韓国でタクシーを利用したくても、言葉の壁や安全面が心配という人も多いはず。この記事では、韓国タクシーの種類や料金、配車アプリの使い方から注意点までを解説! 韓国旅行に役立つ韓国のタクシー情報を紹介します。
※金額は2024年9月時点のレートを参考にしています。
韓国のタクシー事情
まずは、韓国のタクシー事情をご紹介。日本とは異なり、韓国のタクシーは主に3種類のタイプがあり、選ぶタクシーによって特徴や初乗り料金なども違います。
一般タクシー:気軽に使える定番のタクシー
一般タクシーは、街中を一番多く走っているタクシー。屋根に「TAXI」や「서울(ソウル)」などと書かれた表示灯と、黄色のナンバープレートを付けているのが特徴で、車体の色はオレンジ、シルバー、ホワイトの3色があります。車体の色によってそれぞれ種類が変わります。
- オレンジ、シルバー:タクシー会社所属のタクシー
- ホワイト:個人タクシー
タクシー会社に所属しているタクシーを使いたい場合は、オレンジやシルバーのタクシーを選べばOKです。
一般タクシーの初乗り料金は3種類のタクシーの中で一番安く、地域によって異なりますが、ソウルの場合は4,800ウォン(日本円で約513円)。走行距離が2kmを超えると加算され、通常130~150m移動すると100ウォン(日本円で約11円)加算されます。
模範タクシー:ワンランク上の快適な移動体験
模範タクシーは、ドライバー歴10年以上でさらに無事故のタクシー。使用している車には、「모법(模範)」の記載があるのが特徴で、多くは黒い車体の高級車を使用し、金色のラインが入っています。
10年以上のキャリアがあるベテラン運転手ということもあり、運転やサービスには定評があるので、韓国旅行が初めてという方は、一般よりも模範タクシーを利用する方が安心でしょう。
初乗り料金は、ソウルの場合は3kmまで7,000ウォン(日本円で約758円)、151mあたり200ウォン(日本円で約22円)の加算運賃と、一般タクシーよりも高く設定されています。また、運営会社によって料金が異なるので注意しましょう。
インターナショナルタクシー:言葉の心配無用!日本語対応可能なタクシー
言語に不安があるなら、インターナショナルタクシーを使うのがおすすめです。2008年にソウル特別市が導入したサービスで、英語や中国語など外国語での対応が可能なドライバーが乗務しており、日本語の対応も可能。
ただし、利用する際は、24時間前までにwebまたはEメール、コールセンターを通じて予約する必要があります。事前にチェックして予約しておきましょう。
先述した一般タクシーと模範タクシーの中にもインターナショナルタクシーが含まれています。一般タクシーの場合は基本料金が少し高く設定されていますが、模範タクシーは通常の模範タクシーと同じ料金で利用できます。空港とソウル市街地など、料金が定額の区間もあるので確認してみてください。
インターナショナルタクシー
web | : | インターナショナルタクシー 公式サイト(外国語サイト) |
---|---|---|
予約Eメール | : | reserve@intltaxi.co.kr |
コールセンター | : | 1644-2255 |
韓国タクシーを利用するには?
