広島空港からJRや県内バスを利用して広島県を東へ西へ。まず初日は空港エリアの「竹原」で渋い街並みを散策、「大久野島」へフェリーで渡りました。今回は瀬戸内海の島や広島市内を楽しむ2泊3日。市内のおしゃれカフェや宮島のお土産もご紹介していきます。
画像1: 広島空港から行く瀬戸内の絶景を探す旅(前編)

西村 愛

2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎 (実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典 (PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。 サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。

空港からたった25分。塩田で栄えた竹原を目指して。

広島空港へじわじわと降下する飛行機がなかなか雲の中を抜けてくれないなぁと思ったら、濃霧でした。広島空港は山の中にあり霧が出やすい空港なのですが、たとえ濃霧でも安全に着陸できる設備が完備されているとフォロワーさんに教えてもらい納得!

ここからリムジンタクシーで竹原町並み保存地区へ。“安芸の小京都”とも呼ばれる竹原は空港からも近く、帰りに立ち寄るのも良いかもしれません。
竹原町並み保存地区までは駅から歩いていくことができます。
豪商や製塩の問屋が並ぶ端正な佇まい。タイムスリップしたかのような風景に浸れる由緒ある町並みを見ることができます。

塩浜で大成功!趣ある街を残した豪商たち。

竹原の製塩の歴史は江戸時代に遡ります。
慶安期、開墾された土地は塩気が多く耕作できず放棄されたままとなっていました。農作物が育てられなかったことから塩浜にすることを提案された竹原の住民は、赤穂の職人を招き入れ製塩技術を学び、土地を塩田へと改築していきます。
これがことのほか上手くいき飛躍的に発展し、その後各所から商人がこぞって塩浜経営に手を挙げるようになったのです。

芸術的な意匠をふんだんに使った浜旦那の旧邸宅「森川邸」。

森川邸は塩田で財を成した「浜旦那」と呼ばれる製塩業者の旧宅です。森川家のように塩田で財を成し、その他の商売まで手を広げ大経営者となった浜旦那が竹原には沢山います。
森川邸は、福山市にあった山路氏の邸宅を移築・増築したことから、屋根には2つの家紋が見られます。家の中に「鉄刀木(たがやさん)・紫檀・黒檀」という銘木3種類が使われているのも特徴です。
建築文化、芸術性の高さなど大正時代の豪商の暮らしぶりを見ることができる貴重な建築物で、その広さは192.5畳、2階建て29部屋、さらに和風の庭も持つ広大な敷地です。
知恵と苦労の末、使い物にならなかった土地から経済を生み出した、当時の竹原の繁栄の象徴をこの邸宅に見ることができます。

後編はこちら

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