冬だからこそ楽しめる雪景色。アートといっしょに、いつもと違った雪景色を楽しんでみませんか? 3年に一度の現代アートの祭典「札幌国際芸術祭2024(SIAF2024)」が2024年1月20日(土)〜2月25日(日)の37日間にわたり開催されます。今年は6年半ぶり、しかも初の冬開催ということで、一味違った見どころが盛りだくさん!

札幌市内の複数会場でアートが楽しめるのはもちろん、会期中には「さっぽろ雪まつり」も行われるため、フォトスポットも満載! 札幌の街歩きがより一層楽しくなるはず。この記事では、「札幌国際芸術祭」の基本情報や参加する個性豊かな国内外のアーティストの作品だけでなく、札幌&アート初心者も安心なバスツアーや、「札幌国際芸術祭」とあわせて巡りたい札幌のおすすめスポットも紹介します!

札幌国際芸術祭ってどんなもの?

そもそも芸術祭ってなに?

2000年代から、瀬戸内(香川県)や越後妻有(新潟県)など、日本各地で開催されてきた芸術祭。特定の会場だけでなく、街や地域全体を舞台に「いま」活躍するアーティストが世界中から集結し、期間限定で行われる「アートの祭典」です。数年に一度の周期で行われ、既存の作品が展示されるほか、国内外のアーティストが開催地で作品をつくり上げることも。その時、その場所でしか味わえないアートに触れられるのが、芸術祭なのです。

街や地域全体を舞台にしていることから、アートだけでなく、開催地の風土やグルメ、観光を楽しめるのも芸術祭の醍醐味! 会場が複数にわたる場合が多いため、芸術祭を中心に移動しながら数日間旅をして、その土地を味わい尽くすことができる絶好の機会です。

札幌国際芸術祭はどんな芸術祭?

「札幌国際芸術祭」は、3年に一度北海道札幌市で開催されているもの。「創造性のある『ひと』が『まち』をつくり、創造性のある『まち』が『ひと』を育てる」という札幌市の考えのもと、音楽家・坂本龍一さんをゲストディレクターに迎え2014年に第1回が開催されました。

世界の最新アートが札幌市内のさまざまな場所で紹介され、絵画や彫刻だけではなく、ITの進化により変化した現代の社会や生活、人間のありようをテーマにしたメディアアートが多く展示されることも特徴です。

今回は「LAST SNOW」をテーマに、過去、現在、そして未来を見つめるような作品が展示されるほか、ワークショップやトークプログラム、参加型アートイベントなども実施されます。

「札幌国際芸術祭2024(SIAF2024)」メインビジュアル

会場は全部で6つ。未来劇場(東1丁目劇場施設)、北海道立近代美術館、モエレ沼公園、札幌芸術の森美術館、札幌文化芸術交流センター SCARTSなど、札幌市内のさまざまな場所にある会場で、10カ国以上約80組のアーティストによる作品を全身で感じることができます。

画像: 主要6会場のマップ

主要6会場のマップ

どこで、どんな作品を楽しめる? 注目作品を紹介

スケールの大きい、見上げるような立体作品が登場する未来劇場

未来劇場(東1丁目劇場施設)には19組のアーティストが参加し、日本初公開の新作も多数。韓国の現代アートシーンを牽引するチェ・ウラムは、工学的な技術や知識とこれまでの創作経験を活かし、機械仕掛けでありながら、まるで生物のような動きを見せる作品を中心に新作を含む複数作品を展示します。

画像: チェ・ウラム《穴の守護者》 2011 Courtesy of the artist

チェ・ウラム《穴の守護者》 2011 Courtesy of the artist

ほかにも、粘菌やウイルス、細胞、花粉などを想起させる青木美香のガラス作品、アートユニットのフジ森が札幌の小中学校12校でワークショップを行い、計700人以上の子どもたちがプログラミングで制作した「自分だけの雪の結晶」など、自然や生命を感じられる作品が並びます。

画像: 青木美歌《her songs are floating》 2007 Photo by KOMAKI Yoshisato

青木美歌《her songs are floating》 2007 Photo by KOMAKI Yoshisato

100年前の作品から現代作家の作品まで楽しめる北海道立近代美術館

北海道立近代美術館で展示されるのは、アメリカ戦後絵画に始まるステイニング(にじみ)という技法と日本の伝統的な糸目友禅を使った絵画表現を展開する石井享の作品や、現代刺繍作家・テキスタイルアーティストの宮田彩加による、自身の脳のMRI画像をもとにした作品「MRI SM20110908」などを含む、1924年から2024年までの100年間に焦点を当てた作品群。

画像: 宮田彩加《MRI SM20110908》 2016 ‐ Photo by TAKASHIMA Kiyotoshi

宮田彩加《MRI SM20110908》 2016 ‐ Photo by TAKASHIMA Kiyotoshi

厳しい国際関係に翻弄される北洋漁業の現場を追った平野禎邦の写真のほか、平面と奥行、知覚の多様性を研究したジョーゼフ・アルバースの版画、北海道の気候や風土を意識したテーマに取り組んできた道南ゆかりの画家・国松登の絵画作品など、同館が誇るコレクションも多数展示されます。

