広い北海道の東側、いわゆる道東の北に位置する小清水町・網走市。オホーツク海に面したこの地区は山や湖といった環境にも恵まれ、そこに棲む生き物たちの多様な活動や自然の神秘的現象により鮮やかに彩られています。

〈2日目〉

大迫力のクルージングでオホーツク海の多様性に感激!

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ツアー2日目は早朝からアクティブに。網走の観光船乗り場に向かい、オホーツク海クルージングに臨みます。世界的に見ても珍しいほど低緯度で流氷が来るオホーツクの海は、クジラやイルカ、アザラシといった海生哺乳類の宝庫です。

画像2: 大迫力のクルージングでオホーツク海の多様性に感激!
画像3: 大迫力のクルージングでオホーツク海の多様性に感激!

流氷が後退する春にはブルームがおき、オキアミを主食とする、体長が25mほどにまで成長する世界で2番目に大きなナガスクジラに出会えます。また運が良ければ、 “海のギャング”と呼ばれるシャチにだって出会えるケースも。

夏から秋にかけては小型のネズミイルカやカマイルカ、口の尖ったツチクジラなどが元気に泳ぐ姿を船上から確認できます。カマイルカは船と並走してくれる場合もあり、時折ジャンプする姿は愛嬌たっぷり。

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暖流と寒流が交わり、氷が張る時期と張らない時期とで異なる豊かな生態系を構築。生物多様性が高いオホーツク海は、まさに生命のゆりかごなのです。

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そんな魅惑のオホーツク海を巡るあばしりネイチャークルーズが、今後はさらにパワーアップ。船の上から参加者の目で直接観察できるのに加えて、船内のモニターにてドローンの映像を同時に生中継する予定だそうです。真横と上空からというふたつの視点で、海の生き物たちのダイナミックな動きを楽しめるよう模索中なんだとか。

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ただし、誠に残念ながらクルージング当日はあいにくの悪天候。実は、船が出港できず、東京農業大学の北海道オホーツクキャンパスでのオホーツクレクチャーに参加しました。講義を行ってくれたのは、本来であれば船上でのガイド役を務めていただく予定だった小林万里先生です。

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生物産業学部の海洋水産学科に籍を置く小林先生は海洋哺乳類の生態に明るく、特にアザラシの研究で著名な人物。オホーツク海の特徴、そこに棲む生物たちの情報を、質疑応答を交えて詳しく説明してくれました。

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オホーツクの海岸で回収したシャチの骨が置かれた研究室の様子も少し覗かせていただき、ツチクジラの骨格標本が鎮座する学校内の案内も受けるなど、充実の内容。クルージングができなかったのはつくづく残念でしたが、貴重な経験の数々に参加者は納得の表情を浮かべていました。

あばしりネイチャークルーズ

集合場所北海道網走市南三条東4丁目5-1 道の駅流氷街道網走
電話0152-44-5849
料金大人(中学生以上)8,800円、子ども(小学生)4,400円
所要時間約3時間
※2022年度の運航は終了。2023年度は4月20日から運航開始予定
※小林万里先生同行のツアーは現在商品化に向けて試験運用中。詳しくは北海道宝島旅行社まで

自然の恵みをギュッと凝縮! 味変も楽しい絶品釜めし

画像1: 自然の恵みをギュッと凝縮! 味変も楽しい絶品釜めし

この日は午後も予定がぎっしり。でもその前に、おいしい昼食の時間です。12時きっかりに伺ったのは、2021年10月にオープンした炉ばた 燈 Akari。店内の大きな窓からは、広大なオホーツク海を望めます。

画像2: 自然の恵みをギュッと凝縮! 味変も楽しい絶品釜めし

海産物メインの土産物ショップなどが併設する複合店舗内にあるこちらは、生産者と買付人の直ルートをフルに生かし、地産・地消にこだわったお店。網走の特産品である釣きんきやイバラガニなどを使った絶品の海鮮料理が味わえるのです。

画像3: 自然の恵みをギュッと凝縮! 味変も楽しい絶品釜めし

この日のランチメニューは、季節限定の「秋鮭と4種のキノコ釜めし~贅沢いくら乗せ~」(1,900円)。地元で獲れた新鮮なサケをご飯やキノコ類と一緒に釜で炊き込み、ぷりぷりのイクラとともに味わう北海道ならではの親子めしです。釜の蓋を開けた瞬間に、芳醇な秋の香りがフワッ! なんとも食欲を誘います。

画像4: 自然の恵みをギュッと凝縮! 味変も楽しい絶品釜めし

お味は当然、言うことなし。優しくも濃厚な旨みが口の中いっぱいに広がり、サケの臭みはまるで感じられません。イクラをのせてかき込めば、感動もひとしお。味変用としてガーリックバターや出汁まで用意されるなど至れり尽くせりのお食事に、ツアー参加者一同、大満足でした。

炉ばた 燈 Akari

住所北海道網走市南4条東6-8-2 網走番屋内
電話0152-67-4111
営業時間8:00~10:00、11:00~15:00(14:30ラストオーダー)、17:00~21:00
定休⽇火曜日
webhttps://www.robata-akari.com

