※1香港ドル=約19.7円(2025年2月時点)
香港旅行が便利になる「オクトパス」とは?

「オクトパス(Octopus)」は現地では「八達通(バッダットン)」と呼ばれ、香港のMTR(地下鉄)・バス・トラム・スターフェリーといった公共交通機関などで利用できる交通系ICカード。日本でいえばSuicaに似ており、切符の購入が不要でワンタッチで乗り降りできます。さらに、通常の切符購入より安くなるという特典も。
また交通機関以外にも、コンビニやスーパーなどの買い物でも利用可能。編集部が実際に香港で使用したときは、飲食店、洋服店、カフェ、香港ディズニーランドなどオクトパスが使えないお店はありませんでした。そのくらい香港では普及しています。
現在はiPhoneのアプリによるタッチ決済と、カードを発行する2パターンがあり、iPhone以外のユーザーの場合はカードの作成が必要です。
オクトパスの使い方
ここからは、iPhoneのアプリでの利用方法と、カードを作る場合の2パターンを説明します。
iPhoneの場合
まずはiPhoneのアプリの使い方を説明します。アプリの場合、チャージから決済まですべてをスマホ上で完結できるため、完全キャッシュレスが叶うのがうれしいポイント。財布を出す必要もないので、防犯の上でも安心です。
また、日本で事前に設定できるので、出発前にインストールから初期設定まで完了しておくのがおすすめです。
〈オクトパスアプリの設定の流れ〉
1. Octopus for Touristsアプリをダウンロード(出発前)
2. Apple IDでサインイン(出発前)
3.「Add New Octopus」で「Adult」を選択(出発前)
4. チャージ金額を設定する(出発前)
5. 支払い方法を設定する(出発前)
6. エクスプレスカード設定をする(現地到着後)
1. Octopus for Touristsアプリをダウンロード(出発前)

アプリダウンロードはこちら
まずは、「Octopus for Tourtists」のアプリをダウンロードします。App Storeで検索すると、「Octopus for Tourtists」のほかに、現地在住の人向けの「Octopus」と、カードを利用して商売をする人向けの「Octopus for Business」の3つが表示されますが、旅行者の場合は必ず「Octopus for Tourists」を選択してください。なおAndroidは、現地在住の人向けのアプリしかないため、利用できないのでご注意を。
2. Apple IDでサインイン(出発前)
インストールが完了したら、アプリを起動。「Sign in with Apple」をタップ。
使用するApple IDを選択してログインします。
3.「Add New Octopus」で「Adult」を選択(出発前)
ログイン後に新規オクトパス「Add New Octopus」かカードタイプのオクトパスをアプリに引き継ぐ「Transfer Physical Octopus Card」を選ぶ画面が出てきます。今回はアプリで使用するオクトパスを新たに追加するので、「Add New Octopus」を選択。「Terms and Conditions(利用規約)」にチェックを入れ、「Next」をタップします。
4. チャージ金額を設定する(出発前)
次の購入画面で、初期チャージ金額(Top Up Amount)を設定します。チャージは最低100HKD(日本円で約1,970円)からで、そのほか50HKD(日本円で約985円)のデポジットがかかります。
5. 支払い方法を設定する(出発前)
続いては支払い方法(Payment Method)を選びます。支払いは、Apple Pay経由になるため、支払いに使うクレジットカードのブランドを選択してください。
支払い通貨(Payment Currency)はJPY(日本円)を選択してください。
すべて入力したら一番下のボタンをタップ。
支払い用カードを確認して、サイドボタンを押して承認します。問題なく決済されたらアプリでの設定は完了です。
香港に着いてからチャージできますが、編集部の実体験では、現地でチャージしようとしたところ、カード会社のセキュリティにより不正利用と検知されたことがありました。せっかく使おうと思ったのに香港でチャージできない恐れもあるので、できるだけ日本にいるうちに利用予定の金額をチャージしておくか、クレジットカードを複数枚持っている人は携帯しておくと安心です。
ここまで完了したら、アプリを開くとオクトパスカードのタッチ決済が使えるようになります。
6. エクスプレスカード設定をする(現地到着後)
最後に、iPhoneのウォレットアプリでエクスプレスカードの設定をします。この設定をすると、アプリを開かずiPhoneをタッチするだけで自動改札を通過できるようになります。
ウォレットアプリを開いてオクトパスカードが追加されているかを確認します。
追加されているのが確認できたら、iPhoneの「設定」から「ウォレットとApple Pay」をタップします。
支払い用カードに表示される「Octopus」を選び、スクロールして「エクスプレスカード」をタップします。
「Octopus」にスイッチを入れて設定は完了です。
ただし、日本にいるうちにエクスプレスカード設定をしてしまうと、日本でもオクトパスが最優先で起動してしまうので、香港到着前に設定するのがおすすめです。
カードを作る場合

