2011年に「うどん県に改名しました!」と高らかに宣言し、注目を集めた香川県。しかしこのフレーズは「うどん県 それだけじゃない 香川県」と続きます。今回の香川の旅では、近年国内はもちろん海外からも人気の高い瀬戸内のアートや塩飽水軍の歴史などにスポットを当て、“それだけじゃない”楽しい香川をご紹介します。
画像: 伝統と歴史、現代アートの交差点 香川の旅(前編)

西村 愛

2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎 (実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典 (PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。 サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。

【高松市内カフェ巡り1】古き良き老舗喫茶室「くつわ堂総本店」。

JR高松駅から徒歩5分ほど、市内の中心地にある「くつわ堂総本店」。
高松名物「瓦せんべい」の製造・販売を行う150年の歴史ある老舗せんべい屋「くつわ堂」の2階から3階が喫茶室になっていて、朝から多くのお客さんでにぎわいます。
オープン当時から絶賛の声が集まっていたという喫茶室の建物や家具、絵画のセンスの良さは、令和になった今でも健在。
椅子やテーブルは、高松市に会社を構え、モダンな無垢材使用のインテリアアイテムや、デザイナーのジョージ・ナカシマの木工家具製作で有名な「桜製作所」のもの。ソファタイプのチェアは程よい硬さと張りがあって、腰を落ち着けて長居したくなる座り心地です。
またこの喫茶室の壁にさりげなく掛けられている絵画は、高松市で生まれ丸亀市で育った「猪熊 弦一郎」や、アートの島として有名な「直島」に美術館を構える「李 禹煥(リ・ウーファン)」といった芸術家の作品。美術館のような空間の中でコーヒーやケーキなどを楽しむという、格別な体験ができます。
オーダーしたケーキ「ノア」は、コーヒー風味のバタークリームを使ったロールケーキ。生地にはくるみが使用されていて香ばしく、食べるとどこか懐かしさを感じさせてくれます。ケーキは数種類あり、全て店内で手作りされています。
芸術鑑賞をしながらゆっくりと時間を過ごせるカフェなので、旅の途中の休憩に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

【高松市内カフェ巡り2】北浜alley内。デザイン会社が手掛けたカフェバー「さろんぶるー」。

高松港沿いの倉庫や空き家、空きビルを改装した商業施設「北浜alley」。中ではギャラリー、ショップ、レストラン、カフェなどが営業しています。
この一角に、2019年4月にオープンしたばかりの「さろんぶるー」へお邪魔しました。ここはグラフィックや空間デザインなどを行う会社がオープンさせたカフェバーで、北浜alley内にある予約必須の人気カフェ「umie」や、瀬戸内の海をイメージした雑貨をそろえたセレクトショップ「Blue」などもその系列店。
さろんぶるーが入っている建物は、もともとは海運会社のものだったというビルの5階。お店の扉を開けると、窓からは3方向に海が広がっています。
店内には瀬戸内の伝統工芸を取り入れたオリジナルファニチャーが配置されています。例えば、丸亀うちわを使ったシャンデリア照明や讃岐桶樽を使ったカウンター。香川漆器の作家作品などは買うことができます。
穏やかな瀬戸内海を眺めながら時間を過ごせる窓側を向いたデザイナーズチェアの席やローテーブルを囲むソファ席は居心地抜群。奥にあるのれんで仕切られたスペースは「茶室」をイメージしたソファ席で、プライベート空間のようなおこもり感があります。
流れるBGMはさざ波が寄せるようなヒーリングミュージックで、シンガーソングライターで香川県坂出市出身の曾我部健一氏がプロデュースしたもの。目から耳から五感を揺さぶられる感覚でした。
提供される料理は旬の野菜を使ったピッツァや一品料理などで、食材は地元のものが使われています。クラフトビールやオリジナルフルーツドリンクなどもあり、カフェとしても、バーとしても使えるお店です。

「街を歩けはアートに当たる」高松市内でアートハンティング!

高松駅から町中心部は商業エリアがぎゅっと密集していて、徒歩圏内の散策だけでも十分に楽しめます。「ことでん」の愛称で親しまれている高松琴平電気鉄道を利用したりJR高松駅地下で手軽に借りられるレンタサイクルを利用したりしても便利です。
まずはアーケード「丸亀町商店街」を通り「丸亀町グリーン」へ向かいます。
ここにあるスイーツのお店「菓子工房ルーヴ」では、和三盆を使ったソフトクリームが食べられます。ちょうど3年に一度開催される「瀬戸内国際芸術祭(以下、瀬戸芸)」が開催中だったので、展示に関連した特別なスタイルで提供されていました。テーマは「卓球」。
和三盆は四国地方の特産品。伝統的な製法で作られる高級砂糖です。和三盆の特徴である淡い黄色い色のソフトクリームはくちどけが良く、素材由来のコクある甘さが広がります。ソフトクリームの上には、こちらも香川県の名産で、結婚式の引き出物や結婚した際のご近所挨拶に贈るという「おいり」が飾られていました。
夕刻になり高松港へ向かいました。港に近いエリアには瀬戸芸の野外アート展示があり、作品を見る人がカメラを持ってアートの前でお互いに撮影し合っていました。
この日は夕方近くに見事な夕焼けとなり、ピンクに染まった海の中をフェリーが行き来するという、絶景を見ることができました。
サンポート高松の防波堤の先端位置には、美しく芸術的なガラスの灯台が。「せとしるべ」という愛称の、総ガラスでできた珍しい灯台です。ガラスそのものが赤いのですが、暗くなっていくとその赤い色が光となって放たれ、暗い海の中でより一層幻想的な雰囲気をかもし出します。
市の中心地には「香川県立ミュージアム」や「高松市美術館」などの施設もあります。徒歩圏内でアートを気軽に、そして十分に楽しめるのが高松の魅力ですね。

後編はこちら

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