小豆島を代表する特産物が、和食に欠かせない調味料である「醤油」と、美と健康に効果的な油として人気が高まっている「オリーブオイル」。小豆島の醤油は、現代では珍しい木桶を使った昔ながらの製法でつくられ、約400年以上の歴史があります。また、日本ではじめてオリーブの栽培が成功した土地・小豆島でつくられるオリーブオイルは、約100年以上の歴史があります。
醤油とオリーブオイルは、どちらも日常でよく使うものでありながら、その本当の美味しさや活用法を知る機会はなかなかないもの。そこで今回は、小豆島で生まれ育った醤油&オリーブオイルソムリエが、ふたつの調味料をめぐる美味しい癒し旅をご案内します。
文・黒島慶子
創業は江戸時代。老舗醤油蔵で知る、醤油の美味しい歴史
ヤマロク醤油
まずご紹介するのは、醤油蔵「ヤマロク醤油」。島の南東、小豆島お遍路八十八ヶ所霊場の十三番札所、栄光寺から徒歩2分。趣ある石垣に沿った、入り組んだ細い道の先に蔵があります。奥まった場所にある蔵元ながら、全国に多くの熱いファンを持ち、年間約3万人以上が見学に訪れます。
すべて国産の大豆と小麦を使用しているヤマロク醤油の醤油は、まろやかで旨み成分が強く、醤油だけでご飯が進みそうな深い味わい。また、醤油を仕込む容器は、いまでは希少になった伝統ある「木桶」。蔵人(くらびと。醸造物づくりに携わる人)みずからつくり上げた木桶も活躍中です。
蔵は年中無休で開いているので、営業時間内であれば予約なしで訪ねても、「こんにちは。見学ですか?」と蔵人が迎え入れ、案内してくれます。登録有形文化財に指定された歴史ある蔵のなかには木桶がずらり。奥ゆかしい醤油の香りに包まれた空間は、どこか神秘的な雰囲気があります。
木桶にびっしりとついている微生物のおかげで、ヤマロク醤油ならではのまろやかで深い味わいがつくり出せること、木桶がなくなればその味の再現が不可能なこと……。蔵人から聞く醤油づくりにまつわるお話は学びが多く、これまでの「醤油」のつくり方に対する概念がガラリと変わります。
見学が終わったら、オープンカフェ「ヤマロク茶屋」で一服。醤油の味と香りを楽しめるメニューが豊富にそろい、醤油プリンや醤油アイスなどのオリジナルスイーツや、卵かけご飯、炒めた人参や鶏肉などを醤油で煮込んでご飯とかき混ぜて食べる島の郷土料理「かき混ぜ」などの軽食を楽しむことができます。
看板商品は、約4年の歳月をかけてつくった、まろやかで濃厚な醤油「鶴醤」。濃厚でコクのある、深い味わいです。脂ののったお刺身に添えたり、はたまたバニラアイスにかけたりしてみても美味しいですよ!
ヤマロク醤油 | ||
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営業時間 | : | 9:00~17:00 |
定休日 | : | 年中無休 |
web | : | http://yama-roku.net |
住所 | : | 香川県小豆島町安田甲1607 |
自然に優しいオリーブ農園で、最高峰のオリーブオイルをお土産に
i’s Life(イズライフ)
続いて紹介するのは、オリーブ農園「i’s Life(イズライフ)」。園主である堤祐也さんは大阪出身で、ユーモアのセンスと丁寧で真面目な性格を兼ね備えた、親しみやすいキャラクター。事前に連絡し、堤さんの都合が合えば、農園内にあるオリーブの樹木やレモンの畑などが見学できます。
オリーブ農園では、「オリーブを育ててくれる小豆島の大地にダメージを与えたくない」という思いから、除草剤は使いません。ときには野ウサギやリスもやってくる、環境に優しいこの農園は、思わずのんびりと昼寝をしたくなるような心地良さがあります。
農園から車で15分のショップには、農園で採れたオリーブを使ったオリーブオイルのほか、小豆島でつくられた塩やお米などの食材、オリーブオイルソムリエでもある園主がセレクトした品質の良い海外産のオリーブオイルが並びます。
特に人気の自社商品である「グリーンレモンオリーブオイル」は、無農薬で育てた熟す前のレモンとオリーブから採油してつくられた、爽やかなレモンの風味が活きたオイルです。権威あるオリーブオイルコンテスト『ロサンゼルス国際エキストラヴァージンオリーブオイル品評会 2015』で、最高賞の「ベストオブ・クラス」にノミネートされたこともあるこの商品は、すぐに完売してしまうので、見かけたら即購入がおすすめ!
i’s Life(イズライフ) | ||
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営業時間 | : | 10:00~17:00 |
定休日 | : | 月曜 |
web | : | http://islife-olive.com |
住所 | : | 香川県土庄町渕崎1956-1 |
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