東京ステーションホテルの魔法瓶から始まった一杯のスープは、時代に合わせて姿を変えながら、今も変わらずお客さまの心と体を温め続けています。

画像: 旅の記憶をご自宅の食卓に。アレンジで広がるスープの可能性

片野「ホッとする伝統の味として、これからも多くの人に気軽に手に取っていただき、JALの空の旅に興味を持っていただければ嬉しいです」

次に空へ旅立つときはもちろん、地上の日常の中でも。JALの歴史と思いが詰まった黄金色の一杯を、ぜひ味わってみてください。そこには70年分の「おもてなしの心」が溶け込んでいます。

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