では、実際に韓国のタクシーを利用する場合は、どのようにしたら良いのでしょうか? 一般的な流しのタクシーを捕まえる以外にもアプリを利用する方法など、いくつかご紹介します。
流しのタクシーを捕まえる
最も一般的なのは、道路を走っている流しのタクシーを捕まえる方法。車通りの多い道路などで、「빈차(空車)」のマークが出ているタクシーに手を挙げて止まってもらいます。ただし、混雑している夜の時間帯などはなかなか捕まえられないことがあります。
また、明洞や東大門などの観光地から乗車する場合は、“ぼったくりタクシー”に気をつけたいところ。特に、地下鉄やバスの終電が終わった深夜の時間帯は出没率が高くなります。昼間の時間帯でもぼったくりタクシーに遭遇する可能性はゼロではないので、観光地からの移動は公共交通機関を使う方が安心です。
タクシーを捕まえたら、ドアを開けて乗り込むか、ドライバーに行き先を告げます。韓国のタクシーのドアは手動です。ドアが開くのを待っていると乗車する意思がないと判断されてしまうので、すぐにドアを開けましょう。
タクシー乗り場を利用する
空港や駅、ホテルなどにあるタクシー乗り場を利用する方法もあります。流しのタクシーを捕まえるよりは簡単で確実にタクシーを見つけることができます。ホテルの場合は、コンシェルジュに頼めば、タクシーを呼んでくれる場合もあります。
配車アプリを使う
昨今の韓国では、配車アプリを使うのが主流になってきています。アプリが普及したことで、予約車(「예약(予約)」と表示されたタクシー)が多くなり、流しのタクシーを捕まえることが難しいことも。
配車アプリのメリットとしては、乗車する前に料金がわかり、支払い方法も現金以外に、クレジットカードやT-Money(韓国の交通系ICカード)など幅広く対応していることでしょう。
事前にアプリに登録さえしてしまえば、現地ではアプリを用いて配車するだけなので、タクシーの利用が断然楽になります。
また「韓国語ができないので難しそう」と思う方もいるかもしれませんが、韓国語ができなくても利用できるアプリもあるので安心してください。
知ると便利!韓国旅行でおすすめの配車アプリ「カカオタクシー(Kakao T)」
ここでは実際に日本語で利用できる配車アプリをご紹介。それが、韓国で最も普及している配車アプリ「カカオタクシー(Kakao T)」です。
「カカオタクシー」とは?
カカオタクシーは、チャットツール「カカオトーク」を展開している「カカオ」の子会社の「カカオモビリティ」が運営しており、韓国のタクシードライバーの80%以上がカカオタクシーを取り入れているといわれています。
アプリを使用すれば配車から支払いまで簡単でスムーズになるのがメリット。そんな便利なカカオタクシーの使い方を紹介していきます!
「カカオタクシー」の登録・使用方法
まずは、初めて利用する際の配車までの手順を紹介します。
初期設定には電話番号での認証が必要なので、韓国旅行前にインストールして設定しておくのがベストです。
〈カカオタクシーを初めて利用する流れ〉
1. アプリをダウンロードする(渡航前)
2. カカオアカウントを登録する(渡航前)
3. タクシーを配車する(現地到着後)
4. 支払いをする(現地到着後)
カカオタクシーのダウンロードはこちら
Google Play / App Store
まずは「カカオタクシー」のアプリをダウンロードしましょう。ダウンロードは無料です。アプリ自体は韓国語表記になっていますが、操作は日本語でできるのでご安心を。「カカオタクシー」で検索すると表示されます。
ダウンロードが終わったらアプリを開きます。配車の際に位置情報を使用しますので、位置情報はオンにしてください。
次に、「カカオアカウントで始める」をタップします。使用には「カカオアカウント」が必要ですが、持っている人も持っていない人も、「カカオアカウントで始める」からスタートしてください。
カカオアカウントを持っていない人はログイン画面の左下にある「新規登録」をタップしましょう。すでにアカウントを持っている人は、登録時の情報(カカオメールID・Eメール・電話番号のいずれか)とパスワードを入力し、ログインしてください。
カカオのメールアドレスを持っていない場合は、カカオドメインのメールアドレスを作成する必要があるので、「新しいメールが必要です」を選択します。
「すべて同意する」にチェックを入れて、一番下の「同意して進む」ボタンをタップ。
電話番号の認証を行います。国番号のリストから日本の「+81」を選び、最初の「0」を抜いた番号を入力し、「認証する」をタップします。
「カカオアカウント」で使用する「カカオメール」を作成し、「次へ」ボタンをタップ。カカオメールの確認はカカオタクシーを利用するにあたっては不要なので、別途メール用のアプリなどをインストールする必要はありません。
メールを作成したら、パスワードを設定します。パスワードは8~32桁のアルファベット(大文字・小文字)、数字、記号の組み合わせを入力し、「次へ」をタップします。
次にプロフィールを設定していきます。すべて入力したら「確認」ボタンをタップしましょう。
「カカオアカウントの登録が完了しました」と表示されたらアカウント作成は完了です。「始める」をタップして次に進みましょう。
次に、再び電話番号の認証画面が出てくるので、同様に「+81」の日本の国番号を選び、頭の「0」を抜いた電話番号(10桁)を入力して「送信する」をタップします。
認証番号がSMSに届いたら、「次へ」に進みます。
決済情報を入力する画面が出てきたら、「スキップする」を選択し一度アプリのホーム画面に戻ってください。
ホーム画面が表示されたら、カカオタクシーへの登録は完了です!
