
西村 愛
2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎 (実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典 (PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。 サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。
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「ジオバス」を活用して、隠岐でしか見ることのできない神秘的なジオな世界を体験します。人生初のシーカヤックにも乗りました。
「かぶら杉」「乳房杉(ちちすぎ)」を見て島内三大杉を制覇!
半日コースで島の特異な大自然を見てまわるバスツアー「ジオバス」。島の西側を回る「だんぎょうコース」と東側を回る「ちちすぎコース」があります。事前予約が必要ですがなんと大人1名から催行されるので、ひとり旅でもガイドをつけてしっかりまわりたい人にもオススメです。但し基本的に運行日は土日なので注意が必要です。
スタート地点は自転車をレンタルした場所と同じ、隠岐ポートプラザ。午前中出発の「ちちすぎコース」に参加です。まずは島の真ん中付近にある「かぶら杉」見学。根元付近はひとつなのに、そこから6本の幹に分かれている杉。山奥へ入らなくても車を降りてすぐに見ることができます。
深く青い日本海と白っぽい岩の景色をパノラマで眺めることが出来る「白島展望台」へ立ち寄った後は、このツアーの見どころでもある「岩倉の乳房杉(ちちすぎ)」へ。自転車では無理そうだな…と思っていたのでこのツアーを選んでよかった!神秘的なパワーが木から降り注いでくるようでした。これで「八百杉」「かぶら杉」「乳房杉」をコンプリート!隠岐の大地の生命力が宿ったかのような木々の力強さから、大きなパワーを感じました。
さらに玄武岩が海中に突出する「黒島展望台」を見ながらガイドさんからお話を聴く。
この島が火山噴火ででき上がったのは600万年前だよと言われると思考停止するくらい昔の話だけど、今、目の前にあるものは間違いなく私が生まれる前からある世界。壮大な話を理解するには沢山の想像力を必要としました。
木々の中に突如として現れる「かぶら杉」。樹高約38.5メートルと言いますから、ビルにして10~11階分くらいです。
かぶら杉は「ウラスギ」の一種で、枝が下向きになり積雪に耐えられるようになっているそうです。ウラスギとは日本海側(裏日本)に生育する杉のことです。
根元あたりはひとつ。しかしそこから6本の太い幹とそれ以外の細い幹が高く伸びています。樹齢は約600年。一本、一本でも十分な太さのある幹。
国指定名勝、及び天然記念物となっている白島海岸。ここを展望台から眺めます。この旅一番の青空だったかもしれない…!
浸食などにより小島が点々とする特異な風景。絶壁具合から見ても、地殻変動や火山噴火で海水から土地が盛り上がった感じがわかります。
トンネルのようになる風景は隠岐諸島ではよく見られます。現在は定期運行していませんが、かつて「白島遊覧船」で洞窟の中のコバルトブルーな海を見たことがあり、白島周辺の海のきれいさは保証します!
上から見ても美しいことが良くわかります。サザエやアワビもたくさんいそう…。
岩倉の乳房杉(ちちすぎ)。これを見るためにだけ隠岐を訪れても損はない、そんな風景に出会えます。
圧倒的な存在感。樹齢約800年、樹高約30メートル。神域と言わんばかりの鳥居により、崇められている杉なのです。杉では珍しいとされる「気根(鍾乳根)」と呼ばれる乳房状の根が垂れ下がっています。
木の根元付近には大きなシダが生育していて、まるで原始時代を描いた映画の世界。奥から恐竜が出てきそうでした。
黒島展望台。この岩は玄武岩でできており、でき上がる時に地球内部の「マントル」を取り込んだまま地表に出てきました。美しい景観であるとともに、地球そのものを語る重要な岩石であると言えます。
シーカヤックで海から島の絶壁を眺める
実は隠岐の島へ行くのは今回で、6回目?7回目?くらいの私です。しかし今まで機会がなかったシーカヤックに初挑戦です。
正直カメラの水濡れが心配であまり撮影できなかったのですが、素晴らしいジオ感!
海面という、普段よりもぐっと低い場所から見上げる自然の造形美。見上げるたび恐怖さえ覚える高い崖、遠くに見える島、透明度高い海。
アクティビティの気持ちで「漕ぐぞ、漕ぐぞ。」と乗り込んだカヤックでしたが、必死に漕ぐというよりものんびりとゆっくり進むそのスピードが心地よく、気持ちが落ち着きます。
ガイドさんがしてくれる、島の成り立ちや歴史に関するお話がとても楽しく学びもあり、360度大自然に囲まれ、プカプカと浮遊する感覚に包まれていました。
スケール感ある体験ができました。次回隠岐へ行くときも必ずやりたいです!
今度は海から自然を眺めてみましょう。海洋スポーツセンターから、2人乗りシーカヤックに乗って出発します。
ガイド同行で日本海へ飛び出します。カヤックはかなり浮力が強く安定感があるので安心して乗れますが、下半身は結構濡れます。カヤックの中に水がたまるくらいの感覚があるのでカメラに気を使いました。
途中少し雨も降りましたが都万(つま)の海もとてもきれいでした。海藻が多く、その海藻を食べるアワビやサザエがおいしい理由がわかりました!夕日の時間にはこの岩肌まで真っ赤に染まるのだとか。のんびりとパドルを使って水をかきながら、色んなお話を聞きました。シーカヤック、はまりそうです!
コースによっては洞窟へ行くこともできます。私はのんびりと海面を眺めたり、遠くの島を見たりしながらゆっくりと海を巡るコース。
スケール感ある体験ができました。次回隠岐へ行くときも必ずやりたいです!
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