歴史的にも貴重な貝塚で約1300年前の人々の暮らしに触れる

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絶品グルメでお腹を満たしたら、再びバスで移動。古代オホーツクの暮らしを今に伝える史跡、モヨロ貝塚まで足をのばしました。案内役は、モヨロ貝塚館の解説員である佐久間麻奈美さんです。

画像2: 歴史的にも貴重な貝塚で約1300年前の人々の暮らしに触れる

今から1300年前の網走を生きたモヨロ人の生活様式を、住居・墓・貝塚のテーマごとに展示するモヨロ貝塚館。まず圧倒されるのが、館内地下に位置する復元された貝塚です。

画像3: 歴史的にも貴重な貝塚で約1300年前の人々の暮らしに触れる

青森県出身の考古学者、米村喜男衛が1913年に発見した当時の貝塚を蘇らせた展示施設では、カキやシジミ、ホッキなどの貝殻とともに当時のお墓まで再現。手足が小さく折りたたまれて頭に土器を乗せた状態で埋葬されており、独特の文化を垣間見ることができます。

画像4: 歴史的にも貴重な貝塚で約1300年前の人々の暮らしに触れる

発掘された調度品も豊富にディスプレイされ、教科書などで見てきた馴染みある縄文文化とは少々趣の異なるオホーツクならではの伝統を伝えます。神として崇められていたというクマの彫刻や、表面に細かな刻みや水鳥をかたどった文様がつけられた土器などは、この地方の文化特有のものです。

画像5: 歴史的にも貴重な貝塚で約1300年前の人々の暮らしに触れる

そのほか、オットセイを模した細工を施すスプーンなど、今見ても凝った装飾の日用品が並んでいます。「貝塚に残されたものから、当時の生活の細部がはっきり見えてくる」(解説員・佐久間さん)ような感覚が、知識欲を無性にくすぐります。

画像6: 歴史的にも貴重な貝塚で約1300年前の人々の暮らしに触れる

また館の2階には、当時の人々が集団で暮らした大規模な竪穴式住居の復元を展示。実際に中に入ることができるため、まるで1300年前にタイムスリップしたかのような不思議な感覚に。古代オホーツクの豊かさ、力強さを、みなさんもぜひ五感で感じてみてください。

モヨロ貝塚館

住所北海道網走市北1条東2丁目
電話0152-43-2608
開館時間9:00~17:00(11月~4月は9:00~16:00)
休館⽇月曜日、祝日、年末年始(7月~9月は無休。GWと10月~11月の祝日は開館)
料金大人300円、高校生・大学生200円、小学生・中学生100円

楽しい! おいしい! 面白い! 流氷の魅力を体中で実感

画像1: 楽しい! おいしい! 面白い! 流氷の魅力を体中で実感

続いて、北半球において流氷の最南限とされるオホーツク海の不思議を解き明かす、オホーツク流氷館へ。併設された天都山展望テラスからは、オホーツク海、知床など大自然の風景を一望できます。

画像2: 楽しい! おいしい! 面白い! 流氷の魅力を体中で実感

受け付けを済ませて地下1階に足を運ぶと、合計400インチの大迫力5面シアターが。左右上下の視界すべてに美しい映像が広がり、雄大なオホーツクの魅力がダイレクトに感じられます。有料展示エリアは2023年1月20日にリニューアルオープンを予定。流氷海中映像が新しく登場します。

画像3: 楽しい! おいしい! 面白い! 流氷の魅力を体中で実感
画像4: 楽しい! おいしい! 面白い! 流氷の魅力を体中で実感

同じく地下の流氷体感テラスでは、マイナス15℃の室内で本物の流氷に触れることが可能。濡れたタオルを凍らせる「しばれ実験」や、流氷の天使クリオネ、ナメダンゴなどオホーツク海の珍しい生き物を飼育展示しています。

画像5: 楽しい! おいしい! 面白い! 流氷の魅力を体中で実感

さらに1階のカフェでは、ここでしか味わうことのできない、キャラメルベースにオホーツクの青い塩をトッピングした絶品スイーツ、「流氷ソフトクリーム」が味わえるなど喜びがたくさん。大人も子どもも夢中になれる、まさに知的アミューズメントパークです。

オホーツク流氷館

住所北海道網走市天都山244-3
電話0152-43-5951
開館時間5月~10月/8:30~18:00、11月~4月/9:00~16:30、12月29日~1月5日/10:00~15:00
休館⽇なし
料金大人770円、高校生660円、小学生・中学生550円

HOKKAIDO LOVE!」では、オホーツクエリアのその他の観光ツアーの様子も紹介しています。そちらもあわせてご覧ください。

『オホーツクの食をディープに楽しむ ちょっと知的なツアー!』体験記
https://hokkaidolove.jp/travel/detail/001479/

『オホーツク編SDGsツアー!持続可能な農山漁村の在り方を考える!』体験記
https://hokkaidolove.jp/travel/detail/001546/

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※本記事は2023年1月20日に一部内容を更新しました

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

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