次にカードタイプのオクトパスカードを作る場合の説明をします。iPhone以外のAndroidなどの端末を使用している人は、アプリの利用ができないので、カードを購入する必要があります。
〈オクトパスカード発行の流れ〉
1. 駅のカスタマーセンターや自動券売機などを探す
2. カード料金を支払う
3. チャージをする
1. 駅のカスタマーセンターや自動券売機などを探す

香港のMTR(地下鉄)のカスタマーセンター
iStock/Prih Haryanta
まずは、駅のカスタマーセンターや自動券売機などでオクトパスのカードを購入します。香港国際空港でも買えるので、到着してすぐに使いたい人は、オクトパスカードの自動販売機の場所を目指してください。
2.カード料金を支払う
購入する際に150HKD(約2,955円)を支払えば、100HKD(日本円で約1,970円)がチャージされた状態で手渡されます。自動券売機で購入する際は、クレジットカードの利用が可能です。
3. チャージをする

iStock/winhorse
券売機やコンビニでチャージする場合は、現金しか使えないので注意が必要です。カードタイプのオクトパスを利用する場合は、現金を用意してください。
オクトパスのメリット
実際、香港でオクトパスを利用するとどんなメリットがあるのか、アプリとカード、それぞれの利用面からご紹介します。
【アプリ】支払い・チャージの完全キャッシュレスが可能になる

iStock/SeventyFour
アプリをタッチするだけで支払いができ、さらにチャージもアプリ内で完了するので、完全キャッシュレスが可能になります。編集部は、3泊4日の香港旅行で、現金を一切用意せず過ごすことができました! さらに、支払いの際は、アプリを表示した画面を見せるだけでOK。言語面という海外ならではの不安も軽減されるのは、心強いポイントです。
【アプリ】使った額が瞬時にわかる
アプリの場合、使った金額が即座に通知されます。利用履歴も確認できるので、いつどこでいくら使ったか把握できるのはアプリだからこそのメリットといえるでしょう。
【アプリ・カード共通】切符の購入が不要になる
アプリもカードも共通ですが、オクトパスにチャージすることで切符の購入が不要になります。慣れない海外で自分が移動する区間の運賃を調べて券売機で買うのは面倒なもの。それがiPhoneまたはカードをタッチするだけでOKなので、使わない手はありません。
【アプリ・カード共通】MTR(地下鉄)を割引運賃で乗車できる

iStock/josephmok
香港を走るMTR(地下鉄)を割引運賃で乗車できることもメリットのひとつ。片道乗車券よりも1割程度運賃が割引されるのでおトクに乗車できます。
オクトパスの注意点
便利でおトクなオクトパスですが、注意点もいくつかあります。おさえておきたいポイントを利用前に確認しておきましょう。
【アプリ】iPhoneしか対応していない(2025年2月現在)
2025年2月現在では、旅行者用のオクトパスアプリ「Octopus for Tourtists」はiPhoneのみの対応となっています。Androidは現地在住の人だけが使える「Octopus」しかないためご注意ください。
【カード】券売機やコンビニでチャージする場合は現金が必要
駅などにある券売機やコンビニでチャージする場合、クレジットカードは利用できません。チャージは現金のみとなるので用意しておくと安心です。
【アプリ・カード共通】タクシーで利用できない場合がある

香港のタクシーは、オクトパスやクレジットカードに対応していないことがあります。タクシーの利用を考えている人は現金を用意するか、乗車前に支払い方法を確認するのが安心です。
【アプリ・カード共通】払い戻しをする際は時間がかかる
アプリもカードも残金の払い戻しは可能ですが、アプリの場合は返金に時間がかかります。チャージしてから3カ月以内の残金の場合、11HKD(日本円で約217円)の手数料がかかりますが、それ以降だと手数料が無料です。急ぎでなければ3カ月以降に返金するのをおすすめします。残金以外にもデポジット分の50HKD(日本円で約985円)も戻ってきます。
カードの場合は地下鉄のカウンターや空港での払い戻しが可能です。その場合は現金での返金となります。
【アプリ・カード共通】3年以上利用していないと無効化される
アプリもカードも3年以上の利用がないと無効化されてしまいます。残金の返金もできなくなってしまうので、3年以内に香港に行く予定がなさそうな場合は、カードは帰国時に、アプリの場合は3カ月後に返金処理をするのがよさそうです。
オクトパスを賢く使ってスムーズな旅を
香港旅行には必ず持っておきたい「オクトパス」。アプリならスマホひとつで交通費やショッピングの支払い、残高のチャージまで完了してしまう便利なツールです。香港旅行に行く際は、オクトパスを賢く使って旅を楽しんでください!
オクトパス(八達通)
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