次に、日本のクレジットカードの登録方法をご説明します。
右下の「マイ情報」から「決済手段の管理」を選択します。
次に「海外発行カード」を選択し、支払いに使うクレジットカードの情報を入力します。「クレジットカード」の表示もありますが、これは韓国で発行されたクレジットカードを指すため、日本のクレジットカードの場合は「海外発行カード」を選んでください。
カード情報を登録することで、アプリ内決済が可能になります。
ここからは「カカオタクシー」で配車する手順を紹介していきます。
ホーム画面から、左上の「タクシー」を選択します。
出発地を選択します。現在地にいる場合は地図から設定するのが一番楽ですが、文字入力からも乗車場所を設定することができます。入力は、韓国語か英語のみなので注意しましょう。
今回は「ソウル駅(Seoul Station・서울역)」を出発地に設定します。出発地の候補がたくさん出てくるので、この中から近いものを選びます。
次に目的地を設定します。今回は「明洞駅(Myeongdong Station・명동역)」を設定します。住所は韓国語で表示されるため、行き先の住所が正しいかどうか、事前に調べておくと安心です。
目的地のポイントが決まったら、「到着地に設定」を押します。
目的地を設定すると、出発地からのルートが表示されます。予想所要時間と予想料金が表示されるので、確認しましょう。今回は「一般タクシー」を選択します。ちなみに、アプリにクレジットカード情報を登録していない場合は「一般タクシー」のみ呼び出しが可能です。
「呼び出す」を押すと、配車が完了。近くにいるタクシーが配車されるので、タクシー運転手の顔と車のナンバー、何分ほどで到着するかを確認して、タクシーの到着を待ちます。
タクシーに乗り込んだ後は、通常の利用方法と同じです。目的地に着いたら配車アプリに表示された料金を支払えば完了です。
【よくある質問】韓国語がわからなくても使える?
カカオタクシーのアプリは、日本語にも対応しているため、韓国語がわからなくても大丈夫です。ただし、乗車場所と行き先の入力には日本語が使えないので、その点は要注意です。
また、英語や韓国語で住所を検索した場合は、その住所のスペルが間違っていないか、よく確認しましょう。間違えると違う場所で降車してしまい、旅行先で路頭に迷ってしまうなんてことも。配車する前にチェックすることをおすすめします。
【よくある質問】支払い方法は?
アプリにクレジットカード情報を登録している場合はアプリ内での決済が可能です。支払いにかかる時間や手間が省かれるので、最もスムーズといえるでしょう。
アプリ内での決済ができなくても、タクシーの車内で支払いが可能です。クレジットカード、T-Money、WOWPASS、現金での支払いができます。
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観光客向け配車アプリ「k.ride」も登場!