画像: 国松 登《星月夜》 1991 北海道立近代美術館蔵

国松 登《星月夜》 1991 北海道立近代美術館蔵

「雪倉庫」という特殊な空間や「未来の札幌の運動会」が体験できるモエレ沼公園

モエレ沼公園の象徴的なガラスのピラミッド内では、現代美術家の脇田玲による、数十億年の大地の変遷のダイナミクスを8Kで表現する映像作品を展示。さらに期間限定で、フィンランド出身のユッシ・アンジェスレヴァとスイスのアーティストユニットAATBが、一般には公開されていない「雪倉庫」という特殊な空間を会場に、ロボットアームによる氷と光のパフォーマンスを披露します。

画像: ユッシ・アンジェスレヴァ + AATB《Pinnannousu》Photo by Gianni CAMPOROTA, ECAL - A Third Hand

ユッシ・アンジェスレヴァ + AATB《Pinnannousu》Photo by Gianni CAMPOROTA, ECAL - A Third Hand

また、2024年2月24日(土)、25日(日)には、参加者がアイデアを出し合って新しい競技をつくり、そのスポーツで実際に「運動会」を行う「未来の札幌の運動会」を開催。モエレ沼公園の雪原を舞台にした札幌ならではの新しい競技が生まれます。家族やお友達と一緒に楽しめそうですね。

画像: 未来の札幌の運動会

未来の札幌の運動会

「ナンセンスマシーン」に触れて遊べる札幌芸術の森美術館

札幌芸術の森美術館では、青い作業服を着用したアートユニット明和電機によるユーモアあふれる「ナンセンスマシーン」の数々に触れて遊ぶことができる「明和電機 ナンセンスマシーン展 in 札幌」、札幌発のテクノロジーやクリエイティブ産業に注目して、両者の結びつきを紹介する「メディアアーツ都市・札幌 って知ってました?」の2つの展覧会が行われます。

画像: 明和電機 Photo by MITSUHASHI Jun

明和電機 Photo by MITSUHASHI Jun

今年は「さっぽろ雪まつり」の一部も芸術祭の会場に! 冬の札幌を最大限に楽しもう

そして、今回の「札幌国際芸術祭」は初の冬開催。2024年2月4日(日)〜2月11日(日)には、北海道の冬の一大イベントである「さっぽろ雪まつり」が開催されるため、「札幌国際芸術祭」とあわせて冬の札幌を最大限に楽しめるチャンスです。

画像: 今年は「さっぽろ雪まつり」の一部も芸術祭の会場に! 冬の札幌を最大限に楽しもう

「札幌国際芸術祭」の会場のひとつであるさっぽろ雪まつり大通2丁目会場では、これからの移動や暮らしなどに焦点を当て、それらの未来をみんなで構想します。「とある未来の雪のまち」というコンセプトのもと、オーストラリアのアート&テクノロジースタジオ「エネス」による光と音が変化する大型作品などの展示も行われます。

その他の「さっぽろ雪まつり」会場でも、国内外のチームや札幌市民がつくる雪像や、『ゴールデンカムイ』の大雪像など見どころがたくさん!

画像: エネス《エアシップ・オーケストラ》 Photo by Ben WEINSTEIN

エネス《エアシップ・オーケストラ》 Photo by Ben WEINSTEIN

さらに、芸術祭の公募・連携プロジェクトとして「INTEG’Lab Live: 音楽と空間の新機軸/ライブエレクトロニクスの現在」(2024年2月5日実施)、札幌の劇団による演劇フェスティバル「札幌演劇シーズン2024-冬」(2024年1月27日~2月17日実施)など、市内各所でたくさんのワークショップや音楽イベント、舞台公演なども開催予定。「札幌国際芸術祭」の展示だけでなく、まるごとアートで埋め尽くされる札幌の街をぜひ体感してみてください。

とはいえ、初めて札幌に行くから旅程が不安……という人には、札幌文化芸術交流センター SCARTSを出発し、ガイドが札幌の街並みを案内しながらSIAF2024の会場を目指す街歩きガイドツアー「SIAF2024の魅力がぎゅっと楽しめる街歩きガイドツアー&バスツアー」の利用がおすすめ!
ツアーの後に会場を巡ることでアートを堪能できることはもちろん、札幌の街の歴史や魅力もたっぷり知ることができます。

札幌国際芸術祭と一緒に楽しみたい札幌のおすすめスポット3選

せっかく札幌に行くなら観光も楽しみたい! という人のために、「札幌国際芸術祭」とともにぜひ訪れたい観光スポットを紹介。オフィシャルサイトに掲載されている各会場のキュレーターやスタッフがおすすめする飲食店やモデルコースとあわせて、旅の参考にしてみてくださいね。