カカオタクシーを運営する「カカオモビリティ」は、外国人観光客向けの配車アプリ「k.ride」をリリース。カカオアカウントがなくてもGoogleまたはApple ID、Eメールからアカウント登録をすれば、利用できます。
カカオタクシーと異なるのは、日本語で目的地の検索ができることや翻訳機能を用いてドライバーと日本語でチャットができること。言語やドライバーとのコミュニケーションが心配な人も安心して利用できそうです。
支払いはカカオタクシーと同様で、タクシー料金が会員登録時に入力したクレジットカードで自動的に決済されます。気になる方はこちらからダウンロードしてみてください。
k.rideのダウンロードはこちら
Google Play / App Store
韓国でタクシーを利用する際の注意点
韓国でタクシー乗車するにあたって、いくつか注意点もあります。事前にポイントを確認しておくと安心です。
ぼったくりや違法タクシーに注意が必要
韓国には、観光客を狙ったぼったくりタクシーが存在するので、見極めることが重要です。大型タクシーによく似た外見の黒い「コールバン」という車は、メーターの設置がなく、料金を交渉で決める違法のタクシーです。
ぼったくりや違法タクシーは、多くの人がタクシーを利用する深夜の時間帯や、コンサート終演後の会場周辺、観光地など、観光客を捕まえやすい場所に出没します。
基本的に、大型のタクシーは流しをすることはないので、そのようなタクシーを見つけた場合は「コールバン」だと思った方がいいでしょう。また、客引きしてきたり、値段交渉をしてきたりするタクシーは拒否した方が懸命です。
ぼったくりに関しても、出発する際にメーターを回すかどうかしっかり確認しましょう。
メーターを使用せず値段を交渉してくるドライバーがいたら、ぼったくりの可能性が高めです。乗車中に怪しいと感じた場合は、運転席の横にある運転手の証明証を撮影、または下車後に車のナンバーを控えるのをおすすめします。
実際にトラブルが発生した場合は、できるだけ人通りの多い場所で降車し、警察(112番)または韓国観光公社 観光苦情申告センター(1330番)に連絡しましょう。その際、車のナンバーや領収書など、証拠となる情報を提供すると役に立ちます。
乗車拒否される可能性もある
「せっかくタクシーを捕まえたのに、行き先を告げたら断られた……」という経験をすることがあるかもしれません。理由は一概にはいえませんが、目的地のルートが進行方向と反対だった、遠回りをしないといけないなどが多いようです。
乗車を拒否された場合は、交差点の少し手前にするなど拾う場所を少し変えてみると、乗車拒否を避けることもできるので、工夫してみてください。
それでもなかなか捕まらず、乗車拒否を繰り返されてしまう場合は、タクシー乗り場の利用や、ホテルのコンシェルジュの力を借りてもいいかもしれません。
ドアの開閉は手動で行う
韓国のタクシーのドアは、日本のタクシーとは異なり手動です。日本と同じ感覚でドアが開くのを待っていると、乗車する意思がないと思われてせっかく捕まえたタクシーを逃してしまう場合があります。タクシーを捕まえたら自分でドアを開けて乗り込むようにしましょう。
小銭のお釣りがないこともある
実は、韓国はクレジットカード社会。タクシーもクレジットカードで支払うことが多く、ドライバーが小銭を持っていないことも。タクシーに乗る際は、あらかじめ小額紙幣の1,000ウォン札・5,000ウォン札を用意しておくと安心です。
細かい現金のやり取りに不安がある方は、できるだけクレジットカードか、T-Money、WOWPASSなどのキャッシュレス払いをおすすめします。
深夜・早朝はタクシー不足になることも
ソウルでは、金曜日、土曜日の深夜と早朝はタクシーを利用する人が多くかなり混雑します。そのため、待てども待てどもタクシーが捕まらない……なんてことも考えられます。さらに、やっと捕まえたと思っても近距離だと乗車拒否される場合もあります。
特に、流しのタクシーは競争率も高く、なかなか捕まらないことも。そんな時こそ「カカオタクシー」などの配車アプリを上手に使いましょう。
深夜・早朝は料金が変わることもある
午後10時から午前4時までは深夜・早朝の時間帯で、割増料金がかかります。一般タクシー・模範タクシーに関わらず、通常よりも20~40%割増になるので、注意が必要です。
ツールを用いてタクシーを上手に利用しよう
旅行中は上手に使いたいタクシー。時間が限られた旅行中は、少しでも楽をしたいものです。この記事を参考に、韓国のタクシー事情を知って、配車アプリを使うなど自分の乗りやすい方法を選んで活用してください!
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