未来劇場の前にまずは観光。ニューオープンの都市型水族館「AOAO SAPPORO」

画像1: 提供:ナカサアンドパートナーズ

提供:ナカサアンドパートナーズ

まずは、未来劇場(東1丁目劇場施設)のほど近く、2023年7月にオープンしたばかりで話題を呼んでいる都市型水族館「AOAO SAPPORO」。「生命のワンダー~みえないものがみえてくる~」をコンセプトに、植物を含む250種4,000点の生き物が展示されています。

画像2: 提供:ナカサアンドパートナーズ

提供:ナカサアンドパートナーズ

その中でも目玉はペンギン。8メートル以上ある水槽の中でペンギンたちが泳ぐ姿を見ることができ、水槽横の階段を上ると、陸に上がったペンギンと同じ目線の高さで観察することができます。観覧スペースの距離が近いので、勢いよく泳ぐペンギンたちの水しぶきがかかることも。キュートなペンギンとの2ショットも撮れるかもしれません。

さっぽろ地下街ポールタウン直結というアクセスの良さに加え、22時まで営業しているので、未来劇場での作品鑑賞前はもちろん、1日の終わりに訪れるのもおすすめです。

AOAO SAPPORO

住所北海道札幌市中央区南2条西3-20 moyuk SAPPORO 4F-6F
電話011-212-1316
営業時間10:00~22:00(最終入館21:00)
※季節によって変更する場合があります。
定休日なし
※施設メンテナンス等により臨時休館する場合があります。
webhttps://aoao-sapporo.blue/

札幌芸術の森美術館の近くでほっと休憩。六花亭の図書施設「六花文庫」

画像1: 札幌芸術の森美術館の近くでほっと休憩。六花亭の図書施設「六花文庫」

札幌芸術の森美術館での鑑賞前後には、札幌中心部から札幌芸術の森美術館へ向かう途中、真駒内駅近くにある図書施設「六花文庫」で一息。北海道を代表するお菓子メーカー「六花亭」は、お花がデザインされたレトロなパッケージがかわいくて人気ですよね。そんな六花亭が運営するこの図書施設、約8,000冊の蔵書はすべて食にまつわるもの。

画像2: 札幌芸術の森美術館の近くでほっと休憩。六花亭の図書施設「六花文庫」

火がぱちぱちと弾ける大きな暖炉とふかふかのソファ、大きな木のテーブルと椅子や、一人用の肘掛けつきソファなど、時間が静かに流れる空間の中で、旅の疲れをちょっぴり癒してみてはいかがでしょう。冷えた体に染みる温かいコーヒーや六花亭のお菓子を楽しめる喫茶ルームもあるので、札幌芸術の森美術館の前後の休憩にぴったり。

六花文庫

住所北海道札幌市南区真駒内上町3-1-3
電話011-588-6666
営業時間11:00~16:00
定休日月~木曜
webhttps://www.oda-kikin.com/rokka.html
※書籍の貸出は行っていません。

北海道立近代美術館のあとに北海道らしいディナーを。ジビエフレンチ「ゴーシェ」

札幌中心部に戻り、北海道立近代美術館での鑑賞を終えたあとは、2017年に「ミシュランガイド北海道」でビブグルマンに選出されたフレンチレストラン「ゴーシェ」でディナーを。雑誌などでもいまの札幌を感じられる名店として取り上げられている、注目のお店です。

シェフの小鹿陽介さんは、国内で修業を積んだ後にフランスへわたり、4年間料理と猟を学び帰国。帰国後には調理する食材を自ら獲りたいという思いから狩猟免許を取得しました。

画像: エゾシカのハムと道産モッツァレラのサラダ

エゾシカのハムと道産モッツァレラのサラダ

画像: エゾシカのステーキ

エゾシカのステーキ

「エゾシカのハムと道産モッツァレラのサラダ」や「エゾシカのステーキ」「函館産豚のロースト」など、道産食材や北海道ならではのエゾシカやヒグマを使ったジビエ料理、それらに合うナチュラルワインを味わうことができます。

ゴーシェ

住所北海道札幌市中央区南3条西8-7 大洋ビル 2F
電話011-206-9348
営業時間17:00~22:00
定休日火曜

札幌国際芸術祭も、街歩きも。冬の札幌を楽しみ尽くそう

札幌の厳しい寒さの中で開催されながら、じんわりと熱が伝播するような作品群が集結する「札幌国際芸術祭」。国内外のアーティストたちの作品はもちろんのこと、「さっぽろ雪まつり」をはじめ、札幌ならではのイベントや、豊かな食、心休まるスポットなど、冬の札幌の街ごと楽しんでみてはいかがでしょうか。

札幌国際芸術祭 SIAF2024

開催期間2024年1月20日(土)〜2月25日(日)
webhttps://2024.siaf.jp
画像: フォトスポット満載! 「札幌国際芸術祭」でアートを楽しむ冬の札幌観光

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